中国EVメーカーの日本市場参入
日替わりコメンテーターによる解説で日々のニュースを掘り下げるブラッシュアップ。毎週火曜日は日経BP、日経エネルギーネクスト編集長の山根小雪さんです。
山根さん、おはようございます。
今日は電気自動車のお話ですか?
しようと思います。
いろいろトピックありますもんね。
いろいろあるんですよね。
この間ここで解説した、ホンダが大赤字だよっていう話も、北米でのEVの開発とか生産をやめる。それに伴う、動物損失がめちゃくちゃ大きかったので、大赤字になっちゃったよみたいな話もあったんですけど。
先週で言うと、中国の気づい記者、チェリーっていうね。
チェリー。
チェリーがつい日本にKEVを出してくるという。
私はあれを見て、うわー来たーって思いましたよ。
しかも手を組むパートナーが。
オートバックス。
意外な相手でしたよね。
あれは中国の電池メーカーだったりとか、いろんな会社が5社集まって、シンガポールに会社を作って、新しいブランドを、チェリーじゃなくて、新しいブランドを作って日本に売ってくると。
しかもオートバックスの店頭で売って、オートバックスでメンテとかもできちゃうっていう。
あーって思ったんですよ。やっぱり日本って中国車なかなか難しいじゃないですか。
やっぱりね、日本車が多いですしね。
何物屋で入ってきてもBYDもやっぱり苦戦しているし、そういう中で、メイドインチャイナ消しに来たなっていう。
なるほどねー。将来的には日本で作るっていうのが構想まあるみたいですね。
中国EVメーカーの海外戦略
キズリっていうのはそういう会社で、中国メーカーの中でどういう会社かっていうと、2000年代の頭ぐらいに海外の輸出を始めた自動車メーカーなんですよ。
20年以上中国の自動車メーカーの中で乗用車の輸出ランキングがずっとナンバーワンの会社で。
へー。
だからとにかく中国メーカーの中でも歴史もあるし、海外が強い。
じゃあ何でそんなに海外で売ってるかっていうと、今回の日本のパターンはかなりいろんな物が見えてると思うんですけど、
まず現地に入り込んで、現地の人がどういう機能が欲しいか、どんな車が好きかっていうのを製品に反映する。
そして各地でブランドを新しく作って、その地域に入っていくわけですよ。
で、生産もするしサプライチェーンも作るし、気が付くとみたいな。
へー。
だからかなり現地に寄り添った戦略っていうかですね。
日本の自動車メーカーが東南アジアなんかに行くとき、ブランドは変えてないけれども、
現地で何の車売れてんのかなーとか、ちっちゃい車かなーとかですね。
例えば、スズキがマルチ、インドのマルチスズキですね。
インドで車売った時も小さい車インドでどうやったら売れるかなーって工夫してやったみたいなことを中国メーカーで率先してやっていて、
では日本ではオートバックスですよ、オートバックス。
EVブームの停滞と世界の現実
ね。
多分めちゃくちゃ安いんだと思うんですよ。
ああ、価格?
だって中国のEV安いっすもん。
で、Kで入ってくるっていうことは、前にBYDのラッコっていうKEVが来るよって。
で、日本の車と戦える水準にしますってBYDが言って、これは安いんだろうなと思いました。
これから入ってくるんですけど、
機材もおそらくこの値段だよねっていう値段なんだろうなと思います。
だからですね、やっぱりEVって小さい車で充電の心配もなくって、日々の足として使うにはガソリンの値段気にしないでよくって、
お家で夜に充電してたらずっとガススター行かなくていいみたいなところがメリットなので、
2代目3代目需要にぴったりっていうところで。
いやー、ほんとそうですよね。
でも、Kって排気量もこのシャーシって車の大きさも日本独自規格で、
Kは、このKという存在自体が参入障壁だったんですよ。
日本には入れない。だって日本のためだけに車、専用の車作んなきゃいけない。
それはやっぱりずっと海外メーカーが日本にあんまり来なかった理由なんですけど、
そこを中国勢がのきなみ乗り越えてくるっていうことで怖いなと思ってるんですけど、
なんとなく日本いると、EVオワゴンみたいな。
もう一時的にはブームっぽいのあったけど、もう終わったのかなそのブームが。
みたいな雰囲気あるじゃないですか。
あとアメリカ、トランプ大統領になって税控除もなくなっちゃって、市場がシュリンクしてて、
例えばビッグスリーみたいなアメリカのメーカーもみんなEVに振り向けた分が赤字になっちゃった。
ホンダも赤字になっちゃったみたいな話で、アメリカもEV全然ダメじゃんって。
EVやっぱ終わったんだみたいな雰囲気なんですよ。
今日はちょっと、それちょっとやばいっすっていう。
そうじゃないっていうようなお話ですかね。
世界のEV普及状況と国際エネルギー機関の分析
そうじゃなさすぎて怖いので、実は私が編集長をやっているニケネリネクストで、
先週、青柳佐人記者が書いた、世界のEVブームは終わったのか、日米の外に広がる世界の現実っていう記事を書いたんですよね。
日米の外に広がる。
これは国際エネルギー機関IAっていう、ホルムズ海峡の封鎖で原油関連の情報なんかをたくさん出している国際機関ですけども、
そこがEV関連の数字もたくさん出しているので、この数字で世界のEVの状況を読み解いてみようっていう記事なんですね。
ご興味ある方いらっしゃいましたらぜひ記事も見ていただきたいと思うんですが、ざっくり言ったら、世界でEVが停滞しているのは日本とアメリカだけです。
なるほど。その外側の世界ではやっぱりEVが主流?
はい。もうね、すごい勢い。日米は2025年ぐらい失速してるんですけど、今世界では新車の4台に1台EVです。
ものすごい増えてるんですけど、そこで問題なのは、世界の自動車の市場を見たときに、日本とアメリカって世界の2割しかないんですよ。
日本とアメリカを足して2割?
足して2割しかない。
そんなもんなんですか?
そう。人口のこと考えてくださいよ。
やっぱりアジア、東アジアってある、中東ある、アフリカある、欧州ある、中南米あるって考えたときに2割しかない。
その他の8割の国でEVがべらぼうに伸びてるということです。
そうすると、いやいや、中国でしょ、それと。
中国とその他の国々のEV普及
中国人口も多いし、車も多いし、中国がどうせ牽引してるって話なんでしょ?という声が聞こえてきそうなんですが、実際最大の原動力は中国だっていうのは事実だと思うんですよね。
世界の自動車市場の3分の1が中国なんですよ。
中国はものすごい勢いでEVを作っていて、実は世界のEVで4分の3を中国メーカーが作っています。
そして中国自動車メーカーの新車の半分がEVなんですよ。
もともと中国自動車メーカーってトヨタとかホンダとかニッサンとかと一緒に合便機械車を作って、現地で車を生産していたっていうのがやっぱり自動車産業としての成り立ちなんですけど、今はどんどんEVね、いってるっていう状況なんですよね。
でも、中国と日本とアメリカ足しても世界の5割ちょっとで。
それでもまだ半分。
そう、残り半分は他の国なわけですよ。ヨーロッパ中南米アフリカ中東ね、こういう国々が残り半分。
で、ここが中国なんかよりもはるかにEVが伸びてるんですよ。
例えばEUってそんなに伸びてないんじゃないのっていう、ドイツとかね自動車メーカーもたくさんあるし。
ところがEUはですね、2025年全年期30%伸び。中国以上伸びてますね。
スペインなんて80%増、イタリア60%増、ポーランド120%増、ドイツ50%増ですね。
で、これEU非加盟国ですね、トルコは全年期2倍以上ですね。イギリスですら25%増えてる。
で、東南アジアはね、もうほんと凄まじくて全年期で2倍以上増えてるんですよ。
ベトナムはね、新車4割がEVになりました。
タイは2割、インドネシア15%。これもメキシコ、ブラジル全年期3倍。
なんかね、あまりね。
EV普及の背景:ガソリン価格高騰と補助金
それだけ充電スポットとかそういうものもあわせて増えてるっていうことなのかな?
どうなってるか分かんないですけど、やっぱりEVを一番コスパよく使うのっていうのは、外の急速充電器を使うことじゃなくて、お家のコンセントで充電することですよね。
で、日本ってやっぱりガソリンに補助金とかたくさんつけているので、ガソリンを値段を抑えてるけれど、世界ではガソリン価格って爆上がりしてる。
もともとやっぱり輸入に頼っている国が多いし、今回みたいなことがあるとすごく上がるじゃないですか。
だから、2026年にホルムズ海峡封鎖されてからは、さらにEVの販売台数が増えているっていうことなんですよね。
価格もね、やっぱり大型車とか高級車とか小型車とか、セグメントを問わず、ガソリン車とほぼ同等まで来てるんですよね。
ほぼ同等に来てるのに、そこに各国の補助金がつくんですよ。
で、補助金の話になると、これEVは環境政策でしょ?CO2排出量少ないでしょ?みたいな。
そうするとなんか、ビジネスの話とか商売の話より下駄履いてるみたいに見えがちなんですけど、実際はやっぱり原因を輸入しなくて済むっていうことは、各国政府にとってとてもプラスですよね。
やっぱり貿易赤字の原因になるのはエネルギーの輸入なわけで、それを、電気については国内の、例えば石炭がある国だったら自分の国の石炭を使えばいいし、天然ガスある国だったら自分の国の天然ガスでいいし、
今、新興国は太陽光発電が環境NGOとかの予想を超えるぐらいのペースで増えてて。
だから、それもやっぱり安いからなんですよ。土地があって安かったら、安く電気がゲットできる。
それをEVに充電するのはいろんな手段の電気だと思うんですけど、EVに入れていけば、国としては海外から石油を輸入しないで済むし、消費者にとってみたら安い電気を使ってガソリン買わないでも車を安く買うことができる。
しかも車体には補助金がついてるっていうふうになると、今みたいなことになるのかなっていうふうに思いますね。
新興国におけるEVへの直接移行
これなんか、昔スマートフォンが普及してきたときに、私ITとか結構取材していたので、たまたまブータンの話を取材したことがあったんですよ。
ブータン、王様がいて。
幸福堂ナンバーワンとか言われましたよね。
インフラ全く整っていない山の中に王様たちが行って、ここに携帯電話の基地局を建ててあげると。
君たちのところに固定電話を引いてあげることはできないんだけれども、携帯電話の基地局を建ててあげるからスマホが使えるよ、みたいな。
そういう順番なんですよ。要は固定の線を引いて使う電話はすっ飛ばして一気にスマートフォンとインターネットを使う。
これアフリカでも、20年前とか15年前、いや15年前ってことはないな、10年前。スマホが出てきたのって、2010年代の前半くらいかな。
iPhone自体は2008年とかですもんね、最初はね。普及ってなったら2010年くらいでしょうね。
そうですね、だから10年くらい前、アフリカとかだと、太陽光発電が置いてあって、モバイル充電器みたいな、充電してくれるサービスがあって、
家に電気来てないんだけど、安いスマホだけ持ってて、そこで充電をして、日当のお仕事のお金を受け取ったりする、みたいなことがやっぱりアフリカであって、
ガソリン車が普及して、そこからEVに進化していくっていうのが、日本やアメリカのモータリゼーションだけど、
新興国の人たちは今まで車を持っていなくて、バイクに乗って移動していたり、そもそも乗り物がない世界からガソリン車をすっ飛ばしてEVに行ってんだろうなっていうことを思うわけですよ。
いちいち我々と同じような過程を踏まなくていいんですもんね。
いいんですよ。いきなり行っちゃえばいいんですよ。ってなった時に、やっぱり日本って、このモータリゼーションの流れで自動車メーカーが日本経済の屋台骨としてやってきたのに、そこをいきなり中国メーカーに奪われてしまう。
日本の自動車産業の将来への懸念
日米の外の世界が、急に日本の覇権じゃなくなっていく。
その東南アジアとかに行った時に、ちょっと前だったら日本車めちゃくちゃ走ってたのに、今は中国製EVがたくさん走ってるのを見るたびに不安に思っていたんですけど、今回この数字を見て、ますますその不安が本物になってきたなというわけで。
なるほどね。
日本ではオワコンから追われる、オワコン脱するかどうかはちょっとわかんないですけども、日本は変化が苦手なんでね。
そうね。
あとは日本車好きですしね。トヨタとかホンダとか日産とか素晴らしい車作ってるので。
自伝頭があるからこそね。
安心感もあるしね。ただやっぱり世界はすごく動いてるなということを今日はお話ししようと思ってネタを仕込んでまいりました。
ということでここまで日経BP、日経エネルギーネクスト編集長の山根紗友希さんでした。ありがとうございました。
ありがとうございました。