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031 協働ロボットのお話
2026-07-11 14:39

031 協働ロボットのお話

最近ちょくちょく見かけるようになった協働ロボット。

弊社の偉い人にお話を聞いてたら認識が甘かった人がいたのでまとめた情報をここでお話しておこうと思います。

産業ロボットとはなにか、協働ロボットとはなにか、どんなメリットがあるのか、いろいろお話をしていきます。

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サマリー

本放送では、工場自動化の専門家であるパーソナリティが、最近よく見かけるようになった協働ロボットについて解説します。従来の産業用ロボットとの違い、協働ロボットの定義、そして導入における誤解や注意点を、具体的な事例を交えながら説明。協働ロボットは安全機能を持つものの、それ単体では安全が確保できず、リスクアセスメントが不可欠であることを強調しています。また、生産性よりもスペース効率や人とロボットの頻繁な作業連携が求められる場面での活用価値を解説し、安全第一の重要性を訴えています。

はじめに:協働ロボットの話をする理由
はい、みなさんごきげんよう。お疲れ様です。 ヲタクと技術とコーヒーとへようこそ。パーソナリティのよへです。
今回は、真面目に協働ロボットのお話をしていこうと思います。 自分の本業が工場自動化という領域であり、
先日ですね、ロボットの展示会に行ってきたので、少しロボットのお話をしていこうかなと思いました。
そう思ったのも一つ、弊社で協働ロボットを導入する際に、ちょっと考慮が足りていない管理職の方々がおりまして、
その方々に説明したことがあり、その時の資料と調査結果というのを記録しておこうかなと思い、このポッドキャストを撮っております。
結論から先にお伝えしますと、協働ロボットは使いどころをきちんと考える必要があるということです。
産業用ロボットの定義と従来の安全対策
協働ロボットについての説明の前に、ちょっと産業用ロボットというのからお話していきます。
一般的に産業用に使われるロボットとは、3以上の軸を持ち、自動制御によって動作し、
再プログラム可能で多目的なマニプレーション機能を持った機械というふうに定義されています。
何言ってるかわからないかもしれないですけども、とにかく動く軸っていうところが3軸以上あって、自動制御で動いてプログラミングできる、いろんな目的に使えるっていう機械です。
ロボットといえば、人型のガンダムなどが想像されるんですけども、産業用途ではあまり使われず、片腕のような形のロボットが使用されることが多いです。
従来の産業ロボットっていうのは力が非常に強く、万が一人と接触するようなことがあると大怪我させてしまうために、
安全策で囲って人とロボットを隔離する必要がありました。
そもそも人間がすると危険な作業の置き換えっていうのがロボットの導入目的でありました。
例えば、人間が持ち上げられない重量物の運搬、高度な技能が必要で火花による火傷や強い光で目を痛めるリスクがある溶接、
有機溶剤だとか風塵から人間を保護する必要がある塗装作業などです。
これらをロボットにすることで工場を安全にしてきたという歴史があります。
協働ロボットとは何か?誤解と定義
最近では新しい選択肢が生まれました。
共同ロボットです。
人から隔離するのではなく、人と協力して働く。
協力して働くということで共同ロボットというのが生まれました。
ここに関連してちょっと言われたことがあります。
共同ロボット、それって80W規制の話でしょ?
80W以下なら共同ロボットなんでしょう?
これはよくある誤解ですね。
日本では昔から80W以上のロボットを安全柵で囲うという規制がありました。
ですが、80W以下の小さなモーターであっても
減速器と言われるギアをかましていくと強い力が出せるようになります。
人間の骨を折るくらいの力を出すことは十分に可能です。
ですので、出力の数字だけでは規定ができません。
共同ロボットは大雑把に言ってしまうと
ロボット自身が高度な安全機能を持っていること
共同ロボットというのは
共同作業空間に人がいるかどうかを常に監視して
人が近づいたら動作を遅くする、もしくは停止する
人がロボットに接触した場合に
衝撃力制限をすることで怪我を防ぐ
という機能を持っているのが共同ロボットとされています。
ここに80Wだとかモーター出力という文字はありません。
モーター出力ではないんですね。
協働ロボットにおける安全リスクアセスメント
また、共同ロボットを策なしで運用するためには
安全リスクアセスメントという作業が必須になります。
これはISOにもJISにも規定があります。
安全というのは共同ロボット単体では実現できないんです。
安全を確保する上で
共同ロボットを使えば何でも安全ということはなく
適切なリスクアセスメントをする必要があります。
発生する危険性を洗い出して
それに対する対策を追って地道に潰していくというもの。
ところで皆さん、ここで言う安全とは何かご存知でしょうか?
安全というのは許容できない危険がないこと。
もう一回言いますね。
安全とは許容できない危険がないこと。
これ二重否定になっているのでちょっと混乱しますね。
例えば、隕石が落ちてきて
当たるのが怖いから外を歩くのは危険だ
という人がいたらどう思いますかね?
確かに危険源としては隕石が落ちてくることはあり得ます。
可能性はあります。
自分にぶつかるということもあり得る話です。
ただ、それが起きる確率というのは非常に少ないですね。
それこそ天文学的な数字で低いですよね。
一般的にはそのリスクを許容できるレベルと判断して外を歩いているわけです。
ロボットのリスクアセスメントも同様で
危険は危険として認識した上で
発生確率を下げる対策、怪我の重症度を下げる対策を行って
リスクを減らしていくことになります。
例えば、人の侵入を検知して機械を停止させるセンサーを設置したり
重症度を下げるためにクッションを付けたり、干渉剤を付けたり
あとは動作スピードを下げたりします。
ただ、それでは足りないことがありまして
例えば、挙動ロボットが包丁など刃物を持って作業している場合どうですか?
力が弱いと言っても5キロ程度のものは持ち運びできる力持ちなロボットです。
低速だとしても包丁を5キロの力で押し付けたら指くらいはスパッと切れますね。
わかるようにロボット単体では安全は満たせないんです。
挙動ロボットを買えば何でもかんでも安全っていう話ではないことがわかると思います。
よく見る挙動ロボットに対する安全の手段として
セーフティレーザースキャナというのを併用しています。
レーザー口で周辺に人がいないかを常に監視し続けるセンサーです。
これで人の侵入を検知するとロボットが低速運転になったり動作を停止したりします。
先ほどの包丁の話。
ロボットが停止しても包丁丸出しですとそこに触れてしまい手を切る危険性は残ります。
ですから歯の部分にカバーをつけたりして人が容易に触れないようにします。
はい、これがリスクアセスメントの一つです。
危険を特定しました。
包丁の歯に触れて指を切ってしまう。
リスクを最小化するために歯にカバーをつけます。
これでリスクを減らすことができました。
こんなようなことを思いつく限り全てで行い許容できないリスクがないという状態まで持っていきます。
共同ロボット以外の部分も安全対策を施して初めてシステム全体が安全で人の近くで共同できると判断されます。
協働ロボットの接触時の力基準と注意点
続きましてロボット本体の安全の話です。
まだあります。
国際規格ISOで共同ロボットが人体に接触した場合に人体に与える力の基準値というのが細かく規定されています。
純静的接触の場合と動的接触の場合の2つがあります。
例えばロボットでゆっくり押される、壁に挟まれるみたいな場合は純静的接触。
動いているロボットにパチンとぶつかる場合が動的接触です。
この力の強さというのが人体の部位ごとに上限が決まっていまして、これ以下になるように制御しなさい、システムを設計しなさいという指針なんですね。
ざっと言いますと、頭首頭はぶつかってはならない、接触させてはいけないという風にされています。
これは確かに危ないですからね。
ロボットに頭ぶん殴られたら大怪我します。
そして、触ってもいいけど最もデリケートに保護するべき、最も弱い力としては腹部、お腹で純静的接触で110ニュートン。
これは約11キロくらいの力でギュッと押されるイメージです。
10キロくらいのお米の袋をお腹に乗っけてゴロンと寝てみてください。
結構強い感じで押されますね。
これでも強いですね。
動的接触の方、パチンと触ったような接触ですと220ニュートンです。
静的接触の2倍くらいですね。
逆に最も緩い箇所でも太ももで純静的接触で220ニュートン、動的で440ニュートンという風になっています。
ただし、これらも補足説明があって、尖っているものの場合は許容力以下でもNG。
先ほどの例の包丁ですと尖っていますのでNGとなります。
そして大前提としまして、これらの数値は上限であって、これ以下ならぶつかっていいという意味ではありません。
これ以上は絶対ダメというだけの意味です。
通常はリスクアセスメントを行ってリスクを最小化していくというのが大原則です。
協働ロボットの限界と真の価値
細かい話を言いましたが、言いたいことはこれです。
共同ロボットだけでは安全は確保できない。
こういうことです。
そしてまた次のお話。
共同ロボットで人間の作業速度を再現させることはできません。
これたまに導入する人が言うんですけども、
柵が不要で手軽で便利。
人間の代わりに入れたら人がいなくても安心。
こんなものではありません。
安全のために人が近くにいたら速度を落とすか停止するという機能を持っています。
なので人の隣で作業するには速度を落とす必要があります。
生産性をとにかく上げるんだったらば、
安全柵でガッチリ囲って高速に動作できる従来の産業用ロボットを導入した方がいいんです。
共同ロボットというのはセンサーが追加されているためにコストが高い。
安全のためにはスピードが遅い。
そしてモーターが弱い。
こんな特徴があります。
安全柵なしで使えるということがメリットとして大きくてスペース効率が良い。
そういう特徴があります。
共同ロボットの価値は何か楽をしたいみたいな免罪符ではなく柵を設置するスペースがない。
もしくは人とロボットが頻繁に作業を受け渡さなければいけない工程において発揮されます。
その前提としましてはリスクアセスメントを行って人間が知恵を絞って危険を最小化した場合にやっと発揮されます。
この使いどころとリスクを見誤るとただ高いお金を払って動きが遅いのに危なっかしい機械を柵なし丸出しで工場真ん中に鎮座させる。
ただ置くだけになってしまいます。
安全第一のマインドセットとまとめ
安全第一。
工場に貼ってありますがこの安全第一は伊達じゃないんです。
システム全体で安全と品質を作り込む。
これが非常に重要なマインドセットだと思います。
あまり表に出てこない工場自動化。
これらを支える人の苦悩が少しでも見えたなら幸いです。
今回はちょっと本業に近いお話をさせていただきました。
ちょっとニッチな情報になってしまった感じはありますが、いつもニッチなことばっかり言ってるのでまあいいでしょう。
ではでは今回はこの辺で。
お相手はYOHEIでした。バイバイ。
14:39

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