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今回は、単独で存在するブラックホールが初めて発見されたんじゃないか、こんな研究結果を紹介していきたいと思っております。
これまで、ポッドキャストの中ではたくさんブラックホールの話させていただいていたと思うんですが、
ブラックホールがそのまま存在しているっていうような単体で存在しているブラックホールって、実は今まで1回も話していなかったんですね。
で、これ何でかっていうと、それがブラックホールが1人でいるっていう状況を見つける技術がなかったからっていうことなんですよ。
ただ今回、最新の研究で、なんとその単独でいるブラックホールが見つかったのかもしれないというような研究結果が出ていたので、こちら紹介していきたいと思います。
皆さん想像の通り、ブラックホール、光っていうのは全く出さないので、光を出さない天体、一体どうやって見つけるのか、こちらについても注目なので、ぜひ最後までよろしくお願いいたします。
3,2,1, ignition, launch.
Space to the black hole.
Japan to Mars.
朝崎亮の宇宙話。
2022年6月16日始まりました朝崎亮の宇宙話。
このチャンネルでは1日10分宇宙時間をテーマに最新の宇宙トピックスをお届けしております。
ということで、本日でエピソードが617エピソード目を迎えるというところで、
前々回に引き続き今日もTwitterのスペースを開いて、それと一緒に公開収録をしているというような状況になっています。
前回はクエーサーの話をした時が生配信だったのかなと思うんですが、
なかなか緊張して内容をまともに喋れてなかったなっていうのは若干反省が残っているので、
今日はあんまり緊張しないようにしていきたいなと思っているところです。
で、近況報告、いろいろ話したいことあるんですけど、まず昨日のなめかた君とのコラボ会いかがでしたでしょうか。
僕的にはかなりすっきりと皆さんに最新の研究をお届けできたんじゃないかなと思って、
なかなか編集しながらほとんど編集もせずに出せたのかなっていうような感じで面白かったと思うので、
もし聞いてない方いらっしゃいましたら、ぜひ昨日のゲスト会を聞いていただけたらと思います。
彼は僕の博士課程の中の同期で、京都大学で彼はやっていたので、ちょっと遠くはあったんですが同じ分野でやっていて、
今は国立天文台で大活躍というようなスーパーマンなので、彼の活躍にあやかってこれからも宇宙話は頑張っていきたいなと思っているところでございます。
でですね、宇宙話頑張っていこうって話してるんですけど、変わった部分いくつかあったのご存知だったでしょうか。
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気づいてない方はですね、ぜひアプリ画面ちゃんと見ていただきたいんですが、
宇宙話のトップのところにトレーラー、初めに聞いてほしい方へみたいなメッセージの1分半ぐらいの音声っていうのを新しく上げました。
これ聞いてくださった方いるかなと思うんですけど、まだやっぱね、初めて聞いた人がどれから聞けばいいかわからないみたいな。
で、なるべく最初のやつは聞いてほしくないし、だからといって最新をいきなり聞いても、なんかいつも通り始まってるっぽいけどよくわかんねーなっていう方もいると思うんですよね。
っていう方のために、初めて宇宙話っていうページに来た人のための音源っていうのを用意しました。
というところで、窓口を開いてなるべくいろんな人に聞いてほしいなぁと思っての取り組みなので、
もしですね、今までずっと聞いてくださっている方にも一応ちゃんとそれ用に音源を取ったみたいな形になっているので、
短いんでね、これの後にとかでも聞いていただけたら嬉しいです。
そんな感じでこういろいろ取り組みやってますし、ちょっとね、ご報告したいことや今後こうやって攻めていこうと思ってるなんて話も近いうちさせていただこうと思うので、
引き続きよろしくお願い致します。
それじゃあ早速本題行きたいと思います。本題喋りすぎる本題に早く行かないと10分で喋り切れないんでね、やっていきたいと思いますが、
今日の本題は単独で存在しているブラックホールが発見されたんじゃないか、そんなお話をしていきたいと思ってます。
今回の話ですね、皆さん大好きなブラックホールのお話です。
実はこのポッドキャストの中ってあんまりこう再生数ってムラが出ないんですけど、
ブラックホールっていうタイトルがついている時だけ若干みんなの反応がいい気がするんですよね。
あんまりこうなんかデータに基づいてとかってわけじゃないので、僕の感覚値ですけどそんな感じがしてます。
で、そんな中でもこう史上初めて見つかった種類のブラックホール、一体どんなブラックホールなのかっていうと、
それそのもの、ブラックホールそのものが単独で存在しているというような、そんな状況が発見された可能性があるというような状況です。
どういうことかというと、ブラックホール自体、皆さんのイメージ通りで光すらも吸い込む大きな穴みたいな状態なんですね。
じゃあこのブラックホールと呼ばれる穴っていうのはどうやって今まで見つかってきたのか。
もちろん光を吸い込むから、私たちの目って基本的には光を目で検出しているみたいな形になるので、光が出てなければ見えないはずなんですよ。
じゃあなんでブラックホール今まで見つけられたのかっていうと、これは実はX線天文学っていう僕が専門でやっていた分野とも非常に近しいところなんですが、
詳しい話は省いて、とにかくX線がブラックホールの周りから出ていたことによって明らかになったと。
じゃあなんで光すらも吸い込むのにブラックホールが輝くのかっていうと、これはブラックホールが近くにある星をどんどんどんどん飲み込んでいくと、
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その強い重力によってそれらのガスっていうのを引っ張り上げていってブラックホールに吸い込んでいく。
で、その吸い込まれる時の星の断末魔みたいな、断末魔の叫びみたいな形で光が出ているものを検出し始めて、初めてブラックホールというものの存在が観測的に明らかになったと言われてるんですね。
ただ、これって星が吸い込まれていって、うわーって叫んでるからこそ見えるというような状況になっているので、
吸い込まれる星とかがなかったら基本的には見つけられないというようなかなり絶望的な状況になってくりますと。
加えて、宇宙の歴史っていうのを考えていった時に、実はもっとブラックホールって世の中にあっていいはずだと思われてるんですね。
具体的には何でかっていうと、ブラックホールっていうのは、太陽のだいたい20倍とか、それ以上を重い星が太陽みたいに自ら輝いてたけど、どんどん進化していって、最終的に超新星爆発というものを起こして、それの残りとしてできるのがブラックホールだったりするんですよ。
そうすると、そうやって大きな星が死んでブラックホールができるのであれば、例えば私たちのいるこの天の川銀河と呼ばれる銀河の中に、1000万とか何なら何億個もブラックホールがあってもいいと思われてるんですよね。
今までの星の分布からすると。ただ、今まで全然そんなにブラックホールが見つかってない。つまり、私たちが見えているブラックホールっていうのはあくまで一部で、単独で存在していて見つけられてないブラックホールが世の中にはたくさんあるというふうに考えられていたんですが、やっぱ光が出てないから見つけられないという課題があったんですね。
そんな中で今回はどういうふうにじゃあ単独のブラックホールかもしれないという天体を見つけたのかというと、空間が重力によって歪んでいる状況を観測的に明らかにしたと。
まあ難しいですよね。わかります。言ってることはマジで謎だと思うんですけど、どういうことか。
ブラックホールが存在していると、そこには強い重力が発生する。で、その強い重力によって、例えば光が吸い込まれるような、言ってしまえば穴ができるんですね。
で、それって空間を若干歪めている。ないしは、じゃあ例えばそのブラックホールが見えないにしてもどっかにあるとします。
それの奥にある星ってどうやって見えるのかっていうと、その奥から光が飛んでくるので、ブラックホールを
なんでしょう、ブラックホールを避けるような光の方向のものっていうのは、ブラックホールの重力に一部吸い込まれるような形で、虫眼鏡とかみたいに
ブラックホールが一種レンズの役割をして、その光を曲げて私たちの目に届かすことができるっていうような、重力レンズ効果と呼ばれるものをブラックホールは持ってるんですよね。
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で、その重力レンズ効果によって、奥にある星、ブラックホールが例えば単体で存在していて、見えないかもしれないけど、ブラックホールのさらに奥側にある天体っていうのは、
その光っていうのがブラックホールによって曲げられて私たちのところに届くっていうような性質を見せるんじゃないかというふうに考えられていたところから、
星がちゃんとまっすぐ光を飛ばしてきているのか、はたまたブラックホールみたいな強い重力の天体のレンズみたいな効果によって曲げられてこちらに飛ばされてきているのかっていうところを
しっかりと観測によって明らかにするという手法を今回取ったんですね。
で、この手法を取ることによって、今まで大体何年だったかな?
10年とか、10年間同じような領域っていうのを観測したデータを積み重ねていって、星の光り方の変化だったりっていうのを色々蓄積していった結果、
今回、今まで全く見つかったことがなかったブラックホールの単体で存在するものの候補が明らかになったという研究結果なんですね。
つまり、今回の話をまとめると、ブラックホール単体ではやっぱり光を放つことがないので見つけることができない。
ただ、空間を歪める性質を持っているブラックホールだからこそ、ブラックホールの向こう側にある星の光っていうのを私たちの方に向けて、
まるでレンズのような効果で届けてくれることができる。そんな重力レンズ効果を使って単独で存在しているかもしれないブラックホールを発見したというのが今回の研究結果です。
これによってですね、例えば単独でどれぐらいのブラックホールが存在しているのかだったり、そもそも今回見つかったのはあくまで候補なので、そのブラックホールが本当にあるのかなんていうところは
これから新たに飛んでいく、例えば人工衛星による観測だったりとか、地上からの別の観測っていうところによって裏付けがどんどんされていくんじゃないかというふうに言われているので、こちらの研究結果の続報が出てきた場合はしっかりとご紹介していきたいと思っております。
ということで今回は、今まで見つかったことがなかったブラックホールが単体で存在している証拠を明らかにしたかもしれない、そんな研究結果をご紹介させていただきました。
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それではまた明日お会いしましょう。さようなら。