ひとり声日記の紹介
ようこそ。今回はですね、ふじこひろさんという方が配信されている、ひとり声日記LISTEN。ここから、いくつかのタイトルや説明文を一緒に見ていこうと思います。
はい。ご本人が社会的引きこもりに近い生活の記録と、まあそういうふうにされている声の日記ですね。
これらの短いエントリーから、一体どういう日常とか、あるいは心の動きみたいなものが浮かび上がってくるのか。それを探っていくのが今回の試みです。
あなたにとって何かひべくものが見つかればいいなと。 なるほど。
じゃあ早速見ていきましょうか。まず目につくのは、本当にごく普通の日常作業ですよね。
そうですね。
ハッシュ95、役所で手続き。とか、ハッシュ94、手書きで書類作成。ハッシュ91、美容院で髪を切る。とか、ハッシュ19、タイヤ交換。こういう生活のベースみたいな記録がまずある。
ええ、ありますね。で、その日常的な部分と並んでというか、あるいはその裏側にあるような、ちょっと孤立とか内向きな様子をこう感じさせるタイトルがまた興味深いですよね。
ああ、はいはい。
例えば、ハッシュ97、人々に会う時期がやってきた。とか、ハッシュ87、春だから外に出た。っていうのは、これ裏を返せば、普段はあんまりこう人と接したり、外に出たりはしないのかなと。
うーん、確かに。そういう想像をさせますね。
そうなんですよ。で、さらにですね、ハッシュ81、会話失敗。とか、ハッシュ90、名前を呼べない。っていうのは、もうかなり具体的ですよね。コミュニケーションでの難しさみたいなものが。
こういうのは、あの自己紹介文にあった、社会的引きこもりに近いっていうことだと、なんかすごくつながってる感じがしますね。
ああ、なるほど。
日常をこうなんとか維持しようとする努力と、でも内面には壁があるような、そういうのが同時に見えてくるような。
そうですね。その日常と、ある種の葛藤というか、そういう中で、私が個人的にお、と思ったのが、ハッシュ96、異世界転生者を自身以外でしようとしている、っていうタイトルなんです。
日常と内面的な葛藤
異世界転生って、現実とは違う世界でやり直す、みたいな物語ですけど、これを自分じゃなくて、他に投影するような視点っていうのは、単にジャンルが好きっていうだけじゃない、何かがあるのかななんて、どうですかね。
ああ、それは面白い視点ですね。確かにまあ、現実とは違うルールとか、可能性のある世界への関心なのかもしれないし、あるいは他者のそういう願望に対する何かこう、洞察みたいなものかもしれませんね。
うんうん。
現実のその対人関係の難しさみたいなものと比べて、もっと役割とか目的がはっきりした世界に、まあ惹かれる部分があるのかもしれない。
なるほど。
で、もう一つ。ハッシュ86作業BGMはスーパー戦隊。これもなんか視察的だなと。
はい。
独りこもりながら作業中っていうその状況で、なぜそのヒーローものの楽曲なのか。
うーん。
しかも概要欄を見ると、再生リストのリンクがあって、具体的な曲名がもうずらーっと並んでるんですよね。
へー。
これは単なるBGMというよりは、もっと深い関与というか思い入れがあるのかなと。
そうですね。
だからその物語の明確な前枠とか、完全長枠の構造とか、あるいはあのエネルギックな響き自体に、何か混沌とした現実の中での一種の秩序とか活力を求めているのかも。
なんかこう予測可能な力強さみたいなものが心地いいのかもしれないですね。
あー、なるほどな。
そしてもう一つ、これもすごく引っかかったんですけど、ハッシュ94。
手書きで書類作成にコメントとして、文は読めても意味が読み取れるとは限らないってあるんですよ。
えー。
これ文字通りの読解力っていう見方もできますけど、なんかもっと深い、例えば社会的文脈とかニュアンスの理解に関する難しさみたいな、そういうことを示唆しているようにも思えるんですけど、どうでしょう。
えー、その含みは重量だと思いますね。
単にその専門用語が難しいとか、そういう可能性ももちろんありますけど、おっしゃる通り、言葉の表現的な意味はわかっても、その裏にある意図とか、社会の暗黙のルールとか、あるいは感情的なニュアンスを汲み取るのがちょっと難しいっていう。
はい。
そういうことを示している可能性は大いにあると思います。さっきの会話失敗なんかにもこう繋がってくる部分かもしれないですね。
うーん、なるほど。
こうして全体をこう眺めてみるとですね、やっぱりご本人がおっしゃるような社会的な不安とか、引きこもりがちな傾向っていうベースがありつつも、日々の生活をなんとか営もうとしている姿が見えてくる。
役所の手続とか、タイヤ交換みたいな、すごく現実的なタスクがあって、一方で春祭りへの参加、93、92みたいに、社会との接点を持とうとする取り組みもある。
それとさっき言ったような内面的な困難、90、81、90とか、特定のカルチャーへの没入、96、96みたいなものが混在しているんですよね。
すごくパーソナルで飾り気のない日常の断片そのものが、なんか有弁に語りかけてくるような、そんな感じがします。
本当にそうですね。今回は一人越え日記の記録の断片からですけど、社会的引きこもりに近いとされる方の生活の複雑な一端をちょっと覗かせてもらった感じです。
何を記録してどう語るか、その選択自体が、その人の経験とか内面を深く映し出す鏡になるんですね。
本当にそう思います。
ささいなタイトル一つ、コメント一つにたくさんの情報とか感情が込められてるんですよね。記録するっていう行為そのものが、自分自身の物語を編む作業なんだなって改めて感じさせられますね。
では最後にあなたにも少し考えてみてほしいのですが、ご自身の日常の記録ってありますよね。
それは手帳のメモかもしれないし、SNSの投稿かもしれない。そういう断片って、今のあなたの内面とか置かれている状況について、未来の自分とか、あるいは他の人に一体どんな物語を伝えている可能性があるでしょうか。
ちょっと思い返してみるのも面白いかもしれないです。
