この番組でも散々言ってるんですが、近くに星がいて、 例えばその星が近くを通ったときに、そこに吸い込まれていく。
そんな吸い込まれていく力によって出てくる光を見る。 そんなところでブラックホールを見るんじゃなくて、
ブラックホールに吸い込まれている天体を見ていく。 それによってブラックホールの存在を確認するっていうのが、
実はブラックホール研究のやり方の大きい手法の一つなんですよね。 で、そんな中でブラックホールに定期的に吸い込まれていっている、
そんなかわいそうな天体があるっていうところが、 今回明らかになりました。
で、今回注目しているブラックホールっていうのが、 地球から5億2千万光年離れた距離にある銀河の中心にあるブラックホールですね。
5億2千万光年。さすがにちょっと遠い感じがしましたね。 昨日のポッドキャストで話したブラックホールを持っている銀河っていうところは、
だいたい5千万光年とか。 で、国立天文台のプレスリリースではこれは比較的近いというふうな回答を得るぐらい、
まあ、 狂った世界なわけですよ。そんな中でそれの10倍遠い天体ですね。
三角座と呼ばれる方向にある、 地球から5億2千万光年離れたところにある天体。
ここにブラックホールがあって、銀河があって中心にブラックホールがあって、 そのブラックホールの近くを、星が通っている現場を今回観測することに成功した
というところですね。で、今回使われた観測装置っていうのが、 スイフトと呼ばれる、
これアメリカが持っているX線天文衛星になってます。 アメリカが持っているスイフトと呼ばれるX線天文衛星。
実はこのスイフト、僕かなり距離感の近いところで研究してたんですよ。 なのにちょっとそのスイフトの面白い話というか、今回の研究のユニークなポイントとかは、
ちょっと結果の後にお話ししていこうかなと思いますね。 今回の研究面白いんですよ。
で、まあ結果としてはこのスイフトっていう観測装置を使ってブラックホール観測してあげると、 定期的にブラックホールが輝いている、そんな姿が見えてきた。
で、その定期的に輝いているっていうのがどういうことかっていうと、 ブラックホールの周りを
楕円形みたいな感じで回っている構成があって、 その星がブラックホールの近くを通るたびに、ブラックホールにギュンと物を吸い込まれて、
で、その吸い込まれた物質っていうのが輝いて、 で、
光っている。それが定期的に見えていて、光ったり暗くなったり、 光ったり暗くなったりするっていう、そういう状況が作られていたのが今回明らかになったんですね。
で、構成がブラックホールに近づくたびに、だいたい地球の重さの約3倍の物質が 構成の帯域から剥ぎ取られていっていると。
一体この中心の天体はどれぐらいの大きさなんだっていう話はあるんですけど、 まあそのブラックホールに吸い込まれていっている、
剥ぎ取られていっている天体があるっていうところは、 これかなり面白いポイントを見つけたなっていう、そんな感じですね。
で、これ地球の質量の3倍ぐらいの重さを毎回毎回引っ張るブラックホールの規模ってどれぐらいなんだろうって思いませんか。
で、このブラックホール、みんなブラックホールの大きさってどれぐらいだと思っているのかなというとこで、
今回の天体、対象の天体はスーパーマッシブブラックホールと呼ばれる超大質量ブラックホールなんですよ。
つまり、もう超超超でかい天体、 超超超でかいブラックホールなわけですね。
ちなみに僕たちは今ブラックホールの周りにいます。 どういうことかっていうと、太陽系は天の川銀河と呼ばれる銀河の中にいて、
その銀河の中心にはブラックホールがある。 しかもこの中二病くさい良い名前ですね。
スーパーマッシブブラックホールがあるわけですよ。 これ一体どれぐらいの大きさなのかっていうと、
だいたい太陽の質量の400万倍。 400万倍です。
デカッと思った人とふーんって思った人とどれぐらいの比率いるのかなと思っていて、 スーパーでマッシブ、めちゃめちゃ重いって意味ですね。
なあ、ブラックホールって言うて400万倍ぐらいなのかなって思った人は鋭いですね。 実は典型的なスーパーマッシブブラックホールの重さっていうのは、
だいたい太陽の数億倍とかって言われてます。 数億倍。
もうなんか規模が違いますね。 0何個ついてるんだみたいな。
まあそんな08個なんですけど、それぐらいの大きさのものが一般的であると。 でじゃあ逆に加減ってどれぐらいなんだろうって考えたとき、
まさに今回の観測対象の天体がおおむねかなり低い、 かなり小さい分野の部類のS。
スーパーマッシブブラックホールなんですよね。 でこれがだいたい重さが太陽の20万倍。
20万倍。それでもすごいですよね。 つまり太陽の20万倍の重さを持っていて、なおかつ
ギューッと凝縮してるから光すらも取り込むようなブラックホールになっているという状態です。
でそんな周りを星が回っていたときに定期的に近くに行くタイミングで 地球の質量ぐらいのだいたい3倍ぐらいを剥ぎ取られていっているっていうそんな状況が
作られていることが 今回観測によって初めて明らかになったっていうところで
ネイチャーアストロノミーっていうところに掲載されるに値する そんな研究であったというそういう判断が下ったんですね
でこんなユニークな天体をどうやって見つけたのか これはスイフトと呼ばれる観測器に使われ始めた新たな
観測手法というかデータ処理方法っていうところが関係していると言われています スイフトってこれ面白くて
一応本来の目的は x 線を捉えるっていうよりはもうちょっとエネルギーの高い ガンマ線を観測するっていうところが
ポイントというかメインのミッションなんですよね ただその中にも x 線の検出器っていうのはついていて
でそれによって x 線の増高だったりっていうのを見ることができます 僕がずっと研究をやっていた分野っていうのも
実は x 線天文学っていうところでしかも国際宇宙ステーションに搭載されている 宇宙全体を見渡す
そんな観測装置だったんですよ でそれによって何がわかるかっていうと細かい変化はわかんないんだけど
大まかな宇宙全体を常に監視し続けているので いきなり今回みたいに明るくなるような天体っていうのを見つけやすいんですよ
つまりなんか見つけたかもしれないよみたいな でそうするとそれ自体をまあ研究者たちが確認して迅速に次の動きに動いていくと
いうところでこういうのを見つけた時にじゃあスイフト側から世界中の天文学者たちに ショートレポートみたいなのが届いて世界中の人たちがいきなり観測し始めるっていうこともあるんです
よ まさに僕がやっていた研究のところも同じようなのをやっていたので
例えばそうなんです結構ブラックの話なんですけど夜9時から朝9時までのデータ 当番みたいなのが定期的に回ってくるんですよね
でそれを見ながらやばいのが見つかったらその場でどれだけちゃんとした情報かっていう のを探して
でそれで分析もちょっとしてすごいものが見つかった場合っていうのはもう即座に 世界中の天文学者たちに速報を送るみたいなっていうのを
結構やってたんですよずっとだからこそ まあこのやり方って大変なんだろうなぁと思うんですけど
でもこれによってなかなか見つけられない現象っていうのを即座に見つけることができる でその見つけた現象をより詳しく見ることができるっていうところで
今回の研究結果ネイチャーストロノミーに乗るような研究結果っていうのが今出てきたことは なんかある意味
ラッキーだったというか必然だったというかそんな感じに見えるっていうのが個人的な見解というか 気持ちですね
でもこれスイフトってめちゃめちゃ長寿な人工衛星でもうそろそろ20年ぐらい経つんですよね そんなところからこれだけインパクトの強い研究を出してくるっていうのは
やっぱり中にいるチームの研究者たちの努力の賜物だと思うし まあそれだけ丁寧に研究の運用が続けられているっていう
そういう部分も反映していると思っているので これからまたスイフトの研究いろいろ出てくるんじゃないかなと思うので
ぜひ皆さん楽しみにしておいていただいて 宇宙話でピックアップできたらどんどんしていこうかなと思っております
まあそんな感じで今回はブラックホールが周りの星の質量を剥ぎ取りまくっている現場を 新たな手法で見つけた
そんなお話をギュッとまとめてさせていただきました いかがでしたでしょうか
まあなんか分野が近いところのブラックホールの話になると結構熱量がこもってしまうなぁと今回思ったので
これからのブラックホールの特集の中で 喋りすぎないように気をつけようなぁと思いながら喋っておりました
まあいかがでしたでしょうかね 楽しんでいただけたら嬉しいです
これからもブラックホール特集ガンガン進めていこうと思っておりますので ぜひ楽しみにしておいてください
ということで今回の本題は以上になります
僕がもう一つやってるポッドキャスト番組 隣のデータ分析屋さん こちらも水曜日に最新話公開されております
今回の最新話で話しているのは僕自身のキャリアの話がちょっとしてますね
データ分析屋さんから次どんなキャリアに転職していって キャリアをどう変えていったのかみたいな
結局今何しているのかみたいな そんな仕事の話をしているっていう
また宇宙の話とは違う色の佐々木をお届けできている そんな番組になっておりますので
ぜひですね皆さん楽しんでいただけたら嬉しいです
今回の話も面白いなぁと思ったら お手元のポッドキャストアプリで
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番組の感想や宇宙に関する質問については
ツイッターのハッシュタグ宇宙話 またスポティファイのQ&Aコーナーだったり
概要欄のお便りフォームからじゃんじゃんお寄せください
それではまた明日お会いしましょう さよなら