1. 佐々木亮の宇宙ばなし
  2. 396. 【Pale Blue】衛星の心臓..
2021-11-06 15:44

396. 【Pale Blue】衛星の心臓「スラスタ」のミライのハナシ【浅川純】

今回のゲストは世界が注目する日本の宇宙ベンチャーPale Blue CEOの浅川純さん!

これまで課題が盛り沢山だった人工衛星の心臓とも言える「スラスタ」の材料に水を使うアイデアで

宇宙開発に革命を起こしている会社のCEOが登場です。


会社説明会のお知らせはこちら!

https://twitter.com/PaleBlue_Inc/status/1453569785158119424

浅川さんのTwitterはこちら!

https://twitter.com/asaju7142501


リクエストフォームを開設しました!

話して欲しい宇宙の話題、いつも聞いてるよとかの感想、ジャンジャン受け付けております。

https://forms.gle/AFgYyA1W55u77V6D9


Youtube(佐々木亮の宇宙ばなし)を再開します!

顔が見たい!宇宙の画像を見ながら楽しみたい!という方におすすめです。

https://www.youtube.com/channel/UCHW6gg92z7E7hdnhbStpzT


Voicy公式パーソナリティーとしても活動中!

Podcastの収録と同時に、Voicyでの生配信も実施している!?

https://voicy.jp/channel/1726


Instagram(ryo_astro)

https://www.instagram.com/ryo_astro/

Twitter(_ryo_astro)

https://twitter.com/_ryo_astro

00:00
はい始まりました。佐々木亮の宇宙話。このチャンネルでは1日10分宇宙時間をテーマに、毎日誰でも最新の宇宙が学べる話題をドクター佐々木がお届けしております。
ということで今日は土日ゲスト回というところで、今週通常回でもご紹介させていただきました
人工衛星の推進機作られているPale BlueのCEO浅川純さんに来ていただいてます。 浅川さんよろしくお願いします。
よろしくお願いします。Pale Blue代表取締役の浅川です。
ありがとうございます。今回1週間前ぐらいに資金調達のプレスリリースとか出てる中で、かなりホットなタイミングで出ていただけて本当に嬉しいなと思ってるんですけど
ちょっと通常回聞き逃した方のために含めで、簡単な自己紹介と会社のご説明といただいてもよろしいですか?
もちろんです。このタイミングで取り上げていただいてとても嬉しいです。
簡単に私の自己紹介と会社紹介させていただければと思います。
私浅川純といいまして、もともと東京大学の方で学部、大学院、修士、博士とずっと人工衛星用のエンジンの研究だったり開発をしてきました。
その後、稼働を取って1年間東大で特任助教として勤めたのちに、昨年4月にPale Blueという会社を研究室の同期と後輩と先生と立ち上げたというような形になっています。
ありがとうございます。
Pale Blueというのが小型衛星用のエンジンを作っている会社で、かつそのエンジンが水を燃料として動くというのが1つユニークなポイントになっております。
ありがとうございます。
これ結構多分今、世界中でもなかなか水を推進材にしたっていうところの背景って多分あんまりなかったりとかそういうのあると思うんで、今回は聞いている皆さんにPale Blueってどういう会社でどういうことを提供しているのかっていうのをもっと深く知ってもらおうかなと思って今回の企画組ませていただいてます。
本日よろしくお願いします。
はい、よろしくお願いします。
これ僕自身も実は普段空畑っていう宇宙ビジネスのメディアでライターとかもやらせていただいている中で実は1回取り上げさせていただいたことがあって。
はい、私も読ませていただいてリツイートもさせていただきました。
ありがとうございます。
その時に僕も深く調べてすごいなと思ったんですけど、まず水を推進材とする、そもそも人工衛星が動くためのプシュプシュって動かすスラスター、あそこにそんないろんな課題が詰め込まれてるっていう背景を知らなかったんですけど、
水推進で作るとか、そもそも推進機が抱えている問題って何だったのかとか、そのあたりって教えていただくことできますか?
もちろんです。そもそも推進機っていうのは、先ほどから言っている通り人工衛星のエンジンですね。
03:00
宇宙空間で人工衛星をアクティブに動かすために必要な装置でして、地上だと車に乗っているボンネットの中に入っているエンジンとか、飛行機だと翼の下についているジェットエンジンとか、あれと同じようなものになっています。
人工衛星っていろんな電子機で構成されているんですけれども、推進機、エンジンってかなり特殊でして、結構生き物みたいって言われることも多いんですよね。
他の電気とか通信とか、それ以外にも熱とか燃焼とかプラズマとか流体とか、いろんな分野がギュッと詰まったのがエンジンになっていて、なかなか一筋縄ではいかないと特殊な機器になっています。
なのでこれを搭載するか否かとか、これどういう推進機使うかとかで結構設計もガラッと変わりとかするぐらいインパクトが大きいものになっています。
従来の推進機って高圧なガス、キセノンと呼ばれる高圧なガスだったり、あるいはヒドラジンと呼ばれる有毒な物質とかを使っていたりしたんですけども、
これまだ大型衛星だったら全然それで良かったんですけれども、民間がもっと使えるような小型衛星とかになってくると、従来の大型衛星の推進機の技術はなかなかそのまま使えないというような問題がありました。
じゃあこういう、今の宇宙ビジネスとかがどんどん出てきている背景とか、あとは研究室単位で人工衛星を上げていくっていう背景が結構後押しになっているというか。
間違いないですね。
そこで上がってきたのが水推進っていうところなんですね。
そうなんですよ。実はこの水推進、2層ロケットエンジンの燃料に使うって実は昔から研究自体はされていたんですね。
そうなんですか。
一番昔だと多分1970年とかになってくると思うんですけれども、この時はまだ小型衛星とか出てきていなくて、むしろ打ち上げのロケットのエンジンに水が使えないかっていう話が出てたんですよ。
例えばペットボトルロケットみたいな、ああいう発想ですか?
そうですね。あれだとさすがに無理なので、おそらく電気分解して水素酸素にしてとかじゃないかなと思うんですけれども。
ただ、想像の通りそんなパワーは出ないので、その時はだんだん研究がやっぱり使えない話になっていて。
共同創業者の小泉先生も2000年、2010年頃に博士号を取られたんですけれども、ちょうど2000年代ぐらいに水を推進剤にした推進機の研究をしてたんですよね。
それもペールブルーの背景にあったりするんですけれども。
ただ当時、まだ小型衛星はそこまで盛り上がってきていなくて、研究をしても世の中がついてきていない、ニーズがついてこなかったというところはあります。
それが2010年ぐらい。
そうですね、確かにそんなイメージはなんとなくあります。
で、市場が盛り上がってきて、小型衛星のニーズが出てきて、まさに今水推進機を刺す時かなと思って、立ち上げをするという経緯になります。
06:09
そうなんですね。
なんかこれ、この研究室からそのまま会社になるっていうのが、なんか今までの僕の研究のバックグラウンドだとあんまりピンとこなくて、
これって工学系特有のものなのかなってちょっと思うんですけど、なんか研究室の中でいくつかこう多分いろんなスラスターの研究とかが進んでたのかなっていうのがなんとなく想像であって、
その中で、じゃあ会社にしちゃおうってなる流れってどういう感じなんですか?
そうですね、なんか私の場合は本当に、私の博士論文の研究が水の推進機だったので、本当に自分の研究を技術的な提案から技術実証までやったんですけれども、
それを本当に製品化していくっていうのがそのまま会社につながったというイメージにはなりますね。
朝川さんの中で、それが研究分野でそのまま進んでいくっていう発想と、ビジネスの方に展開していこうっていう発想って、なんか選択肢として2つあるかなって思うんですけど、
そこでビジネス方面に転換した理由とかってあったりしますか?
そうですね、一番大きい理由は、この推進機だけに限らないかもしれないんですけれども、大学で行われる基礎研究のところと、じゃあ実際に実利用するときの実利用のところ、
この両者で大事にされる指標っていうのが全然違うなっていうのを強く感じたんですよね。
例えば、私は学生時代に実際に基礎研究のところと衛星の実機を開発するっていう実用用と両方経験することができたんですけど、
基礎研究の方だと、例えばエンジン内部で燃焼がどう行われているかとか、プラズマがどう生成されてどう加速されているかっていうところをひたすら体験していくんですよね。
一方で実利用になると、正直中で何が起こっているかどうでもよくて、欲しい推進力が出ているのかどうか、それがちゃんと安定的に出れるのかとか、もし止まったら壊れたときにどうなるかとか、
そういったところが非常に重要になるなっていうのを両方経験して痛感したんですよね。
なので、このまま基礎研究だけやっていても、多分自分の推進機が実用化されないなっていうのを、ちょっと学生ながら当時考えていたというのがありますね。
逆を埋めることが必要だろうなとは思って、ちょっと登場したっていう経緯がありますね。
今聞いてるだけでも、本当に同じ題材扱ってても、多分詰めなきゃいけないところ全然違うんだろうなって。
おっしゃる通りです。
なんか僕も実は研究やってる中で、単純な理学のいわゆる観測のデータを触るだけじゃなくて、
じゃあ次に今課題として自分がこうやってる研究の課題解決するための衛星の望遠鏡部分を作るとかっていうのもやってて、
なんか多分そことちょっと若干似てる部分はあるのかなみたいなっていうのはあったんで、
09:05
非常にこうどっちに振ろうかって考えた時は、僕だったら結構悩んじゃうなってちょっと思いましたね。
悩みます。僕も研究は結構好きだったので。
そうなんですよね。多分どっちも面白みはあるんだろうなと思いながら。
じゃあ会社として立ち上がったのが昨年。
そうですね。昨年4月ですね。
昨年4月に立ち上がったってなったところから、来年2022年に実証実験が行われるっていうお話だったと思うんですけど、
具体的にはそれはどんな感じで宇宙空間で利用されるものなんですか?
そうですね。今複数の宇宙実証実験のプロジェクトが走っておりまして、我々が水推進機を開発して、
それをパートナーの衛星、パートナー企業さんだったり組織が開発する衛星に搭載してもらって、
実際に宇宙に打ち上げて、水エンジンが宇宙空間で正常に動くかどうかを確認する実験を行うというような内容になってます。
じゃあそこで宇宙空間で実際にどうやって作用するのかっていうのが、またどんどんノウハウが溜まっていって、
そうするとたぶん新しい改善とかにつながるのかなというふうに想像してるんですけど。
もうその通りです。おっしゃる通りです。
そういったところの、じゃあさらに加えて研究開発していくとか、新たにお客さん掴んでいくっていうところで、
今回の資金調達、次のステップっていうところが見えてる感じなんですかね。
そうですね。今回は来年に向けた宇宙実証実験のプロジェクトの開発が完了したという一つ大きいマイペースを達成したというところで、
もちろん来年実証実験するんですけれども、
我々人工衛星の一つの部品なんですよね。
その部品ってお客さんが買うときに重要視される項目の一つに、
宇宙で動いた人があるかどうか、宇宙実績があるかというのが非常に重要視されますと。
確かにそうですね。
これが来年進めるので、我々としては本格的に市場に投入していけたらというところで、
今度の園児をどんどん作っていく体制、生産していく体制も整えていかないというところで、
まもにこの生産体制の構築、インフラだったり人だったり、
そういったところに資金を投下していきたいなと思っています。
すごいなあ。
そっか、一回成功するとそこから目指していく方向性が変わるというか、
見える景色が変わってくるっていうところを見据えた資金調査の実施。
なるほどなるほど。めっちゃ面白い。
ちょうどこの1年ぐらいで会社の中の雰囲気はガラッと変わりそうな気配はしてきてる。
面白いですね。
この生産体制構築はもちろん直後の2,3年とかを見据えたものなんですけれども、
それだけじゃなくてもっと長期目線での研究開発もしていきたいなと思っておりまして、
水エンジン、現状あまり性能が正直良くはないんですけれども、
12:03
性能を上げるような研究、ラウンドでやったり、
あるいは今東大と連携、共同研究している新しい方式の水推進にあったりするんですけれども、
そういったものの基礎研究を進めていくっていうのもやっていきたいなと思っております。
面白いですね。僕以前記事書かせていただいたときに、
搭載できるエンジンの水を推進材としたやつって2種類あったんですけど、
製品として作っているその2種類って大きくどう変わるんですか?
はい、その2種類がおそらく取り上げていただいているのは1つ目が水蒸気式推進機というもので、
2つ目が水プラズマ式、水イオンエンジンと呼ばれるものかなと思うんですけれども、
水蒸気式の方が瞬間的にすぐ推進力を出したいというときに向いているような推進機で、
短時間に衛星をぐわっと動かしたいというときに使えるようなエンジンになっています。
一方で水のイオンエンジンの方は推進力としては小さいので、いきなり動かすことはできないんですけれども、
非常に燃費がいいので、効率よく推進材の消費を抑えながら効率よく動かすことができるエンジンになっています。
衛星側の用途によって使い分けるようなイメージですね。
なるほど、なるほど。
僕が今まで自分の周りで進んでた天文のミッションとして使うような小型衛星って多分、
より長い間ちょっとずつ姿勢変えてやっていくものが多かったんで、
校舎の方を使うのかなっていうのをイメージしてたんですけど、
そういう用途の違いで市場にフィットしていってみたいなところが、
その2つの展開の方法みたいな感じですね。
そうですね。
すごいな、面白いですね。
そこからまた明日も引き続き会社のお話と、
あとちょっと朝川さんの学生時代のお話とか、
そもそもなんで推進機能と研究に進んでいったのかっていうのが、
僕と全然畑違うんで単純に僕の興味として色々聞かせていただきたいなと思っているので、
明日もお付き合いいただけたら嬉しいです。
よろしくお願いします。
ぜひよろしくお願いします。
もしよければ会社のお知らせ等あればこのタイミングでお願いします。
ありがとうございます。
今回プレイスリリース、資金調達のプレイスリリース出させてもらったんですけれども、
それと合わせて11月の11日木曜日と12日金曜日にオンラインで会社説明会をやる予定です。
今すぐ転職考えてない方も楽しめるように、
会社からの一般的な事業紹介だけじゃなくてですね、
今いるメンバーの方が何をやっているかというところを、
実際にメンバーの声を聞いているような会になっておりますので、
全然転職考えている方も考えていない方も、
ぜひ気軽に聞いてもらえればと思います。
私のTwitterのトップにピン留めしているので、
URLをそちらを見ていただければと思います。
15:00
そしたらじゃあ朝川さんのTwitterとそこのURLは概要欄に貼っておくので、
ぜひ皆さん興味ある方は行ってみてください。
ということでですね、本日は宇宙ベンチャーペールブルーCEOの朝川淳さんに来ていただいて、
展開している水推進のサービスだったりというののお話聞かせていただきました。
明日も引き続きよろしくお願いいたします。
はい、よろしくお願いします。
今回の話も面白いなと思ったら、
お手元のPodcastアプリでフォロー、サブスクライブよろしくお願いいたします。
番組の感想や宇宙に関する質問についてはTwitterで募集しております。
ハッシュタグ宇宙話、宇宙が漢字で話がひらがなになってますので、
じゃんじゃんつぶやいていただけたら嬉しいです。
それではまた明日お会いしましょう。
さよなら。
15:44

コメント

スクロール