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今回は、平家物語という作品についてお話したいと思います。
平家物語。こちらの作品は、まさに平家一門が栄え、そして滅びていくという過程が描かれております。
もともとこの平家物語というのは、美話奉仕と呼ばれる盲目の美話を演奏しながら、
さまざまな歌を歌っている、そういった奉仕たちによって語られてきた物語が、一つにまとまったものとも言われております。
ですので、この構成としては、一人の主人公がいて、一つの大きな物語があるというよりは、
小さな一つ一つのいろんな人の物語が集まって、一つの大きな物語を形作っているというような物語になっております。
ですので、実際読んでいただくと、一人一人いろんな主人公がいまして、それぞれのエピソードが別々に描かれていくということなんですね。
ただ全体としては、平家というものが滅びていく様が描かれているということでございます。
もちろん平の清森を主人公として全てを描くなんていうのは、絵画ドラマなんかでもありましたけれども、そういうのとはちょっと違うということですね。
またこの平家物語というのは、もともと美話奉仕たちによって歌われてきた、語り継がれてきたものだとも言われています。
ですから非常にこのテキストが、音読するとリズムであったり、語感が非常に心地よいんですね。
その心地よさはどこからくるのかというと、一つには漢文調なところがあるんです。
漢文っぽいところがあるんですね。
代表的な冒頭部分、義音精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、この辺りも既に漢文っぽさがあるんですね。
そういう漢文っぽいところもあれば、一方で何かこう戦闘シーンだとか、差し迫ったシーンなどは、またちょっと和文の面白さなんていうのも入ってきたりだとか。
あとは非常にこの仏教用語が多いんですね。
この鎌倉時代に至っての日本独自の仏教観というものが入ってきている。
なので仏教用語であったり仏教の考え方、仏教といってももともとはインドの仏教だとか、あとは大陸の中を移動していくうちに様々な仏教が生まれていきます。
日本に渡ってきてもかなり時間が経って、鎌倉時代頃に非常に日本独自の仏教というものが出てくるわけですね。
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その仏教の影響を受けているということでございます。
その仏教と武士の生き様というか、武士の価値観というのが非常にリンクしていくんですね。
そういうお話になっております。
なのでこの、声に出してみると非常に臨場感があったり楽しめる、そういう作品になっています。
またこの平家物語の題材というものは、後々に歌舞伎とか狂言とかですね、そういったものにも影響を与えていくんですね。
そういった意味でも構成に非常に影響を与えていく作品でございます。