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2022-06-15 16:56

616. 太陽は近すぎて逆にダメ!?遠くの星として捉える【行方宏介】【国立天文台】

博士同期で国立天文台で研究員をしている行方宏介さんを迎えて、

自身の論文について解説いただきました。

実際の研究者に語ってもらうなんて、なかなかないタイミング。

星のフレアの最前線を語ってもらいます。


ソース

https://arxiv.org/abs/2206.01395


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ということで今回はゲスト回というところで、僕の博士課程の時代の同期、同じ年代でいろいろ頑張っている国立天文台で学進PDをやっている舐方浩介君に来ていただいてます。よろしくお願いします。
はい、よろしくお願いします。
今回でゲスト2回目というところで、ちょうど半年前ぐらいに出てもらったね。
はい、去年の12月に1回出させてもらって、その後にあれですね、僕の指導教員の大先生の柴田先生が出てるのを拝見しました。
いやー、もうまさか出てくれると思わなかったからね、柴田さんも。
そうですね、まさか、あの一番まさか天文学会のトップから出てくるとは、僕も予想してなかったです。
だから柴田さん呼んだし、他の研究やってる人も、柴田さん出てるんで大丈夫ですよ、みたいなので、ゲスト呼びやすくなってるっていうのはあるよね。
すごいなと思って。
いやー、あれは本当にね、ちょっと緊張した、やっぱり。
ぜひ柴田君の指導教員の坪井さんも拝見をあげるといいか。
いつか出てもらおうと思うけど、俺が緊張しそうだわ。
そんな感じでさ、前回出てもらったのが、ネイチャーアストロノミーって結構インパクトの強い論文をバーンって残したタイミングで、出てよって誘わせてもらったわけなんだけど、
あれが一応12月に出てもらったけど、一応2022年になってから出版された論文になるんだよね。
ってなって2022年は、今回声かけさせてもらった論文も含め、もうすでに3本出してると。
はい、調子よくいろいろと、あの出させてもらった。
今回はこのタイミング、6月の頭、5月の末かな、論文がアクセプトされた、雑誌に受理されたっていうところを、まあ見かけてまたゲスト出てよっていう話になってるわけなんだけど、
今回の研究ってざっくりどんな論文が出たっていうのを教えてもらってもいい?
はい、前出させてもらったときは、光勢で起きてるフレアっていう爆発現象のことを解析してたんですけど、
今回の論文では光勢でも一番近い光勢、太陽で起きたフレアの論文なので、あまりとはちょっと違うんです。
でも一応目標にしているのは、光勢で起きてる現象がどういうものなのかっていうのを理解するために太陽のデータを解析したっていう、そういうモチベーションでやってます。
最近その、なんていうか、光勢のフレアいっぱいいろんなところで浮かってきてるんですけど、それをどう理解したらいいのかっていうのがちょっと難しくて、
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それを理解するために、太陽を遠くの星として観測したときに、観測データがどういうふうに見えるのかっていうのを試してみて、
それを光勢の研究を理解するための基礎にしよう、そういう基礎的な解析をやったっていう、そういう論文ですね。
なんか大きく、多分あれだよね、違う捉え方をするっていうのがピンとこない人のために若干ちょっと一回止まってみようかなと思うんだけど、
太陽自体は、なんかなんだろうな、太陽の縁が見えたり中心というか真ん中の方が見えたりっていう、いわゆる場所によって観測をすることができるけど、
他の光勢は夜空見上げたのと一緒で、点でしか見えないから情報量として全然違うものになっちゃうけど、
今回の研究だと、太陽をそういう大きい丸で捉えるんじゃなくて、点で捉えて研究進めようみたいな、そういうことだよね。
あ、まさにそうです。で、太陽は見えすぎるから、みんなその細かいところそのそれぞれの部分部分でどうなっているのかっていう研究ばっかこれまではされてきて、
そうだよね。その星として見たときにどうなのっていうのは実はあんまり行われてきてない。
で、今回使ったのは差し光で見えるその水素で光っている特殊なHRパーセントという特殊な光の観測を太陽でやったんですけど、
それの星としての太陽、星の観測っていうのはこれまで一連も行われていなくて、今回初めて。
はい、そういう研究になりました。実はこういうのって太陽光勢っていう関係じゃなくて、銀河とかでもやられてるんですよ。
例えばそのめちゃくちゃ遠くの銀河って、その近くの銀河みたいに空間分解室のそれぞれの点で見ることができない銀河が多いじゃないですか。
あー、なるほどなるほど。
なんでその近傍の銀河を解析してあげて、それを遠方の銀河に応用するみたいな。そういうのと考え方としては同じなんだなと。
最近その銀河の人と話す機会があって、それでなんか考え方として同じなんだと思ってるんですけど、そういうタイプの研究って多分天文学でいろんなところでされてるんだろうなと最近感じてます。
そのうちの太陽でやった番っていうのが今回の研究です。
うーん、そういうことだ。じゃあ結構もう天文の業界の中で見ても、その手法の有用性みたいなのはなんとなくこうみんな分かりつつあるけど手が回ってなかったところここの情報を集めたらなんか新しいことわかるんじゃないかっていうので太陽でそれを実践したみたいな。そういう感じで。
そうそう、みんな遠いところに興味があるんですよ。そうなの。一番遠いところで飲まないのっていうのに興味があって、でもそれを知るためには一番近いところで飲まってるのっていうのが実は一番役に立つ情報なんですけど、それとの比較っていうのがやっぱり重要になってきていて。
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うーん、これって太陽の研究って日本って結構やっぱ世界に比べてもずーっとリードしてきた領域なわけじゃん。そうですね。
そう、ってなってるのにも関わらず、なんだろう、その視点で研究が行われてなかったっていうのは単純にこう、なんか言い方はあれだけど盲点だったのか、それともなんか技術的にそういったことができない状況だったのかみたいな、なんかそういう二通りのパターンがあるかなと思うんだけど。
あー、はい。それってどっちなのかな。答えを言うと多分どっちもかな。日本で行われてなかったのはどっちもかなっていうふうに思います。
っていうのも、最近その僕らのグループとか、佐々木くんのグループとか、いろいろその構成のプレイヤー活動をやってる人って日本に増えてきたんですけど、その前まではあんまりいなかったじゃないですか。
はい。ここ最近ちょっと盛り上がってきたから、そういう研究しないといけないよねっていうような流れができてきたっていうのが一つあります。もう一つは、そのそういう装置がなかなかなかったというのが実はあって。
うん、太陽全体を見るってこと?
太陽全体見た上で、そのスペクトル情報、その色の情報まで分けて全部見るっていうのをやらないといけなくて。
はい。
で、実はその太陽の光そのものだけを全部集めてやるっていうんだったら、実はそのフレアの情報とかってノイズに埋もれてしまって、ほとんど見れないんですよ。
はいはいはい。
だからその空間を分解した上でスペクトルの色情報まで見るっていうちょっと難しいことをしないといけなくて、その装置が実はあんまりなかった。
あ、そうなのか。
はい。2017年に京大の日立天文台にそれができる装置がようやくできて。
うん。
で、今のところその、えっと、星として太陽を見るっていう水素のHRパーセント観測できるのは京大の日立天文台しかない。
あ、そうなんだ。
はい。
じゃあそういう技術的な課題の解決もあり、なおかつ時代背景も追いついてきて、そういった研究が結構注目されるようになってきたと。
まさにそう。
あ、そうなんだ。
で、今回そのじゃあ水素っていうところにこう注目した理由みたいなのってあったりする?
あ、それはえっと、法勢の方でその水素の観測っていうのが結構これまで頻繁に行われてきているっていうのがそれが背景としてあると思うんだけど。
で、やっぱり水素っていうのは星で一番に、えっとその、まあ幻想的には多い、とも幻想で、その光がやっぱり多色光とかでは強く見えるんですよ。
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で、えっと、その観測自体が法勢業界ではまあ幅広く行われてきていて、それと同じようなデータを太陽に用意しないといけないよねっていうのが背景としてあって、今回その水素に注目したというのがあります。
ああ、そういうことだ。
で、法勢の方では本当にいろんなごちゃごちゃってしたその、えっと、HRパーセント水素のその色情報とかが入られてるんですけど、それ本当にごちゃごちゃってしてて、もう多種多様なんですよ、フレアチューンのその情報が。
で、それがもう本当にどういう現象を表しているのかっていうのが、もうその天元の観測だけからでは全くわからない。
ああ、そういうことだ。
最近になって本当にデータだけはどんどん増えてきてるんだけど、それをどう解釈しているのかっていうのが全然わからない。
そういう状況になってきているから、僕らとしてはまず太陽にやらないとって思って、それを太陽の方に1回戻ってきて、太陽法師として観測する動画っていうのをやったっていう。
なるほどね。
そういう流れがあります。
今まで天でしか見えてなかったそのデメリットとしては、どこでどういう形で、例えば爆発フレアが起きたとしたらどういうものができてたとか、そういった情報が、なんだろうな、天でしか見えないからこそ、ひとまとまりで来るから、もうこっちとしてはどうなるかわからんみたいなのになってて、
その理解の仕方を太陽でいろいろ試してみよう、みたいなキャンペーン。
そうそうそう。
そういうことだ。
フレアに伴って本当に物が飛び出したりとか、下方向に運動したり、上方向に運動したり、本当にいろいろな運動があって、で、ひとつのシグナルをいろいろな観点で解釈することができるんですよ。
それを実際に実施した結果、今回新しいことがわかったから論文になったってことだと思うんだけど、そこの何か、
それを実際に実施した結果、今回新しいことがわかったから論文になったってことだと思うんだけど、そこの何か、これがわかったんだ、みたいなのを教えてもらえると。
今回は、やっぱフレアに伴っていろいろ、いろんな現象が起きてるんだけど、で、その積分するっていうか、全部合わせると本当にごちゃごちゃしてるんじゃないかっていうのを予想してたんですけど、でも実際積分してるときに、
で、その積分するっていうか、全部合わせると本当にごちゃごちゃしてるんじゃないかっていうのを予想してたんですけど、でも実際積分して、星として見たときでも、これまで空間分解してそれぞれの点で見ていた情報が、結構そのまま反映されてるっていうのがわかってきて、
はいはいはい。
つまりその、この前太陽と光線の観測で何が問題だったかっていうと、その空間的に見えているその一定一定の情報しか太陽に見てなくて、でも一方で光線の方は全部積分した方として見えてたんですけど、でも、だからそのそれぞれ比較したら悪いんじゃないのっていう話があったんですけど、
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そうだね。
でも、実際積分して太陽の方もやってみると、でもその空間分解したときの、その点、それぞれの点の情報を結構そのまま保存して、星でも見えてるってことが今回わかってきた。
なんで、これまでの太陽の研究と光線の研究、割と比較してもオッケーなんじゃないっていうのが、今回の研究の結果。
あ、そうなんだ。
でも、ただ、やっぱり問題点がいろいろあって、その実際積分してみると、やっぱりその平均としての観測データしかいられない。
全体、星全体で起きる平均ってこと?
それぞれの点でやっぱり違う情報を持っているんだけど、それとの平均の値しか、やっぱり積分してしまうとわからないから、
だから、光線の方に見ているのも、やっぱりなんかいろいろ、その空間分解すると、バリエーションがすごく二次元面であるはずなんだけど、
でも、たぶんその平均的なものしか見えてなくて、めちゃくちゃ明るいところの情報はやっぱり見逃してるし、めちゃくちゃ薄くなっているところのところはやっぱり見逃してるし、
なので、星のデータ解釈するときには、やっぱりいろいろ注意点があるよねっていうのもわかってきたっていうのが、今回の成果ですね。
そうなんだ。じゃあ、今まで、なんだろうな、同じっぽいよねとは思ってたけど、それをちゃんと同じで一部は考えることができるだろうっていうような、
太陽と光線の研究をつなぐ結果が今回出てきたっていうのが、たぶん、今話聞いててすごいなと思ったんだけど、
じゃあ、最初の論文を書くときのアイディア1個見つけたら1個出すみたいな話でいくと、逆に言うと、今話してた薄いところだったり、ものすごい濃いところだったりの情報を、
またさらに光線の方につなぐような研究も今後出てくる可能性は十分にあるっていうことになるのかなと。
それもできるかもしれない。それができたらめちゃくちゃ面白いと思うんですけど、
たぶん、今回の観測からわかることは、水素の観測だけではダメだと思う。
他の情報がやっぱり必要で、例えば、最近もやったり、薄線とか電波とか、いろんな情報を組み合わせると、
たぶん、星の表面の濃淡とか、暗いところ、明るいところがわかってくるんだけど、
Hαだけだったら限界があるよねっていう、そういう意味で今後多長観測、絶対やらないといけないでしょっていう、そういうのを言ってるっていうのも、
っていう意味もあるかもしれない。
それは確かに面白いな。最終的にやっぱり、いろんな視点で星を見ていかないと、総合的なことは言えないから、
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今後たぶん、より、でも、水素で見つかったそういう知見が、他の波長の人たちにもどんどん伝播していくというか、
波及していきそうなっていう意味で言うと、結構インパクトの強い研究だったなっていうところになるのかなと思います。
まさにそうで、今回はその第一ステップでしかなくて、次のステップとして、やっぱりその、星として太陽を見るっていうのを、
X線でも、紫外線でも、いろんな波長でやってあげて、今回は水素の点も合わせてやってあげて、太陽をいろんな波長で星として見るとどうなるのかっていうのを、
たぶん次のステップとしてやって、それがたぶん、今後の研究、放射性研究の基礎になりうるんじゃないかなっていうふうに思っているので、次はそれをやりたいなと。
わー面白いです。そうしたらじゃあ、たぶんそこらへんが具現化されてくるのに、若干時間はかかる可能性もあるかもしれないんで。
まあでも、まさに今それを国際共同研究とかもやり始めていて、うまくいけば近いうちに結果が出るかもしれない。
それはじゃあまたぜひ出てください。
この続編としてお願いします。
じゃあ定期的にまた出てもらえるように、このチャンネルがガンガン成長そうなので、ナミちゃんも頑張ってください。
また面白い結果が出たらお願いします。
いや、お願いします。こうやって実際に研究やってる人の話を生の声で聞けるっていうのはなかなかない機会だから、この企画はぜひ続けていきたいんで、本当によろしくお願いします。
またお願いします。
ということで、今回は国立天文台の学信PDやられてる僕の同期、なめ方浩介くんに来ていただきました。ありがとうございました。
ありがとうございます。
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