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#1 アルコール依存症のはなし 前編  〜「好き」が「やめられない」に変わるとき
2026-03-11 21:07

#1 アルコール依存症のはなし 前編  〜「好き」が「やめられない」に変わるとき

【メンタルヘルスシリーズ#1】アルコール依存症

「お酒、好きですか?」わたしたちは、大好きです。

でも——その大好きなお酒が、ある日「やめられないもの」に変わってしまうとしたら?

記念すべき第1回のテーマは「アルコール依存症」。精神科医の島田先生と、症状・サイン・診断・治療まで、正面から語りました。

「飲み続ければお酒に強くなる」——この"常識"、実は…?

お酒が好きな人こそ、聴いてみてください。


感想

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00:02
雑食日和。
先生、昨日何飲んだ?
昨日は、赤ワインを少々。
少々というと?
まあ、だいたいグラス1杯ぐらい。
夜中?
だね。
深夜?
ちょっと寝る前に、まあ、1杯だけと思って。
寝つきは変わる?
ちょっとそれで眠くなるのは、確かかな。
週、どれぐらい飲んだ?
えっとね、あんまりこう、毎日とかじゃ全然なくて、
本当に何かあったときだけ飲むって感じかな。
昨日何かあった?
昨日は、ワインが届いた。
え、どこから?
えっとね、今定期瓶でワインを購入してて、
月に1回それが届く日があるんだけど。
え、国は?
昨日のはイタリア。
イタリア以外はいろいろ飲んでる?
ああ、そうだね、もう本当そのときの気分によってって感じだし、
品種も国もバラバラ。
気分ってどんな感じで変わるもんな?
ああ、なるほど。
まあ、えっと一つは何の料理と一緒に食べるか。
ああ、そうかそうか。
へえ。
それによって結構、産地とか赤とか白とか変えてるの?
そうだね、まあ、俺もそんな詳しいわけじゃないから、
分かんないとこ多いんだけど、
でもまあ大体その赤白とかその軽め重めとかは食材で、
大体これはこういうのが合うみたいな、
まあ定番の組み合わせとかがあったりするから。
へえ、なるほどね。
なんか先生、アルコールとの付き合いでいくと日頃飲むだけじゃなくて、
それこそ精神科医として患者さんも見てきたと思うんだけど、
今日はそのあたりの話をじっくり聞かせてもらえればなと思っています。
はい。
で、なんかそもそもでいくと、アルコール依存症ってどんな病気なの?
アルコール依存症、まあ名前はよく聞くと思うけど、
なかなかイメージ湧きづらいよね。
一応アルコールっていうのも一つの精神作用物質って言われてて、
それに対しての精神的・身体的な依存ができてしまうっていうのが、
簡単な言い方にはなっちゃうんだけど。
なるほど。精神的依存と身体的?
うん。
この二つってどう違う?
そうだよね。なかなかね、いきなり言われてもって感じだよね。
一応精神的な依存っていうのは、
一つはお酒飲みたくてしょうがないっていう気持ちがすごく強くなって、
03:00
例えば他のやらなきゃいけないことよりも何よりも優先しちゃうとか、
そういうのが出たり、
あとお酒を飲み始めたらやめられないとか。
ああ、想像つくね。なるほど。
そういうのが症状として、そういうコントロールができないっていうのが。
先生、これまでアルコール依存症の患者さんって何年ぐらい見てきた?
そうだね、こう考えるとだいぶ10年以上は。
へえ。かなり長くない?
そうだね、今自分で思い出してて、意外に長いなって思っちゃった。
これ、さっきの話と関連するんだけど、いろんな依存症ってあるじゃない?
アルコール依存症が何が他と違うところとか、特殊な部分って何なの?
一つ他と違うので大きいところは、
自分だけじゃなくて、他の人とかに結構大きく迷惑かけちゃうことが多くなるっていうのが一つ。
あとは、やっぱり物を手に入れるアクセスがすごくいい。
だから誰でも買えちゃうし、どこでも手に入っちゃうっていうのが一つポイントかな。
確かに、すごい想像つく。
これ、どんなサインが出ると、もしかするとアルコール依存症なのかもっていうところってあったりする?
そうだね、さっき言ったような、もちろんコントロールできないとか、他のことをおろそかになるっていうのもそうだけど、
その他で言うと、例えばお酒飲んでちょっとした後にすごい大量に汗をかいちゃうとか、
それとか、わかりやすいので言うと、やっぱりお酒が飲んでしばらく時間経った後に手が震えてきちゃうとか、そういうのもあるし、
あと、ちょっと怪しいかなっていうので言うと、やっぱり睡眠があんま取れなくなる、不眠?
これが結構強くなってるっていう時とかは、もしかするとお酒の影響っていうのもあるかもしれないなって思っちゃうね。
なるほど。
そうかそうか、なんか全部想像つくというか、身近なところでイメージが湧きやすいかなというところかね。
これ先生、たぶんこれまでいろんな患者さん見てきたと思うけど、
この頭の中に明確に残ってるというか、炎症深いエピソードをいくつか教えてもらえると。
そうだね、なんか結構いろんな人が今バッと浮かぶなって感じがするんだけど、
お一人今ちょっと思いついた方だったら、小人が見えるっていうふうにおっしゃってた方がいて、
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その方もちょっと入院してこられて、それでちょっとお部屋で少しお話ししてた時に、
どうも部屋の隅っこの方を指差して、小声で内緒話する感じで、僕の方に話ししてきてくれて、
何かなと思って聞いたら、先生見えるって言ったら、あそこの方にいる、あっちの方にいる小人がさっきからずっと俺んとこ見てきてんだよって。
で、あいつらじーっと見てくるけど何にもしゃべんねえんだって言って、なんか不気味な奴らだみたいな感じで。
他にもその小人が、しかも実はその小人っていうのが、四国のとある島で、
強制労働に従事させられてるんだっていうようなこととかも、もう真に迫る感じでおっしゃってて。
すごくそれはご本人さんにとってはもう本当に思ってることだから。
なるほどね。
誰にも言っちゃいけないんだよっていう形で。
それも本人は見えてるんだよね。
うん。本人はもう明確に見えてるんだと思う。
もちろんその空間には何も存在してないんだけど。
そうだよね。
症状ってそれ医学的なんていうの?
それはやっぱり原子っていう症状。
原子。
幻が見えるって書いて原子。
なるほどね。幻聴とかの。
そうだね。そうそう。
あんまり聞き慣れない言葉であるけど。
だよね。珍しいよね。あんまり言わないもんね。
原子っていうその症状。
が一つ出てて、
で、トータルとしてはやっぱりアルコールが体内から抜けていく過程で生じる離脱線網っていう。
離脱線網。
そういう症状があって、それの中の一部として生じてるのかなっていう。
なるほどね。
他にもこんな症状が出てた人とかある?
そうだね。他の方で言うと、例えば神経障害っていうのがあったりして、
アルコール自体にも毒性があって、
それが末小神経の方に行くと、
手先とか足先がすごい痺れる感じになってしまって、
なので、例えばずっと普通に歩いて外来とか来られてた方とかでも、
だんだんその症状がひどくなっていって、
で、ちょっと松葉杖とかついてじゃないと歩けないとかなってしまったり。
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なるほどね。
なんか震えはイメージがつくんだけど、しびれがある。
そうだね。
また震えの症状は手指心線って言ったりもするんだけど、
それとはまた別個に。
別のものなんだ。
なるほどね。
これなんか素人的な質問になるかもしれないけど、合併症って多い?
すっごく多いね。
どんなのがある?
例えば、それこそ精神的なもので言ったら、
例えば鬱病だとか、そういうのも気分障害って言ったりする。
そういう気持ちの浮き沈みとかにすごく関係してくると言われたりしてるし、
体の方で言ったりしても、
例えばさっき言ったようなアルコール性神経障害っていうのもあるし、
あと肝臓の障害とかはすごくイメージが湧きやすいかなとは思うけど。
確かにね。セットだよね、確かに。
それ以外にも、お酒の通り道のガン、口の中の口空ガンとか、
口空ガン?
食道ガンも当然そうだし、胃ガンでもそうだし、
確かに。
そういうところのガンが起きてくるようになったり、
他にもちょっとマイナーな、ウェルニッケ脳症っていうものとか、
コレサコフ症候群とか、ちょっと聞き慣れないものも。
そうだね。
そうだね。
これテストで出るの?
確かに。医学部の試験だったら出るかもしれない。
なるほど。
いろんな合併症があるというところで、
これ全然話しかあるかもしれないけど、
よく飲めば鍛えられるよっていう昭和的なエピソード。
今は聞かないけど、たまに言ったりする人いるじゃん。
あれ本当なの?
あるね。
なるほど。
そうだね、これは実は強くなることはあります。
言い切っていいの?
そうなんだ。本当なの?
可能性としてはある。
可能性としてはある。
もちろん、とは言っても、基本的には遺伝で強さって決まってる。
やはり。
だから、その遺伝子を覆すほどに強くなるとかってことはないだろうけど、
耐性がつくっていう言い方をしたり。
耐性がつく。
酒の分解する能力っていうのが、体が対応しようとして上がってはくるんだけれども、
そうなんだ。
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ただ、同時にその耐性がつくっていうのは、アルコール依存症へ進んでいってる。
そうだね。
それの一つでもあるね。
なるほどね。
分解する、アルコールを分解する力が強くなるっていうこと?
そうだね。一つには、そういった別の経路が発達して分解する能力が少し上がるっていうのもあって。
もう一つ、耐性との話でいくと、同じ量じゃ同じ効果を得られなくなっていくっていうような。
ちょっとの量で少し気持ちよくなってたら、それが得られなくなったりとか。
同じ気分よくなるために、前よりも多い量を必要とする。
そういうのが耐性かな。
さっき遺伝の話が出てきたけど、どういうメカニズムがある?
なるほど。
遺伝子の中にアルデヒド脱水素酵素二型っていうのがあって。
もう一回噛まずに。
言えるかな。アルデヒド脱水素酵素二型。
めちゃくちゃ言えるな、すら。
っていうのがあって、これを父方母方から一つずつ受け継いで、それがツインになる。
なるほど。
なので理論上、飲める遺伝子と飲める遺伝子を受け継ぐ場合と、飲める遺伝子と飲めない遺伝子を受け継ぐ場合と、飲めない遺伝子と飲めない遺伝子っていうパターンが存在し得るんだけど。
なので、そういうふうに基本的にもともと決まっちゃってるから、それこそ飲んで鍛えるなんていうのは、とても危険なことで。
一定そういう人もいるかもしれないし、一理あるんだが、基本的には遺伝でおよそ決まってるっていう。
そうだね、もう大部分はそれで決まっちゃってて。
とはいえ、人間の体の代謝経路っていうのがあるから、メインに対してのサブの経路として発達することはあるかなっていう。
なるほどね。
その一方で、アルコールと人類の歴史ってすごく長いわけじゃない?
どれぐらいか知らないんだけど、何千年の少なくとも歴史があると思うんだけど、
それほど密に人類に良い影響を与えてたってことなんだって、きっとね。
そうだね、本当に。そこはもうお酒の口罪というか。
そうだよね。
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紀元前。
そうだね、紀元前。だいたい何千年くらい前、ジョージアの方でワインが最初にできたっていうふうには言われてるかな。
それは最初に何かしら誰かが意図的に作ったってことね。
なるほど。
見つけたみたいな。
もしかしたら偶然の産物の可能性もあるかもしれないね。
確かにね。
なかなか、たぶんぶどうだから、糖度的に壺とか入れて保存しとくと、それが発酵してっていうのが。
そうだね、あれなんかぶどうも、全然話かかるんだけど、お酒用のぶどうと僕らが食べるぶどうって違うんよね?
そうだね、もうまさにその通りで。
そうそう、お酒用のぶどうはまた別の品種で、一応種類っていうか。
なるほど、発酵しやすいとかで違うん?
あれは、でもそうだね、なんかはっきりとはちょっと僕も何とも言えないところがあるけど、でも食用の普通の甘いやつとかとまたちょっと別個の品種で。
まあそうだよね。ちょっとすみません、話が脱線したんだけど、このいろんな症状がさっき、ガッペーション含めて出てくると思うけど、
このサインが出たら病院に行ったほうがいいよっていうところがあれば教えてもらえれば。
さっきの、ちょっと繰り返しにもなっちゃうとこあるんだけど、やっぱり自分でうまくお酒コントロールできなくて、
それが何かしら周りの人間関係とか仕事とかにちょっと悪影響を及ぼしてるなっていう時とか、
あとはさっきのすごく汗かいちゃうとか、眠れないなとか、そういうのが出てきてる時とか、
そういう時は医療機関受診とか相談とかしてもらえるとありがたいなとは思う。
なるほどね。
聞いてるとすごく身近で、何なら何人か知り合いで顔が出てくる。
すごくそれぐらい、その人がアルコール依存症かは自分にはわからないけど、身近だなと思ってる。
そうだね、確かに診断を受けてはないだけで、すごく潜在的には多いと言われてる。
そうよね。
これ本人もそういった症状が出ると大変だと思うけど、周りにいる家族とかパートナーも結構いろいろ困るというか苦労するところがあると思うんだけど、
アルコール依存症になってる人にこれを言うとまずいとか、多分そういうのもあると思うんだけど、
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行動とか言ってはいけない言葉ってあったりする。
そうだね、すごく大事なことだと思うし。
身内でそういう方いたらやっぱり心配だし、いろいろ言いたくなったり気になることって多いと思うんだけど、
気をつけてほしいなって思うのは、あまり本人を強く責めるようなこととか、あとお説教というか、
あとすごい正論でも、例えばもうそんなのやめなさいとかも。
頭を離しながら。
そういうふうに言われると、伝えたい内容とか気持ちはすごいわかるところはあるけれども、
きっと本人さんにとってはちょっとすぐにすんなり飲み込むのが難しくなっちゃうんじゃないかなと思って。
そうだよね。
あとこの本人も、いろんな治療があると思うんだけど、
薬物治療、薬を使った治療とか、あと心理的な治療とか、
他にプログラム的なものもあったりするのかしら。
やっぱり一番治療で大事、目指すべきところは断酒っていう。
そうかそうか。
にはなってくるんだけれども。
そりゃそうだよね。
ただ、その断酒ってじゃあどうすればいいのっていうのがすごく大事なとこかなと思って、
そのためには自助グループって言って、自ら助けるって書いて自助グループ。
なるほどね。
例えば日本だったら断酒会っていうものとか、
もう一つあとAA、アルファベットのAを二つ、アルコホリクスアノニマスっていう、
そういう団体があるんですけど。
そうなんだ、知らなかった。
二つちょっと微妙な差はあるんだけれども、そういったものがあって、
そういうとこに継続的に通うっていうのが一つ。
なるほどね。
ちょっと話戻るんだけど、最後に、さっきエピソードで話してくれた患者さんは解放に向かったの?
そうだね、さっき話した小人の見えるっておっしゃってた方とかも、
結局その後一週間ぐらいとかかな、したときにまたちょっとお話聞いていく中で、
最近はそういうの見えるんですかっていうのを伺ったら、むしろ不思議そうな顔で、
あれ何のことですかみたいな。
本人覚えてないんだ。
覚えてなくて全然。
でもそれも一つ離脱線網っていうさっきの症状の特徴の一つでも。
なるほど。
そこからもう離脱線網が症状としては軽減されて良くなってきた。
そうだね、もうそれが落ち着いて改善した感じ。
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よかった、なるほど。
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