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横浜美術館で見つけた人たち
アートの魅力をもっと伝えたい
本番組は、そんな思いの横浜美術館が、インタビューの職人、早川洋平とタッグを組んで生まれました。
横浜美術館で見つけた、アートに関わる人たちへのインタビューを通じて、アートの魅力を発見していきます。
皆さんこんにちは。番組ナビゲーターの早川洋平です。
ラジオ美術館横美で見つけた人たち
今日も教えた天野さんということで、横浜美術館主席学芸員天野太郎さんをお迎えしています。
天野さんよろしくお願いします。
よろしくお願いいたします。
前回ですね、土画展に関するご質問いただいてますが、今回も土画展にご来場の方から質問いただいています。
土画展には、オルセイ美術館所蔵のたくさんの土画の作品が展示されていました。
こうした国内外の美術館が所有している作品は、どんな条件で借りたりするのでしょうか。
横浜美術館も他の美術館に貸したりするのでしょうか、という質問いただいています。
これはぜひ聞きたいですね。
国内外、日本の国内、それから海外、とにかく美術館でたくさんあるんですけど、
美術館同士というのは、お互いにきちっとした条件さえあえば、貸したり借りたりということはします。
もちろん横浜美術館でも他の美術館に作品をお貸ししたりします。
展覧会をするときのお借りする先というのは、実は美術館だけに限らないですね。
例えば個人コレクター、個人の方からお借りする場合もありますし、
それから会社でコーポレートコレクションというんですけど、会社で美術館を持っていませんけれども、
所有されている場合もあります。
割と個人コレクションに近い形なんですけれども、
そういう所蔵されている形態によって、あるいは所蔵されている方のそれが文化的な施設なのか、
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あるいは個人なのか、あるいは会社なのかということによってもちょっと条件変わってくるんですけど、
というのは原則的には美術館同士、作品の貸し借りについて、
例えばお金を取らないんです。原則的には。
ただし、それこそ土がのようなオルセンにとってはお宝ですから、
というよりも国の、日本で言えば国宝みたいなことで考えるべきなんでしょうけれども、
もちろん保険、ものすごい高い保険も出さないといけないんですけれども、
無償という場合ばかりではなくて、ある程度お借りする費というんですけどね、
ローン費というんですけど、鎮釈料というか、そういうものを払わなきゃいけないという場合がありますね。
というのは、オルセン美術館、これ実は階層工事があったので、
これぐらいの大量にお借りできたりとあるんですけれども、
普通はオルセン美術館にとっても、こんな土がの作品というのは目玉中の目玉なので、
いろんなお客さんが海外から来られて、ないとすると随分それは潔れですよね。
ですからそういう経済的な面を補うような形の資金を提供しなきゃいけないという場合もあります。
それから、これは例えば一つの例ですけれども、
お貸ししたいのは山々なんだけれども、作品の状態がすごく悪いと。
ただし修復をすればお貸しできると。
修復はそれぞれの美術館が自分のところの予算で持って修復をしていかなきゃいけないんですけれども、
修復費をもし出してくれるんであれば、お貸ししてもいいですよというふうなバーターの、
お互いにウィンウィンの形というような、そういう条件を提示される場合もあったりするんですよね。
ヨーロッパの美術館の中には、冬季に休館する場合もあって、
そういうところを狙ってお借りしたりする場合は、比較的先方も営業していませんので、開館していませんから。
そういう情報をいろいろ様々な形でリロベーションする、階層工事に入るとか、
全面階層であと2年は開館できないという場合は、先方も活用したいですから、
それによって資金も得たいということもありますので、いろんな情報を得ながら対応できる条件といいますかね、
それでお借りしたり、あるいはお貸ししたりというのがあります。
やはり裏側にはそういうことがあったのかなと、今お聞きして面白かったんです。
この方からの質問で、今でだいたい貸したり借りたりというもののイメージが湧いたんですけれども、
そうすると横浜美術館としても他の美術館、国内外の美術館に収蔵している作品を借りしたことというのもあるんですか。
ありますよ、もちろん。横浜美術館の場合は、シュリアリズムというのが一つの大きなコレクションの柱なんですけれども、
手前ミストですけれども、割とそれぞれエルソーとかミロとか、あるいはダリとかエルという代表的な美術館の、しかも代表的な作品をコレクションしていますので、
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そういった画家だとか彫刻家の展覧会がある場合には、それを抜きにしては展覧会が成り立たないというふうな作品も何でか持っていますのでね。
実は美術館にとってコレクションが重要である、コレクションが非常に重要な役割を果たすというのは、単にいいコレクションを持っているということだけじゃなくてですね、
そういう可視化をすることで、奇妙に聞こえるかもしれないんですけれども、一種のパワーバランスみたいなものがあって、
それをすることでお互いに、じゃあ今度は次お相手の作品をお借りするときに、過去に横浜美術館からお貸ししたいということは非常に交渉する上で大きな役割を果たすんですね。
ですから、もちろんルーブル美術館みたいに39万点、どれもこれも欠かすことができないという、やっぱりそれだけコレクションを持っているところ、非常にそういう意味では力があるんですよ。
単にたくさん持っていますということだけじゃなくて、ですから美術館にとってどんな作品を所蔵していくかというのは、
たとえ新しい現代のアーティストであったとしても、これから10年後、20年後、もっと言えば50年後、100年後に、要するに動画も150年前は現代のアーティストだったわけですから、
そういう形で将来的に歴史的に非常に重要な作品をどれだけ持っているかというのは、いろんな意味で重要になってくるんですね。
なるほど、よくわかりました。
今日教えていただいた天野さんということで、この美術館出席学芸員天野太郎さんにお話を伺いました。
天野さんまた次回もよろしくお願いします。
ありがとうございます。
どうも。
番組ではですね、今日いただいたこのようなご質問のようにですね、アーティストやこの美術館に対する皆さんからの疑問質問を随時募集しています。
疑問質問は専用メールアドレス、yma-shi-tsumon?yaf.or.jp、yma-?yaf.or.jpまでお寄せください。
日本美術館のホームページにある横尾チャンネル内の専用ページからもお寄せいただけます。
それでは本日のインタビューの模様をお聞きください。
私のように普通に天楽を見る側からするとですね、海外から作品がやってきて、それを飾ってるなというその一面しか見ないんですけど、今のお話がかかると、運ばれてきてから飾るまでも実はいろんな細かい苦労とかそういうのがあるかなって思ったんですけど、この辺りもう少し詳しく教えていただけますか?
一言で言ってしまうと運んで飾るなんですけれども、割とその想像力のいかないところで言うと、外国から作品運んでくるときはその外国の実際展示してあるところ、もしくは収蔵庫なりから箱に詰めて、それを空港まで運んで、飛行機に乗せて、日本で受け取って、それをまた運んで、開けて、
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点検をして飾るというところまでの作業があるんですね。
展覧会の中で実はこれを大きなウェイトを締めているところで、きちんと飾れて当然だという部分が、当然として着地するのは非常に多くの人の手が関わっているということがございます。
この実は運ぶのコストというのも相当実はかかっておりまして、その運ぶだけの費用ももちろんそうなんですけれども、そこには例えば保険をかけたりするんですね。
この保険もボリューム感のある金額なんで、いろんなちょっと手費義務があったりして、具体的に金額は申し上げられないんですけれども、なんとなく雑談の中でこのぐらいですかっていう話が出てくるときに、その金額を初めて知る人は相当驚くと思います。
それは具体的なところまで言えないと思いますけど、その何百万単位なのか何千万なのか多くなのかとか。
極端な話、展覧会の規模によっては多くなんていうこともないとは言えないんじゃないですかね。
保険の金額っていうのは、これはもう皆さんご存知かもしれないんで、リスクに対してお支払いするものなんで、作品の評価が高ければ高いほど保険額というのは高くなりますので。
保険というところにもお聞きしましたけど、やはり全体としての、何をもってして全体というかっていうのがあるんですけど、一つの美術館を開催するにあたって、どのぐらいのお金が動くというか、かかるものなら、本当に美術館の規模に全く違うと思うんですけど。
展覧会の規模によったりとか、あとはどのぐらいのお客様にご覧いただくかということで、かなり額には大幅な変動があるとは思いますけれども、例えば今回のポンペイ展で申し上げますと、20数万人のお客様にご来場おかげさまでいただきましたので、やはり億単位の金額はかかりますね。
改めて今、一般的なポンペイ展の話も織り混ぜて少しお話を伺ったんですけども、展覧会ができるまでっていうのは、私のイメージだと、まずその企画があって、いろんなお金を集めたりする営業があったりとか、あと当然来場者誘致したり、展覧会を準備したり、会期中会期後いろんなことをしたりっていうステップがあるような気がするんですけど、この辺のステップってポンペイ展の時どんな感じだったんですか?
お金を集めるっていうのは実はなかなかいろんなパターンがあるとは思うんですけれども、弊社の場合で申し上げますと業務が多岐にわたっていて、僕も担当するまで誰がそういう仕事をやるんだろうなと思ってたんですけど、これ全部やるんだっていうのは非常に実感としてあるんですね。
例えばご協賛賜ってスポンサー様のところにこういうような展覧会を企画しておりますのでご協力いただけないでしょうかというようなお話させていただくときも、当然のことながら弊社の近るべき人物とそれからプロデューサーが行っていろいろご相談申し上げるという形が普通ですし、あとはいろんな作業の中で、例えば展示をどうするのか、図録をどうやって作るのか、グッズをどうやって作るのか、宣伝をどうしていくのか、そういうようなことも含めてですね、
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仕事は相当多岐にわたっておりまして、この一つ一つすべて美術家様、画物家様と一緒の作業をするということです。
ちなみに当然その日本テレビの中ではある意味全体中心の統括されているというところのプロデューサーとしての立場だったと思うんですけど、日本テレビの中で一緒に関わった社内の人ってどのくらいいるんでしょうか。
もちろん国平店専門というのは逆に言うとイベント事業部以外ではいないんですけれども、契約をするときには、契約者は当然プロデューサーが実は作るんですけれども、それを全部チェックしてもらって、何かこういうようなところで権利の漏れがないかとか、そういうようなことをしてもらうセクションがありますし、あとは法務的なことの例えば相談をしたりというのもありますし、
あとかなり大きなところで言うと番組を成立させたいなというのがテレビ局でありまして、そういうようなのが例えば弊社の中での番組で扱ってもらうような形で企画を提案したりとか、そういうようなことっていうのはかなりしますね。
今ここまでいろいろとどのようにできるかというのはだいたいイメージつかめてきたんですけれども、やはり今回この番組で一番聞きたいのはですね、やっぱりこのポンペーテンをやっていて、本当にいろんな一番大変だったこととか、あとそれと表裏一体かもしれないですけれども、大変だったけどやっててよかったなと思った瞬間とかエピソードっていうのがあれば、何か印象的なものを教えていただきたいなと思っています。
一言でわかる素敵なエピソードがあるとですね、非常に伝わりやすいかとは思うんですけれども、大変っていうのは仕事ですので、どんな仕事にもあると思うんですね。個人がどう感じるかっていうところなんで、あまりこれが大変だったっていうのはないといえばないですし、ずっと大変っていうことも言えたりもするんですけれども、嬉しかったときっていうのはこれはもう簡単なんですね。
やはり多くのお客様にご来場いただいて、足を運んでいただくということが一番の喜びなんですけれども、テレビ局というのはやはり放送を流してお客様に電波を通じて作品というか番組をお届けする仕事ですので、美術展というのは目の前にお客様がいらっしゃるんですね。
ですのでそこには喜びを相当感じます。美術展を開催している間、僕は1日にも何度も何度も実際展示室に入って、お客様はどう感じているのかなっていうのを横で見るようにしてるんですけれども、そこでやはり熱心にご覧になってたりとか、あとは例えば嬉しかったりするのはですね、お子様のときに親御さんが連れられて一緒に来られたりしてるんですけれども、また来たいねなんていうことをですね。
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親御さんに話されているのを見るともうちょっとグッときて、僕なんか涙腺が緩んじゃうようなところがありますね。そういうときはやはり展覧会に携われてよかったなっていう気持ちになります。
これ私の想像の部分もあるんですけど、普段、今までドラマも手がけられてきて、当然リアルな視聴者さんと触れ合ったり声を聞く機会もあったと思うんですけど、それこそ数で言えば視聴率20%とかそういうものだと何百万人?もっとですか?
日本全体で言うともう2、3000万人。
そういう意味ではすごい訴求してると思うんですよ。手がけられた番組もそれだけの人が見てるって思うんですけど、そことはまた違ったある意味。
当然テレビの関連番組やったりしてその繋がりもあるんでしょうけど、このイベントの事業っていう、特にこのポンペテンっていうのは今の話にかかっていると何千万人が当然来場したわけじゃないと思うんですけども、実際来た方が目の前にいるわけですよね。
今、日に何回も現場に足を運んで、見た感動っていうのは、やっぱり数としては何千万人じゃないですけど、またその分違った大きい喜びがあるのかなって思ったんですけど、その辺はどういう感じですか?
一番大きな違いというのは、弊社は有料で放送してるわけではないので、展覧会は基本的には店におきてお客様にご来場いただいてるわけですね。
非常にこういう世知辛い世の中の中、ご自分の財布の紐を緩めていただいてお金を払ってきていただくっていうのは、これは非常に僕らも姿勢を正さないといけないなと。
お金をいただいて、実際そのいただいたお金に見合うものをご提供できるかっていうのは常に意識していることでございます。
この横浜美術館の横尾で見つけた人たちという番組ということもあるので、横浜美術館と日本テレビさんはその2つがかなり一緒にタッグを組んで、相当深くやらないとこうした成功って生まれないと思うんですけど、横浜美術館との関わりとして何か感じたこととか、印象的だったこととかっていうのは日々全部だと思いますけど、ありますか?
横浜美術館というブランドですね。日本で好きな美術館をあげてくださいみたいな企画があると、過去に1位を何度も取ったりとか、私自身もこの今のアートの仕事に携わる前に一般としてかなり数多く訪れているということがあって、非常にもう信頼のブランドというところが自分の中でもありますし、弊社の中でもありますし、
少なくとも美術に携わっている人間であればそういう認識を持っていると思うんですね。ただ美術を普段接していない人間がそこまで持っているかどうかは温度差もあると思うので、こういうような素敵な美術館に足を運んでいただく機会がもっともっと増えると、僕自身もアートファンが増えて嬉しいなと思います。
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今日のポッドキャストはいかがでしたか。
番組では、アートや横浜美術館に対する皆さんからの疑問、質問を募集しています。
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またお耳にかかりましょう。ごきげんよう。さようなら。
企画制作
横浜美術館
音楽
宮浦清
制作協力
若菜はじめ
ナレーション
清水夏実
プロデュース
インタビュー
キクタス
早川洋平によりお送りいたしました。
ご視聴ありがとうございました。