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2025-12-23 06:03

朗読・グスコーブドリの伝記・イーハトーヴ火山局・宮沢賢治

朝のスパイス配信メンバーで火曜日枠を使って朗読配信をはじめました。

<今日の作品>
「グスコーブドリの伝記」・宮沢賢治


<今日の配信者>

ー まき
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ー OKE(おけ) 
カナダ、トロント在住。普段はクラフト講師、ナレーターとして活動中。 2020年4月から個人でも「⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠Hello From カナダ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠」という番組名で毎週1回配信をしています。この番組ではトロントのライフスタイルをメインに旅の話、我が家の犬、グラの話もたまーにしています。

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サマリー

このエピソードでは、ブドリがイーハトーヴ火山局での仕事を始める様子と、ペンネンナーム技師との交流が描かれています。ブドリは火山の観察や機械の扱い方を学び、火山活動に関する知識を深めていきます。

イーハトーヴ火山局の訪問
ブドリが空母大伯氏からもらった名刺の宛名をたずねて、やっと着いたところは大きな茶色の建物で、後ろにはふさのような形をした高い柱が夜の空にくっきり白く立っておりました。
ブドリは玄関にあがって呼び鈴を押しますとすぐ人が出てきてブドリの出した名刺を受け取り、一目見るとすぐブドリをつけあたりの大きな室へ案内しました。
そこには今までに見たこともないような大きなテーブルがあって、その真ん中に一人の少し髪の白くなった人のよさそうな立派な人がきちんと座って耳に受話器を当てながら何か書いていました。
そしてブドリの入ってきたのを見るとすぐ横の椅子をさしながらまた続けて何か書きつけています。
その室の右手の壁いっぱいにイーハ島部全体の地図が美しく彩った大きな模型に作ってあって、鉄道も町も川も野原もみんな一目でわかるようになっており、
その真ん中を走る背骨のような山脈と海岸に沿って淵を通ったようになっている山脈、
またそれから枝を出して海の中に点々と霜を作っている一列の山々にはみんな赤や橙や木の明かりがついていて、
それが変わる変わる色が変わったジーとセミのようになったり、数字が現れたり消えたりしているのです。
下の壁に沿った棚には黒いタイプライターのようなものが三列に百でも聞かないぐらい並んでみんな静かに動いたり鳴ったりしているのでした。
ぶどりがバレを忘れて見とれておりますとその人が受話器に取っておいて懐から名刺入れを出して一枚の名刺をぶどりに出しながら、
「あなたがぐすこうぶどりくんですか。私はこういうものです。」と言いました。
見ると伊波東部火山局技師ペンネンナームと書いてありました。
その人はぶどりの挨拶に慣れないでもじもじしているのを見ると重ねて親切に言いました。
さっき空母博士から電話があったのでお待ちしていました。
まあこれからここで仕事をしながらしっかり勉強してご覧なさい。
ここの仕事は去年始まったばかりですが実に責任のあるもので、
それに半分はいつ噴火するかわからない火山の上で仕事するものなのです。
それに火山の癖というものはなかなか学問でわかることではないのです。
我々はこれからよほどしっかりやらなければならんのです。
では今晩はあっちにあなたの泊まるところがありますからそこでゆっくりお休みなさい。
火山の観察と学び
明日この建物中をすっかり案内しますから。
次の朝ぶどりはペンネンロー技師に連れられて建物の中を一個一個連れて歩いてもらい、
様々な機械や仕掛けを詳しく教わりました。
その建物の中のすべての機械はみんなイーハ島部中の300いくつかの火火山や急火山に続いていて、
それらの火山の煙や灰を吹いたり溶岩を流したりしている様子はもちろん、
見かけはじっとしている古い火山でも、
その中の溶岩やガスの模様から山の形の変わり様まで、
みんな数字になったり図になったりして現れてくるのでした。
そして激しい変化のあるたびに模型はみんな別々の音でなるのでした。
ぶどりはその日からペンネンロー技師についてすべての機械の扱い方や観察の仕方を習い、
夜も昼も一心に働いたり勉強したりしました。
そして2年ばかり経ちますとぶどりは他の人たちと一緒にあちかちの火山や機械を据え付けに出されたり、
据え付けてある機械の悪くなったのを修正にやられたりするようになりましたので、
もうぶどりには伊波東部の300いくつの火山とその働きぐらいは棚心の中にあるようにわかってきました。
実に伊波東部には70いくつの火山が毎日煙を上げたり溶岩を流したりしているのでしたし、
50いくつかの旧火山はいろいろなガスを吹いたり熱い湯を出したりしていました。
そして残りの160、70の死火山のうちにもいつまた何を始めるかわからないものもあるのでした。
ある日ぶどりが老技師と並んで仕事をしておりますと、
にわかに三武鳥という南の方の海岸にある火山がむくむく機械に感じ出してきました。
老技師が叫びました。
「ぶどり君、三武鳥はけさまで何もなかったね。」
「はい、今まで三武鳥の働いたのを見たことがありません。」
「ああ、これはもう噴火が近い。けさの地震が刺激したのだ。
この山の北10キロのところには三武鳥の死がある。
今度爆発すれば多分山は三分の一北側を跳ね飛ばして
牛やテーブルぐらいの岩や熱い灰や火頭と一緒にどしどし三武鳥死に落ちてくる。
どうでも今のうちにこの海に向いた方へボーリングを入れて傷口をこさえて
ガスを抜くか溶岩を出させるかしなければならない。
今すぐ二人で見に行こう。」
二人はすぐに支度して三武鳥行きの汽車に乗りました。
06:03

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