(「男」の「男」による「男」のための)こっそりジェンダー反省講座|ままならジオ(ままなラジオ)#14
2026-06-24 22:24

(「男」の「男」による「男」のための)こっそりジェンダー反省講座|ままならジオ(ままなラジオ)#14

「ままならジオ」は、人生の「ままならなさ」を、『弱さ考』著者であり、オンライン読書プログラムの「問い読」主催者でもある井上慎平が、みなさんと一緒に、もたもた、まったり考える番組です。

▶︎ お便り(ご質問・ご感想)は⁠こちら⁠から募集中

▶︎オンライン読書プログラム「問い読」は⁠こちら⁠。コンセプトは、「ちょいムズ本を、仲間と読み切る」

▶︎著書『⁠弱さ考⁠

▶︎ 読む「ままならジオ」(本編の台本・文字起こし)

実は男に生まれてる時点で、この人生、だいぶ楽してるみたいや、って最近気づいてん。今日はそんなお話です。

ままならジオ。

『弱さ考』著者の井上慎平が、人生の“ままならなさ”を、焚き火を囲むように、一緒に考える番組です。

もたもたと、割り切れないまま。割り切らないまま。

はい。もうこんなにね、話し始めの時点で、「この回ウケへんやろなー」と思いながら話すんは初めてです。

でも、大事なことなんよな。説教くさくはせんから聴いていってくださいなー。

最初に言うとくと、この回のテーマは、男に生まれた時点でけっこう楽して人生生きられてんちゃうのっちゅう話です。でも、男の男による男のための、ってつけたんは、こういう話ってやっぱり女性から聞くとなんか責められてる感じがするやん?

だから、たまたま鬱になって、社会のメインストリームから外れたからこそその構造に気づいた自分から、男の立場から、伝えられることを伝えたいなと。まあでも説教くさいのはやめたいなと。そうおもっとります。がんばります。

まず、僕がよく使うゲームっていう言葉について説明させてもらいましょか?

これは#13の「人生はしたくもないゲームでできている」ってところでも話したから、もし興味ある人はそっちも聴いてくれたら嬉しいです。

僕たちって、いろんな場面でいろんなゲームをさせられてるんよね。

たとえば今日のテーマでいうと、男として生きるっていうゲームをまずさせられとる。

ゲームって表現することで伝えたいんは、まず、必ずルールがあるねんな、ゲームって。ほんでそのルールにしたがって、どういうプレーをすると反則で、どういうプレーがナイスプレーなんかが決まってるってことね。

小学校のとき必ずクラスに一人はいた冬場でも半袖半ズボンの子とか、やたら虫に触れることを自慢してくる子とかおりましたやん?あれは「男の子ゲーム」のなかでナイスプレーやからやってるんよね。

「女の子のゲーム」では、たぶんそれは減点対象です。

ゲームの大事なところは、プレイヤーである僕たちは、意識しててもしてへんくても、といいうよりもほとんど無意識に「いいプレー」「高得点のプレー」をしようとふるまってしまう、っていうところなんよね。これは、ゲームに気づかず最適化してる、みたいなこと。

ヤンキーって学校のお勉強をあんまりせん傾向にあるけど、あれは頭がいい悪いみたいなんあんまり関係なくて、彼らの行ってるゲームでは、勉強してテストでいい点とるっていうこと自体がそもそもポイント高くないからやったりする。それより、どんだけ度胸があんのか、っていうゲームに夢中になってたりすんのよね。

あと、複数のゲームを同時にこなしてるってことを意識しとくんも大事。職場での「ビジネス」っていうゲームと家庭での「生活」っていうゲームを同時にやってたりする。いつも複数のフィールドでゲームをやっとる。

ゲームって残酷で、いつも勝手に始まってしまう、僕らは勝手にそこに投げ入れられてしまう。

たとえば、僕は男に生まれることを選んでないのよ。でも、男として生まれた瞬間、男の子ゲームがはじまってしまう。

要は、僕らは選んでもないゲームに勝手に投げ入れられて、そのゲームのなかで高得点を撮ろうとしてまうから、けっこう性格やふるまいを選べてるようで、意外と選べてないって話ね。

なんか遠回りな話をしてるけど、そこに気づくのが出発点かな。

自分の意志でこうしてます!ってやってるつもりでも、ただその場のゲームのなかで高得点を取りにいってます、っていうだけやったりする。

で、現代社会、特に僕が『弱さ考』っていう本を書いて以来ずっと関心を持ってるビジネスのゲームって、めっちゃ異常なんよ。けったいなゲームなんよ。ほんで、女性のほうがそのゲームに慣れるのに大変さがある。個人差はあるけど傾向としてはたしかにあるっちゅうんが今日の話やねんな。これ、一話で終わるかなー。たぶん無理やな。

ビジネスのゲームのルールは意外とシンプルで、結果を出す競争のゲームなんよ。

ほんで、男性のゲームもだいたいこの競争でできてんねんな。いきり合いっちゅうか。

で、女性のゲームは?っていうと、この競争が抑制されるようにできてんねんな。いや、雑なくくりになってまうけど。男性としての僕からは少なくともそう見える。

だいたいの場合、学校を卒業するくらいのタイミングで僕らはビジネスのゲームに投げ込まれるわけやん?これも別に望んでそうしてるわけでもなくて、二十歳前後になったら就活っていうゲームが勝手に始まって、それを勝ち抜いたら「よきビジネスパーソンになる」っていう違うゲームが始まるのよ。

ほんで、女性のほうが、ガラッと一気にルールがかわんねんな。戸惑うねんな。

いや、別に競争だけが仕事やないで?ないんやけど、ビジネスのゲームはけっこう男に都合のいいようにできとる。全体としては。それが今日の言いたいことで。

いくつかあげてみよか。

まず、生理な?いや、わかるで。そんな生々しい話せんといてやっていう感じやんな?わかる。でもこれけっこう大事なんよ。

ビジネスのゲームって、パフォーマンスが常に一貫してることと、感情的になりすぎないことが、いわゆる高得点のプレーなんよな。

でも、生理になったら、一気にその「いつもどおりの自分でいる」「感情をうまく抑える」っていうその両方がむずかしなんねん。不可能ではないで?でも負担がごっつかかんねん。

なんでこんなことを僕がいま力説してるかっていうと、僕は5年前から鬱の波に襲われてずっと日常が不安定なんですよね。んで、鬱の波のなかにおると「いつもどおりの自分でいる」が全然無理になってもうたんです。前はそこそこできてたけども。

これ女性月一でやってんのかー、ってなったら、ビビるわ。だって人によって差はあるけど月の1/4からひどい場合は半分くらい「ふつう」とは言えへんねやで?しかもそれを表に出したらあかん。えぐい。

ほんで次に出産な?どれだけ男女平等な世の中になっても出産だけは女性に任せるしかしゃーない。で、これは二つの問題があるんよ。ひとつはキャリアの問題な。もうひとつは、体調の変化の問題。

まずキャリアのほうからいくけど、おれ、子どもを持つときにそんなキャリアについて悩まんかった。もちろん子育ては大変やけど、産休・育休みたいに物理的に職場に行かれへん時期があるわけでもないし。全然りっぱな人間でもなんでもなくて、たしか育休1、2週間しか取れへんかったんちゃうかな。あかんやっちゃなー。

『弱さ考』って言う本を僕は書いたんですけど、男性より女性のほうが反響大きくて驚いたんよ。ほんでいろいろ感想を聞く機会があったんやけど、そんなかで、女性はやっぱり一回出産と育児で、数ヶ月とはいえ、働くことで社会とつながってたんが切り離される感覚があるってことがわかってきたんよ。

おれはねー、その寂しさがごっついわかる。鬱のときに職場から離れて感じた、「ああ、この社会におれの居場所はないんや」っていう感覚とめっちゃ似てるから。

もう一個は体調の変化の問題よ。体調というか、性格ごと変わるからな、産後って。

女性は産まれた子供をとにかく守らなっていう気持ちが強くなるように、ホルモンバランスがかわんねんな。あんまりリアルタイムではわからんねんけど、僕の友人も、「子供が3歳くらいになるまでは、ちょっとでも子供になんかあったら異常に神経質になって、、、私、性格がちょっと変やったわ」っていうてました。「いろんなことに過敏になりすぎてた」って。

あと、体調の変化でいうと体力のこともあって。基本的に体力めっちゃ落ちてるんよ、産後って。これもまた、鬱で体力が激減した経験がなかったら、「ふーん、そんなもんなんや」「まあ、がんばるしかないな」くらいにしか思わへんかったけど。いまは、めっちゃ共感する。無理よね。別の人間になっとるからね。そのことにあまりに男社会って無頓着ちゃうかと。

そんなかで、職場では建前だけは男女平等やから、男と同じようにバンバン仕事ふってくるし。全然男女平等じゃないのに。子供が熱出して保育園行ったら、だいたい来てんのお母さんやしな。

たまにおれがいったりしたら「パパなのにえらいですね」みたいなこと言われる。

いや、めっちゃましになってるで?昔に比べたら。でも昔は共働きちゃうかったからな。

今は共働きやのに価値観だけほぼ変わってへんから、そこもえぐい。


感想

まだ感想はありません。最初の1件を書きましょう!

22:24

コメント

スクロール