今回は、ニュートリノの性質を生かして、太陽の中身をリアルタイムで監視していく、そんな研究内容をお話ししていきたいと思います。
太陽というのは、僕たちの生活を支えてくれている非常に重要なエネルギー源になっているんですが、
実は中心で起こっている核融合の情報というのは、熱として太陽の表面に出てくるのには、なんと10万年かかると。
なので、10万年前に作られた熱の情報が出てくるまで、太陽の中がどうなっているかわかんないんですが、
それをニュートリノで解決できるというところで、太陽ニュートリノの研究意義についてお話ししていきたいと思います。
ぜひ最後までお付き合いください。
改めまして始まりました佐々木亮の宇宙話。このチャンネルでは1日10分宇宙時間をテーマに、天文学で博士号を取得した専門家の亮が、毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。
今日でエピソードが1592話目ですね。基本的には1話完結でそれぞれお話ししてるんですけど、
直近今日合わせて3回はニュートリノに関するお話ししているので、好きなところから聞いてもらえたらいいかなと思いますね。
それ以外にも宇宙のニュースたくさんたくさんお話ししているので、そういうのは日曜日の宇宙ニュースまとめとか日曜特集っていうところから聞いてもらえると、
サクッと振り返りができていいんじゃないかなと思いますね。よろしくお願いいたします。
ということで、じゃあ早速本題行きましょう。 今回お話しするのは、ニュートリノの中でも太陽から出てくるニュートリノによって、
太陽の中身をリアルタイムでモニターしちゃおう、そんな研究の内容をお話ししていきたいと思います。
実は一言でニュートリノと言っても、いろんなニュートリノがあります。
これ研究内容いろいろあって、それこそ今回紹介する太陽から出てくるニュートリノだったり、
あとは超新星爆発という巨大な爆発から飛んでくるニュートリノだったり、そういったものを研究していると。
ニュートリノっていうのは本当さっくり言うと、素粒子と呼ばれる世の中のものの構成の最小単位のうちの一つになっていて、
ここ最近の物理学の中ではやっぱりそこぐらいまで深掘っていかないと、宇宙の謎もそうだし、
物理学の真の部分まではたどり着けないよね、みたいなところで注目を集めている部分ですね。
なのでニュートリノに関して知りたかったら過去2回分聞いてもらえればいいんですけど、
その中で太陽から出てくるニュートリノっていうのを使うのが結構面白いんですね。
僕たちは太陽の周りでぐるぐる回って生活をしているので、最も強力なニュートリノの発生源、僕たちからするとこれはやっぱり太陽なんですよ。
太陽の中心では核融合の反応が起きて、水素原子、水素が融合して一つのヘリウム原子っていうのを作っていく。
でそのヘリウムを作る、水素の核融合を起こしているので水素と水素がくっついてヘリウムになると。
でヘリウムが作られるときに核融合のエネルギーが周囲に放出される。
これによって太陽の熱的なエネルギーっていうのが賄われているんですね。
でこの賄われているエネルギー、熱に変わるだけじゃなくて、同時に2つの溶電子と2つの電子ニュートリノと呼ばれる、簡単に言えばニュートリノですね。
これが反応で生成されると。これを太陽由来だから太陽ニュートリノっていうふうに呼んでます。
で太陽ニュートリノっていうのは、放射量っていうのはこれ本当にすごい量で、地球の位置で毎秒1cm四方の中にこのニュートリノどれぐらい入ってくると思います?
なんかでっかい水槽構えてギリギリ見つけられるのがニュートリノだみたいな話してるから、ちょっとなイメージありますね。
でもそうじゃなくてニュートリノって死ぬほど飛んできてるんですよ。どんぐらいかっていうと、この1cm四方の中に660億個、660億個のニュートリノが1秒間に通過している。
地球の位置でね。 なのにニュートリノって見つけられないんですよ。
そのでっかい水槽の中で水を満たして、水の中でぶつかるというか、水に対して影響を与える確率が低すぎて、
660億個が1cm四方にバーって飛んできてるのに全く反応しないと。だからこそニュートリノっていうのは扱いが難しい。
なので、ニュートリノの情報っていうのはたくさん来てるはずなんだけど、それを研究する術が今のところなかなかないというので、世界中が工夫を凝らしているわけですね。
で、そんな中で太陽の中心で起こった核融合の反応っていうのが、熱として太陽を温めてどんどん表面にワーって起き上がってきて、
で、太陽の表面に現れるまでに10万年ぐらいかかるっていう風に言われてます。
10万年。長い長い旅を経ているわけですね。
で、一方でニュートリノは他の物質とほとんど反応しないっていう話はしましたよね。さっきの水の中で反応して光を作るかどうかっていう話もそうなんですけど。
つまり、太陽の中心で生まれたニュートリノっていうのは、地球まで何にも干渉せずに全部バーってスケスケのまま通り抜けてくる。
だからこそ、地球にニュートリノができてから到達するまでに8分でついちゃうんですよね。
ってことは、ニュートリノをちゃんと検出して、ちゃんとモニターできれば、太陽の中心で起こっている核融合の反応っていうのを、
8分差っていう非常にリアルタイムに近いような状態で観測することができるっていうところが、この太陽ニュートリノを検出するのに非常に重要なポイントになってくると。
例えば、ほんとこれ極端な話だけしますけど、例えばこの水素の核融合でバーって続いているものが、
例えば次のフェーズに移行しようとしているとか、そういった話になった時っていうのは、くっつく時のエネルギーも変わったりするし、
っていうところをリアルタイムで捉えられたら、あれ太陽なんかフェーズ変わってきちゃったかもよみたいな。
そんなドラスティックに変わるような状態ってなかなかないんですけど、
なかなかないし、心配するようなことでもないんですけど、そういったことができるっていうのが重要なポイントですね。
ただ面白いのが、この太陽から飛んでくるニュートリノって計算シミュレーション、スタンダードソーラーモデルっていう標準太陽模型ってやつで予想される、
ニュートリノの数で予想されているのって、バーって放出してくる量に対して3分の1程度しか飛んでくることがないだろうっていうようなシミュレーション結果が出てるんですよ。
つまりこのニュートリノ、核融合でピュアに出てくる量の3分の1しか来ないなみたいな話で予想されていた時には、
じゃあこのニュートリノがどこに失われているのかっていう太陽ニュートリノ問題っていうのが噴出して、
太陽ニュートリノを検出するのも大変なのに、検出してみたら思ったより少なくて困るみたいな感じになりそうだと。
そんな中でスーパーカミオカンデが登場して、2000年の6月にこれまでにない高い精度で太陽ニュートリノの強度の観測っていうのが行われました。
そうすると観測された太陽ニュートリノの強度っていうのは、太陽模型で予想される強度の約45%程度であるというところが分かって、
つまり結局は何かにニュートリノを持っていかれて失われていたと、強度がね。
で、じゃあどうやってその強度が失われたかで言うと、なんかいろんなところの振動とか振動のエネルギーとかに持ってかれたりして、
少ない、情報がニュートリノの量が少ないっていうところにもある程度納得のいく結果っていうところまでスーパーカミオカンデの結果で示されたというところで、
太陽ニュートリノ、ここで何が伝えたかったかっていうと、太陽ニュートリノ思ったより少ないとか、なんか予想外のところが起きつつも、観測によってある程度解明することができ始めているっていうところが現状あるわけです。
で、そうするとじゃあ最終的にこのニュートリノ、太陽ニュートリノを使って一体どういうことをしていこうかで言うと、やっぱさっき言ったみたいな太陽の中のリアルタイムモニタリングですね。
太陽内部の化学的素性の解明とか、太陽の表面までしか出てこない情報をニュートリノの情報を使って奥行きのあるというか、中心で起こっている核融合の情報まで解像度高く持っていくっていう話だったりをどんどん解明していける、
あらゆるものを突き抜けていくからこそできる研究の方法っていうのがあるので、このニュートリノっていうのはこれからどんどんどんどん検出性能が上がって、解明が続いていく、そして新しい宇宙物理学の扉を開いてくれる、そんな内容になってくるかなと思うので、このあたりはぜひ注目のポイントかなと思いますね。
ということで、ニュートリノの話3日間にわたってさせていただきましたけど、本の内容ね、書籍、先月発売したやっぱり宇宙はすごいSB新書の中でも触れているので、それと合わせてなんかちょっと楽しんでもらえたらいいかなと思っております。
ぜひぜひ、ここ分かんなかったよとかあったらコメントくださいね。ウェルカムです。
ということで、じゃあアフタートークいきましょうか。
あ、そうだ、明日何話すか言ってなかったですね。
明日は、ブラックホールがガスを冷やす役割を担ってるみたいな、冷却剤としてのブラックホールみたいな、そんな内容をちょっとお話ししていきたいと思いますので、ぜひぜひ明日のエピソードも楽しみにしておいてください。
ということで、結局ね、今日、そうだ、この間、会社で面白かったんですよ。
会社で普通に仕事をしてて、一緒になんかこうちょくちょく関わる、たまに関わるメンバーがいるんですけど、その方から、ちょっと奥さんが、男性の方なんですけど、奥さんが、パートナーの方がこう、宇宙話めっちゃ好きだと。
で、しかも面白いのが、最近これめっちゃハマってるんだよねって言って、ポッドキャスト方向、イヤホンピってつけられて、え、どんなん?みたいな。
あ、宇宙なんだってパッて聞いたら、僕の声だったみたいな。
で、それで、え?みたいな。これ、佐々木亮って人だよね?みたいな。この声だよね?みたいな。
いや、会社で一緒だけど、みたいになって。
で、そこから、なんかこう、夫婦の時間を、僕のポッドキャストを聞きながら過ごすタイミングがあるみたいになってて、そんな偶然あるんだっていうぐらい、ちょっと嬉しかったポイントでしたね。
で、なので、この間会社行ったときに、一緒のタイミングで就職してたんで、パートナーの方向けにサインを書いて、本に。
で、なんかステッカーとかも渡させていただいてっていう感じで、なんかこう、たまーにあるんですよ。
たまーにこう、僕、身の回りの人が僕のポッドキャスト聞いてくれてるみたいなのが発生するんですけど、なんか今までで一番ぐらいにこう、距離感が近そうな話を聞いた。
しかもその、僕がやってるよって言って聞き始めてくれたとかではなくて、もともと聞いてて、え?みたいな。
で、会社の同僚みたいな。そのパターンってあんまりなかったんで、ちょっとね、嬉しかったですね。
でもなんか、会社であれか、え?ポッドキャスト聞いてますって言ってもらったのも一個あったんで、その直で言ってもらったとかに比べの以外だったら初かもしれないですね。
まあそんな感じで、ちょっとこう、身近でね、そういうのが増えてきたら、ポッドキャスト頑張っててよかったなーって思えるポイントかなぁと思うんで、これからも頑張ろうっていう、このちょっと気持ちの高ぶりが出てきました。
1回だけ、1回だけ電車で見たことあるんですよ。声かけようかと思ったけど、さすがになんかきついよなと思ってやめましたね。
けどまあそうやって聞いてくれてるっていうのだけがだいぶ嬉しかったりもするんで、この間ポッドキャストの本の話とかでいろいろ登壇して、リスナーの方々と会いましたけど、
サイレントリスナーです、申し訳ないですみたいに言うと全然いいね。サイレントリスナーでも聞いてくれてるが一番嬉しいから、あんまり気にしないでください。
なのでリクエストとか送ってくれたら嬉しいし、イベントとか来てくれたら嬉しいけど、みたいな感じでいますので、これからもとりあえず宇宙話だけはよろしくお願いいたします。
そんな感じで今回は以上にしていきましょう。今回の話も面白いなと思ったらお手元のポッドキャストアプリでフォロー・レビューよろしくお願いいたします。
1月8日に発売しました。SB新書やっぱり宇宙はすごい。こちらも絶賛発売中になっております。
お近くの書店行かれたら、SB新書なんで大体置いてあるかなと思いますんで、好きなところでご購入いただいて、ぜひ感想とかも送っていただけたら嬉しいですね。よろしくお願いいたします。
ということで今回は以上にしていきましょう。それじゃあまた明日お会いしましょう。さよなら。