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今回のテーマは、大鏡という作品を見ていきたいと思います。
大鏡というのは、こちらは歴史物語でございます。
歴史物語というのは、いわゆる歴史書というものとはまたちょっと違った形で、歴史を綴ったものなんですね。
代表的なものに鏡とつくもの、大鏡、今鏡、水鏡、増鏡というものがあります。
四鏡、四つの鏡と書いて四鏡とも申します。
その中の一つが大鏡という作品なんですね。
この大鏡というような歴史物語なんですけれども、
こちらは中国の歴史書を参考にしております。
中国の歴史書というのは、大きく起伝体という形式、もしくは変伝体という形式で書かれております。
起伝体というのは、本義と列伝とに分かれて綴られているものなんですね。
本義というのは、これは本当の正規末の期ですね、と書いて本義といったりしますけれども、
こちらは王様、日本で言えば天皇の歴史について書かれている部分なんです。
ある天皇がどのようなことをやってきたか。
一人の登場人物に注目してその模様を描く。
まるでタイガードラマのような形式のものなんですね。
一方の列伝という部分は、今度はこれは帝以外の人、
中国で言えば王様以外の人の同じようなある人を主人公にして物語形式で書いていくような部分。
こちらを列伝と言っております。
いろんな列伝があるんですが、例えば中国の歴史書ですと、
刺客列伝なんていうのもあるんですね。
刺客、つまり暗殺者です。
暗殺者を主人公にした部分なんかもあるような、そんなものなんですね。
ですからこの起伝体の面白いところは、
ある人を主人公にして、その人の歴史、その人の身に起こった出来事をそれぞれ綴っていくんですね。
それを何人か、いろんな人々のものを重ねていくことによって、
全体として歴史を描いていくという形式なんです。
一方の変年体というのは、年を編むと書いて変年体なんですけれども、
変年体というのは、その出来事をその順番に書いていくというようなものですね。
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そういうもので書かれているものです。
こちらはこちらでまた大事でして、起きた出来事を順番に書いていくことで、
時系列は非常にわかりやすくなるということですね。
起伝体というものと変年体というもの、それぞれの良さがあるんですけれども、
大鏡というものは起伝体で描かれております。
つまり、帝の歴史と、そしてそれ以外の歴史とに分かれております。
ただとは言っても、この大鏡というのは、
特に藤原道長の歴史と言ってもいいようなものなんですね。
藤原氏というものがどのように栄えてきたか、
そして藤原道長が一体どのような素晴らしい人物なのか、
ということが描かれていくんですね。
同じように、この藤原道長について書かれたものが、
映画物語というものがあるんですね。
こちらも歴史物語なんですけれども、映画物語、栄える花と書きます。
お花の花ですね。栄える花と書いて、映画物語。
映画と濁りますね。
この映画物語もまた藤原道長の、まさに映画を描いた花というのはですね、
簡単な方の花、草冠、化け土地の花なんですけれども、
映画を描いている。
こちらは変年体なんですね。
もちろん内容としては両方とも、藤原道長をある種の主人公というか、
中心につけているというところが特徴になってまいります。
鏡シリーズで言いますと、大鏡と今鏡、この二つは起伝体なんですね。
水鏡と増鏡、この二つが変年体なんです。
成立としては、大鏡、今鏡、水鏡、増鏡だなと語られているんですけれども、
ただ、書かれている年代というのはですね、水鏡、大鏡、今鏡、増鏡なんですね。
水鏡が先に来るのは、実は水鏡は大鏡より前の時代について、
補足的に書かれているという部分になるんですね。
そのようにして書かれているのが歴史物語というものです。
その中でも特に有名なのが、藤原道長の映画を描いた大鏡。
そして、その同じ物語なんです。歴史物語なんだけれど、
またちょっと違った定義そのものが、映画物語ということでございます。