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はい、始まりました。佐々木亮の宇宙話。普段、国の研究機関で天文学の研究をしている私が、毎日最新の宇宙ニュースをお届けいたします。こちらのポッドキャスト。
本日はですね、土星の輪っかはあと少しで消えて無くなってしまうというお話をしていきたいと思います。
土星って、地球の周りのこの惑星でいうと、結構綺麗に見えて好きな人も多い惑星なんじゃないかなと。
ちょっと高級ブランドのロゴにもなっていたりするような土星なんですけど、実は土星の輪っかって、すごい寿命が短くて、
むしろ今見えているのがラッキーぐらいの感じらしいんですね。
なので、今回はそんな土星の輪っかについてのお話をしていきたいと思いますので、ぜひ最後までお付き合いください。よろしくお願いいたします。
ということで、恒例の毎日の活動報告、緊急報告になりますが、今日はですね、博士論文の発表資料をまとめつつ、
結構時間を取られてしまったのが、奨学金の返済免除書類っていうやつですね。
それは何かっていうと、この奨学金を借りていた間に残した成果みたいなのを最終的に報告しなければいけない。
これ、一般的には日本学生支援機構って奨学金で、結構ニュースで返済できないとかって騒いでるやつだと思うんですけど、
それの博士バージョンみたいなのがあって、僕はですね、ラッキーなことに大学院に進学したタイミングでもう3年間借りる奨学金は返さなくていいですよ、
という特例みたいなものに選んでいただいたことがあるんですね。
なので、博士課程の間っていうのは、その奨学金も一つ給付金のような形で一応過ごさせていただいていたと。
で、もちろん他で研究員とかもやりつつなので、そういう割と金銭的な心配をせずに済んだわけなんですけど、博士課程の間はですね。
で、それの3年間分の成果をいろいろ整理していると、地球環境に悪そうな量の紙の束というのができて、いまだに紙で全部提出するわけなんですが、
そんな種類の資料を作っていたらですね、博士論文に、博士課程中にやった研究っていうのが結構多岐に渡りすぎてですね、
博士論文に収めてない研究がめちゃめちゃあるなっていうのに気づいたんですよね。
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なんか、正味1年から1年半分ぐらいは、別の研究をしていたぐらいの感じかなっていう印象で、
何回かこちらのポッドキャストでも話してるんですが、ヨーロッパが開発している1兆円規模のX線の衛星の望遠鏡の開発とか、
あとは国際学会で物理学賞というのを受賞した、1つ自分が進めてた研究とかっていうのがあるんですけど、
その2つとかっていうのは、ちょっと博士論文のメインの流れにはそぐわないというか、っていう感じで博士論文には含めてないんですね。
で、自分の中では結構それぞれやりきった研究だなとは思っていたんですけど、改めて全部資料として形が残ったりとか、
振り返ってみると、博士論文に載せてないのはもったいないなぁなんて思いつつ。
で、そんな宝石を残した研究を横目にですね、別の研究まで博士論文のためにガーッと進めて、
それのせいで今ヒーヒー言ってるといった感じで、博士課程に進んで、何か1つのスペシャリストみたいな、
結構元々ジェネラリスト気質で何でもそつなくこなすタイプだったんですけど、
博士課程入って1つの分野の1つのことのスペシャリストになりたいと思っていたにも関わらずですね、
博士論文の時に振り返ってみると、結局器用貧乏をやってしまったのかなぁなと思っております。
まぁでもこんなにね、3年間とかでギュッと詰め込んで研究をできるっていう機会はなかなかなかったと思うので、
本当に最後まで走り切って、どうにか博士号取得までつなげていきたいなぁなって思っているところでございます。
そんな感じで活動報告以上になりますね。
では早速、皆さんお楽しみの土星のお話ですね。
今回の話は、土星の輪っかっていうのがもうそろそろなくなってしまうんじゃないかっていうお話をしていきたいと思います。
ですね、土星って聞くとやっぱりあの輪っかがある惑星を想像すると思うんですよ。
で、あの輪っかがあるのが土星っていう、まぁ本当にそんな感じだと思うんですけど、
実際はですね、あの土星の輪っかっていうのは、土星自体が40億歳、地球とかと同じくらいですね。
40億年生きてる中で、この土星の輪っかがあるのは、せいぜい1億年だと。
ここ1億年の間、あの輪っかがついているだけで、実際40億年生きてきた中で言うと、1億年しかあの輪っかっていうのは存在しないらしいんですね。
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なので、今あの輪っかが見えてるっていうのは非常にラッキーなことで。
で、じゃああの輪っかって何でできてるのか、皆さんご存知ですかね。
これ、昔土星を探査しに行ったカッシー2と呼ばれる人工衛星があったんですけど、
そいつが土星の輪っか何でできてるのかっていうのを調べに行った結果、
基本的には水と氷でできてるらしいんですよ。
なので、あの輪っかっていうのは水と氷でできた輪っかで、それがだんだん土星に降り注いでいると。
つまりあの輪っかっていうのは、落ちていく氷とか水の途中を見てるみたいな段階なんですね。
で、さらにですね、降り注ぐだけじゃなくて、空中で分解されたりして量が減るなんていうこともあって、
そういういろんな輪っかへの影響でですね、実はあと1億年であの輪っかは消えてなくなってしまうそうです。
つまり、土星ができて40億年、で輪っかができたのが1億年ぐらい前。
で、現在にたどり着いて、いろいろ計算してみると、あと1億年ぐらいでなくなってしまうという感じで、
そう考えるとやっぱり輪っかが見れてるタイミングで入れる私たちって相当ラッキーなんだろうななんて思いますよね。
で、あの輪っかっていうのは結構やっぱりでかくて、遠くにあるからちっちゃく見えるかもしれないですけど、そんなことは全然なくてですね、
地球が9個とか収まってしまうような、本当にめちゃめちゃでかい構造なんですね。
だから、地球9個分の物質っていうのが、あと1億年でバーッとなくなってしまうみたいな。
っていうふうに考えると、なかなか不思議なタイミングを目の当たりにしてる、かなり面白い状況なんだなっていうのがわかりますね。
で、今後こういう土星とかカッシーニがいろいろそういうふうに惑星の状況を明らかにしたようにですね、
今後10年間では以前話したように海洋星とか冥王星みたいな外側の太陽系の惑星っていうのもどんどん解明されていくというところで言うと、
まだまだ太陽系にある惑星の姿っていうのはわかっていないところもあると思うので、
今後の宇宙開発、さらに注目が集まるなといったところで、今回の話は以上にしたいと思います。
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番組の感想や宇宙に関する質問はツイッターで募集しております。
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ハッシュタグ宇宙話、宇宙が漢字で話がひらがなになっておりますので、ジャンジャンつぶやいていただけると嬉しいです。
今回はですね、コメントを読み上げさせていただきます。
ツイッターネーム、知恵富士さんからいただきました。
昨日の更新の感想をいただきました。
独論総仕上げに向けてラストスパート。
陰性時代の先輩がラボに連泊してるのを思い出しちゃう。
体壊さずにゴールしてください。
中高生で理系科目が難しくなってつまんなく感じるんだけど、
あれらがベースにあれば宇宙も世界もカラフになるんだよね。
That's Liberal Artsというコメントをいただきました。
ありがとうございます。
大学院生が連泊するような研究室に至ってなると、
研究してる人のしんどい姿なんていうのを
ちらちら見てたのかななんて想像しちゃいますね。
今の時期だと大学の入校規制とかもありますが、
やっぱり連泊してるのと同じぐらいの作業量っていうのをこなさないとですね、
やっぱり力不足の学生にとってはなかなかハードな最終試験になるので、
ここから体壊さずに頑張っていきたいと思います。
もう一つTwitterのコメントを読みさせていただきます。
Twitterネームカラフルさんからいただきました。
2回前のグラレコをまた作成していただきました。
毎回ありがとうございます。コメント読み上げます。
水素とヘリウム以外の元素が超新星爆発で撒き散らせて、
巡り巡って地球ができた。ダメだ壮大すぎて気が遠くなる。
でも宇宙研究の意味をもっとみんなが知っていけば、
もっと宇宙予算が増えるかも。
りょうさんお大事にというコメントをいただきました。
ありがとうございます。
やっぱり宇宙の起源みたいなところとか、
自分たちがどうやって生まれたのかなんていうところを考えてると
気が遠くなりますよね。
確かにこういう話いろいろしていって、
宇宙研究の意義っていうのがもし伝えられるんだったら、
やっぱりそうですね、宇宙予算増えるなんていうのも
夢のお話でもないのかななんて思ったりします。
体調はちょっと今もあんまり良くないですが、
最後まで身体壊さずに頑張っていきます。
お大事にというコメントいただきありがとうございました。
こんな感じでですね、ツイッターでいただいたコメントを
ちゃんちゃん紹介していきますので、ぜひ皆さんもつぶやいてください。
それではまた明日お会いしましょう。さよなら。