023 - 映画『旅と日々』から考える、旅とは言葉から離れることかもしれないこと
2026-10-21 09:46

023 - 映画『旅と日々』から考える、旅とは言葉から離れることかもしれないこと

リタイアメントビザを更新した / 所轄イミグレが変わり書類も少し違った / 相手が言いそうなことを想定するようにしたらうまくいった / 今週は映画紹介ではなく旅と言葉の話 / 三宅唱『旅と日々』に感銘を受けた / つげ義春の短編二作が原作でロカルノ最高賞を獲得した作品 / つげ作品は余白が多く映画との相性がいいと思う / 『雨の中の慾情』と『リアリズムの宿』が『旅と日々』に通じる / 「旅とは、言葉から離れようとすることかもしれない。」というセリフ / 一人旅と海外では言葉より五感が前に出る / 言葉にした瞬間に大切なものがこぼれ落ちる / 旅は強制的に非日常へ置き言葉から切り離す / 距離をおいたあとで言葉に触れると普段と違う接し方になる / 旅先の日記は沢木耕太郎になったかのように筆が進んだ / 松浦弥太郎は旅に『銀河鉄道の夜』を持っていく / 旅先での読書や執筆への作用はニュースレターで考える / 旅先で書く文筆家が何を求めているか調べたい

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サマリー

タイでリタイアメントビザを更新し、相手の発言を想定することで窓口での英語の苦労を減らせた経験を話す。続いて、三宅唱監督の映画『旅と日々』をきっかけに、旅とは言葉から離れることかもしれないという考えを述べる。海外や一人旅では言葉よりも五感が前面に出て、日常から強制的に切り離されることで、言葉や読書、執筆との向き合い方も変わるという。旅先で日記を書くと筆が進んだ経験や、松浦弥太郎が旅に『銀河鉄道の夜』を持参する話にも触れ、旅と読書・執筆の関係をニュースレターで考える予定だと告知する。

リタイアメントビザ更新と今週のテーマ
こんにちは、RyoTaです。 余生、余ってません。 〜リベラルアーツをまとって旅暮らし〜第23回です。
今は、2026年10月20日、火曜日の朝です。 今日もタイのジョムティエンからお届けします。
前回のエピソードで、リタイヤメントビザの更新手続きが憂鬱だという話をしましたが、その更新手続きをしてきました。
今回から初活のイミグレーション事務所が変わったことで、必要書類が今までと少し違ったりはしましたが、無事更新することができました。
自分は英語が堪能でないこともあって、タイナマリの英語がなかなか聞き取れなくて、いつも窓口での会話に苦労していました。
でも今回は相手の言いそうなことを想定するようにしたのがうまくいって、苦労することなく終えることができましたね。
これで来年11月までタイに滞在できることになりました。
映画『旅と日々』とつげ義春作品
今週は旅の話をします。
きっかけは見た映画なんですが、その映画の紹介で終わる内容にはしません。
旅と言葉の話が主役です。
三宅翔監督の「旅と日々」を見てとても感銘を受けました。
三宅翔さんは浜口裕介さんと並んで、世界的に評価される日本映画界のトップランナーです。
自分は幸運にも二人の作品をほぼ全て鑑賞できています。
自分が住んでいるタイでは映画館にはいかなくなっています。
なので新作を公開に合わせて見ることができない。
旅と日々も公開から1年近く経ってプライムビデオに入ったのでようやく見られましたが、
浜口監督の最新作急に具合が悪くなるは未見です。
映画の中身を話すと映画解説の回になるので、作品の概要だけ紹介しますね。
杉義晴さんの短編「海辺の除景」と本やら堂の弁さんを原作にした2025年の作品です。
ロカルの国際映画祭で最高賞を取っていますね。
出演はしむんぎょん、つつみしんいち、かわゆみ、高田満作。
脚本と監督は三宅翔、夜明けのすべて、蛍光、目を澄ませての監督です。
杉義晴さんの作品は映画との相性がいいなぁと兼ねてから思っています。
余白が多いので監督の作画性を込めやすい。
自分が見たことがある作品は、「無脳の人」、「リアリズムの宿」、「ねじしき」、「雨の中の浴場」くらいです。
中でも片山晋三監督の「雨の中の浴場」は、いくつかの作品をミックスさせているところが旅と日々と共通していますね。
リアリズムの宿には、普通の観光客が見向きもしない裏暮れた土地を旅するくだりがあって、これも旅と日々に通じるものがあるなぁと思いました。
どの作品も杉さんの特徴がよく描かれていて、大好きな作品ばかりです。
旅は言葉から離れること
この映画で特に印象に残った台詞があります。
旅とは、言葉から離れようとすることかもしれない。
霜雲魚を演じる主人公の言葉です。
確かに、旅に出ると言葉より語感が前面に出ます。
日常から離れると、言葉とは別の感覚が立ち上がるんでしょうね。
連れのいない一人旅だと、言葉との距離はもっと開く。
旅先が海外だと、日本語を見聞きする機会はほとんどないし、自分から言葉を発することも少なくなる。
外国語でやりとりしている間は、言葉を使っている感覚そのものが薄くなるように思います。
毎日言葉を浴びて過ごしている人には、そこから離れることが心身のためにも必要なのかもしれませんね。
先週は言葉の不自由さの話をしました。
思考や感情を言葉にするのは誰でも苦労する。
やっとひねり出した言葉も本当のこととは少し違う。
言葉にした瞬間に大切な何かがこぼれ落ちてしまう。
自分の思いを誰かに伝えようとして疲れてしまう。
だから一人になって言葉から離れたい時がある。
静かな場所に閉じこもるだけでもそれはできるかもしれません。
でも旅ではもう少し強制的にそんな状態に置かれます。
言葉から切り離されて、しかも非日常に身を置く。
旅先の読書と執筆への作用
そして互換が前面に出る。
人が旅に求めているのはそのことなのかもなと思いました。
そして距離を取った状態で改めて言葉に触れると、
普段とは少し違う接し方になるようにも思います。
自分は旅先で日記を書いていると、
自分がまるで沢木幸太郎にでもなったみたいな気分で
どんどん筆が進んだという経験があります。
読者もそうかもしれなくて、
この間聞いたポッドキャストで松浦八太郎さんが
旅にはいつも宮沢賢治の《銀河鉄道の夜》を持って行くと言っていました。
同じ本なのに旅先で読むと、行く先々で全く違う本に思えるんだそうです。
旅と日々の主人公は脚本家です。
旅先で気分を変えて執筆しようとしていたようです。
扁増の粗末な小屋で寒さに震えながら書いている。
あまりはかどっているようには見えません。
それでもそこで経験したことは彼女が書くものにじんわり染み込んでいくのだろうと、
なぜかそれだけは確信できました。
旅に出ることで言葉から距離を置き、そして普段と違う環境で言葉に触れること。
これが読書や執筆にどんな作用を及ぼすのかについてはニュースレッダーで考えたいと思います。
旅先で書かれた本はたくさんあるし、執筆のためにわざわざ旅に出るという執筆家も少なくないと思います。
そんな方々は何を求めてそうしているのか、少し調べてみたいと思います。
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それでは今回は以上になります。最後までお聞きいただきありがとうございました。
また次の街でお会いしましょう。りょうたでした。
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