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2022-10-03 19:49

727. 【JAXA公認】打ち上げ間近!イプシロンロケットを担当者が徹底解説

念願のJAXAコラボ第二弾!10/07打上げ予定のイプシロンロケットって、何がすごいの?

ロケットを開発する担当者に徹底的に解説してもらいました。


イプシロンロケットの詳細はコチラ!

https://www.jaxa.jp/projects/rockets/epsilon/index_j.html


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00:01
3、2、1、イクニション、キャッチ
スペース、トゥーマブラックホール、ジャパン
佐々木亮の宇宙ばなし
1日10分、宇宙時間をテーマに毎日お届けしております、宇宙ばなし。
今回は、先週に引き続きスペシャルコラボというところで、JAXAとのコラボをお届けしていきたいと思います。
テーマは、10月7日に打ち上げを予定しているイプシロン6号機。
本日のゲストは、JAXAの中矢浩二さんです。よろしくお願いします。
中矢浩二 よろしくお願いします。
今回、中矢さんには、イプシロンロケット自体のお話っていうところとか、
あとは中矢さんがこれまでイプシロンに関わるとこまでとか、そういったところのお話を伺えればなと思っているので、ぜひよろしくお願いいたします。
中矢浩二 よろしくお願いします。
ということで、もしよければ簡単に自己紹介とか、どんなことをやっている方なのかっていうところをお伝えできればなと思います。
中矢浩二 主身は、チームの中での業務はプロジェクトチーム、マネジメント管理一般は業務としてやっておりますし、
もともとバックグラウンドに衛星の開発とかっていうものもありますので、
実はロケットと衛星の間のそのいろんな調整っていうのは膨大なものがあるんですけども、
そういったものを整理しながら進めているという、そんな役割をプロジェクトではやってます。
ありがとうございます。本日はよろしくお願いいたします。
中矢浩二 よろしくお願いします。
もう放送のタイミングから見ると、あと1週間もしないうちに打ち上がる予定ってなっていて、実際今のお気持ちっていかがですか?
中矢浩二 そうですね。着々と打ち上げに向けて準備が進んでいて、盛り上がってきているというか、みんな集中しているという感じで、
やっぱりこれまで6号機ですから6回打ち上げているわけですけども、やっぱり毎回毎回気を抜くことができなくて、
本当に打ち上げのキープに目がけて、みんな集中して高めていっているという、そんな雰囲気があります。
なんか衛星が打ち上がる直前の独特な緊張感とワクワクとみたいなのってやっぱありますよね。
中矢浩二 ありますね。カウントダウンゼロに至るまでの途中段階でも結構重要なイベントがあって、
60秒前とか10何秒前とかっていうところの、そこのイベントがうまくいかないと止まってしまうわけですね。緊急停止が止まってしまうので、
そういった本当にゼロ秒、カウントダウンゼロに至るまでのいろんなイベント、これオッケー、これオッケーっていう、本当に緊張感の中でやっている作業になります。
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まだまだ打ち上げまで気が抜けないっていう状況なのかなというふうに思うんですけど、
じゃあ実際今回の前編のテーマは、イプシロンロケット6号機って何っていうところをちょっと伺わせていただきたいなって思ってるんですけど、
中矢さん的にイプシロンロケット6号機、性能とかアピールポイントここだよみたいなところを教えていただけたら嬉しいです。
まず、大体皆さんご存知かもしれないんですけども、初めての方もいるので、イプシロンロケットってどんなロケットですかっていうことから少しお話ししたいと思うんですけども、
イプシロンロケットっていうのは個体燃料を使ったロケットになります。
H2AとかH3は液体燃料を使ったロケットですけども、イプシロンはそうではなくて個体推進というものを使ったロケットになります。
個体推進のステージが3段、つまり個体の3段式のロケットの上に4段目としてポストブーストステージと呼ばれている、これここだけは液体推進系のロケットなんですけども、
個体3段に液体ポストブーストステージが1個付いたというのが…
なんでポストブーストステージというロケットを使ったかと言うと、衛星を測るためには微妙なサイズ、微妙なコンデンス、やっぱりそういうのって個体って苦手なところなんですよね。
なので最後は小さい液体推進系を使って構成にする。
これって個体の燃料を使うってすごいイメージしやすく言うと、花火のロケット花火みたいなことですよね。
その通りですね。火がつくと燃え尽きるまで消せないっていう、そういう。
じゃあ逆に言うと液体の方っていうのは本当に車とかみたいなアクセル踏むやめるみたいなのができるから微調整できるって意味合いで、最後の4段目と1段目2段目3段目とっていうところで違いを作ってるってことなんですか?
その通りですね。2段3段はもうアクセルで言うと踏みっぱなしで、燃料がなくなったら止まっちゃうっていうのをやるんですけど、それだとやっぱりいろんな誤差とかで行きたいところに行けない、その方向には行くんですけどやっぱりちょっとバラティーちゃうんですね。
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目標に対して違うところに行って、最後そこを本当に行きたい目標のところに持っていくのに4段目のポストブーストステージというものを使ってるっていう。
そういうことなんですね。知らなかった。じゃあ液体で微調整ができる、で固体がってなると、固体と液体すごい微調整できて使い勝手がいいって面で見ると液体の方がいいんじゃないかなってふわっと思ってしまうんですけど、固体を使うメリットみたいなところってあるんですか?
ポストブーストステージに載せてる液体っていうのは、液体燃料っていうのは打ち上げの1ヶ月くらい前からタンクに入れてそのままにしておけるような燃料なんですけど、
H2AとかH3で使う液体燃料って液体酸素と液体水素みたいなもので、それ冷やさないといけないし打ち上げの直前に充填するみたいなことになる。
打ち上げに向けた作業っていうのはかなり燃料充填みたいな、それが冷やしながらっていうことで、非常に打ち上げまでの作業が複雑になるんですね。
固体はですね、もう入れ物に固体燃料入れとけばずっと置いとけるので、打ち上げしようと思うとすぐ打てるっていう。
固体っていうのは運用性が高いロケットなんですね。
あれ、これじゃあもしかして先日NASAが打ち上げようとしてたSLS、スペースローンチシステムで、あれなんか燃料漏れが確認されたみたいに出てたってことは、液体燃料だったってことなんですか?
液体燃料がメインで使っている。だからイプショロンはそういうことはないんです。もうその中に火薬が詰まった状態で安定したものが、あとは火つければっていうことなので。
そういうことか。じゃあもうまさに今話してたメリットデメリットが直近のアメリカのロケット打ち上げと日本の打ち上げのところで違いとして出てるみたいなことになるってことなんですね。
そうですね。いわゆる燃料充填みたいな作業でトラブルがあると当然打ち上げがずれたりするんですけど、固体ロケットにはまずそもそもそういうトラブルの要素がないっていう。
いいですねそれ。なるべくああいう安全をどんどん担保していかなきゃいけないってなると、なるべくシンプルなプロセスで進んでいくとか、不確定要素っていうのはなくしていく方がやっぱロケット打ち上げって性質上いいのかなって感覚的には思ったんですけど。
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これってじゃあイプシロンロケットのコンセプトとして、もう今回6号機で初号機から6個目っていうところだと思うんですけど、もう最初の方からずっと固体の燃料で進んでいってるんですか?
イプシロンロケット試験機からずっとこの固体3段で高精度な起動投入精度がいるときには4段目にコストブーストステージをつける。これがずっと基本思想としてやってきてる。
僕これさっきの話題でもう1個聞きたいなーって話聞きながら思ってたのは、その4段分かれてるのって、いわゆる打ち上げのタイミングでボーってでっかい筒が飛んでいって、1個ずつ離れていくじゃないですか。機体から。あれが1段目2段目3段目っていうようなイメージですか?
そうです。最初に離れていくのが1段目ですね。
そういうことなんですね。じゃあ結構打ち上げのタイミングは今の話聞いた後だったら、まだ固体、次液体だみたいな見方がちょっとできるみたいな。
やっぱりその肉眼で見えるのは、1段燃焼終了で1段が落ちていくところぐらいまでは、もし天気が良ければ見えますけど、あとはもうだいぶ、今回6号機ですと、1段と2段の分離とか2段と3段の分離っていうのはですね、
フィリピンのあたりとかオーストラリアの北あたりで起きることなので、なかなかそこは肉眼で見るっていうのはできないですね。
できなそうですね。そう考えると。なるほどなるほど。じゃあちょうど何でしょう。僕いつも、いつロケット打ち上げの中継のオンラインのやつ切ろうかなって思うタイミングが、ちょうど宇宙行って割とアナウンスも静かになってぐらいのタイミングでいつ切るかなーみたいな思うんですけど、あれぐらいで液体に着火してるぐらいのイメージですかね。
いや、液体はですね、タイミングで言うと、やっぱりその、多分ご覧になってる放送のもうちょっと先になるんですね。
もちろんだと、その液体を使って飛んでるのは大体オーストラリアのあたりから南極を通って南米のチリのあたりに地上極がありまして、そこで衛星分離を確認するんですけど。
なのでオーストラリアから南極回って南米チリあたりのところで、さっきのコストブーストステージっていうのが機能してる。そこで軌道の微調整をしてるって感じになります。
12:10
じゃあもう全然見れないですね。液体になるところは。
あのデータ、地上に降りてくるデータとしてちゃんと作動してるっていうのは確認できるんですけど、それを目視するっていうのは難しいですね。
ああ、そういうことか。
いや、なかなか面白い視点だなと。今まで僕多分700回ぐらいこのpodcast放送してるんですけど、燃料の種類とかの話の軸で話を進めたことがなかったんで、
これ多分イプシロンロケットの話題ならではだなってちょっと思ったんですけど、これなんか初号機から6号機、基本的には固体燃料のコンセプトで進んでますっていう話だったと思うんですね、今の話だと。
そうなってきた時に、この初号機からのどういう進化のポイントがあって、今回6号機になったっていうところだと、ここが一番ポイントなんだよなみたいなところとかであれば聞きたいなと思ったんですけどいかがですか。
まずイプシロンロケットの最初のロケット試験機、イプシロンロケット試験機っていうのは2013年の9月に打ち上げたんですね。そこの時は、これまでの2013年よりも前の固体ロケットっていうのはニューファイブっていうロケット。
それが宇宙科学研究所が開発していたニューファイブっていう固体ロケット。一方で液体のロケットでH2Aっていうロケットがあって、これの技術を両方の技術を最大限に活用したコンパクトな打ち上げシステムを作るっていうことで、このイプシロンロケットっていうのが出来上がったんですね。それが最初に打ち上げたのが2013年9月です。
そういうコンセプトだったんですね。
例えばそのいろんな固体ロケットの部分はニューファイブから技術を取り入れる。あとロケットを制御するアビオニクスとかそういったものはH2Aで使われているものを活用して、それでイプシロンロケットっていうのを開発したっていうのが2013年になるわけです。
そこで一旦コンパクトな打ち上げシステムっていうのが仕上がったんですけど、やっぱりその時点で今後のどんな衛星がこれから出てくるかっていうのを見たときに若干打ち上げ能力が不足しているっていう、そういう状況があったんですね。
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打ち上げ能力っていうのはもう推進力とか?
じゃなくてですね、打ち上げられる衛星の質量をもう少し増やさないと他のロケットと競争していく上で不利になるんじゃないかっていう。
なるほど。
普通に乗用車で物を運んでいる感じだったけど、少なくとも軽トラぐらいまで行かないとマックスしないみたいな。
その通り。そうしないとこれから使ってくれる人はいなくなっちゃうんじゃないかっていう。
その目線があってなんですね。
試験機が終わった後、その能力をもう少し最適化するっていう開発を開始しました。それが強化型開発って言われてる開発なんですね。
名前かっこいいですね。
後ろのロケット機の強化型開発っていうのを始めまして、そこで打ち上げ能力の向上と、もう一つはですね、もうちょっと大きな衛星が来ても乗せられるように、衛星が乗せられるエリアを拡大するっていう。
この打ち上げ能力の向上と、衛星の崩落域って言ってるんですけど、衛星崩落域拡大っていうのをこれ実現するために、新しく2段目のロケット機を大きくする開発をしたり、
あとは重い衛星を打ち上げようとすると、ロケットの推進性能を上げるっていうのはまず一つなんですけど、あとロケットのそのものの構造とか、乗せている電子機器とかの質量も軽くすれば、その分衛星に乗せられるっていうことで、
2段モーターの開発と構造とか電子機器の軽量化っていうものを軸に、その強化型開発っていうのを実施しました。
それの完成した成果を適用したのが、イプシロンロケット2号機からで、これ2016年に打ち上げたんですけど、この2号機が使っているイプシロンを我々強化型イプシロンって言ってるんですね。
なので、2号機、3号機、4号機、それから今度打ち上げる6号機っていうのは、イプシロンロケットって言われてる中でも強化型イプシロンって言われてる種類のイプシロンを打ち上げるっていうことになりますね。
じゃあ、初期の部分からちょっとだけ1段どっかでグッと進化したタイミングがあって、逆に言うとその強化型になったからこそ、今回ミッションとして乗る革新的技術実証の比較的大きめのものが乗せられるようになったっていう違いとかってもしかしてあります?
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あります。なので、最初のイプシロンロケット試験機の能力では、6号機に乗せる衛星は全部乗せられなかったはずです。なので、強化型イプシロン、強化型開発というものをやった成果として複数衛星搭載っていうのができるようになったと。
そういうことなんですね。じゃあ結構進化してきた、進化してきてるその能力に合わせて今回その能力が最大限活かされるような配置になってるっていうミッションの内容が。
これ聞いてから先週のかけあいさんに話してもらったミッションの中身とかの話聞いたら結構ワクワクする部分、かけ合わせで面白いなってすごい思いましたね。
そんな感じでちょっとお時間もあれなので、前編はこんな感じでだいぶイプシロンロケットについて面白い話を伺えたなーっていうふうに思っているので、
これはちょっと皆さん参考にしていただいて、後編はこんなすごいロケットを作ってる方、一体どうやって宇宙を志したのみたいなところとか、
あとは僕がずっと研究でやっていた分野と実はクロスする部分がいくつもありそうっていうところがあったので、そのあたりをちょっと明日の後編では伺えたらなと思っています。
中谷さん引き続き明日もよろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
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それではまたお会いしましょう。さようなら。
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