というわけで、今日は人はなぜ犯罪者になるのかについて考えるエンタメトップ3です。
丸ちゃん教授の罪な話、市民のための犯罪学。
刑事政策犯罪学を専門とする立証大学教授で、一般社団法人刑事司法未来の丸山康裕です。
同じく刑事司法未来の山口由紀です。
同じく南口文です。
このトーク番組は、一般社団法人刑事司法未来が送る、これまでとは異なった視点から罪と罰を考えるものです。
ニュースでは聞けない犯罪学刑事政策の話について、分かりやすく解説をしていきます。
お堅いテーマですが、なるべく親しみやすい形でお伝えできればと思います。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
今日は都内某所の模擬法廷教室にて、番組初の公開収録にて配信しています。
いつもと若干音の違いだったり、聞きに来てくださっている方の声なんかが入るかなと思いますが、ご承知おきください。
それでは早速、第3位。
小木上知紀 栗原俊夫 大日本いじめ帝国 戦場学校15にはびこる暴力です。
大日本いじめ帝国は、戦後80年を迎える年に出版されました。
戦争問題を追い続ける新聞記者と、TBSラジオ小木上知紀セッションのパーソナリティを務める評論家が手を組み、
豊富な証言と最新のいじめ研究から、大日本帝国の隅々まで行き渡った第二次世界大戦下の暴力の実装に迫っていきます。
では早速、僕まだ読んでないので、多分聞いている方もなんだそれと思っているので、聞いていきたいんですけど、
南口といえば3の3。
いえいえ。
の9。
3の3。
まず1個言いたいのは、3の3の9個言ったことはないです今まで。
ほんま?
ない。
ちょっとグレー。
グレーよね。
ちょっと進めていいですか。
まずそもそもね、この人何の本持ってきたんやと思われたかもしれないんですよ。
明らかに雰囲気戦争の本なんで。
我々犯罪学刑事政策の番組なんですけど、戦争の本持ってきたって思われるかもしれないなと思うんですよ。
ですので、この本の。
いじめ帝国言ってるけど。
まあそうなんですよ。なので持ってきたんですよ。
まずこの本をお勧めする点をね、ですので3点でお勧めしたいと思うんですよ。
ほらほらほら来た。
いいですか。
3点ね。
はいはい。
まずこの本、確かに戦争について、戦争を横軸いじめっていう視点で広く場面ごとに取り上げてるんですよ。
今の視点から見たときに、あらゆる犯罪秘行が載ってるんです。この薄っぺらい本一冊に。
例えば暴力、当然その先にある傷害、殺人、窃盗、強盗、性侵害、侮辱とか名誉毀損とか。
これらを伴う、いわゆる子供たちのいじめですね。
あとハラスメントとか。
ありとあらゆる犯罪が載ってる。
それが犯罪の種類もありとあらゆる犯罪が載ってるんだけれども、知ってる人、されてる人が兵隊同士、市民同士、他国の人たちへのこと。
男性同士、男女、女性男性、あと女性同士。大人から子供まで。
この国で当時、大日本帝国か、あらゆる場所であらゆる人の間で起きてた犯罪がルル書いてあるんですよ。
これを読んで、なんで私今これ持ってきたかっていうと、犯罪行為をする人ってモンスターじゃないんやなっていうのが、ほんまに読んでて思うんですよ。
だって私じゃないですか。徴兵に行った人がモンスターやったなんてことありえないじゃないですか。
この国で生きてた市政の市民たちが戦争に行き、この国で生きてた市民たちが残って、この国を守ってたわけでしょ。
そこであらゆる犯罪が起きてるってことは、基本的に誰でもしてしまうし、されてしまう。
わりとみんな多分普通の人たちやったと思うんですよ。
だって社会に生きてた私たちが兵隊になったり、その兵隊に行った先でひどいことをした人が異常性格の人やったんかって多分そんなことない。
社会に残って国を守ってた方たちの間ですごいひどいことが起きてたら、その残った人めちゃくちゃ性格悪かったんかって言ったら、そんなことないと思うんですよね。
それはここで起きてる犯罪ってモンスターじゃないっていうのが、すごく社会の中で当たり前にあることなんだっていうのが、すごく本当に感じたんですよね。
ちょっとだいぶ遡って申し訳ないんですけど、だって私じゃないですかって言ったのは、私みたいに一般の普通の人がみんなこれに書かれてるような話なんじゃないかってことね。
だって私じゃないですかって言われても。
言葉が足りませんでしたね。
なので特別な話じゃないんだっていうのがすごくよくわかる。
で、2点目。
何が犯罪とされるかっていうのは、結局のところ国の都合で変わるっていうのもよくわかる。
深井ですね。
これ一個一個言い出すとすごい長くなってまた怒られるんで、めっちゃちょっとだけ言うと、例えばなんですけど、徴兵逃れって実は当たり前にやってたんですってみんな。
そうなんですね。
戸籍の売り買いとかで、長男は徴兵されないから長男になって自分は行きませんとか、全然当たり前にあったんだけれども、
1889年、これが日清戦争の5年前なんですけど、そこから犯罪になったんです。
これは国として兵力を増やしていかないといけない。
軍事力を強くして兵力を増やすっていうことで国の政策が変わったから犯罪になったわけです。
それまでは犯罪じゃなかった。
当然締め付けはどんどん厳しくなっていくわけなんですよね。
例えば、その他、人を殴ることは暴力で、これは犯罪ですっていうのはもともと決まってるはずなんですよ。
兵隊さん同士は殴っていいとか、そんなことあるわけない。
だけど、国の事情で認められているような扱いをされていた。ずっと。
それはいろんな理由はもちろんあるんだけれども、国の事情でそれは本当は犯罪になってるんだけれども、
それが実際どんなふうに処罰されるかされないか、指導されるかされないかは国家権力の采配なわけですよね。
それがすごい詰まってるんですよ。
これって今の社会も一緒で、10年後、今と同じように私たちがこうやってハッピーに出会えるかどうかっていうのは、それはわからない。
もしかして私たちの今当たり前にやってることが犯罪行動っていうふうになるかもしれないわけなんですよね。
だから犯罪って固定された絶対、そんなんせえへんのが常識やろって言えるようなもんじゃなくて、
変わっていく。
変わっていくってことがこの本に結構書かれてる。これ2点目。
次3点目。
罪の話はもちろん刑事政策犯罪学の番組なんですけど、
戦後80年っていう時代に、戦争をどう伝えるかっていうことをね、よく言われるじゃないですか。
正直な話、自分からちょっと遠いんですよね、もう。
私の周りに実際に戦争に行った人ってもう祖父母も亡くなりましたし、いなくて。
だけどそれを身近な出来事であるいじめっていう切り口で見ることで、一気に身近になるんですよね。
いじめとか、例えば部活とか職場での同調圧力とか、なんか嫌な感じとか、ハラスメントとかを全く1回も関係なく見聞きもせずに生きてきた人って結構少ないと思うんですよね。
みんな何らかいじめっていう言葉に収束される、嫌なこと、良くないことって、見たこと、聞いたこと、もしかしたらもちろん経験したこと、したことがある中で、
その視点から戦争を見るっていうことで、社会のことが、どんな社会だったのがすごいリアルに身に染みるんですよね。
で、犯罪の話も、どっか遠いところで起きてる、なんかだって思ってると、自分と遠く感じるんですけど、
実は結構近くのこと、自分の人生にリアルに考えるみたいなことができた方がいいなっていつも思っていたところに、
日々の犯罪よりもっと遠くに、正直遠くにあった戦争っていうものが、すごいリアルに身に染みたから、本当に嫌だなって思ったんですよね。
なので、薄いんですけどね、つらいんですよね、読むの。本当つらくて、私何回も、ちょっとこれ今日紹介するから、絶対最後まで読んでって思ったけど、何回も止まっちゃったんですけど、
ぜひ読んでいただけたらなと思って、これをおすすめします。以上3点でした。
素晴らしいじゃないですか。
ありがとうございます。
人はそういう状況に置かれたら犯罪するって、やっぱりいっぱいいろんな場面であって、
たとえば戦争に関していくと、すごくつらくなるのが、たとえば沖縄で戦場になっていくときに、ガマとかの防空壕とかで、泣く子供の口を押さえて、亡くならせてしまうっていうお母さんとかお父さんとか、
あの状況の中で、普段なら絶対そういうことをする人たちではないし、近所の人だって絶対子供可愛がる人たちなんだけど、その状況がそうさせるっていう特殊な、人はそういう状況下に置かれると、思ってない行動に出てしまうってことはやっぱりあって、
こういうのは、たとえばスタンフォード監獄実験とかの監修役と受験者役が分かれて、一般的に集めるときは平均的な学生とかを集めてたはずなんだけど、
そういう特殊に与えられた役割と環境とか、まあ今はあれ入れじえしてたんじゃないかとかっていう実験自体に正しいのかっていうのは言われてるけど、ただ全体当社の心理学で言われてるのは、そういう特殊な環境に置かれたら人ってそうしちゃうんじゃないかっていうのがあって、
それはもう戦争みたいな時とか、なんなら、たとえばオウムの事件とかね、とかはもう普段全くそういう人じゃなくても、こういう特殊な環境に置かれたときにやってしまうんじゃないっていうのは常々僕考えてたんですよ。
今のお話を聞くと、やっぱりそれはどっか特殊な団体が特殊な状況下にあったからだっていうんじゃなくて、すごく身近な、たとえば校内で見たことあるいじめの環境とか、部活の先輩後輩とか、職場の上司とか、あとはそういうふうにしたくないなと思いながら同調圧力でやらされてるとかっていうのをより身近に感じれる方になってるってことですね。
そうなんです。
むっちゃいいこと言ったやろ。
やっぱり犯罪って遠いどこかで、カギかっこつきのとりわけ暴力的な人とか、とりわけ困った人が起こしているものではなくて、自分と同じように生きてきた人たちが、そうなってしまうこともあるんだっていう、人はなんで犯罪者になるのかって望んでなったかとか、あいつはもともとそういうやつやったんやとか、そういうことじゃないよねっていうのが、
すごく染みるなと思いました。
いや、ちょっと一発目から重たいから、もう今日はここで終わりにして、行く。
次行きましょうか。
行くか。
行く行く。行きましょう。
はい。
っていったところを、犯罪学なんかを学んで、そういう背景にある生きづらさに目を向けたエンタメ作品の見方ができるようになって。
私結構ディズニーも好きで、ディズニーヴィラン出てくるじゃないですか。
世界各国のヴィラン、ヴィラン界隈の方々の見方が変わった。
世界各国の方々のヴィランって。
世界各国のヴィランの方々の。
言い方変えたけど、ほぼ意味わからんの一緒だけど。
世界にいっぱいヴィランいるじゃないですか。マレフィセントとか。
ディズニーの世界の。
皆さんの背景にも目を向けられるようなエンタメ作品。
昔の確かに映画って、悪役ってただ悪さだけの光の与え方だったけど。
徐々になんでこの人こんなんすんのか、みたいなのを描く作品多いよね。
多分犯罪学とか刑事政策とかに出会ってなければ、
多分私バイキンマンですらただ悪いやつだって思って過ごしてたような気がして。
バイキンマンって純粋にお腹減ってるっていうな。
あれ殴らんでいいよね。
マレフィセント 悪いやつって決めつけて見ちゃってたと思うので、
そういう見方ができるようになったっていうのが刑事政策、犯罪学に救われたなって思ってて。
全体的な感想なんやけど、じゃあ具体的に。
多分これは見てる人多いと思うから、このシーンが特にこうなんよなっていうのを教えてください。
マレフィセント そこで印象に残っているシーン、ぜひ見ていただきたいシーン3点。
そこ来たか。まさかの今日南口さん早いなと思って気を抜いてたんですよね。
マレフィセント そうですね。短めにコンパクトにお願いします。
マレフィセント まず一つ目が、もうちょっとアーサーって周りに恵まれていたらって思わされるシーン。
例えば楽器屋さんの閉店セールのコマーシャルの仕事をしている時に不良少年たちに絡まれて。
絡まれるな。
マレフィセント ボコボコにされて、看板奪われて、その看板返せないからアーサーが会社クビになるシーン。
そこで結構上司に一方的に決めつけられてクビになっちゃうじゃないですか。
とかソーシャルワーカーさんとの面談時に、もう予算がつかないから福祉のサービス打ち切られたりするシーンが印象に残っていて。
それって上司とかが看板を返せない理由をちゃんと聞いて、アーサーの状況に理解してくれたりとか。
そこで福祉とのご縁が、つながりが途絶えていなかったら、生きづらさに対する理解だとか寄り添ってくれる人がいれば、ジョーカーっていう悪は生まれなかったんじゃないかなって思わせるシーン。
あらゆるところがちょっとしんどくなるよね。胸がグッとつるっていうか。
アーサーがもともと心優しいだけにすごい見るのがつらくって。
これはもうちょっと永遠にカオスみたいな話するけど。で、怒った上司側もなんか理由があるんじゃないの?
ちょっとまだ私そこまで。
やっぱ経営がしんどくて、ただでさえお金返していくの大変なのに、唯一もらった仕事をまたキャンセルされそうなことをしやがってとか。
なるほど。
あるかもよ。
じゃあもう一つ目を抜けて。
でも大事なシーンよね。つらくなってくるもん。こんなに頑張ってんのに、なんでそっちに転がるみたいなやつでしょ。
でもちょっと周りに恵まれてたらなっていうシーンがたくさんあったので、そういうとこを見ていただきたいなっていう。
なるほど。
で、次に二つ目。アーサーが地下鉄の駅で初めての犯罪をするシーンなんですけど。
私、漠然とバットマンの映像って、漠然としか見たことなくて。なんかゴッサムシティってすごい薄暗くて、黒とかグレーとか貴重したシティだと思ってたんですけど。
なんか上下見始めたときに結構色鮮やかな街並みだったりとかしてて、あれなんかこれってゴッサムシティの話なのかなと思って見始めたんですけど。
なんかそのアーサーが初めて犯罪をしたシーンで、世界のアーサーを取り巻く街並みの色彩とかがガラッと変わった印象があって。
本人自体はメイクしていくのね。なるほどね。
なんか地下鉄の事件以前は街の風景も心優しいアーサーを象徴するような街の雰囲気だとか色合いとかが残ってるなっていう感じだったんですけど。
地下鉄の事件を契機にバットマンでおなじみのゴッサムシティの色合いに変わった気がして、なんか負の感情が行き着いてしまった感じと街の雰囲気がリンクしているように。
なるほど。これね、僕ね山口さんの映画見る時の好きなものの一つに、素晴らしき世界の時も空がどんよりしてるとか全体的にグレーが貴重だったのに、こういう色に変わってったとかっていう色味で状況が変わっていこうと説明してたじゃない。
で今日もここで色合いがこう変わっていくのがとかゴッサムシティはこういう状況だったはずなのにこう変わっていくっていう切り替えのところ。多分これは映像の仕事をしてる人は意図的に絶対やってるから、それに気づいてくれてるってところが多分喜ばれると思う。これ届いてほしいね。
ぜひあのジョーカーもおすすめの次の話と。
なるほどな。
ちょっと待ってな。ずっと黙ってるけどいいの?
大平 めっちゃうんうんって思ってますよ。
そうですか。
大平 最後に3点目。フォアキン・フェニックスさんの演技です。
来たな。もうこれ来てしまいましたね。そのために黙ってたかこの人は。
大平 そんな気がします。
なるほどな。
じゃあちょっとそれの見どころを教えてよ。
大平 まずガリガリに痩せるとかっていうそういう見た目のプロ意識は去ることながら、アーサーの不安定な心の揺らぎだとかを目線とか表情ですごい見事に表現されてて、アーサーが心から面白いと思って笑ってる笑いとか、本当は心から笑ってないんだろうなっていう時の笑いとかの演じ分けだったり。
そんなの見てるの?
俺が嘘で笑ってるとかも見てるわっていう。
大平 まあ今なんかちょっと目笑ってないなみたいな時ありますよね。
山口さんってそういうのすごいちゃんと見てる気がする。確かに。
これでも面白くないのに笑ってるとかないよね。
大平 そうなんですよ。マリアム先生は裏がないから面白くなかったらズバッと今のないわとか言うじゃないですか。
言うよね。反省材料かもしれんけどね。
大平 だから結構この人今全然楽しくないよなみたいなのは結構感じるタイプなんで。
山口 お気をつけくださいね。
大平 なんでなんかそういう笑いの違いとかも本当に幸せに感じてる時の表情とか笑い方と
心が本当は辛いけど笑ってる時の笑い方の違いとかの演じ分けだったりとかが
すごく秀逸でどんどん引き込まれていく感じがあって
なんか見るの辛いんですけどなんかホワキンさんの演技はすごく魅力的で
なんかそれこそアーサーに憑依されるって言ったらなんかちょっとあれですけど感じもあって
なんか最後のシーンってすごい世界最強のヴィランが誕生するシーンじゃないですか。
でもなんかヴィランが誕生するシーンにも関わらずなんか光合宿も見えて
ヒーローが誕生したのかとさえ思わせるような演出と
なんかそう思わせるホワキンさんの演技圧巻でした。