1. ラジオ美術館
  2. vol.1-2「現代アートは、二度おい..
2010-11-09 15:57

vol.1-2「現代アートは、二度おいしい」天野太郎(横浜美術館主席学芸員)

番組ではアートや横浜美術館に対するみなさんからの疑問・質問を募集しています!専用メールアドレス「yma-shitsumon@yaf.or.jp」までお送りください。横浜美術館ホームページ「ヨコビチャンネル」内の専用ページからもお申し込みいただけます。











MP3ファイル



00:06
横浜美術館で見つけた人たち
アートの魅力をもっと伝えたい
本番組は、そんな思いの横浜美術館が、インタビューの職人、早川洋平とタッグを組んで生まれました。
横浜美術館で見つけた、アートに関わる人たちへのインタビューを通じて、アートの魅力を発見していきます。
今少しその時代背景とか、そういったものを皆さんお聞きいただいたと思うので、やっぱりそういうことだったんだ、もしくはこんなことがあったんだって、皆さん少しずつ風に落ちていると思うんですけど、その上でここから少しノウハウテクニックではないですけど、やっぱり現代アートとの今の付き合い方というか、まず知識がなくても
僕としては知らない人間としては知識がなくても向き合ってみればいいんだよみたいな部分がまず一つあるのかということと、そうは言っても最低限これだけは知識やっぱり知ってた方がさらに面白くなるような、その2段階が僕の推測ではあるのかなと思うんですが、そのあたり天野さんの方からどうなのかっていう
例えばさっきお話したように今やってる横浜美術館でやってるドガとかね、すごく人気のあるゴフコとかね、ルノワールなんかも人気あるでしょ。もうね、でもね、みんな死んじゃったんですよね。
そうですね、お亡くなりになってますね。会いたくても会えないでしょ。現代美術の方はもちろん若くして亡くなられた方もいますけど、ほとんど今生きてるわけですよ。そうか、そうですね、確かに。そうするとね、まあどう言うんですかね、アイドル歌手の追っかけみたいなもんですけど、要するに作品のみならずね、書いてる、それ作ってる人の魅力もあるじゃないですか。
あ、こんな人が作ってるんだいっていう。で、それが作品とその人がずっとこうね、自分が本当に好きとか気になるとかね。気になるっていうのは2つあって、気持ちがいいから好きだからとかっていう気になり方と、なんかとにかく気持ちが悪かったりするんだけどなんか気になって仕方がないってあるでしょ。
03:03
どっちでもいいと思うんですけど、とにかく心に引っかかるような人をとにかく見続けることができるじゃないですか。その人とは抱き合わせで。で、そういうふうにして付き合うっていうやり方もあったりするんですよね。だから、もう亡くなっちゃった人というのは残された作品でしかわからないんですけど、生きてる人が、つまり不思議ですよね。
だって、そんな作品どうして作るんだろうとか。で、作ってるやつはどんなやつとかっていう興味があって、一応その興味を満たしてくれるっていうのは、始終そういうね、アーティストが歩いてるわけじゃないとは言うものの、実際にやっぱり自分と同じ時代を生きてるんだいっていう、さっきのコンテンポラリーって言うと同時代って言うでしょ。
だから、ましてやその世代が同じぐらいであるとすると、そこだけでも興味がある。どうしてこういう考え方ができるんだろうっていうのは、まずそういう引っかかってることを作品だけじゃなくて、どんな人がっていうところまでね、興味が移ると面白いかもしれないですね。人物を通せるし、その人が作ったものも通せるっていうね、いうのがあるんじゃないかなと思いますけどね。
確かにそうですね。言われてみると、そこが決定的に、やっぱり現代アートって言っちゃうとそれだけ難しく思いますけど、まずね、やっぱり生きてる人が圧倒的に多いわけですよね。
それで作品もそうだけど、その人のパーソナリティーとかに触れることもできるし、直接会えないにしても雑誌のインタビューとかもあるし、場合によってはテレビに出てる人もいるじゃん。
そうですね。それこそなんか情熱大陸とかね。
そうですね。わかりやすいとか。
ああいうトップランナーとか言って、まあ必ずしもアーティストだけは出るわけじゃないんですけど、そういうその日本立てで自分の興味が答えてくれるっていうかな。どうしてっていうことについてね。本人がいなくてだけだとやっぱり作品だけだとその人に何も言わないので。
確かにその人の先にパーソナリティーに触れれば、極端に言うとそのアートが、ゼロからそのアートを見たときはわからなくても、やっぱりこの人が書いてるもんだ、作ってるもんだって。なんかそういうだけでまずハードルって下がりますよね、きっと。
でまあ、しかも作ってる人がそんなに難しいことを考えてね、作ってるかどうかっていうこともわかったりすると、まあ気がなくなるとあるでしょ。案外単純なこと作ってんだみたいなことにもなると。
まあもちろんそれは亡くなった方も本が出てたりするとね、それを読むとそれなりにわかるんですけど、まあ御本中も含めてね。だけどやっぱり今生きてる人というのはほら、刻々と変わっていくわけでしょ。
その人自身もそうですよ。最初作った人と10年後に。
そうそうそう。ずいぶん変わったなーっていう。そういうのを見続けるっていうのはなかなかね、面白いですよね。
現在進行形でその人をある意味追っかけられるんですね。
そうそうそう。だから楽しみ方とするそれが一つ手としてはあるかなと思いますけどね。
06:07
それを聞いてずいぶん気が楽になる。今のところで本当に意外とそういうことって、普段専門家じゃない僕とか普通の人からすると、なんか話は今はすごいシンプルだなと思ったんですけど、意外とそういうのってみんな知らないなと思うので、非常に今のお話ありがたかったんですけど。
そんな中であえて切り込みますけども、これだけは知っておくとさらに面白くなるんじゃないかって。本当に基本の基本的なそういう感傷ノウハウ、心構え、知識みたいな。
天野さんそういうのあんまり好きじゃないかもしれないですが。
いやいや、そんなことないんですけどね。いろいろあるんですけど、さっき言ったようにアーティストを知るっていうのは、よりその人が作ったものに近づいていく一つの手であるというのはあるでしょ。
あとやっぱり、特に美術館なんかは結構解説をしてくれてるときがあるんですよね。例えば作品が置いてあって、そこの近くにどんな作品でとかいうふうに解説してくれるところがあるんですよね。
それがないときに、これも今大抵の美術館やってると思うんですけど、ギャラリートークって言うんですけどね。要するに展示室でそこの専門の人たち、学芸員って言うんですけど、その学芸員の人が作品の前で話してくれるんですよ。
そういうプログラムが必ずあるので、それをそこの美術館のホームページとか探せばあるので、解説読んでもよくわかんないけど、肉性で解説をしてくれるような、それを使うっていうのはいいかもしれないですよね。
あと、大学の先生が読んで講演会とかもあるんですけど、大体みんなタダなんで、無料で聴講できる場合が多いんで、そういうのを利用されるっていうのはいいかもしれないですね。
なるほど。やっぱりそうすると、アーティストに直接会ったり、そういうものに触れるっていうのはもちろん一番最初にあると思うんですけど、美術館なんでギャラリートークだったり聴講だったり、やっぱりいずれにしても自分で文々とわかんないわかんないっていうよりも、やっぱりその人を介してっていうとこれからまず入るのがありかもしれない。
それでね、しかも今、こういう文化施設っていうんですか、図書館もそうですけど、なかなか今大変な時代になってるんですね。財政的なこともあるんですけど、でも逆に言うと、みんな生き残りをかけて、今まであんまりしてこなかったサービスをずいぶん始めてるんですよ。
だから、みんな解説なんか全然してこなかったようなところが、最近はもういらっしゃいませっていう感じでやってるところが多いんですよね。だから、昔と比べるとそういう機会はずいぶん増えたと思いますよ。
09:03
だから、お互いそれを使えば、さっきも言ったように、ほんとお金かかんないので。一つはギャラリートークっていうのは、展示室の中に入んなきゃいけないでしょ。そうすると、そこは入場料を払ったりしなきゃいけないんですけど、講演会とかいうのは、そこの美術館の中、広い行動みたいなところでやる場合は、ほとんど手中見なくても聞けるので、ただで。
そういうのを大いに利用するっていうのはアリだと思いますよ。やっぱりよく知ってる人の話を、まあまあちょっと今聞いてみるかいっていうのは悪くないと思いますね。
いろんな美術館、そういう面白い試みしてると思うんですけども、せっかくなんで横浜美術館としては、例えばこんなことをやってるっていうのはありますか。
横浜美術館ではですね、今言ったようなこともそうなんですけど、ちょっと2年前から塾を始めましてですね。ほら世の中にね、たくさんあるでしょ。市民カルチャーセンターとかね。
それからあといよいよ日本の大学も学生ばっかりじゃなくて、社会人のためにとか、ものすごくたくさんあるんですよ。でそれでもあえて2年前に始めた理由は、何だってその美術館の場合は東京大学でも真似ができないことがあって。
どうかというと、現物があるじゃないですか。そうですね。何て言ったって、美術館ですからコレクションがあるし、それから自分の持ち物ではありませんけれども、土画展という展覧会をやってるとすると、そういう目の前の作品を使って授業ができるっていう強みがあるじゃないですか。
だからまあそれはね、ルーブル美術館のようにですね、コレクションが39万点も40万点もあるので、横浜美術館の場合1万でぐらいしかないんですけど、それにしても、今ほらパワーポイントとかいってて流行ってますけどね、やっぱり実際の作品を見ると色も違うし、よくわかんないじゃないですか。
だからやっぱりそこをできるだけ使ったような講座をすることでね、例えば今確かに土画展の中で有名な画家ですから、皆さんが教科書で見たことがある作品もあるんですよ。
でね、大抵皆さんがね、全然教科書と違うねっていう。で、教科書っていうことは印刷ですから、やっぱり印刷で100%再現するのは不可能なんですよ、ある意味。
で、やっぱり実際のものを見てすごく良かったりっていうこともあるし、逆にね、がっかりするときもあるの。
何だこれ、みたいな。だけどそれはそれで現物に触れる機会、だからそれがまさにその美術館の強みなのでね。
そういうことを軸にして、軸っていうか柱にして、いろんな試みをしようとしてますね。
そこが一番大きいかな。
今、天野さんおっしゃったようにまさに、僕は美術館ではないんですけど、あるテーマパーク、世界的に有名なテーマパークで、アメリカにあるところなんですけど、これを言えばわかる人いるかもしれないですけど、
12:03
日本にもある有名なところで、そのモチーフになる有名な建物があるんですけど、そのテーマパークには必ずある。
で、それを日本のものは結構大きかったんですよ。で、アメリカ行ったら、
低いんだよね。
すごいちっちゃいところが、これ聞いてわかる方もいらっしゃると思います。
これは単純に大きさだけの話ですけど、ただやっぱり今天野さんおっしゃったように、きっと作品とかも、今どちらかというとネガティブなイメージですけど、
実際行くと思った以上に大きかったり、例えば赤みがテレビで見てたり赤かったりとか、そういったもの、シンプルなものだけでも楽しめそうです。
だから今インターネットこれだけ発達すると、そういうインフラがよくできて、極端なこと言うと世界中のことがだいたいもう画像で知れるわけでしょ。
しかも今3Dも出てますしね。
ところがですよ、皆さんもそうだし僕もそうだし、皆さんきっとそうだと思うんですけど、
例えば野球一つにとってもね、野球場に行って見てみると、やっぱり全然違うんですよね。
まず音が違う。とにかく五感で迫ってくるじゃないですか。
だからやっぱりライブでね、芝居を見たりとかコンサートを聞いたりとか、やっぱりそれの魅力っていうのは変えがたいと思うんですね。
ものすごくアナログな体験だけど、それと同じようにこんな時代だからこそね、五感。
結局ね、美術館で絵を見るって言ったってね、よく四角って言うんですけど、だって美術館にも匂いがあるし、
やっぱり鼻でも体でも、結構五感で感じてるんですよ、人間って。
こんな時代だからこそそういう体験をするっていうのは、どんどん必要になってくるかなという感じがするんですよね。
今日のポッドキャストはいかがでしたか?
番組では、アートや横浜美術館に対する皆さんからの疑問、質問を募集しています。
専用メールアドレス
yaf.or.jpまでお送りください。
横浜美術館ホームページ、横美チャンネル内の専用ページからもお申し込みいただけます。
15:07
それでは、またお耳にかかりましょう。
ごきげんよう。さようなら。
この番組は、企画制作 横浜美術館
音楽 宮浦清
制作協力 若菜はじめ
ナレーション 清水夏実
プロデュース インタビュー
キクタス 早川洋平によりお送りいたしました。
15:57

コメント

スクロール