やまラボの紹介
やまラボ Podcast、ようこそ。さて、今日は、あなたが共有してくれた、あの、研究室見学のメモと、ウェブサイトの情報がありますね。
これをもとに、計算科学を専門とする、やまラボについて、ちょっと深く見ていきたいなと。いいですね。
3年生のあなたにとっては、研究室選び、本当に大きな結論ですから、このラボがどんな場所で、あなたに合うのかどうか、一緒に探っていきましょう。
そうですね。まず、資料を見て、すぐ目につくのは、実験器具を基本使わないってことですね。
ああ、コンピューターシミュレーションがメイン。
分子の世界を探ると。で、生物物理、科学工学、工科学っていう、3のチームがあるようですけど、全部、計算科学っていう共通の土台の上にあるという感じですね。
なるほど。じゃあ、具体的にはどんな研究を、生物物理チームからいきましょうか。
はい。
インフルエンザとか、アルツハイマー病関連の研究ってありますけど、シミュレーションで何が分かるんですか。
そこがまあ、面白いところで、例えば、インフルエンザの薬剤体制、薬が効かなくなる原因、そのウイルスタンパク質のほんのちょっとした変化をですね、原子レベルの動きとして、シミュレーションで追いかけるんです。
へえ、電子レベルで。
そうなんです。実験だけだと、なかなか捉えきれない、そのダイナミックスが見えてくる。
なるほど。
あと、アルツハイマー病関連だと、アミロイドβっていうタンパク質がこう、どうやって集まって塊になるのか、そのプロセスをですね、分子動力学っていう、まあ分子の動きを時間もって計算する手法で解明しようとしてるんです。
分子動力学。
ええ。北米とも連携してるみたいですね。
なるほど。目に見えない分子の振る舞いを、計算科学で見ることができる強力なツールなんですね。
まさに。
じゃあ、科学工学チームはどうでしょう?
MOFを使ったCO2回収とか、あとタイヤのゴムとか、これはかなり実用的な感じがしますけど。
ええ、そうですね。MOF、金属有機構造体、これジャングルジムみたいな空間を持つ物質って説明されてて、すごくわかりやすいんですけど。
ジャングルジムですか。面白いですね。
ええ。で、この細かい空間にどうやってCO2だけをうまく吸着させるか、その最適な構造をシミュレーションで見つけ出すみたいな。
なるほど。
タイヤのゴムも融合加強っていって、ゴムに弾力とか強さを与える溶合の結合がどうやってできるのか、これも分子レベルの反応なので。
はい。
量子化学計算、つまり電子の動きまで考える計算で、そのメカニズムを解き明かそうとしてる。
横浜ゴムさんと共同研究もやってるみたいで、産業界とのつながりもあるようですね。
学生の自主性と学び
量子化学計算で反応の確信に迫って、分子同理学で全体の動きを見ると使い分けてるんですね。
そういうことですね。
そして、工科学チーム。これはホタルですか?
そうなんです、ホタル。発光の仕組み、特に色のコントロールに注目してるみたいで。
色のコントロール?
ええ。普通、黄緑色じゃないですか、ホタルの光って。
はいはい。
それを赤色に変える研究をしてるんです。
えー、なんでまた赤色に?
それはですね、赤色の光って生体組織、つまり体の中を透過しやすいんですよ。
あー、なるほど。
だから、この技術がうまくいけば、例えば眼細胞とかを体の外から光で見えるようにできるかもしれないと。
それはすごい応用ですね。
ええ。これもシミュレーションでどうやったら色が変わるのか、タンパク質の構造と光の関係を探ってるんですね。
なんかさらに、恐竜時代の古代ホタルの光の色まで研究してるとかで、これは純粋に面白そうですよね。
古代ホタル、それはロマンがありますね。
ええ。
で、これらの研究を支える技術として、さっき出た量子化学計算、分子動力シミュレーションに加えて機械学習も使ってるんですね。
みたいですね。大量の計算データの中から、人間じゃ気づかないようなパターンとか法則性を見つけるのに役立ててるんでしょうね、きっと。
うーん。多岐にわたる研究内容、よくわかりました。
じゃあ、今度は研究室の雰囲気?というか、学生さんがどう学んでいくのか、その辺りはどうでしょう?
資料からは、なんか学生の自主性とチームでの共同っていう言葉がすごく印象に残ったんですが。
まさにそこが大きな特徴だと思います。
教授が上から細かく指示を出すんじゃなくて、先輩が後輩を教えるとか、学生が中心になって勉強会を開いたり、つくば物理科学セミナーへの参加準備とか、あとクリスマス会みたいなイベントまで。
イベントも学生主体で?
ええ。企画から運営までやる、そういう文化が根付いてるみたいです。
情報共有もスラックとかスクラップボックスとか、そういうツールを活発に使ってると。
これはかなり主体性が求められる環境と言えるかもしれませんね。
配属された後の流れもちょっとユニークですよね。
価値観カードで自己紹介して、ポスターツアーで各チームの研究を知って、その後2週間ごとにチームをローテーションするインターンシップを経験して、12月頃に本配属が決まると。
ええ、これ時間をかけて自分に合うテーマとかチームをじっくり見つけられるいい仕組みかもしれないですね。
そうですね。単に専門分野を決めるだけじゃなくて、多分このローテーションを通して違うテーマへの取り組み方とかチームでの動き方みたいなのを学ぶ。
結果的にその思考力とかコミュニケーション能力、問題解決能力。
ああ、社会に出ても役立つスキルですね。
そうそう、そういう研究者としても社会人としても大事なスキルを自然に身につけられるように考えてるんじゃないでしょうか。
安全安心な場、成長できる場をみんなで作るみたいな言葉もありましたし。
卒研発表の練習会も学生同士でやってフィードバックし合うとか。
ええ。
いやー、自主性と共同が本当に徹底されてるんですね。
そうですね。
ただそれだけ学生主体だと、なんていうか受け身の姿勢だとちょっと大変かもしれない。
ああ、まあそれはあるかもしれないです。
ただ、もちろん先輩からの指導とかチームでの活動が前提にはなってると思うので、完全に放り出されるってわけじゃないでしょうけど。
なるほど。
でもやっぱり自分から学んで動いて、周りと協力していくぞっていう意欲がある学生にとってはすごく成長できる環境じゃないかなと思いますね。
なるほどね。そうなるとやっぱり気になるのは専攻ですね。
どんな学生を求めているんでしょうか。
えっとですね、第一選抜では大学院で進学したい学生を優先するっていう方針がはっきり書かれていますね。
ああ、やっぱり。
これは研究室としては、学部から修士までの3年半、じっくり腰を据えて研究に取り組んでほしいっていう考えの表れでしょうね。
長いスパンで見てるんですね。
ええ。で、GPA、つまり成績は第二回配属では考慮するみたいですけど、第一のではそこまで重視しないと。
ほう。
むしろこの研究室でこれを学びたいんだっていうその意欲の方が大事なのかもしれないですね。
なるほど。キャリアパスとしてはどうですか。
やはり大学院に進んだ方が専門的な研究職とか開発職への道は開けやすいとは書かれてますね。
ふむふむ。
学部卒など技術営業とかプラント管理とかそういう職種も考えられると。
あとさっきの横浜ゴムさんの例みたいに、共同研究がきっかけで就職につながるケースもあるみたいです。
なるほど。企業とのつながりも生きてくると。
そうですね。
さて、今日の話をまとめてみると、ヤマラボは計算科学っていう一本の軸はありつつも、生物から材料、光までかなり幅広いテーマに挑戦できる場所であると。
ええ。
そして何より学生の自主性、それからチームでの学び合い、これをすごく大切にしている文化があるということですね。
そうですね。だから、もしあなたが大学院進学を考えていて、なおかつ誰かから細かく指示されるよりも、自分で考えて仲間と協力しながら主体的に研究を進めていきたい、そういうタイプだったら、かなりマッチする可能性がある研究室じゃないでしょうか。
自分の学習スタイルですか?トップダウンでしっかり教えてほしいタイプか、それともボトムアップで仲間と試行錯誤しながら自分で道を切り開きたいタイプか。
ええ。
このヤマラボのその環境と自分のスタイルを照らし合わせて考えてみるっていうのは、研究室選びのすごく大事な一歩になりそうですね。