2023-06-25 04:18

#46 方丈記(人のいとなみ)

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方丈記の京に対する評価を描いた場面です。
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今回は、方丈記を読んでまいります。作者は、鴨野朝明です。
今回は、非常に短い部分ではあるんですけれども、鴨野朝明が、この京の都というところに対しての評価について話してあります。
では、まず読んでいきましょう。
人のいとなみ、みな愚かなる中に、さしもあやうき、教授の家を作るとて、
宝をついやし、心を悩ますことは、すぐれて、あじきなくぞはべる。
人のいとなみとあります。人の生きる営みのことですね。
人間がやるようなこと、さまざまなことというのは、みな愚かなる。
すべてが、おろかなものなのだと。
そんな中で、さしもあやうき、教授の家を作るとて、
さしもというのは、そのような、それほどあやうき、あやうい、
教授というのは、京の都の中と書いて、教授です。
都の中の家を作るということ。
そういうこととして、宝をついやし、持っている宝、財産をついやして、心を悩ます。
心を悩ませる。そういうことに、非常に心気をすり減らして、
そういうことに、心をくだいている。
ということは、すぐれて、あじきなくぞ、はべる。
すぐれというのは、ここでは、とくに、とても、全くない、そんな感じでしょうかね。
すぐれて、あじきなし。あじきなしというのは、
これが、おもしろくない、つまらない、そんな感じの意味ですね。
とてもつまらないようなものである。
ですから、この人がやることというのは、そもそも、非常におろかなことばかりなんだけれども、
とくに、この京の都に家を作るということは、非常におろかなことだというんですね。
これは、その前の段で、前の部分で、ちょうど、大きな火事について述べているんですね。
ですから、そんな不安定な場所に、家を作る。
しかも、大財産をはたいて、非常に趣向をめぐらして、
いろいろなことを考えて、家を建てるということは、
これほど、おろかなことはないのではないか、ということを 言っております。
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この後も、さまざまな災害について 言っていくわけですが、
この都の暮らしというものを、ある意味では、否定しているんですね。
この鴨の町名自身は、都から少し離れた山里で暮らすということになっております。
そんなふうに、この人々の暮らしというもの、
とくに、この都市での生活ですね。
それを批判している部分でございます。
それでは、もう一度、本文をお読みいたしましょう。
人の営み、みな愚かなる中に、
さしも危うき教授の家を作るとて、
宝を費やし、心を悩ますことは、
優れて味気なくぞ、はべる。
こちら、出典は、門川ソフィア文庫、
ビギナーズクラシックス日本の古典の包丁記よりいただきました。
ぜひ、またお聞きいただければと思います。
ありがとうございました。
04:18

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