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それでは講義を始めてまいります。
今回はですね、ジャンルっていうものを話題にしたいと思います。
文学ジャンルっていうのは、現代でもいろいろあるんですけれども、
古典もですね、やっぱり文学ジャンルっていうのはある程度まとめているんですね。
今回は特に古文について話したいんですけれど、
というのも、日本で書かれている、日本文学と呼ばれるものは、
だいたい古文で書かれているか、古文に直されているか、しているものが多いんですね。
なので、だいたい古文で感覚をつかんでいただけるといいと思います。
割とですね、昔々、初期の方になってくると、
実は平仮名っていう仮名で書かれていた時代、いわゆる古文の時代ではなくて、
半分くらい漢文だったりとか、全部漢文で書かれている時代もあったりするので、
厳密に言うと少し漢文っぽいところもあったりするんですけれど、
ただ、ここは単純に古文で考えていきたいと思います。
でもこれもね、ジャンルっていうのも細かく分けると様々あるんですけれども、
ここでは6つに分けて紹介したいと思います。
6つに分けるということなんですけれども、
6つというのは、詩歌、説話、物語、日記、随筆、芸能の6つに分けてご説明したいと思います。
まず1つ目は詩歌です。
詩歌っていうのは、詩人の詩に歌と書いて詩歌と読ませます。
詩歌って書くんですけどね、読み習わしで詩歌って呼んだりします。
詩歌というのは、要するに和歌とか、あとは歌われているもの、和歌も色々種類があるんですけどね、
歌われているようなものとか、あとは漢詩文、漢詩なんかも含めますね。
そういうものを詩歌と言いますけれども、
例えば代表では万葉集ですね。万葉集は和歌を集めたものになってまいります。
この和歌集というものもまた詩歌の1つですね。万葉集のようなものをイメージしていただければいいかと思います。
2つ目が説話です。
説話というのは何かというと、これもまた一筋縄では行かないんですけれども、
例えば昔話とか伝説、あとは人から聞いた噂話とか、そういったものを集めたものを説話と言います。
なので結果的に短編集のようなものになっているんですね。
小さい短いお話がいっぱい入っているものを説話と言ったりいたします。
なのでですね、結構入試問題とか、あとは学校で、高校で勉強するような教材、
特に手法的なテキストでは、よくこの説話ってよく出てくるんですね。
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なぜかというと、短いお話で簡潔しているからです。
長い話を読むというと大変なんですけど、短い話だと読みやすいってありますよね。
ただですね、現物を読もうと思うと、実は読みやすいのなんていうのはそのうちのわずかで、
実際には難しいものも多いんですけどね。
ですけれど、なんとなく高校で勉強していくと、
説話って結構読みやすいっていうイメージがあるんですよね。
代表的なものとして、婚弱物語集というものがあります。
芥川龍之介が題材にしたものも婚弱物語集に多く含まれていますけれども、
この婚弱物語集も小さいお話がいっぱい集まっているものなんですね。
例えば、婚弱物語集のようなものを説話と言っております。
次は物語です。物語という言葉自体は現代でも使えますよね。
ファンタジー的なものとか、いろんなもの。
フィクションのことを物語ってざっくり言うこともありますけれど、
これも古文の場合においても様々な物語があって、
それもいろんな分類がされているんですが、
いわゆるフィクションだと思っていただいて基本的にはいいと思います。
ただ古文の場合、実在した話というのがかなり影響していると言われることが多いですね。
これも我々のイメージとして実際にあった話なんじゃないかというところから、
なんとなく思い込みでやってきてしまったというところもあるかもしれませんよね。
例えば、現代の物語、ハリーポッターがあるとして、
それには元の話があるとは一瞬は思わないですよね。
ですが、やっぱり研究者がどんどん出てくると、
実は影響を受けた作品があるんじゃないかとか、
エピソードがあるんじゃないかと思うようになっていくんですよね。
そういった意味で、実在の話というものとも関連していくものが非常に多いのがこの物語です。
代表的なものとしてはやはり竹取物語でしょう。
竹取物語、世界でも最も古い記録上の物語の一つだと思っていいと思います。
次はですね、日記です。
日記というのも、これも現代でも使われる言葉なんですよね。
なんですけれども、元々は貴族の人たちがですね、貴族の人とか役人の人たちが記録用にいろんなものを残しておいた。
それを日記と呼んでいたんですが、いわゆる日記文学という時には、
主に中古、平安時代において、女房たちによって書かれた、
つまり宮中にお使いしていた女性たちの書いた日記というものを指すことが多いですね。
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それらが非常に現代において読んでみても面白いものなので、それを日記と言っています。
ただ日記文学という時に、これが本当にあったことをただつらつらと書いていくものかというと、そうではなくて、
大抵は晩年、後になってから過去のことを回想して書かれているというような形が多いんですね。
このあたりもいずれお話しできるかと思います。
代表的なものは土佐日記という日記がございますね。
ただこれはですね、女房文学ではないんですね。
木野津田幸という直線和歌集の先者にもなった方が書いたものなんですね。
まあこのあたりもいろいろな日記がありますので、読んでいきたいと思います。
さて次が随筆です。随筆っていうと現代でも使いますね。
現代だとエッセイっていうことが多いですかね。
ただこの古典文学における随筆っていうのは基本的には3つです。
枕草紙と包状記とつれずれ草、この3つのことを随筆と思っていただければいいかと思います。
三大随筆なんて言い方もありますけどね。
これらは言ってみれば物語のようなフィクション的な要素もありつつも、ある程度現実に即した話が入っているんですね。
その書いている人の考えとか感じ方とかそういったものを書いているものなんですね。
ですからそこに特徴はあるんですが、実際その三大随筆と言われる随筆もあまりにも作風は違うんですね。
これ全部随筆でまとめていいのかってくらい違うので、そこのあたりもまたお話ししたいと思います。
最後が芸能です。
芸能っていうのは、いわゆる今の現代日本においては当たり前だよねと、これといえば日本らしさだよねと思えるようなもの、それを芸能というふうに言っています。
代表的なものが能や表現ですね。
能や表現といってもピンとこない方も多いと思うんですけれども、これらは中世になって生み出されていった芸能というものです。
割と時代的には新しい、新しいの感覚もまた違うのかもしれませんけれども、比較的新しいものなんですね。
これを文学に入れるっていうのは、それらをテキストとして文章として楽しむ側面があるからなんですね。
それだけではなくて、他の物語とかいろんな日記とかですね、そういったものの影響があるんですね。
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あとはもちろん詩歌、和歌の影響もあったりします。
そういういろんな文学の影響を受けて成立しているというのもまた芸能の特徴ですので、この芸能というのもこの文学というニュアンスで捉えていくということがあるんですね。
このようにですね、いろんなジャンルに分けることはできるんですが、実際にはその中にも様々あったり、そこにはちょっとひっくるめるには少し抵抗があるようなものもあったりして、様々なものがあります。
そういったものがあるんですが、大雑把に言うとこの6つになるかなと思います。
高校の古典というのは、そういうものをなるべくバランスよく見ていきたいというのが基本なんですよね。
それが実際にできるかどうかというと各学校さんの事情にもよると思うんですけれど、それぞれが全く違った魅力を持っているので、古典という一口に言っても非常にいろんな多種多様な面白い差がありますので、そちらをご紹介していけたらいいかなと思います。