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2024-10-16 13:53

ささきるの水曜回帰φ瑠 [2024.10.16]

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サマリー

2024年10月16日のエピソードでは、藤井太夫の小説『マンカインド』について掘り下げています。この作品は2045年を舞台にしたSF小説で、現代社会の問題を鋭く批評しながら未来を描いています。このエピソードでは、SF小説が情報技術や民主主義に与える影響について話されています。特に、サンフランシスコやメンフィスを舞台にした物語が印象深く、読者に親しみやすさを与えています。

エピソードの導入と小説の紹介
おはようございます。
2024年10月16日水曜日、ささきるです。
水曜回帰ファイル、始めていきたいと思います。
確かね、先週お休みして、もしかしたらその前もお休みしてたかもしれないんですけども、
なんかね、バタバタしてたんですけども、東野に出張に行ったりなんかしてね、
なんかそれではみ出た、ギュッとね、前後にはみ出た仕事で暴殺されてたんですけども、
今日はどうしても話したいことがあったので、
あの、録音ボタンをね、押しました。
話したい内容というのはですね、最近読んだ小説、藤井太夫さんのマンカインドですね。
これもめちゃくちゃ面白くて、読んでる途中からも面白くて、
普段あんまり熱心にフェイスブックに書き込みしないんですけども、
テンション高めにフェイスブックに投稿して、
でね、これ読んだら絶対面白がってくれる友人が何人か思い浮かんだんで、
そういう人に届いたらいいなと思ってね、書いたんですけど。
で、多分ね、届いたんじゃないかな、買って読みましたって人結構いたんで、
言った甲斐があったなと思ったんですけどもね、そのマンカインド、
これね、面白いんですよ。
もう藤井さんの最高傑作という、現時点の最高傑作と言っていいと思うんですけども、
のみならず、大体この10年ぐらいの小説、もちろんそんな僕数読んでないですけども、
その中でも本当トップに入るぐらい良い内容の小説でね、すごく気に入りました。
なので今日はちょっとその話をしたいと思います。
2045年の舞台設定と批評
あまりネタバレをするつもりもないというか、ネタバレってこともないかな、するつもりもないんですけども、
これ読んでから聞きたいよっていう方はこの辺りで引き返してください。
はい、というわけで藤井さんのマンカインドなんですけども、
これがね、なんで僕がすごく興奮して盛り上がったかというとですね、
これSF小説なんですけど、舞台は2045年ということで、今から考えると21年後の結構先の話なんですけども、
この2045年の舞台を描くにあたって、
現代、大体2016、17年から今年ぐらいまでの2020年前後、
その時に起こったいろんなことに対する批評、批評性みたいなものがいろんな設定とか舞台とかに反映されているので、
未来の小説なんだけども、まるで現代のことを描いているような感じがする。
今起こっている問題についての批評がね、ものすごい織り込まれているので、
そういう意味で今読むべきっていうか、今読んで面白い内容になっているんですね。
かつね、その批評感、批評の仕方っていうかね、藤井さんの考えていることっていうのが、
僕、あるいは皆さんが普段インターネットとか触ってて感じるようなことの批評、
同じことばっくり返しますけども、
これこのままじゃダメだよねみたいな内容がしっかりと取り上げられていて、
ちょっと痛快な思いがするっていうか、そうそうそうだよねみたいな感じになるんですよ。
で、どの辺の設定にそれが現れているかというとですね、
これだんだんと背景説明に入っていくんですけれども、
2045年の小説中の舞台っていうのがどういうところかというと、
国としてはアメリカなんだけれども、
アメリカが一度内戦を経て分裂して再統合したアメリカなんですね。
で、分裂って言ってその内戦って何かっていうと、
南北戦争、シビルウォー、これが歴史的にありますけども、
その南北戦争を第一内戦として、第二内戦というものが起こると。
で、その第二内戦っていうのは、この作品の中でいうと、
2020年代の後半に銃の禁止、銃保有の禁止が法律。
で、銃保有の禁止が法律で可決されたのをきっかけに、
東西の東はニューヨーク、西はサンフランシスコと、
それではない真ん中の中西部の国がこの二つに分かれると。
つまり中西部の国ってのは銃を保有したいってことですよね。
その法律が可決されたことをめぐって国が二つに分裂して戦いが起こった。
それは第二内戦っていうのがあったと。
で、それが再び一つのアメリカに戻って、そこから12年ぐらい経ってるっていう設定なんですね。
で、その第二内戦のきっかけ、直接的にはその銃、ガンに関することなんですけども、
そのもっとルーツになっているのが、フェイクニュース、
情報の信頼性が著しく低下した情報空間がその土台を生んだんだということで、
その期限が2016年、17年ぐらい。
その始まりっていうかね、それがはっきりと観測できるのはその辺だっていうふうになっているというか、
これは小説中の話じゃなくて、僕の解釈というか、今現実に起こっていることですけども、
トランプ大統領の誕生なんかをきっかけに、いわゆるSNSとか、
ソーシャルメディアみたいなものの情報空間がいかに汚染されているかっていうのが、
はっきりと分かっていった時代以降の話なんですよね。
で、その中で、中でっていうかね、もう1回分裂して戻って、
で、そのアメリカの中でこういろいろ事件が起こるっていうことなんですけども、
まずこの舞台設定の中に、現代の情報空間に関する批評が混ざっていると思うんですけども、
物語のメッセージとテーマ
その辺が非常に面白いです。
あともう1つの批評というか、現代を話しているなっていうのが、
いわゆるですね、IT系の事業で大成功した大金持ちと、
その他一般消費みたいな分裂、富の傾斜っていうか、
その分配の傾斜がどんどん激しくなっている世界だと思うんですけども、
その中でテクノリバタリアンみたいな方も話題になりましたけども、
技術を使った、それによって過激化した新自由主義、
もっと言えばもう超加速主義みたいな考え方と、
あとそうではない、残された人々みたいなもののこう、
溝が深くなっていく、堆積が深くなっていくみたいなのがあると思うんですけども、
それに対してどうやって生きていったらいいんだろう、どう考えたらいいんだみたいなことに対して、
一応作品の中で答えを出しているんですね。
なので言葉を変えると、これ僕なりの言い方にすると、
非人間中心的な加速主義者として世の中を後押ししていくか、
あるいは技術恐怖症の解雇主義者として、
過去を懐かしんで経済を停滞させる方向に力を加えるか、
そのどちらかみたいな風になった時に、
そのどちらでもなく技術を信じつつも、
自分たちの手でその未来を切り開いていくみたいなね、工夫とか知恵とかで、
そういうすごく前向きな人間参加になっているんですよね。
そのどちらにもならずに生きるにはどうしたらいいかって、
僕もすごく関心のあるテーマなんですけども、
これを短い時間で語っちゃうと、言葉が浮わせびりした、
おためごかしみたいになっちゃうんですけども、
作品を通じてすごい複雑な価値観、
あるいはいろんな方向からの物の見方を通して、
主人公たちが旅を通じて行動として答えを出していく、悩みながら。
その辺がやっぱり小説っていうか物語にしかできないことで、
その中で導き出されている答えっていうのはすごく心地よくてですね、
それがすごい面白かったですね。
SF小説と情報技術
ちょっと今作品の中身に触れず、舞台、作品の背景、
2045年っていうその舞台について話しましたけども、
そんなような小説だから、いわゆるSF小説っていうと、
いろんな宇宙戦艦とか乗り物とか武器とかね、
そういうハードウェア、ガジェットみたいなものの奇抜さに目が行くと思うんですけども、
現にこのマンカイントの中でもそういった道具が結構たくさん出てくるんですけども、
僕がいいなと思ったのは情報技術、
ハードウェアじゃなくてソフトウェアですよね。
ソフトウェアよりっていうか、そのコンテンツっていうか情報そのもの、
そういうものがビジネスモデルとか人々の意思決定とか民主主義とか、
そういったものにどう影響を与えるのかっていうのを、
現在の情報、ないしは未来こうなってるんじゃないかみたいなことを
ちゃんと織り込んで書かれてある。
つまりその情報技術のSFみたいなところがすごく面白かったし、
僕の友達にお勧めしたいと思ったのは、
僕の同僚たち、過去の同僚たちか、
親しみやすい舞台設定
スマートニュースもLINEもライブドアも、
そういう情報技術を使ったサービスとかを提供する会社なんで、
ハードウェアじゃなくて情報技術の方で。
そういう人たちにとってすごく面白い小説なんじゃないかなと。
それでお勧めしたくなった。
でね、結構今何してるかって言ったの、
折り目つけながら読んだんで、
たくさん折り目がついてるとこ見たんですけども、
あれだね、これなんていうか、
ノンフィクションとか実用書じゃないから、
この折り目ついたところをパッと見て、
そこで何かすぐこうやって話せるものを取り出せるかっていうと難しいね。
読み上げても意味がないっていうか、意味がわかんないっていうか、
読んで物語に随走するっていうか、
そういう体験なしに抜き出してもね、
それでも何かないかと思って今見てるんですけど。
一個言うとすると、もしかしたら読もうと思った時に、
この新しく出てくるハードウェアとかいろんな空間の描写とかが、
今ないもの、目新しいものなので、
文章読んでその中身理解するのに、
ちょっとSF読み慣れてないと読みづらいなと思うことあるかもしれないんですけども、
ただね、お話の構造自体はすごくシンプルになっていて、
この巡礼の構造で書かれていて、
その巡礼が最初から最後まで維持されていて、
なので読み始めると、こういう風に読んでいけばいいんだなっていう、
この流れに乗って話が進んでいくんだなっていうのは結構シンプルで、
その話自体にトリッキーなところはないので、
こういう世界なんだなっていうのが序盤に説明があるんで、
そこを読んだら後はスルスルっていくと思いますね。
あとは、個人的なあれですけど、
舞台にサンフランシスコが出てきて、
あともう一つ、中西部も出てくるんですよ、メンフィス。
テネシー州とかあの辺り。
それだけじゃない、もうちょっと幅広く出てくるんですけど。
僕は高校生の時に短期留学、1ヶ月ぐらい行ったのが
テネシー州のチャタルーガンっていうところで、
首都がメンフィスで、下にアトラントとかがあったんで、
南北戦争の最後の激戦区みたいなところだったんで、
南北戦争関連の日が結構あったんですよね。
この内戦の記録が結構あって。
その印象があったのと、
あと仕事で行くことがあったサンフランシスコのチリみたいなものが
両方出てくるんで、すごく親しみを持って読みました。
いや、そうね、これ話の中身に触れずに喋ったから、
じゃあこれ何が面白いのかみたいな風になるかと思うんですけども、
これどっか読み終わった人をゲストに招いてメディアループとかで撮りたいな。
まあね、これすごい面白いです。
もう本当に今年大注目の本だと思います。小説だと思います。
あ、そうかあれか、今年大統領選がある年にこういうのが出るっていうのは、
狙ったのかもしれないな、このタイミング。
面白いんでぜひ読んでみていただきたいなと思う本でした。
はい、というわけで、今日は1冊本の紹介でした。
また来週お会いしましょう。
それでは良い1日を。
13:53

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