1日10分、宇宙時間をテーマに毎日お届けしております。宇宙話。今回は、ブラックホール特集スタートというところで、まずは、僕たちのいる天の川銀河の中心にもあるブラックホール。
こんなブラックホールは、銀河同士が衝突、ガチンガチンぶつかって、合体していくときにどうなるのか、そんなお話をしていこうと思ってます。
身近な話だと、天の川銀河とアンドロメダ銀河が、いずれ合体してしまう。 そんなところともつながる研究になっておりますので、ぜひ最後までお付き合い下さい。
2023年10月25日。始まりました。佐々木亮の宇宙話。このチャンネルでは、1日10分、宇宙時間をテーマに、天文学で博士号を取得した専門家の亮が、毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。
本日で、エピソードが1112話目を迎えております。
1111話目。昨日は、ここ100回ぐらいの振り返りとかをいろいろしつつですね、振り返りながら、これからの宇宙話の話だったりっていうのをさせてもらっていました。
ぜひですね、これまでいろんなエピソードを聞いていただいたみんなには、この1111話を聞いていただけたら嬉しいなぁと思っております。
でですね、その他にも過去たくさんのエピソードあって、基本的には1話完結でお話ししておりますので、気になるトピック、気になるタイトルがありましたら、ぜひそちらから聞いていただくのが一番楽しんでいただけるんじゃないかなと思っております。
そんな感じで、じゃあ今日はどんな話をするのかっていうところで言うと、昨日ですね、今後の方針発表させていただきました。
その中で、次の新シリーズ、新特集はブラックホールっていう話しましたね。
なので、今回はブラックホールに関するお話をしていきたいと思います。
ブラックホール、あるの?ないの?みたいな、そういう話になってると思うんですよ。
皆さんは、もう宇宙話たくさん聞いて、ブラックホールあるのはわかってるよっていう人もいれば、ブラックホールって本当にあるのかなって思ってる人もいると思います。
なので、そういったところも含めて、今回の特集ずっと聞いていただけると、みんなは勝手にブラックホール博士になれるというようなところになっておりますので、ぜひ楽しんでいただけたら嬉しいですね。
そんな中で、今日はどんなお話をしていくのか。
これがですね、面白いのが、民間の市民天文学者と天文学者がコラボレーションをして、ブラックホールを含む銀河の研究を進めた、そんなシチズンサイエンスっていう領域が含まれたお話をしていきたいと思います。
なぜそんな話をするのか。今回メイントピックに上がっているのは、銀河同士が合体、衝突する、そんな現場なんですね。
で、この現場の話をしようと思った理由っていうのが、実はあるコメントをいただいたからなんですよ。ちょっと読み上げさせていただきたいと思います。
リスナーネーム、たんたんさんからいただきました。
はじめまして。最近聞き始めました。 佐々木さんの落ち着いた声がとても聞きやすいなと思いながら聞いております。
早速ですが質問です。もし過去回ですでに触れられていた話題でしたらすみません。 今読んでいる本、これがナショナルジオグラフィックですね。
2、天の川銀河とアンドロメダ銀河の現在接近中で40億年以内に衝突、いずれは合体すると予想されています。
遥か未来の話ですが、銀河同士が合体するとどのようなことが起きるのでしょうか。 それぞれの銀河の中にいる星たちはどうなってしまうのか気になります。
こんな質問いただきました。ありがとうございます、たんたんさん。 いいですね。この話、実は
話そうかなぁと思ってたところに非常に近いところだったので、 ナイス質問だなぁと思って
こちら今回ピックアップさせていただこうかなと思いました。 なので今回お話しするのは、衝突合体していく銀河の話ですね。
本題に入る前に、そうだ今回このお便りでも書いていただいたんですけど、 もし過去回で既に触れられていたらすいませんみたいな。
全然気にしなくていいです。 全然気にしなくてよくて、
本当気になるところをどんどん宇宙話で 解き明かしていきながら、宇宙への興味が増幅するのが一番いいかなと思っているので、
過去に話しているであろうところは全然気にしなくていいです。 しかも基本的には論文をベースに話していて、それの背景知識とかっていうのは基本的には一緒なんですよね。
だから過去にいろんなの聞いていると、こいつまた同じ部分話してないかって思う部分もあると思うんです。
でもそこは一般的に知られていることだったり、 最新の研究を理解する上で必要な情報だったりっていうので繰り返し話してるんですよね。
で、疑問に思ってもらう部分って結構そういうところに含まれていることが多いと思っていて、
なので今回みたいに最新の論文の内容と質問いただいた部分とっていうのを両方答えられる いいタイミングなのかなと思っているので、
ぜひ皆さんも、もう1000回もあるからどっかで絶対話してるじゃん! なんて思うことはなく、お便りどんどんいただけたら嬉しいですね。
ということで、まあ合体していく銀河とかそういったところの話をしていこうと思っていて、ここ最終的にはブラックホールも関わってきます。
なぜなら、僕たちが住んでいるこの天の川銀河っていうのもそうだし、 他の銀河も含めで、基本的にはその銀河って星がたくさん集まっている領域なんですよね。
で、その銀河は星を維持するために周りの星たちをキャッチしておく必要が、ずっとそこに留まらせておく必要があって、
お互いの星同士で引っ張り合うっていうこともあるんだけど、 なんかしらこの渦巻きを作る、形を作るとかね、そういった
のを作り上げるためにブラックホールの存在っていうのは、 まあ一定ある必要だろうというところになっていて、銀河とブラックホールっていうのは結構セットで
語られることも多い部分なんですよ。 なので、今回のブラックホール特集第1弾としては、そういう銀河とブラックホールの合わせ技でお話ししていこうと思ってます。
今回紹介するのは、国立天文台の市民天文学プロジェクト ギャラクシークルーズと呼ばれるものです。
これは天文学者と一般の天文学を生業にしているわけではない人たちっていうのの コラボレーションで新しい科学を推進していきましょうっていうプロジェクトになっていて、
なんとここから科学論文が出版されると。 すごいですね。
で、これどういうプロジェクトなのか。 これは国立天文台が持っているスバル望遠鏡と呼ばれる望遠鏡があります。
これはハワイのマウナケアっていう山の上にあって、 そこに置いてある望遠鏡っていうのは、もう本当に世界屈指の性能を持っている。
目もいいし解像度も高くて、とにかく遠くの銀河とかでも綺麗な形を見ることができる、 そんな世界最高峰の望遠鏡なんですよ。
ただ、そんな世界最高峰の望遠鏡、毎日毎日稼働して、 いろんな科学的な成果を残してくれている一方で、
データ量が膨大すぎて、捨てるのにはもったいないデータが山ほどある。 そういう状況ですね。
そんな中で、じゃあ 一般の方とのコラボレーションをすることで、彼らの宇宙への探求心と科学的に追い求めたいところっていうのの掛け合わせでプロジェクトを作って、
ゴミになってしまいそうなところから新発見ができないかっていう、そういうプロジェクトで進んだのが、このギャラクシークルーズですね。
ギャラクシークルーズ、名前が船みたいじゃないですか。 まさにそれがコンセプトになっていて、ギャラクシークルーズは乗船した一般天文学者たちは、
もちろん銀河分類の専門家ではありません。 なので、銀河の分類ができるためにトレーニングコースを国立天文台の専門家たちから受けて、
それによってそのトレーニングコースを終了することで、 乗船許可書を手に入れます。
そしてギャラクシークルーズに乗船できた 市民天文学者たちは、宇宙の旅をしながらいろんな画像を見て、
銀河をいろんなタイプに分類していくっていう、そういう作業を行っていく、 そういう企画なんですね。
で、銀河っていうのはまだまだ理解が浅い部分。 特に銀河同士が、今回質問いただいたみたいに、銀河同士が衝突したり合体したりっていう、
その現場っていうのは、そもそも観測例も限定的で、 で、それのせいでどうなるかっていう正確なことはまだわかっていないんですよね。
そんな中で、そういう事例が、スバルの高性能な望遠鏡の中にだったらあるだろう、というところで、
市民天文学者たちを巻き込んで研究が実施されました。 市民天文学者たちの参加人数はなんと1万人で、
2年半で1万人の参加者がいる中で、これは渦巻き型の銀河だな、 これは銀河同士がくっついてそうだな、
そういったのを分類しまくってしまくって、 なんと200万件を超える分類が集まりました。
2年半で1万人が参加、ってことは平均で1人200個分類してくれてることになるんですよね。 すごいですよね。
それによってこれも、 手でいろんなことやるって限界があるじゃないですか。
なのでこのプロジェクトは、まさにこの天文学者だけでは成し得なかった成果になっているんですよ。
そんなのAIでやればいいじゃんって思う人いるかもしれないですが、 そもそもAIでそういう分類をするためには、
AIに覚えさせるための正解データと呼ばれるものが必要なんですよ。 その精度っていうのを上げようと思えば上げようと思うほど、
そういう正解データだったりの情報が豊富に必要になってくる。 そういった意味ではAIをやる前に、やっぱりまずこうやって
人力でいろんなものを分類していくっていう作業が大事なので、 この作業自体が無駄だなとか、そういったことは一切ないんですよね。
むしろものすごく猶予。 2年半でだって200万件のデータが集まったんですよ。
だっていきなりこれ、あ、じゃあ200枚、 あなたに画像200枚渡すので分類してくださいって言われても、やっぱ興味持ってなくてやりたくないじゃないですか。
っていうところを踏まえて考えると、これはすごい成果だなとやっぱり思うんですね。 で、そんな中で、その
分類の中で銀河同士が合体衝突している場面というのがいくつもサンプルが取得できて、 それに対して伝聞の専門家、伝聞学者たちが
科学的な研究を実施していくっていうフェーズに移りました。 その結果、面白いのが、合体衝突している銀河っていうのは、まず星が作られる
活動性がものすごく活発になっていることが分かったんですよね。 銀河っていうのは、星を作る生成工場とも言われていて、
星を作るためにはガスだったり塵だったりっていうものが豊富に必要です。 そして一箇所に集まって、そいつらがくっついて星を作るんですけど、
その材料がたくさんあるのが銀河だと言われています。 その銀河同士が衝突するから、
星を作るための資材、材料っていうのがさらに豊富に集まって、 そしてお互いぐるぐる回って合体しているから、密なところは密同士でぐちゃっとくっついたりする。
それが今回この 銀河の活動性、星形成の活動性を活発にさせた理由なのかなと思いますね。
そしてもう一つ、銀河の中心にあると考えられている超巨大なブラックホール、 大質量ブラックホールと呼ばれるの活動性も高まっていることが明らかになりました。
これはバランスが崩れて、例えばブラックホールの中に沈んでいく星の量が増えたりとか、 あとは銀河がくっつくことでブラックホールの周りにそもそも星がたくさんできて、
その分重くなって、でその分活動性が高くなってっていうような、 中心のブラックホールの活動性もぐんぐん上がっていく。
そんな状況が見えたってことなんですね。 これはやっぱり市民天文学者が参加した、この200万件のデータだからこそできた内容で、
なおかつスバル望遠鏡という世界屈指の望遠鏡を国立天文台が持っていることが重要だった。
そんなところから今回の研究結果を導き出されたっていう、奇跡の繋がりがいろんなのがあって、一つの科学論文になったというふうに言えるんじゃないかなと思って、
個人的にはかなり面白い研究だなと思ってこちら紹介させていただきました。 今回のね、ここに沿うような質問をいただいたタンタンさん、本当にありがとうございます。
だから天の川銀河とアンドロメダ銀河、くっついた時には、そういう星がもっとたくさん作られるような状態とか、
ブラックホールが中心でさらに活発になるっていう状況が作られるんじゃないかなってところですね。 あとはまあ例えば地球目線で見た時には実はそんな変わらないっていう説もあって、
なぜならブラックホール、銀河の中にはいろんな星があるけど、意外と
素なんですよね。密度が薄いというふうになっていて、そうすると別に合体したところで星同士がバコバコバコバコぶつかって、
でそれによってなんかこう、宇宙が崩壊していくような姿が周りに見えるかっていうと、実はそんなこともないんじゃないかなっていう説もあったりするので、
ぜひですね、そのあたりはまた今後の研究でわかってくること多いかなと思うので、宇宙話ぜひ楽しみにしておいてください。
ということで今回の本題は以上というところになります。 これからしばらくの間はブラックホール特集、みんな大好きですね。
もうブラックホールの話ばーっかりしていくので、 もうブラックホール大好きな方はいろんなリクエストを送ってください。
それに関連した論文探してきて、ブラックホールの話バンバンしていきます。 まあそこに差し込みでいろんなところのいろんなね、
コラボの話とかそういうのも入れていくので、宇宙話をポッドキャストとして、 そして宇宙の勉強の材料として皆さん楽しんでいただけたら嬉しいです。
よろしくお願いします。 ということでこれからワクワクする内容待ってるかなと思うので、ぜひ皆さん
拡散しまくってください。よろしくお願いします。 ですね、今回今日は水曜日ですね。10月25日水曜日なので、
水曜日は僕がもう一つやってるポッドキャスト、隣のデータ分析屋さん、 データサイエンス、データアナリティクスに関するあれですね、ポッドキャストをめちゃめちゃポップに、
宇宙話よりも数段テンション高く、バカみたいに友達とやってますので、 ちょっと勉強にもなるし、
ちょっと違う一面も見れるしっていうところで楽しんでいただけたら嬉しいです。 よろしくお願いします。
今回の話も面白いなぁと思ったら、お手元のポッドキャストアプリでフォロー、 フォローボタンの近くにある星マーク、こちらからレビューいただけたら嬉しいです。
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じゃんじゃんお寄せください。 それではまた明日お会いしましょう。さよなら。