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始まりました、佐々木亮の宇宙話。普段、国の研究機関で天文学の研究をしている私が、毎日最新の宇宙ニュースをお届けいたします、こちらのポッドキャスト。
本日はですね、昨日の話に引き続いて、ATHENAという新しい将来天文衛星の計画についてお話ししていきます。
こちらは、10年以内、2020年代を打ち上げを目標にして進んでいる、大体1兆円ぐらいの規模と言われている天文衛星になるんですね。人工衛星です。
こちら、自分も開発に関わっていた部分が一部あって、割と思い入れもある望遠鏡にはなっていて、
昨日はですね、こいつが1兆円もかけてどんな科学っていうのを解き明かしていきたいのか、みたいなところがポイントになってくるので、そちらについて紹介させていただいたんですけど、
今日はそれの続きということで、大きくある目標のうちの2つ目を紹介してみたいと思います。
ちなみに1つ目は、宇宙の物質っていうのがどのように銀河団と呼ばれる、銀河の塊を作っているのかみたいなところのお話しだったので、気になる方は昨日のも聞いてみてください。
はい、そんな感じで今日も最後までお付き合いよろしくお願いいたします。
はい、ではですね、まずは毎日恒例の活動報告、緊急報告みたいになりますが、
今日はちょっと久しぶりに本棚にあった宇宙SFの本をですね、手に取ってみたんですよ。
で、オービタルクラウドっていう藤井太陽さんっていう方が書かれているものなんですけど、こちら知ってる方いらっしゃいますかね。
これ結構個人的には宇宙SFの中でも相当おすすめで、2016年に発行されたやつなんですね。
で、なんか自分はハードカバーのやつ、どんな話かっていうと、スペーステロ計画のお話なんですよ。
で、これ結構現実の名前みたいなのが若干文字られてたりとか、意外とちゃんとした物理の知識というか科学的な視点がしっかり含まれてるので、
割とリアルに描かれてるんですね。
で、これを修士の1年生とかの時に読んで、すごい面白いなと思って読んでたんですよ。
ただ、これを読んだ時は2016年とかだったんですけど、今読み返してみたら、その舞台が2020年12月とかになっていて、
なんかもうその時未来の話だと思って読んでた日にちを、もう過ぎてしまったといったところでちょっと衝撃を受けましたね。
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このスペーステロが関わってる、宇宙の物理的な部分っていうところを抑えた結構面白い作品になってるので、もし興味ある方は調べてみてください。
オービタルクラウドっていう作品ですね。
リンクのとこに貼れたら貼っておきます。
ぜひお勧めですので。
で、そんな感じで今日は宇宙に趣味的に触れるみたいな日にしてましたね。
そんな感じですけど、休みの日は休むっていうのが一番いいのかなと思って、研究は一旦お休みにして、ちょっと発信内容だったりノートの記事だったりっていうのを少し整えたりっていうのもやって現在っていう感じになっております。
なので、このポッドキャストも今日は9時20分と割と早めに更新できております。
そんな感じですね。
じゃあ早速今日の本題いっておきましょう。
今日はですね、昨日の続き、アテナ衛星の目指す科学的な成果っていうところの続きのお話をしていきたいと思います。
簡単に振り返ると、アテナっていうのはESA、ヨーロッパ宇宙機関っていうのが計画している大型計画の一つですね。
2020年代の後半ぐらいに打ち上げを予定していて、その開発に日本とアメリカも参加している。世界的に上げていこうというものになっています。
X線望遠鏡になっているので、私が研究している分野の専門分野の一つに含まれるものです。
余談なんですけど、このX線天文学って分野、これは実は日本が結構リードしてきた部分っていうのはすごいあって、
今ヨーロッパだったりアメリカで最先端のX線天文学の検出機とかを開発している人たちは、
学生の頃とか、学生卒業してポスドクって言われる若手の頃に日本でそのX線天文学の装置の開発とかを学んだっていう方がリーダーになっていたりして、
かなりその時育ってた人たちが今世界を牽引しているって状態なんですね。
ちなみに自分がNASAに行かせていただいた研究のリーダーみたいなのをやっているNASA側のリーダーの人も、
もともとは日本で研究していたといったところで、やっぱり世界中のつながりっていうのが昔から今にかけて続いているっていうところで、
結構技術的な競争はありつつも世界中が協力して進んでいっている天文学の分野でもあるんですね。
なので結構フラットなピースな雰囲気が漂っている分野でございます。
そんなアテナ衛星ですね、1兆円規模と言われているこちらの衛星がどんな科学を追い求めていくのかっていうところの2つ目の目標が、
どのようにして巨大なブラックホールっていうのは成長して宇宙に影響を与えてきたのかっていうところを解明したいっていうのがアテナの目的の一つになっております。
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私たちがいる天の川銀河とかもそうなんですけど、銀河の中心のほとんどの銀河の中心には巨大なブラックホールっていうのが存在していると言われております。
物質を飲み込みつつ成長していくのがこのブラックホールって呼ばれるもので、
イメージつくじゃないですか、単純にブラックホールって何でも吸い込むような印象があると思うんですけど、
そんな感じで物質を飲み込んでいく時っていうのは、銀河を想像してもらえばわかると思うんですけど、
物を引っ張るときに自分も回転しながら物を引っ張っていくので円盤みたいなのを形成していくっていうのがブラックホールの一般的な部分なんですよ。
そういう飲み込む物質の量に応じてX線が放射されるっていう特徴があります。
これは何度かポッドキャストでもお話しさせていただいてるんですが、
今回ブラックホールの歴史、成長っていうのがどういう風になってるかを明らかにしたいのが、
Athenaの目的になっていて、どうやってやるのかっていうのは、
ブラックホールから出るX線っていうのをいろんな年齢のブラックホールっていうのを調べてあげて、
それを時系列的に並べてあげるみたいな方法を取るのかなとか、
あとはブラックホールの成長過程っていうのを追うような観測をしていくと。
またこのポッドキャストでも何回か話させていただいてるブラックホールから飛ぶジェット、
これはブラックホールが周りの星を吸い込んでいくときに円盤みたいなのを作ったのの垂直方向ですね。
円盤の面とは垂直な方向にジェットっていうのをバーッと出すと。
あとはその周りに風が吹いたりとかっていうのがあります。
こういうのもこれって言ってしまえば吸い込んだものを外に吐き出す、一部吐き出すっていうところで、
全てが吸い込まれてるわけじゃないんですね。
なのでこれもどれだけ吸い込むか、そしてどれだけ吐き出すかっていうところが銀河の成長につながっていって、
ブラックホールの成長、また銀河に影響を与えてるっていうところがあるので、
そういうところを今までにないこのアテナが持つすごい分解できる、
すごい成功な写真が撮れるカメラと、すごい精度で光を分けれる検出機っていうのを使って明らかにしていきたいというのが、
今回のこのアテナで目指す科学と言われております。
なのでこのブラックホール自体の理解も深めて、
さらにその周りに形成される銀河がどういうふうにできていくのかみたいなところにまで解明していきたいと思っているのがアテナの計画になっているので、
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この2020年が終わって2030年にかけてのあたりで、
そのブラックホールに対する理解っていうのが飛躍的に伸びるんじゃないかっていうのが予想されますね。
なので今回のこのアテナっていう衛星が目指す科学的な成果っていうのは、
基本的には銀河だったり銀河談でブラックホールっていうところの、
いわゆるこの私たちが住んでいるこの1個の惑星ないしこの太陽みたいな1個の星とかではなくて、
もっと大きな構造を解き明かしていくっていうのがアテナが目指す科学になります。
そんな感じで大きいものを目指すには大きいお金がかかるといったところなんですかね。
1兆円もかかるんだからそうなんでしょう。
自分がこう開発に携わったこの衛星ですね。
自分の研究実験自体がどこまで採用されるのかっていうのは、
今後の研究室での実験次第というかになってくると思うので、
そいつが搭載されることを祈っております。
そんな感じで今日の話が以上になります。
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ハッシュタグ宇宙話、宇宙が漢字で話がひらがなになっておりますので、
じゃんじゃんつぶやいていただけると嬉しいです。
明日はですね、実は科学系のポッドキャスト初コラボの収録をしてまいります。
これまた公開できる日にちだったりとかっていうのはおいおい紹介していきたいと思いますので、
ぜひお楽しみにお待ちください。
それではまた明日お会いしましょう。さよなら。