1. Zero Topic - ゼロトピック -
  2. #323 AI時代のBizDev
2025-06-23 17:31

#323 AI時代のBizDev

AI全盛の昨今におけるBizDevについて考えました。

---

お知らせ


サマリー

AI時代のBizDevにおいて、事業開発の役割やバリューの創出方法が深く掘り下げられています。財務的な価値、顧客の価値、内部的な価値の3つを中心に、ビズデブが果たす使命とその方向性が探求されています。AI時代において、ビジネスの不確実性を解消するために、LLMの活用方法が重要であると語られています。また、事業開発では、実践的な学びを得る機会が増えていることが強調されています。

ビズデブの役割と価値
こんにちは、ゼロトピックです。 今回は、AI時代のBizDevというタイトルで話していこうかなと思っています。
ビジネスデベロップメント、日本語で言うと事業開発という、この役割について、今のこのAI前世の時代にどうなっていくかというところを少し考察したものをお話しできればと思っていまして
まず結論なんですけど、BizDevが果たす根本的な役割とか、あるいはミッションみたいなものは、基本的に過去から変わらないかなと思っています。
過去からっていうのを、自分の中の定義としては、BizDevの役割、価値っていうのは、事業価値の最大化、拡大、あるいはそのための機会の最大化
こういったものが、BizDevが果たす役割だと思っています。 事業価値って、要はバリューというか、いろんなバリュー、いろんなアングルのバリューがあると思ってまして、そこにいろんなインパクトの出し方があると思っていますし、その方法は一つじゃないと思うんですよね。
例えば、財務的なバリューですと、売上げを上げるとか、荒利を上げるとか、コストを下げるとか、利益をどう増やすとか、いろんなカットで財務的なバリューを見出すことができるかなと思っています。
こういうPLに直接ヒットしなくても、例えばキャッシュフローがすごく良くなるとか、そういうものも非常にインパクトとして大きいケースっていうのはあると思うので、
例えばですけど、財務の方とか、CFOとか、あるいは社内的な経理の方とかが銀行と交渉して金利を下げるとか、あるいは取引先と交渉して入金のサイクルを早くしてもらって出勤のサイクルを下げるとか、こういったものも自分的には事業開発活動の一部だって思っていて、ものすごく価値のある行為だと思っています。
それが一つ目の財務的なバリューで、二つ目は顧客のバリューなので、この事業とかサービスとかを通じて顧客に返す価値、その大きさをどうやって増やすか。
顧客が持っている課題、あるいは現状の業務、そういうものがあって、それをいかに課題を埋めてあげたり、業務を置き換えてあげたりすることによって、顧客が楽になったり喜んだりするか。これが顧客のバリューだと思っています。
三つ目がもう少し内部的な意味付けのバリューっていうのもあると思っていて、例えばPRをして新しい戦略を発表することで、今までアプローチできなかったお客様にリーチできるようになるとか、こういった自分たちの今後の果たしたいミッションとかに対して直接的に財務的なバリューだったり、顧客のバリューだったりを返すことには繋がらないかもしれないが、
将来の自分たちの位置づけとか意義とかに何か大きなインパクトを与えるようなバリューの出し方っていうのもあると思っていて、そういうざっくり三つに分けたんですけど、三つだけじゃないと思うんですけど、いろんなバリューの出し方があって、こういうものを駆使しながら事業のバリューを最大化していく。
これがビズデブの果たす役割で、非常に根本的なもの部分かなと思っています。
価値創出の方法
当然バリューにも有形なものもあれば無形なものもあって、有形なものだとさっきの売上が上がったとか、新しいプロダクトをローンチできたみたいなのは有形で分かりやすいものになりますし、一方で意味的なもの。
何らかの事業を世の中に発することによってとか、あるいは社内的に世の中に発しているわけではないんだが、内部的にこういったものを仕込んでおくことによって将来につながっていくとか、自分たちのミッションにつながっていくとか、なかなか外から見えない無形のものっていうのもどちらもあるだろうなと思っています。
ビズデブの難しいところの一つとして、経営の方針みたいなものとしっかりアラインしないと、このバリューの喪失っていうのは、喪失されるバリュー自体が大きくならないっていうことがあると思っています。
例えば、我々は小売業向けのソフトウェアの事業をやっていますけれども、僕らのところに優秀なビズデブの方が来て介護事業を始めますみたいなことを言ったときに、確かに介護事業やって売上がったり、お客さんが喜んでくれるみたいなことが全然あると思うんですけれども、それが会社の目指す先と全く違うところに向かっていると、そのバリューの評価ってやっぱりすごくディスカウントされると思うんですよね。
なんでここでやる意味があるのかとか、経営としてそこに対して重心をかけてリソースを集中していくべきみたいな判断が取れないとか、そういうことが起きるので、非常にビズデブがバリューを喪失していくときには、アラインっていうのが非常に重要だと思っています。
経営とアラインするってことは、いろんな制約をバリューの喪失時に受けるんですよね。例えば、目指す産業の制約、今の例は小売業をやっていて介護産業に行くみたいなのはちょっと違うよねっていう制約を受ける、そういう話だと思いますし、あるいは注力する事業の領域の制約。
例えば、我々ネットスーパーやってますけども、ネットスーパーじゃなく週に1回しか届かない通販事業にバリューを喪失しますみたいな、これはちょっと違うよねみたいな形で制約を受けると。
あとは顧客の制約で、いくらいいサービスとかプロダクトがあったとしても、顧客がそれを導入できる状態になかったり、それを導入するためにはすごく長いプロセスとか時間が必要だったりといった、我々だけでどうしても完全にはコントロールしきれないような顧客が持っている制約の影響も受けます。
最後、内部的なリソースとか体制とかの制約。どうしてもこの事業に早くリソースを投下したいんだけども、どうしても既存事業があってとか、別のここの開発が忙しくてみたいな形で、すぐにそこに対してリソースを投下できないみたいな、あるいは体制が組めないみたいな制約を受けること。
こういうことは必ずあると思っていて、こういった制約もありながら、それをどうクリアするかを考えつつ、インパクト、バリを出すことにつなげていくっていうことが、VizDevに求められる根本的な役割だと思っています。
ここまでちょっと一般論としてお話ししたんですが、10XのVizDevはどうなっているんだいという話もしたいと思っていて、10XのVizDevはバーベル型になっています。
バーベル型って何かというと、型側は定型化というか、既に我々が構築してきたバリューの出し方みたいなものをいかに磨き込むかっていう、割と定型業務に近いというか、定型ではないんですが、一定の型の上にその型のチェンジをしていくような業務。
もう型は全くの非定型な探索の業務で、非常に野を分け山を分け入り込んでいくような業務と二つあって、この両方が同時に存在するっていうところが大きな特徴の一つかなと思っています。
非定型って言ってるものは、別の言葉で言い換えると不確実だっていうことだと思っています。
どういう不確実性があるかというと、例えば今まで面したことがないようなお客様への広がりが今起きています。
なので、過去に我々がやってきたような営業活動が正しくない、そうではないやり方で新しいお客様と面していく必要があるってことが今起きています。
もう一つが各社への価値を出していくっていうところを深く深く掘り下げていくっていうところで、これ特にネットスーパーの事業ですと、かなり深いところまで来たつもりなんですが、まだまだ深淵だぞと深さがあるぞというところが結構見えてきていて、
こういったものに対してどのように事業をハンドリングしていくかっていうところの不確実性があります。
最後はこれ一番わかりやすいと思うんですが、5月の20日にプレスリリースを出したんですけども、新しい事業へ我々がプロダクトを拡大していっているタイミングになるので、
そのプロダクト自体が拡大していくとか、あるいはこのPMFに向かって顧客のフィードバックをしっかり反映していくっていうプロダクト開発と営業活動、事業開発活動が両輪となりながら進んでいくっていう、
そういった不確実性が存在しますと。
先ほどの2つ、定型的なものと非定型なもの、7割3割ぐらいずつですっていう話が、これが人で分かれているのではなくて、
ある同じ1人のBizDevの中に両方が内包しているってところが特徴的だなと思っています。
うちにいるBizDevのあるメンバーっていうのは、既存の大手のお客様のネットスーパー事業をいかに、
今その中で持っているミッションっていうのは、売り上げを上げたり、あるいはキャパシティを上げることによって、
もっと受注が受けられる、今来てしまっている事業の方が多いので、それを受けられるようにするかっていう問題、
この問題を顧客と一緒にどう解くのかっていうのをストラグルしながら進めているっていうのをやりつつも、
新しいプロダクトの顧客の開拓とか商談とかをしながら、このプロダクトってどういうものなんだろうっていう理解を深めていく。
理解を深めていくっていうのは、既にあるものを理解していくっていうよりは、今後どうあるべきなんだろうっていうのを理解していく。
これをさらに拡大していくための、いろんなステークホルダーとのコミュニケーション、こういったものを一つ、一人の中に内包するっていうことが起きています。
それも一人だけではなくて、うちのビジネスティブっていうのは、ほとんどの人がこういうバーベルを両方持っているような状態で進んでいるっていうのが特徴的だなと思っています。
こういう環境になると、どこかでは自分のやってきたこととか強みを発揮しながら、どこかではやってこなかったことに対して常に学習が求められる状態になるんですよね。
なので、非常に学習速度とか学習の効率性とかっていうのが、事業の拡大に対して普通にインパクトするっていう、そういう状態になっています。
なので、求められているのは不確実性、特にこちら側への対応の速度とか精度だというふうに言えます。
定型側の業務っていうのは、言うたら一度近いようなことっていうのは誰かがしているので、会社からの支援というのはしやすい、あるいは受けやすい状態にある。
AIと不確実性の解消
一方で不確実な業務っていうのは、誰も今までやったことがないから不確実なんだって。
そういった市場とか業務とか顧客と直接面して一時情報を得ながら、その不確実なところに対して未来を作っていく必要があります。
本題のAI時代のっていう前置きをしたんですが、AI特にLLAですね。
オープンAIとかGoogleとかアンソロピックとかなんかいろんな会社が出てきてて、ビジネス側としても使えるツールっていうのはどんどん増えていると思います。
分かりやすい例で言うと議事録ツールとか、あとはノーションAIみたいなものもそうかもしれない。
だけどこのAI、LLMっていうものは、事業上の不確実性を解いていくっていう活動との相性は正直良くないなっていうふうに思っています。
このAIが今まで面したことがないものを知っているわけがないので、当然なんですけども、
特にLLMが得意なのって結構パターン認識とか、集めた募集団の中での平均をサンプルしてくるっていう行為だと思ってるんですね。
例えばなんだろうな、有名なバスケットボール選手を教えてくださいって言ったら、
多分ですけど、世界中の中で一番有名なマイケル・ジョーダンを挙げてくるみたいな私になると思うんですけど、
これを日本の中でとか、日本の2010年か2015年の中で活躍したみたいな募集団の条件を変えてあげると、より良いサンプルを取ってこれるようになる。
そういう性質のものがLLMだな。あるいはこういう問題があるんだけど、こういう問題に対する原因のパターンとか解消のパターンを出してくださいって言うと、
可能な限り網羅的に出してくれようとする。こういうところは得意だと思うんですけども、不確実性の高いときって、
網羅的に物を考えて何かを進むっていうよりは、一つ角度が高そうな原因みたいなものに当たったら、その解消を試してみて、そのフィードバックを実際に得て、
その元に次を考えるっていう、すごいアジャイル、アジリティの方が実は重要だったりすると思っているので、
LLMの特性とか強みみたいなのが活かしにくいっていうのが正直あると思っています。
では、どうするかっていうと、これも使い方だと思っていて、LLMを自分の武器にするっていうことではなくて、
情報をハンドリングしたり、あるいは学習する際の、自分を学習のためのツールとしていくっていうのが個人的には良いと思っています。
学びの機会と事業開発
直接的な武器にするっていう意味で言うと、当たり障りのない、網羅性の高いものはいっぱい出してくれるんですが、
それを使って問題解決できるかとか、不確立性の探索がうまく進められるかというと、自分はノーだと思っていますし、
LLMが得意なコーディングみたいなとこで、ソフトウェアを作ったことがない人がバイブコーディングして、
なんかデモみたいなものを作ったとて、かけた時間に対して高品質なデモにはほとんどならないし、
作ったものを運用可能な状態にできるかというと、やっぱり全然プロダクションレベルのものにはならないと思うんですよね。
でも、それよりも自分自身が学習するためのツールだっていうふうに割り切ってしまうのが良いかなと思っていて、
例えば、自分が分析したExcelみたいなものをぶち込んで、それに対する自分の示唆をぶつけたときに、
抜け漏れがないかとか、コーチあるいはティーチャーみたいな役割として使っていくっていうのが非常に良いと思っています。
なので、BizDevが果たす根源的な役割は変わらないし、
あとは、今多分このLLM時代に入って、我々みたいなバーベル戦略を取っている既存の事業を深く掘っていくっていうのと、
探索をやるっていうのは同時に走っているっていう会社っていうのは、
特にソフトウェア業界だとものすごい一気に増えている。
なぜならその開発のところの生産性が上がっているから、
事業化できるような機会っていうのが、もっと会社の中でリソース的には増えているっていう状態。
なので、いかにあとは良い機会をつかむかっていうところに、ボトネックが移ってきているような状態になっています。
この良い機会をつかむかっていうところに、LLMが直接的に役に立つかというと、
そうではなくて、その良い機会をくくり出せる人って、やっぱりすごい希少な人材だと思うんですよね。
なんか起業家みたいな人って、その最たる例、典型的な問題ですけど、
これから事業を複層化していく、あるいは複線化していくってなっていくと、
この起業家的な役回りを事業としてくくり出せるような人を、どうやって増やしていくかっていうことが重要になっていって、
ここに対しては、やっぱりLLMはその学習の高速道路になる、なんかそういった可能性を感じているので、
そういった割り切り方が良いんじゃないかなと思っています。
私、LLMも良い教師にはなると思うんですが、なんだかんだやっぱり事業開発をする上での一番の教師って、
横で事業開発をしてうまくいっている人だと思うんですよね。
なのでやっぱりそういう人たちと近くで仕事ができるっていうのが、学習上はすごく重要だったりして、
10X、非常にギュッとリーンな組織でもあるので、やっぱりそういったシーンはかなり近いところで、
あるいは自分が一瞬商談に出ながらできるってところが、今の10Xのビジネスのすごく面白いところじゃないかなと思っています。
なので将来事業を作っていきたいとか、あるいは起業したいみたいな人にとってみると、
すごく学習機会をたくさん提供できるような環境に直近はなってきているんじゃないかなと思っていまして、
そういったアピールの意味も込めて、少しこのテーマについてお話をさせていただきました。
はい、ということで今回もお聞きいただきありがとうございました。
17:31

コメント

スクロール