1. 佐々木亮の宇宙ばなし
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2020-12-30 12:06

82. 宇宙からの災害はAIが予測するハナシ

AIの波は天文分野にもやってきています。

これまで人間の感覚と、統計的手法を組み合わせてしていた予測を

AIが代替し始めています。

私たちの生活を脅かす宇宙からの災害「太陽フレア」から、

AIが救ってくれるかも!?


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元論文

https://arxiv.org/abs/2007.02564


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はい、始まりました。佐々木亮の宇宙話。
普段、国の研究機関で天文学の研究をしている私が、毎日最新の宇宙ニュースをお届けいたします、こちらのポッドキャスト。
本日はですね、AIが予測する宇宙からの大災害、太陽フレアについて紹介していきたいと思います。
以前、同じような研究、実は紹介させていただいているんですけど、
AIの特性上ですね、いろんなアプローチの仕方があるので、また以前とは違ったアプローチの方法っていうのをこちらで紹介させていただければなと思っておりますので、
ぜひ最後までお付き合いください。
といったところで、まず本題の前に毎日の活動報告みたいなことになりますが、
本日はですね、こちら収録大学の研究室でしてまして、
こんな年末年始、年末ですね、年末に大学に来る人もいるわけもなく、一人で黙々と作業をしているといった感じです。
一人で作業をしていると集中できるっていう反面、
割と疲れたと思っても息抜きがないみたいなところでちょっと苦労はしますが、
何とか続けて作業ができておりますというところですね。
で、白紙論文に使う図の作成みたいなのをやっていて、後輩に少し遠隔手伝ってもらいながらしてやっているんですが、
ここでですね、プログラミングっていうものの重要性に改めて気づかされました。
で、なんか最近結構プログラミングやっといた方がいいみたいな、
これは社会人の方とか、手に職をつけるっていう意味でもプログラミングが一ついいスキルだっていう話をよく聞くと思うんですけど、
それは特に間違いではないと思っていて、
そういうプログラミングができれば、IT系のサービスを自分で作ったりだとか、
世の中のサービス出てるサービスの仕組みが理解できたりとかっていうのもあるんですね。
まあそういうありきたりなことを置いておいて、
例えば自分で何か作業をしなきゃいけない、
たくさんの数字とかっていうのを扱わなきゃいけなくなった時とかに、
よく使うのはきっとExcelとかExcelのマクロ組んでとかっていうのがあると思うんですけど、
あれをもっとExcelの後ろにも結局プログラムが動いていて、
そのプログラム自体を組めるかどうかっていうところまでいくと、
例えば少しデータの形が変わったりだとか、
データの数値が変わった時に臨機応変に対応できるといったところがあります。
特に研究の分野ではそうなんですけど、
最後まで一通り結果としてこういうの出してみましたってなった時に、
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じゃあここの数字どうなってるのとか、
ここってもうちょっとこうやった方がいいんじゃないのっていう修正が入った時に、
例えば工程が100個あるものを全部手作業で100全部行ったっていう場合だと、
1個の修正をやるのにまた100の工程を踏まなきゃいけないんですね。
その一方でプログラム組めるとかっていう状況になっていると、
その100の工程をボタン一つで処理できるようにしておけば、
最初のボタンを押す前の処理で、
一工程、二工程の処理で全てのデータの形を変えることができたりだとかっていうので、
非常に効率が良くなると。
そうなると例えば何でしょうね。
手で打つことを大前提として仕事が振られていた場合、
8時間かかる作業が本当に大げさに言うと数分で終わるっていう可能性もなくはないわけですよ。
さっきの100が1になるみたいな作業になるとですね。
こんな大げさな例はないかもしれないですけど、
数時間、貴重な皆さんの数時間っていうのが浮かせられるっていう意味でやっぱりプログラムはいいなと。
そういうのをちゃんとベースにおいて白紙論文っていうのを作ってきたので、
このタイミングでちょっと修正を加えたいなと思った時にも、
一から全部作業をし直すとかではなくて、
データの数値を変えてまたすぐに出力結果を出すっていうことができるので、
ちゃんとやっておいてよかったなと思ったところです。
そんな感じなので、
いろんなメリット並べられると思うんですけど、
プログラムやるメリットは自分の時間を作るっていうのが絶対に自分は大きいなと思っておりますので、
自分の時間がないとか時間を確保したいと思っている方は、
将来投資だと思ってプログラムを勉強するのが一番いいのかなと思っております。
今日はちょっとAIのお話もするので、そんなシステム的なお話もしてみました。
といったところで本題入っていきましょうかね。
今日の本題は冒頭お話したように、
AIが予測する宇宙からの大災害というお話ですね。
私の研究の専門分野が、
太陽みたいに自分で光る星、光勢が起こす爆発現象、フレアなんですね。
なのでやっぱり太陽で実際に起こる爆発とかも非常に興味ありますし、
取り上げる機会が多くなりますね、ここでは。
このフレアっていうのが、いわゆる爆発現象になるわけですが、
地球上に非常に危険な現象をもたらすことが知られています。
巨大な爆発が起こったときには、その爆発に伴って太陽の物質が飛ばされて、
その飛ばされた物質が地球に直撃すると、
上空でいろんな相互作用が起こった結果、
地球上の電子機器に変な電流を流したりとかで壊してしまうという危険性が非常に高いんですね。
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なのでそういったところで、宇宙からの災害と言われます、太陽フレアは。
こんな中でやっぱり危険性があるのであれば、
太陽フレアはいつ起こり得るのかっていうところの予測っていうのは非常に重要な分野になってくるんですね。
それの予測に今まではいろいろ人間の感覚でこんな数値入れたら予測できるんじゃないかとかあったんですけど、
最近はAIの対等によってかなり精度が上がってきています。
AIって結構よく聞くと思うんですけど、
こいつ何がすごくて今までできなかった予測ができるのかと言いますと、
特にAIの中でも教師あり真相学習と呼ばれるものを使うと、
今まで人間の感覚に頼っていた部分とかっていうところをさらに深掘りしてコンピューターが答えを出してくれると。
これどういうことかっていうと、
例えばこれまで太陽の観測って50年ぐらいされていたりするんですね。
そうするとたくさんのフレアのサンプルがあるので、
フレア発生したっていう情報に、
例えばいろんな光の、
例えばこの光はこれぐらい光ります、この光はこれぐらい光りますとか、
太陽はその時こういう状況でしたっていう情報を上げると。
50年分あるのでやっぱり何万とか何十万とかっていうデータになるわけですよ。
この経験値がAIの精度を非常に高めてくれるわけですね。
これは結構人間と同じ、
人間の経験っていうものにすごい近くて、
たくさんの経験をしたことがある。
何か苦労したりだとか、
例えばこういうビジネスをやってましたとかっていう、
あとはこういうブラックな会社で働いてましたとかっていう人になると、
やっぱり人に対するキャパ、
人に接する仕方とか、
あとは人間味みたいなのっていうのは深まっていくじゃないですか。
それは経験によるものですよね。
AIもそれと一緒で経験があればあるほど、
たくさんの経験をさせればさせるほど、
その機能っていうのは向上していくと。
なのでこれが結局経験っていうのがデータ数になるんですね。
なのでこのご時世なんかビッグデータとかって言われてるのは、
機械が人間のような判断をするために必要な情報が
出そろってきた時代ですよっていう意味なんですよ。
太陽も50年ぐらい観測の歴史があるので、
そういったデータがたくさんある。
なのでAIで予測してあげましょうっていうのが今回の研究です。
今回使う太陽観測衛星のデータなんですけど、
観測衛星SDOと呼ばれる人工衛星のデータを使います。
SDOっていうのは人工衛星なんですけど、
その中にいろんなフィルターとかいろんなカメラが載っていて、
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すごいバリエーションで太陽の写真を撮ることができるんですね。
少なくとも13とか10枚以上の種類の画像を撮れるんですよ。
例えば光っていうのは目に見える光っていうのは赤から紫まであったとすると、
その赤色の光だけを撮るとか紫色の光だけを撮るとか、
中間の黄色の光だけを撮るみたいなことができる衛星なんですね。
そうすると1回太陽を観測してても、
その太陽に対して13個ぐらいのバリエーションの情報が手に入るっていう、
AIに非常に適した人工衛星になりますね。
なのでこういった特徴をめちゃめちゃパソコンに与えてあげて、
例えばあるときにフレアが発生しましたと。
フレア発生したときのこの13種類の情報っていうのはこんな感じでした。
じゃあそれの1時間前は、2時間前は、24時間前はっていう情報も残ってるので、
そういった時間経過も含めた情報量を渡してあげることでパソコンに
AIの精度を上げていくと。
そうすると今回の研究の結果、24時間前に太陽フレアっていうのをそこそこの精度で
見つけることができるようになりましたっていうのが今回の研究結果ですね。
ここで使われるのはちょっとマイナーなお話になりますが、
ブライヤースコアと呼ばれる予測方法、予測の精度みたいなものがあって、
簡単に言うとブライヤースコアっていうのは0から1の数字で表されて、
0に近ければそれだけ精度が良いっていうことなんですね。
1になるとそれだけ精度が悪いっていうことなんですよ。
今回の研究で予測の精度っていうのがブライヤースコア0.3。
というところで0から1の中で言えば0に非常に近い数字であるっていうところから
比較的今回の研究では高い精度のAI予測っていうのが可能になったんじゃないかというのが
今回のお話でした。
こんな感じでいろんなバリエーション、結局はパソコンも経験が全てだというところで
いろんな経験ができるようなデータのバリエーションを用意していくと
今後こういう学問だけじゃなくてビジネスの方でも非常に使えるなと思って
うまく転用していきたいと思った研究でした。
といったところで本日のお話は以上になります。
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