2022-03-19 08:58

#4 説話文学

キーワード:説話、仏教説話、世俗説話、今昔物語集、宇治拾遺物語、昔話、芥川龍之介
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それでは講義を始めてまいります。
今回のテーマは、説話というものですね。
説話文学とも言いますけれども、
この説話というのは、例えば伝説とか昔話とか、あとは噂話とかですね、
そういったものを集めて、それを一つの物語集というか、
お話をまとめたものにしたものを説話集と言うんですね。
その一つの話のことを説話と言うんですけれども、
この説話というのは大きく二つに分類されています。
一つは仏教に関わる説話、
もう一つはそれ以外の様々な噂話とか、貴族の逸話とか、
そういったものについて書かれている世俗説話というものに分かれております。
この仏教説話だけが収録されているような説話集もありますし、
あとは仏教説話と世俗説話両方が入っている説話集もあったりするんですね。
そういった説話というものがまず文学としてあります。
この説話の起源というのは基本的には仏教説話がまず先行するようなんですね。
そもそもが中国から、遠くだと辿っていくとインドですね。
インドや中国を経由して日本に入ってきた仏教のお話とか、
仏教のお話といっても、今現在伝わっている仏教というイメージよりは、
もっといろんなお話も含めた、仏教といってもいろんな土地で、いろんな時代で、
いろんなバリエーションがあるんですね。
その中でいろんなものが日本にやってきたわけですよ。
それらの多くが不思議な物語であったりとか、何かお坊さんの逸話であったりとかですね、
伝説であるとか、そういったものも含まれているわけですね。
そういったものをまとめ上げていったものが原型としておそらくあるんだと思います。
特に最も古い説話ともいえると思うんですが、
日本領域という説話集がありまして、
こちらは仏教説話集ですね。
時代的には奈良時代くらいの説話が入っているものだということなんですね。
日本領域から始まって、その後にいろんな仏教に関するものなんかが出てくるんですが、
特に有名なものを二つ挙げますと、
一つは婚弱物語集というものです。
この婚弱というのは、今は昔と書いて婚弱と読ませます。
今は昔から始まるものなんですね。
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この婚弱物語集には仏教説話も世俗説話も入っているんですね。
ですから仏教のお話も入っているし、
それ以外のお話、不思議な話とか、
いわゆる現代でいう昔話ですね。
そういうものに属するようなものもいっぱい入っているんですね。
もう一つは宇治主義物語です。
婚弱物語集が平安の終わりくらいなんですけれども、
この宇治主義物語が鎌倉時代くらいに作られたというか、成立したと言われておりますね。
こちらも大体同じようにいろんなお話がいっぱい入っているんですが、
仏教説話も世俗説話も入っているということです。
特にこの鎌倉時代に入って、中世の時代に入っていくと、やっぱり仏教の時代なんですよね。
ですからこの仏教に関わるものもいっぱいあるし、
同時に貴族たちとか偉い人たちが自分たちのことを残したりとか、
あといろんな文化を残そうとしたところもあるので、
結果的にいろんな世俗説話も生まれていくということで、
非常に説話というのは平安時代から鎌倉時代にかけて、
中古から中世にかけて様々成立していったものだということです。
少し代表作をご紹介いたしますと、
まず金爵物語集。
こちらはですね、トークはインド、そして中国、そして日本のお話がいっぱい入っているんですね。
インドの話については、いわゆるお釈迦様の伝記というか、
お釈迦様についてのお話が入っております。
中国の話というのも、やっぱり中国に仏教がどのように伝来したのかということとか、
あとは中国でいろんな、仏教が発展していったいろんなこと、伝説とかが書かれているとか、
あとは中国のいろんな世俗的なお話なんかも入っているようですね。
そしてさらに日本に入ってきた、日本の法華経のことだとか、
仏教に関連する様々なお話、
それとは別に笑い話とか恋愛の話とか、いろんな昔話的なものが書かれているんですね。
そういう世にいろんなものが入っているんですが、
現存するものというものは非常に限られていまして、
現存していたとしても一部穴抜けだったりとか、
ところどころ隙間があったりなんかなって書いてあるかわからないというものも、
多いものになってまいりますね。
こちらの婚弱物語集を題材として、
芥川龍之介が、羅生門とか、芋がゆとか、花とか、
矢部の内、矢部の中か、矢部の中とか、
そういったものを書いたりしたということでも有名なわけですね。
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というのが婚弱物語集という作品であります。
さてもう一つ有名なのが宇治主義物語という作品ですね。
こちらも様々な仏教説話、世俗説話が入っております。
特に宇治主義物語で有名なのは、いわゆる現代だ、昔話。
例えば、小太りじいさんとか、下斬り雀とか、
わらしべ長者にあたるようなお話が入っているんですね。
ですから現代では、昔話と知られているもの。
つまり、いわゆる交渉文学ですね。
昔話として語り継がれていたものを、
どうやら修読している部分もあるようですね。
まさにこちらについても、
芥川龍之介が題材としている部分があったりします。
代表的なのが地獄編ですかね。
地獄編のお話、芋がゆもですか、
芋がゆあたりも宇治主義物語を出展としているということなんですね。
だからもともと話として面白いんですよ、非常に内容としては。
それを題材として、芥川龍之介の作品はもうまた全然違った、
まさに小説というものになって、
登場人物の心理描写も非常に詳細に描かれることにはなるんだけれども、
ただ、もともとこの婚弱や宇治主義物語というものの中に、
話としては非常に面白いものが多いということは言えると思います。
この節話というものは非常に初期の学習でよく出てくる、
例えば高校1年生の題材とかでも出てきますし、
あとは入試のテキスト、古典を勉強したいというテキストの
割と最初の方にも出てきたりするんですね。
なぜかというと、これは非常に一つ一つのお話が独立していて、
短いんだけれども分かりやすいということ。
あと話し字の筋自体が非常に面白いので分かりやすいんですね。
割と他の作品だと他のジャンルになってくると、
一個一個の話が割とのぺらーってしていたりとか、
起承転結がなかったり起伏がなかったりすると、
ちょっと読みづらいということもあったりするんですけれども、
その点、非常にこの話の展開がありますので、
内容を取りやすいということがありますね。
ただ、それも全てはそういうものが選ばれているだけであって、
作品の大多数、説話の大多数が、
実は結構難しいものも多かったりはするんですけれどね。
なので結構、書学者向けの題材で使われるんだけれども、
実際にちゃんと読もうと思うと結構歯応えのある作品が多いのが、
この説話という文学であります。
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