1. 佐々木亮の宇宙ばなし
  2. 1095. 地球を太陽から守るバリ..
2023-10-08 15:30

1095. 地球を太陽から守るバリアで月も守ったら月に水はできない!?

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ソース

https://www.hawaii.edu/news/2023/09/14/earths-electrons-moon-water/

https://www.space.com/water-moon-electrons-earth-bombardment

Credit : Li, et al., 2023

サマリー

地球を太陽から守るバリアで月も守った場合、月には水はできないのでしょうか。このエピソードでは、月が地球を守る地磁気のバリアの中に置かれた場合、月の表面で水ができるかどうかについて研究されています。そして、バリアの中に置かれた月でも水が作られる現象が起きることがわかりました。月の表面で水が作られる過程についても、研究が進められています。

地球と月の相互作用
1日10分、宇宙時間をテーマに毎日お届けしております宇宙話。今回は、地球を太陽から守っているバリア、このバリアの中に月がいるときに果たして水はできるのか、そんなお話をしていきます。
前回、月の表面にある水がどうやってできるのか、これは太陽からのエネルギーがあるから、そんなお話をしました。
ただ、このエネルギーが当たらない場所に月が行ったときに、いったい月の表面にはどうやって水が作られるのか、最新の研究で面白い側面出てきましたので、こちら紹介していきたいと思います。
2023年10月8日始まりました。佐々木亮の宇宙話。このチャンネルでは1日10分宇宙時間をテーマに、天文学で博士号を取得した専門家の亮が、毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。
本日でエピソードが1095話目を迎えております。 基本的には1話完結でお話ししておりますので、気になるトピック、気になるタイトルからぜひ聞いていただけたら嬉しいです。
前回は月に水があるっていう話が最近は常識的に話されているが、じゃあその水ってどうやって作られているのか、そんなお話だったりとか、逆に1093話目では月の水って思ったより少ないんじゃないか、みたいな話をね、しているので、もう最近は月特集っていうところでやっております。
かれこれそうですね、エピソード直近10個分ぐらいは全部月の話になってるんじゃないかなと思うので、ぜひ月好きの方は遡って聞いていただけたら嬉しいです。
Spotifyのプレイリストも作ってるのでよろしくお願いします。 ということでじゃあ1095話、一体どんな話をしていこうかっていうところになるんですけど、
ちょっと前回の話の続きというか、前回の話と似たような話だけどちょっと違う話みたいな、そんなところをしていきたいと思います。
今回も月の表面での水の出来方に関するお話です。月の表面での水の出来方ですね。
昨日のエピソードでは、月の表面から飛んでくる太陽風、この太陽風が月に当たると、その太陽風で飛ばされてきた水素イオンと月の表面の残っている酸素の物質とか、そういったところの相互作用で水ができるっていう話をしていきました。
これはなんか、宇宙空間で剥き出しになっている月っていうところですよね。なんか、登場人物としては単純に月があって、太陽があって、でその太陽に物が飛んできたときに、太陽じゃないや、太陽から月に物が飛んできたときにどういう反応をするかっていうところでしたよね。
ただ、月っていうのはどこにあるのか、もう一回改めて考えてみると、月っていうのは地球の周りを回ってますね。
地球の周りを回っているから、地球の影響っていうのも月の表面でできる水の生成過程にとっては重要になってくるんですよ。
月単体で見るのではなく、地球との相互作用で見ていくっていうところを今回は主にお話ししていこうかなというふうに思ってます。
地球の磁気バリアと月の水の生成過程
地球の周りには、磁気でできたバリアーというものが存在します。
地磁気と呼ばれるもので、この磁気のバリアーっていうのは、宇宙空間から地球を守る上で非常に重要な役割を担っている。
例えば、太陽の表面で爆発が起きる、太陽フレアーと呼ばれる現象が起きて、その爆風だったりとか、その爆発の勢いで飛ばされてくるエネルギーの強い粒子たちっていうところから、地球を守るっていう作用があったりとか。
で、その地球を守った結果ですね、その磁気と太陽から飛んできた物質の相互作用、そしてその影響でオーロラが発生する。
っていうようなところで、実はオーロラっていうのは、宇宙空間で地球が太陽と戦っている、その空中戦の爆撃みたいなものの光を見ているっていうような、そんな置き換え方もできるぐらい、
地球の磁気とオーロラの関係性っていうのは強いし、地球の磁気は太陽から物を守っているっていうところもあるし、っていうところで、地磁気っていうのは非常に重要な役割を担っていると。
で、この今みたいに太陽フレアーが発生して、すごいエネルギーの高い物質たちがバーって飛んできて、地球の地磁気にぶつかると、何が起きるかっていうと、その地磁気から
地磁気が太陽からの攻撃を守っていると、その守った衝撃で地磁気が引きちぎれてというか、その爆風にさらされて、前の地磁気はどんどんどんどん薄くなっていく。
それに対して、その薄くなった分、太陽と地球の向かい合っている逆側、尻尾側ですね、僕たちの背中側に地球の地磁気っていうのがぐーっと伸びていくような。
なんか本当に風にさらされて、後ろに変な風ができる、気流ができるみたいな形で、地球の地磁気っていうのは宇宙空間に広がっていくんですよね。
つまり、地球の周りをまとっていた地磁気っていうのが、太陽からの攻撃を受けると、その太陽から受けた攻撃の逆側にギュイーっと伸びていくというような、そういう性質があります。
このギュイーって伸びたところに、月が通過する。月がその地磁気の中に入ってくるっていうような状況も、月が地球の周りをぐるぐる回っているっていう中では発生するんですよね。
この地球の地磁気、地球が持っているバリアーの中に月が入ってきた時に、月の表面で作られる水っていうのは、
どういうふうに作られていくのか、そんなお話を研究した研究者がいたので、その最新の研究を紹介していきたいと思っております。
月が地球の周りをぐるぐる交点している時に、地磁気の奥っぽ、そのさっきの広がったところを通過するっていう時に、どういうことが起きるかっていうと、
地球の磁気っていうのが、地球を守っているのと同じように、地球の磁気が月を守るっていう形になりますよね。
で、そうすると何が起きるかっていうと、地球の表面もその磁気に守られているけど光は入ってくるじゃないですか。
それと同じ感じで月の表面にも、その太陽から飛んでくる高エネルギーの粒子たちからの攻撃は防げるけど、月の表面に光は当たるっていうような、比較的地球と似た環境が月の表面で出来上がるんですよね。
ここが普段月が地球の周りをぐるぐる回りながら、太陽の光、そして太陽の高エネルギー粒子を受けている時とは違う状況になります。
で、そうするとじゃあここで気になるのは月が地磁気、その地球の磁気圏の外側にある時、この時は太陽の月の表面っていうのは太陽風にさらされますね。
一方で磁気圏の内側になると太陽風のプロトンっていうのはほとんど受けることなくて、水の生成っていうのは昨日の話を受けたところみたいにほぼゼロになるんじゃないかというふうに予想されていました。
ただ今回、月が地球の磁気圏の中に入ってきた時の水の生成過程と普段の水の生成過程っていうのを比較したときに、実は磁気圏の中に入っている時もちゃんと水が作られているっていうことが明らかになったんですね。
これすごいですよね。昨日のポッドキャストもぜひ聞いていただきたいんですけど、昨日みたいに太陽風に乗ってきた物質たちの相互作用によって月の表面には水ができるっていう過程は実験室レベルではあるものの確認されていると。
地球の磁気圏の中での水の生成
でも、地球の磁気圏がその太陽風からのバリアーを月の周りに作った時っていうのは、その話だけ聞くと、いやもう太陽風届かないんで水は作りませんっていうところになりかねないじゃないですか。
にも関わらず水を作る機構っていうのがしっかりと作動していたと。これは一体どういうことなのかっていうところはこれからの研究に委ねられるところではあるんですけど、ここから考えられるのは、
前回のポッドキャストのエピソードで考えていた月の表面に水ができる過程っていうのはあくまで水を作る過程のうちの一つであって複数ある。
実はいくつかの作用が合わさって月の表面の水っていうのは作られているんじゃないかと。 具体的には今回の磁気圏の中で発生する新たなエネルギーによって、新たというか、
磁気圏の中で起こる太陽風とは違うエネルギーのインプットによって月の表面で水が作られるっていう過程があるんじゃないかっていうところが指摘されたんですね。
というところで、今回は地球を太陽から守っているバリアーの中に月を置いたら、一体月の表面での水の生成はどうなるのか、そのあたりのお話をさせていただきました。
実際は、もともとは作られないと考えられていたはずの水は月の表面でバリアーの中でも作られる。
じゃあこの過程は一体何なのかっていうところは、これからどんどん進められていく部分だと思うので、ぜひ皆さん楽しみにしておいてください。
とにかく、こうやって月の表面にどうやって水ができるのかっていうのは、いろんな角度から研究されてるんですよね。
前回話した太陽風の影響なのか。はたまた今回みたいに地球の磁気の中でも水が作られるから、
地球の磁気に乗った新たなエネルギーのインプットの話なのか。はたまた、
月に飛んできた隕石が持っていた水の成分が月の表面に水をもたらしたんじゃないか、だったり、いろんな説が出てきているので、
たぶん今後、結論づけられる部分としては、月の表面の水はこういう過程でこのぐらい作られて、こういう過程でこのぐらい作られて、
っていうような比率がどんどん明らかになっていって、メインの、大体この月の水の大半はこういう過程で作られたっていうところだけが、
僕たちみたいな一般層みたいなところに染み込んでくるんじゃないかなっていうところですね。
月の表面での水の生成過程の研究
まあ、世の中大体そうなんですよ。1個の物事で科学系のすべてを説明できるっていうことはなくて、
大体8割ぐらいの起用率があるこの過程が一般的なものだとしましょう。
っていうふうに理解して、宇宙の専門家たちはその1割とか2割とか残った部分の研究もするんだけど、
その専門家じゃない人たちっていうのはその8割だけ信じていれば、大体のことは頭の中で整理できるというか、
みんなの理解の足並みを揃えられるっていう感じになるので、宇宙話では1割2割の微妙な起用率を持っている月の表面の水の生成の話とかもガンガンしていきます。
宇宙好きの人たちって多分そういう細かい話、なんか宇宙の壮大さっていうのめっちゃ気持ちいい数字が出てきたり、
その気持ちいい感じになると思うんですけど、科学的な目線で見たときには実はあんまり有名じゃないけど、この1、2割の要素が実は重要っぽいみたいな話とかね、そういったものが多いので、
宇宙話ではちょっとコアな宇宙の話もしていこうかなと思っております。
ということで、細かく月の話が知りたい人はぜひですね、最近月特集しまくっているので、過去の回も遡って聞いていただけたら嬉しいです。
次回どんな話しようかなと思ったんですけど、次回はちょっと身近な話、身近でもないかな。
結構最近は天文学っぽい話をしてきたので、次は宇宙ビジネス寄りというか、未来の月開発のプランに関するお話もしていきたいと思います。
具体的にはアメリカのDARPA、国防総省国防高等研究計画局だったかな、っていうところが一体どんな月開発のプランを持っているのか、今後10年間のプランに関するお話と、みんなちょっとは
見かけたんじゃないかなっていう、宇宙服のデザインをプラダがするっていう話、このあたりをお話しして未来の宇宙開発、ワクワクするなっていうところをお話ししていきたいと思います。
プラダを着た悪魔ならぬ、プラダを着た宇宙飛行士っていうのが存在する未来も、ちょっと面白そうですよね。
このあたりをどういう背景で、どういう流れでプラダが参加したのか、っていうのもお話ししていこうと思っております。ぜひ楽しみにしておいてください。
ということで今回の放送は以上にしていきたいと思います。今回の話も面白いなと思ったら、お手元のポッドキャストアプリでフォローボタンの近くにある星マーク、こちらからレビューいただけたら嬉しいです。
番組の感想や宇宙に関する質問については、ツイッターのハッシュタグ宇宙話、またはスポティファイのQ&Aコーナーだったり、概要欄のお便りフォームからじゃんじゃんお寄せください。
それではまだまだ続く月特集、楽しみにしておいてください。 また明日お会いしましょう。さようなら。
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