妖怪古伝 第3シーズン18回目の放送 は「注文の多い占い店」
今回のお話しは、現代の下町にとてもよく当たる占い店があった、しかし占い師は人ではないという噂が......。
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サマリー
東京・浅草の裏路地にある、よく当たると噂の占い店を若い女性が訪れる。顔を見せない占い師は、靴や上着、化粧、香水、アクセサリーに細かな決まりを設けていたが、恋愛・仕事・健康の答えを見事に言い当て、女性は満足して帰る。実は占い師の悟りは人の心や少し先の未来が見える妖怪だった。そこへ手の目が訪れ、店の規則は都会でアレルギーを起こした悟りが猫の毛や化粧品、香水を避けるためだと明かす。最後にベトベトさんらしき存在が現れ、悟りは逃げ出すが、裏口で待ち構えていた塗り壁にぶつかって気絶する。
浅草の占い店と細かな約束
いらっしゃいませ。ようこそお越しくださいました。
ここは、過去と現代と未来、そして違った次元まで行き来できる特別な空間。
分かっているのは、ここにはいろんな、もののけ、あやかし、妖怪の物語を聞くことができるということ。
今日はどんな話が聞こえてくるのでしょうか。
さあ、聞き耳を立ててください。ほらほら、何やら聞こえてきましたよ。
お静かに。
ここは東京の下町、浅草の裏路地にある占い店。
この占い店はよく当たると、SNSなどで噂になっていた。
しかし、ここの占い師は決して顔を見せない。
もしかすると、この的中率は人間ではないのかもしれないという都市伝説にもなっていた。
へえ、ここが噂の占い店なのね。
それじゃあ、これから私の恋愛と仕事のことを聞いてみよう。
あ、でもそういえば、噂でここのお店って占ってもらうまでの約束事が細かくてうるさいってSNSに書いてあったわ。
どんなかなあ。
若い女は何とも素っ気なく、占いの館さとりとだけ書いてあるドアを開けた。
少しほのぐらい部屋は狭いが整然としていて奥に続いていた。
悟りの正体と手の目の来訪
少し進むと、ここでは靴を脱いでコートやジャケットは壁にかけてくださいと書いてあった。
女はこれが細かい約束事かと思い、靴を脱ぎ上着を壁にかけた。
さらに進むと洗面台があり、ここでは化粧を落としてください。香水は禁止です。アクセサリーはしまってくださいと書いてあった。
素顔じゃないと妊娑が読みづらいっていうのはわかるわ。
でも香水禁止って神経質すぎるんじゃない?
でもすごく当たるんなら我慢するわ。
さらに奥に進むと椅子が一つ置いてあり、その前には薄いベールがかかっており、その先の暗闇から占い師と思われる人物の目だけが見えていた。
いらっしゃいませ。ちゃんと占うまでの約束は守ってくれているね。
でも本当に占いが当たるのかって疑っているね。
まあ座って。でも大丈夫。何を質問したいか、どんな答えが欲しいのかも全部わかっているから。
黙って座っていればその答えを教えてあげるよ。
この後占い師は女が聞きたかった恋愛、仕事、健康、すべて教えてくれた。
女は感動と感謝で涙を流しながら代金を払って帰っていった。
ありがとうございました。頑張るんだよ。
ふぅ、帰ったか。長くこの仕事をやっているが、おごそかな雰囲気を作るのは疲れるな。
人の心は読めるし、なんなら少し未来も俺には見えるから占うことは簡単なんだが、占い師っぽくするのは慣れんな。
そんなことを呟いていると、入口からまた客が入ってきた。
今度の客は珍しく着物を着て長い髪の毛のため目が見えない。
いらっしゃいませ。ところでお客様、目を見せてくれませんか。
人相が見られません。嫌であれば手を出してください。手相を見ますから。
お客は髪の毛を上げずに右手を占い師の目の前に差し出した。
占い師は身を乗り出して右手のひらを見た。そこには目玉がついていた。
こ、お前手の目じゃねえかよ。何しに来やがった。
化け物のお前が何を占ってほしいって言うんだ。
昔お前を斬った悪者か。もう遠の昔に死んじまってるよ。
ひどいな、サトリー。お前が占い師初めて体操を繁盛しているって言うから、
かつらまでかぶって見に来てやったのに。
ほら、この通り、昔お前が好きだった美輪に一軸もお土産に持ってきてやったんだよ。
それなのに、それなのに。
ああ、言い過ぎたよ。俺が悪かったよ。
今まで何人か妖怪たちが来てくれたんだが、ろくなやつがいなかったんでな。
ほんと、悪かったよ。
わかってくれればいいんだよ。
ベトベトさんと塗り壁の追跡
ところで、ここに来るまでにいろいろ細かい注文が書いてあったけど、あれは何だい?
わしも危うく手に石けんをつけて洗うところだったよ。
そんなことをしたら、手についてる目玉がはれちまうよ。
ああ、あれな。
あれは単に俺が人の住む都会に出てきたらアレルギーになっちまったから。
特にくしゃみが止まらなくなる猫の毛と化学物質の多い化粧品と香水は洗い流してくれってお願いしてるだけさ。
くしゃみしてたら占いもできねえからな。
そういうことか。
都会暮らしも大変なんだな。
でも元気そうで何よりだ。
じゃあ、またね。
ああ、そうそう、ここに来る前あいつに会ったよ。
何も言ってなかったけど、たぶんお前さんに会いに来たんじゃないかな。
そう言って妖怪手の目が占いの館から出て行くと、すぐに入り口から何か大きな何者かがゆっくり入ってきた。
何の言葉も発していない。
まさか、ベトベトさんか。
何しに来やがった。
何考えているかわからない。
いや、何も考えていない奴は俺は怖いんだよ。
そう叫ぶと占い師の悟りは裏口に猛ダッシュで逃げて行った。
そして裏口のドアを開けて駆け出そうとすると何か見えない壁にぶつかり気絶して倒れてしまった。
そう裏口には大きすぎて正面から入れなかった塗り壁が出待ちをして立っていたのであった。
こうして夜の浅草の街は更けていったのだった。
おかえりなさい。今日の妖怪の物語はいかがでした?
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ではまた土曜日5時の黄昏時、大間が時にお待ちしております。
それでは。
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