1日10分、宇宙時間をテーマに毎日お届けしております、宇宙ばなし。今回でニンジャサット特集、最終ゲストとなります。
今回ゲストで紹介するのは、ニンジャサットの中に放射線体検出器を搭載して、それを開発している加藤さんに来ていただきました。
加藤さんは今、理科学研究所にいて、これまでの研究の話だったり、で、しかも彼はですね、カミオカンデにも関わっていた、なんと宇宙の分野ではない方なんですよね。
その実態というか、これまでどんな研究をやっていたのかも含め、ニンジャサットのRBMという検出器。
そしてみんなには、研究者の流動性の高さというか、自分でいろいろ決めれるんだよっていう自由度というか、そういう面白さも実感してもらいたいなぁと思っておりますので、
ぜひそのあたりも含め、最後まで楽しんでいただけたら嬉しいです。それではどうぞ。
はい、ということで今回スペシャルゲストに登場していただいております。今回はニンジャサットの研究チームから加藤さんに来ていただいてます。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。加藤です。
ということで、じゃあ早速ちょっと自己紹介いただいてもいいですか。
はい、私は理科学研究所の今、ノートチームの方で研究員をやっております。加藤洋と言います。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
今回お話しするニンジャサットの衛星に関して言うと、私は本体の検出器っていうのがGMCっていうのがあって、これは前に武田さんに話されたのを聞かれた方いらっしゃるかもしれないですけど、
私が作ってるのはそれを支えるサブの検出器でRBMっていう検出器になります。
RBMってこれ何の略になるんですか。
RBMっていうのはラディエーションベルトモニターっていう英語の略でして、日本語にすると放射線対モニターっていう名前ですね。
何かっていうと、地球の近くには結構高エネルギーな過電粒子っていうか、電化を帯びた粒子がワーッと飛び交ってるんですけども、その量を調べる、そういう検出器になります。
それって早速なんか本題みたいになっちゃうんですけど、衛星についとって、それが入っていることの必要性ってどんなところにあるんですか。
そうですね、一応NinjaSat自体はX線で天文分野を調べるっていう、そういう観測衛星になるんですけども、NinjaSatに積んでいるGMCっていうメインの検出器ですね。
それの構造っていうか、GMCっていうのがどういうものかっていうと、ガス検出器と呼ばれるジャンルの検出器で、中に機体が入っていて、そこに高電圧をかけてやって、
そこに粒子が入って、X線だったりが入ってきたのを検出するっていう、そういう検出器になるんですけども、ところがこの高電圧をかけるっていうのがちょっと欠点でもあるところで、
高電圧かけているところにですね、宇宙で飛び交っている高エネルギーの粒子がたくさん入ってきちゃうと、そこでバチバチと放電みたいなものが起こって、
場合によってはその量が多いとですね、GMC本体の検出器が壊れちゃうっていうリスクがあるわけなんですね。
それがちょっとGMCの心配な点というか、守らなきゃいけないところで、それを守るために作られているのがこのRBM、放射線対モニターというものになります。
外から宇宙空間、いろんな予測はできるのか、予測はある程度できるけど、外から来ちゃういろんな外的要素から守るというか、そういう目的の一つでついている。
前は別の仕事をやってたんです。それでこの理化学研究所に来てから、この宇宙に持っていく観測装置を作るっていうのを初めてやり始めたので、最初は何やればいいのみたいな感じで始まってましたね。
ちなみにこの理研来る前は何だったんですか。
研究の仕事で言うと、前は東大の宇宙戦艦っていうところにある宇宙戦艦研究所なんですけど、有名なのはスーパー神岡んでとかやってる研究所で、実際私もスーパー神岡んでグループにいて、3年、4年くらいだったかな。
3年かな。
かながたじゃないんですか。
すごい大型のプロジェクトで成果もバンバン出てるすごいプロジェクトではあるんですけども、ただ小型の衛星っていうところから結構分野違いといえば分野違いなので。
確かに確かに。
結構最初大丈夫かなっていう感じがありましたね。やっぱり実際の研究内容としても少し離れる形にはなるので。
宇宙話。
けどやっぱ今までの経験も含めで、こういうのできたら面白そうだなって思う何かきっかけがあって忍者さんと入ったんですか、そうなると。
そうですね、スーパー神岡んでやる前のさらに遡ると、僕はドクター取ったのが10年前くらいかななんですけど、その頃にやってたのが割と小型の検出器を作ってたんですよね。
それはニュートリの検出器だったんですけど。
結構そうやって、小型って言っても1トンくらいはあったんですけど、神岡んでの何万トンみたいなのに比べれば小さくて。
本当に数人で先輩とか後輩でやってるような実験だったんですけど、それやっぱり楽しくて、自分で考えて改良したり、解析も自分でもう一からやったりっていうのが、やっぱりそういうのが結構楽しかったなって。
もちろんスーパー神岡んでは大実験で成果もバンバン出る最先端プロジェクトなんですけど、自分としては結構好みとしては割と細かいことを自分でやるのも結構好きなので、むしろ結構やってみようかなっていう。
分野的には違うものの、ちっちゃいものを割と少人数で作るっていうコンセプトは結構好きなので、それで結構やってみようかなっていう気持ちになったんですね。
なるほど。宇宙分野で言うとでっかい人工衛星をみんなでやってっていうプロジェクトが、いわゆる宇宙船の方で言うと神岡んでみたいなでかいプロジェクトで。
そうですね、確かにそっちに近い感じですね。
少数チームで今回で言うと忍者サットのチームみたいな感じで、みんなでとにかくちっちゃくてスペシフィックな問題に対して取り組む衛星を作るっていうのと、当時のニュートリアルの検出機能みたいな。
そうですね、結構それがむしろ学生時代に戻ったみたいなテーマ的に近いような感じで。
放射線検出機っていう共通点はあって、ターゲットはニュートリノと今回狙ってるのは過電粒子、陽子だったり電子だったりっていうそういう違いはあるんですけども、
やっぱりニュートリノ検出機作ってた時もバックグラウンドっていうかノイズになるのはそういう陽子だったり、中線微温だったり過電粒子もいっぱい入ってきますし、
シミュレーションはそういう時もいっぱいやってたので、結構そういうのは役に立ったかなっていう気がしますね。
なるほどな。そういうキャリアを歩む人って近くにいるんですか?
いや、あんまりいないかな。やっぱり大型実験は、やっぱり大型実験でやってくって人も結構いますし、小さいのが好きでずっと小さいのでやりますっていう人もいますし、
ただそれこそ玉川さんやえのつさんであったり、忍者さんとの率いている今の先生たちもやっぱり大型衛星もやっていれば小型の衛星もやってらっしゃると思うので、
結構皆さん行ったり来たりというか、それぞれのフィードバックがお互いにあるというか、大実験や大実験のやっぱりすごさ、大変さはありますし、
小さい実験や小さい実験の良さ、面白さがあると思うので、そういうのは結構両方やってみるのはありなんじゃないかなという気がしますね。
得られるものはね、共通して得られるものもあるし、そっちでしか得られないものもあるしって感じですよね。
自分こっち向きだなみたいなのは2つやってみるとわかることもあるかなっていう気がするので。
しかもなんかちょっと前に比べたら、そういうちっちゃいプロジェクトで成果を上げていくっていうところも、なんとなくだけど雰囲気的には評価されやすい時代になってきている感じもあるかなと、個人的には思ってて。
いろんなところで、学術の面でも人工衛星ちっちゃいのいろいろ上がってるし、ビジネス側でもやっぱソリューションとして人工衛星のデータ使うって結構使われてるから、世の中で受け入れられてる度合いはここ数年でかなり変わってるんだろうなっていうふうに思うと、
道としては、選択肢として結構ちゃんといい道の一つだなって思ってるんですよね、最近。
実際に検出して信号処理してカウントしてそれを通信線に乗せて出すっていうところまでをその中でできるので、本体は本体で別に作ってもらって、そっちにそれと組み合わせて基盤を開発する必要がないっていうんですかね。
別個に基盤自体を持っている検出機なので、RBMも。なので組み合わせやすいっていうのをちょっと宣伝したいなと。
いいですね。でも確かに今回のNinja SATって6Uサイズ、10cm、20cm、30cmっていうあの大きさでやってるこのミッション自体を評価してくれっていう面だけじゃなくて、あれをフレームワークとしてみたいなテーマもあったと。
そうですね。
そうするとそこのフレームワークの一つとしてRBMっていうのも機能として入っているから、じゃあ高電圧かけるような他の実験でもすぐに横展開して使えるよっていうのがこのメリットというか。
そうですね。
有効ポイントの一つって感じになるんですね。
そうですね。その本体検出機の構造とかそういうのに関わる基盤デザインとかに関わらず、独立でそういう粒子の情報、周辺環境の情報が取れるっていう。
特に開発リソースはもう1回作っちゃえばいらないみたいな。
ああ、そうか。
っていうのが一つ面白いところかなと思いますね。
確かに。Ninja SATのユニークなポイント結構じゃあ担ってるんだな。
佐々木亮の宇宙話。
いかがでしたでしょうか。
今回のでRBMっていう検出機がどれだけNinja SATの中で重要なのかっていうところと、
あとやっぱり加藤さんすごい方だなっていう。
こうやって自由に自分の好きなことを突き進んでいくっていう姿が本当にかっこいいなと思えるような、そんな回だったんじゃないかなと思います。
次回は後編ということで、髪を噛んでとかそういうところに関わっていたところから、
今分野を変えて小型衛星っていうところに来た加藤さんがどういうビジョンを持っているのかっていう話だったり、
そういった加藤さん自身の話、そしてNinja SATに対する意気込みとか、そういったところもいろいろ聞いておりますので、
ぜひそちらも楽しんでいただけたら嬉しいなと思っております。
そしてNinja SAT、順調に今通信を準備しているっていうところらしいので、
ここからいろいろ続報が出てくることを楽しみにしているというような状況ですね。
こんな感じでポッドキャストを毎日やってますが、
もともとブラックホール特集っていうところでやってました。
ブラックホール特集まだまだ続いてます。
なぜならこのNinja SATもNinja SAT特集とは言いつつ、検出対象にブラックホールっていうのが大きくあるので、
大きな括りでは僕はブラックホール特集の一部だと思ってます。
なのでぜひね、このあたりもブラックホール目線で楽しんでいただきながら、
ブラックホール特集復活していくのも楽しんでいただけたら嬉しいなと思っておりますので、
ぜひ皆さん楽しみにしておいてください。
今回の話も面白いなと思ったらお手元のポッドキャストアプリでフォロー、
フォローボタンの近くにある星マーク、こちらからレビューいただけたら嬉しいです。
番組の感想や宇宙に関する質問については、
Twitterのハッシュタグ宇宙話し、
またはSpotifyのQ&Aコーナー、
概要欄のお便りフォームからじゃんじゃんお寄せください。
この特集の間にもいろんなお手紙いただいているので、
終わったらガンガン紹介していこうと思っております。
まだまだ募集しているので皆さんよろしくお願いします。
でですね、僕がもう一つやっている隣のデータ分析屋さんというもう一つのポッドキャスト、
こちらも最新は公開されておりますので、
ぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです。
それではまた明日お会いしましょう。さようなら。