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横浜美術館で見つけた人たち。
アートの魅力をもっと伝えたい。
本番組は、そんな思いの横浜美術館が、インタビューの職人、早川洋平とタッグを組んで生まれました。
横浜美術館で見つけた、アートに関わる人たちへのインタビューを通じて、アートの魅力を発見していきます。
本番組ナビゲーターの早川洋平です。
ラジオ美術館、横浜で見つけた人たち。
教えた天野さん。
横浜美術館出席学芸人、天野太郎さんをお迎えしています。
天野さん、今日もよろしくお願いします。
よろしくお願いいたします。
大黒屋さん、前回本編のインタビューでご登場いただいた、板室温泉大黒屋さん。
室井投手のインタビューを聞いた方からいただいています。
アートは美術館やギャラリーだけのものではないのですね。
アートの力に改めて驚きました。
他にもこうした興味深い事例があれば教えてくださいということで、
アートを取り入れてうまい成果を出したり、面白いことをやっている企業だったり、
個人の例を多分教えてくださいということだったと思うんですが。
経験的な話ですけれども、実は横浜美術館がオープンしたときが1989年なんですね。
その時に開館記念の展覧会の一つとして、ニューヨークにあります、
その当時の名前はチェース・マンハッタン銀行というモルガンスタンデーの名前が変わっているんですけれども、
実はその当時チェース・マンハッタン銀行は一つ会社ですけれども、
デイビッド・ロックフェラーという、皆さん、ロックフェラー財団という、
デイビッド・ロックフェラーが会長されていたときに、
ロックフェラーさんの発案でアート・アットワークという標語がありましてね。
アート・アットワークというのは、皆さん仕事をしているわけですけど、
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当然銀行の仕事をしているんですけれども、
その仕事場におけるアートといって、事務所とか会議室とかに美術作品をコレクションして、
それをおいて展示しているんですね。
しかもそれは、いわゆる現代美術の、どっちかというと難しいなというような作品が、
それは前回もちょっとお話ししたかもしれませんけれども、
コーポレートコレクションにとって、美術というのは美術館がコレクションするだけじゃなくて、
個人もコレクションされますし、それから会社としてもコレクションされているところがあるんですね。
この場合もチェイス・マータン銀行のコレクションということで、コレクションをするんですけれども、
要するに働く人にとって自分たちの会社が、自分たちの働く場所の環境、
それを美術をキーワードにして環境を作っていくという、
もちろん文化に対しての関心も高めてほしいというようなこともあって、
実はそういう作品を集めて展覧会をしたことがあったんですけれども、
その準備のときにチェイス・マータンの実際の会社に伺って、デイビート・ログヘランドさんともお会いしたんですけれども、
ずっとそこに、例えば事務所に置いてある作品は展示外されるんですよ。
ずっと置いているわけじゃなくて、それで実際に職員の人に聞いたら、
この間展示外されたのは前のほうがすごく良くて、今度はあまり好きじゃないんだけどというふうなこともあって、
それはそういうなりに、皆さんが、どの方もどの作品が大好きでいいというわけじゃないんですけど、
ただそういう感想を述べていくということで、
その美術、もうちょっと広い意味で文化みたいなものに関心を寄せていくと。
しかもその当時、テレナガソリンの方と協力していただいたのが、
そういうパブリックリレーションの会社のセクションがあるんですね。
要するにいろんな文化事業に会社として貢献していくという。
当時は全米のテニスの大会なんかは、チェイスがメインスポンサーだったりとか、
マース・カンニングハムだったりとか、あるいはニューヨークのシティーオーケストラだったりとか、
そういういろんな文化活動を実はものすごく多岐に渡ってやっているんですね。
そういう文化の中で、じゃあ実際に自分たちの従業員に対する、
教育というほど踏み込んだものではないかもしれませんけれども、
しかし自分たちがそういう単なる銀行としての銀行業だけじゃなくて、
文化事業にも大いに社会に貢献しているんだと。
身近なあなた方の従業員の方に対して、身近なところでピースもしてほしいというふうなことで、
アートを活用されているというのがありましたですね。
多分これどんどん聞き続けると、これだけでいくらでもお話を伺いそうなんですけれども、
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こうしたいわゆるコーポレートコレクションというものは、
特に私のイメージだとアメリカとかヨーロッパは結構昔からあるのかなと思うんですけれども、
そのあたりはどうなの?
いや、それだけ聞いているとアメリカが先駆的な話になるんですけれども、
皆さんもちょっと思い出していただきたいんですけれども、
例えば関東この近辺でいうと、東京には例えば禰豆美術館ですとか、
あるいは双子玉川にある聖火堂ですとか、
いくつかいわゆるプライベートですよね。
ただ今はもうアメリカの中では、
財団を作っていますので公益法人になっていますけれども、
それぞれもちろん起業家だったわけですよね。
聖火堂の場合は皆さんご存じの三菱の岩崎傑氏、
それから根塚一郎という鉄道王というか、
美術館の後藤さんもそうですよね。
つまり東急電鉄だったりとか、
これは例えば関西でも五王美術館というのを小林五王というのは、
阪急電車及び宝塚歌劇団を作った有名な方ですけれども、
五王美術館という美術館があって、
小林さんのコレクションを元にした美術館があるんですよ。
これはもう実は明治時代から始まっていて、
美術を支援していくという文化というのは、
明治以降も中世、近世、日本の文化に根付いていたわけですよ。
そういう商業に携わる方たちが、
実は非常に教養の高い方がおられて、
内外の美術、文化に対する非常に高い見識があったということも、
実はあったんですね。
それはあったというか、今はなくなったという意味ではなくて、
それが定流に残っているというか、
日本の文化の中にはあると僕は思っているので、
むしろ我々の誇りだと考えてもいいんだと思うんですよね。
ということは海外もそうですけれども、
まず日本にも今もそういうものはあるということですね。
根付いているんだろうと思いますね。
改めて皆さんそんな視点でいろいろと足を運んでいただければと思います。
ということで教えた天野さんということで、
今日も五王美術館出席学芸員天野太郎さんにお話を伺いました。
天野さん、またよろしくお願いします。
今日いただいたこのような質問のようにですね、
日本美術館に対する皆さんからの疑問質問を随時募集しています。
疑問質問は専用メールアドレス、
yma-shi-tsumn-yaf.or.jp
yma-?yaf.or.jpまでお寄せください。
日本美術館のホームページにある横日チャンネル内の専用ページからもお寄せいただけます。
それでは本日のインタビューの模様をお聞きください。
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先ほどお話しありましたが、昨年行われたポンペテン、
20数万人で当然成功だったと思うんですけれども、
今のさあどうしようかというところから始まって、
ご自身の中でですね、このプロデューサー全体を手掛ける、
一人のアーティストというのはちょっと大げさかもしれないですけど、
大げさですね。
一つのでも作品として手掛ける時にですね、
ポンペテンの中では過去別のもので、
面白くなかったものとか、
あと多分伝わりきってないものっていうのは、
多分誰よりも感じてたと思うんですけど、
その中でご自身で手掛けるからには、
ここだけは出したいとか、これだけは今振り返っても、
もう胸を張ってですね、みんなに受け入れられたもの、
こういうところがあったっていうのを何か教えていただけないかなと思います。
先ほどの話ちょっともう一度戻りますと、
面白くなかったというのはあくまでも、
僕自身が理解する力が足りなかったからだと思ってるんですけれども、
とは言いつつも、何かその展覧会に携わるのであれば、
より多くの人に分かってもらいたいなっていうのがありますので、
分かってもらいたいことは何なのかっていう柱作りを、
横浜美術館の学芸の先生方とやはりひざ詰めで色々コンセプトを作って、
そこにはそれとは別に監修の先生もいらっしゃいますので、
監修の先生ともう本当に長時間に渡って色んなやり取りをして、
今回の柱としては、2000年前だから今よりも劣っていた、
というようなところってないはずだよねと。
人間の進歩っていうのは一つはテクノロジーの部分で、
過去になかったものがあって便利になるっていうのはあると思うんですけれども、
人間の発想力っていうのは、実は何年経っても素晴らしいものなんじゃないかと、
ある種の人間参加にできればなっていうのは今回非常に感じたことなんですね。
ですので今回コンペ展をやって展示するもの、もちろんアート的な見方で優れたフレスコ画とか彫刻とかっていうのも出てて、
それは素直に2000年前にこんなアートがあったのねという驚きを感じていただいてもいいんですけれども、
その他に例えば今回個人の邸宅から出た浴槽セットというのがあって、
大理石の浴槽なんですね。その大理石の浴槽だけでもびっくりなんですけれども、
その前室が3室あって、その床面数メートル四方のところにモザイク画がガーッと敷き詰められていて、
さらに言うとお風呂本体はボイラーがあって、ボイラーからお湯が出て温度調節ができて、
かつ長時間入っているとお湯だけができた。先ほど申し上げた前室の床面には床暖房が入ってたんですよ。
だからもうその発想力、どういうふうに豊かな暮らしをしようかという人間の営みの素晴らしさというのがダイレクトに伝わったら、
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それはもうこの展覧会は成功だなと思ったので、
14年前の時にはアートという視点から人間の素晴らしさというのが伝えられると同時に、
美的感覚というのをお伝えするのが第一議題だったんですけれども、
今回の開催させていただいたコンペ展というのはもちろん美術館様でやる展覧会ですので、
アートの観点というのは忘れてはいけないんですけれども、
その奥にある人間の素晴らしさというのを伝えることを頑張ろうというところでコンセプトが決まったんじゃないかなと思いますね。
この番組を聞いている方、コンペ展終わってしまいましたが横浜美術館では改めてまた見たいなというふうに思っちゃいますよね。
もしこれをお聞きになっているのが2011年5月前でしたら、仙台でこのコンペ展巡回しておりますので、
ぜひ足を運びいただきたいなと思いますね。
本当に今やはりお聞きできてよかったなと思うんですけど、
一つの展覧会をとっても、それこそいろんな人が動いてお金が動いてという、ある意味見える部分見えない部分もあると思いますけど、
そこもわかったんですけど、やはりプロデューサーとして、
本当に柱をきちんと定めて、そこからあったんだなというのはすごい感銘を受けたんですけども、
やはりこれは当然、普段見る人からはわからないことだと思うんですけども、
普段見る人ということでですね、改めてこの番組を聞いている方にですね、
このコンペ展も含めて開催する側、プロデュースする側からですね、
展覧会こんな楽しみ方をしてみてほしいみたいな、もちろん主観入って結構ですので、
一般的に普段言われているようなことじゃないことでももちろん構わないので、教えていただけないかなと思いました。
これは僕個人の考えなんですけれども、一つの展覧会が成立するにあたっては、
数多くの方の努力と、ちとわせとまで言うと大げさですけれども、相当な労力がかかっていると思うんですね。
ですので、興味がないものであっても、そこに込められたものっていうのは何かしらあるはずなんで、
面白がれる瞬間っていうのはどんなものでもあるはずなんですね。
むしろ自分は興味ないんじゃないかなと思っているようなものに接したときに、
一箇所だけでも何か心が動くものがあるはずだなという確信で、
僕は展覧会をいろいろ見に行ったりしているんですけれども、
そういうようなものの見方がもしできたとしたら、展覧会ってもっともっと面白くなるんじゃないかなと思いますけどね。
面白がれる瞬間ですね。
その中で今少し、ある意味答えを聞いたのかなというところもあると思うんですけれども、
やはりこの番組なんですけれども、もちろんアート好きな方にも聞いていただきたいんですけれども、
かつての私もそうでしたし、すきまさん食わず嫌いではなかったと思いますけど、
食わず嫌いです。本当に食わず嫌いです。
そういうアートを食わず嫌いの方、やっぱりなんとなくハードルが高いとか、
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こう楽しまなきゃいけないんだとか、知識がないといけないんじゃないかと、
やっぱりそう考えちゃう人がいっぱいいると思うので、
そういった方も含めてですね、改めてアートを食わず嫌いの方へメッセージというかですね、
ご自身の経験も踏まえて一言いただけないかなと思います。
自分自身、過去にいろいろな美術館さん、博物館さんに足を運んでいるんですけれども、
この横浜美術館さんというのは足を運んだ機械というのは実は数多いんですね。
その理由の一つが、コレクションが非常に充実している。
その中の作品、ここのコレクションというのは非常に、
この仕事をしてさらに分かったんですけれども、ものすごいものがあるんです。
僕は必ず自分で気持ちをフラットにしたいときに、
ここで常設でコレクションでかなり展示されているシルリアリズムの部屋があるんですけれども、
ここに身を置くと自分の中が割とリフレッシュされてくるというのがあるんですね。
やはり自分の好きなものを一つ見つけられて、
いつでも行ってある、もしくはかなりの期間においてそれが展示されているというのは非常に
よりどころになるところなんじゃないかなという気がしますね。
そこから興味を広げられるとさらにいいでしょうし、
美術館さんの中にはコレクションを持たないところというのも中にはあったりもするんですけれども、
それはそれとしてコレクションを持っているところであれば、
その常設に目を向けるというのは非常にアートへの第一歩として
魅力的なことなんじゃないかなと思いますね。
まさにこの岡山美術館様はうってつけの場所だと思います。
なるほど。
このラジオ美術館横浜で見つけた人たちは杉山さんのお顔は見えない音声なんですけれども、
この声をブツブツ言っていることはないと思いますが、
ひょっとしたらコレクション展のところに杉山さんがたまにいるかもしれません。
ポツンと立っている人がいたら。
金髪の怪しい男がいたらそれは私でございます。
言ってしまいましたね。
改めて最後になんですけれども、杉山さん、
ご自身が今後アートとの関わり方、個人としてもあると思うんですけれども、
せっかくなんで今のお仕事として、このポンペ展もひとつあると思いますが、
今年そしてまた今後何か今見えていることがあれば教えてください。
まだこのアートとの関わりを会社員として続けられればずっと続けたいと思っているんですけれども、
近々の自分が携わっているものを申し上げてもよろしいですか。
2月の9日から六本木の国立新美術館さんでシュルリアリスム展というのがございますので、
もしご興味がおありでしたらこれに足を運んでいただけると、
私としては非常に大きな喜びであるということで宣伝させていただきました。
個人として、例えば個人としてというか仕事としてでももちろんいいんですけれども、
やはり今シュルリアリスムという言葉もありましたし、高校学とかもありましたけれども、
その辺も含めてアートをこんなことをやってみたいとか、
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そういうものっていうか将来的に何か。
今自分が興味を持っていて、より多くの方々に知っていただけたら、
このアーティストはもっと有名になるのになって思う方も中にいらっしゃるんですね。
できればそういうような方々を紹介していきたいなと思いますし、
評価がある程度定まった方に関しても別の視点からこういう面白さがあるよみたいな形で
ご提案できたらなというような気持ちは常に持っております。
あとは1位ファンとして東京横浜というのが日本の中でも一番アートが集まるところでございますので、
必ず何か面白そうな展覧会が本当にやっているので目移りするような感じなんですけれども、
できるだけ多く足を運んで自分の仕事としてのアートというところに還元できるのかなということも考えております。
なるほど。
杉山さん今できるだけ足を多く運んでって言われましたが、
一つの私も先ほどの話から思うのが、アート食わず嫌いの方へ向けてなんですけど、
僕自身もそうなんですけど、ある意味興味がなくてもまず行っちゃって、
見る中にどんどん面白くなっていく。
杉山 それは絶対やってみた方がいいと思いますね。
むしろ今まで知らなかったことを体験できる場としては、これ以上の場所って実はそんなにないんじゃないかなと。
いろんな娯楽があると思うんですけれども、例えば映画だと始まる時間、終わる時間が決まったり、
割とそういうところに左右されたりするんですけれども、展覧会っていうのは基本的に開館時間で、
いつ行っても見れるわけですし、それから一つの作品について、極端な話、好きなだけ見ていられるっていう、
こんな素晴らしい楽しみ方っていうのは他の与歌の過ごし方としてはあまりないんじゃないかなという気がします。
ぜひ友達を運んでいただきたいですね。
西原 ありがとうございます。
ラジオ美術館横日で見つけた人たち、今日は昨年この美術館で開催されたポンペーテンのプロデューサーを務められました、
日本テレビ放送も株式会社コンテンツ事業局イベントセンターイベント事業部の杉山邦彦さんにお話を伺いました。
杉山さん機会があればまたお話を聞かせてください。ありがとうございました。
杉山 ありがとうございました。
杉山 今日のポッドキャストはいかがでしたか?
番組では、アートや横浜美術館に対する皆さんからの疑問、質問を募集しています。
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21:18
横浜美術館ホームページ
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それでは、またお耳にかかりましょう。
ごきげんよう。さようなら。
この番組は、企画制作 横浜美術館
音楽 宮浦清
制作協力 若菜はじめ
ナレーション 清水夏実
プロデュース インタビュー キクタス
早川洋平