丸ちゃん教授の罪な話 市民のための犯罪学
刑事政策犯罪学を専門とする立証大学教授で一般社団法人刑事司法未来の丸山康博です。 同じく刑事司法未来の南口文です。 このトーク番組は一般社団法人刑事司法未来が送るこれまでとは異なった視点から罪と罰を考えるものです。
ニュースでは聞けない犯罪学刑事政策の話についてわかりやすく解説をしていきます。お堅いテーマですがなるべく親しみやすい形でお伝えできればと思います。よろしくお願いします。
丸山さん、薬物政策の話といえば罪の話では結構取り上げてますよね。 そうなんですよ。
例えばドラッグコートの話を第3回とか30回。 ハームリダクションというものについて第13回で。
日本の話ってことで第22回に対魔の話したりしてます。 どんだけ薬物好きやねんっていう番組ですね。
そういう感じもしてて、ただですよ、ずっと原罰化してきてそれって間違ってたんちゃうかみたいな話をずっとしてると思うんですよ。
そうですね、それで結構国際的スタンダードですね。 そもそもですよ、なんで原罰化なったんですかね。
今日はそういう話いきますか。 いいと思いますよ。それするにはおそらくウォンドラックスっていう薬物戦争って言われるやつですけど、これが世界中巻き込まれていくんですけど、これの話をするのが一番ベターというかベスト?
私ねそれを聞きたいの。 ウォンドラックスを?それしましょうか。それするんだけど、そこに至るまでの話からちょっと踏まえていかないと。
あれだって1970年ぐらいのニクソンぐらいから出てきてる政策なんだけど、そんなものよりもっともっと前なんだろう1901年とかから国際的には薬物どうするかっていう問題は動いてたんですけど、原罰化で何とかしようっていうのがウォンドラックスが過激に進んでいくんですね。
その前からどうなっていったかっていうのをちょっと振り返りながらいきますよ。 これを話すにはですよ、そもそも今ちょっとDEAっていうドラッグエンフォースメントアドミニストレーションっていう連邦薬物統制局みたいなところがあるんですよ。連邦麻薬局かな。
これがDEAっていわゆる日本で言うと警察とかじゃなくて薬物専門に取り締まるところなんですけど、実はレオンの相手役の人いるやん。あの人警察じゃなくてDEAの人やね。
あ、そうですか。 だからよく見てタクシーが乗り物で最後の方、乗り込んでいくときあるやん。追いかけてって。 最後のシーンのちょっと前ってことだ。 そうそうそう。でも乗り込んでいくときあるやん。あそこDEAに入っててるから。 ちょっとリスナーの皆さんと一緒にレオンを見直したい。 もう一回見直してみて。あれ警察じゃないね。DEAっていうその薬物を追いかける組織の人やったのに薬物やってたっていう話だよあれは。
やっぱ油断も隙もないですね。そうやって出てくる。 そうそうそう。そこの初代チーフ、長官っていうのがアンスリンガーっていう人がいるんですけど、この人の話からやらないとなかなかこの薬物戦争の話ってわからないんですね。
いやアンスリンガーから行きましょうよ。行く行く。 アンスリンガーから行っていいですかね。で、この人ね32年間にわたって長官するっていうとんでもない。約5代の大統領にわたってずっとやり続けるっていうとんでもない長い歴史を持ってる人なんですよ。
偏見もあるかもしれないですけど、あんまり一人で長くやるのって、あんまりいいことないよね。 そうなんですよ。でね、そこに至るまでの話をちょっとしていきますけど、
ドラッグの話するときって基本的には移民とかその民族的な背景文化とそれに悲しいけどやっぱ差別とかとの文化とかがくっついてくるんですよね。
正直に言うとそういうことすらあまり一般には知られてないかもしれない。 あまり考えてないかもしれないよね。 って思います。 で特にこの薬物戦争に向かっていくときって対魔問題をどうしていくかってことがすごく絡んでくるんだけど
そもそもそのメキシコ系移民の労働者がたくさんいた時期にそこをなんかこう軽蔑したり差別してたりするんだけど他方で労働力は必要なわけですよアメリカ国内としてもね移民的なね。
で労働力として活用しながらもやっぱり偏見の対象とか統制の対象だったわけね。でメキシコ系移民の人が常に常用してたっていうのが対魔だったんだけどマリファナね。
でこれにエイリアンドラッグっていうレッテル貼ったりとかしてでそこにこの移民政策として受け入れて労働力にしつつも差別も行うみたいななんかこう複雑に絡んだ状況が進んでいくわけ。
もともとね。でこれが不満が高まっていくのが1929年の世界恐慌が起きる時期でやっぱ国内の労働力が労働力というか仕事自体が減っていってるから
その白人から仕事を奪うメキシコ人労働者っていう差別的なものがワーって進んでいってしまって。で習慣としてマリファナ喫煙してたんだけどメキシコ系の人がそれがヘイトのシンボルになっていくんですよ。
でこういうことに一横になっていったのが結構当時ではチャールズゲイテとかこの人優生学の教会を広めていくような人なんだけど
この人たちがニューヨークタイムズとかにいや麻薬の中でも最も厄介なのがマリファナなんですぜみたいな記事を書いたりとかして結構バッシングがバッって広まっていく時なのね。
でこの流れを加速させていったのがアンスリンガーなんですよ。
結局だから世論的にはメキシコ系民の人たちの差別に使われて白人から仕事を奪っていくあいつらなんやねんっていう情勢ができているところにそのマリファナを敵だっていうふうにやっていって
国から予算を取ってそれを徹底させようってするのがアンスリンガー。
なんかそもそも薬物が人間の体に影響をどう与えるかとかそういう話全く出てこず今アンスリンガー物語になるんですね。
だからウォーン・ドラックスの至るもっともっと手前の話。どうやってドラックを政策に使っていくかっていう原点。
そうでもなんかその原点が薬物が体にこんなふうに悪いぞっていうことじゃないっていうのは
まあそういうことじゃないね。そもそもアンスリンガーもなんでそういうふうにそれを敵対していったかというと
本気でそう信じてたっていう説はないこともないけどそもそもですよ。それより前から悪名高い禁止政策やってたよねアメリカで1920年ぐらいからね。
で33年に禁止法が廃止される前に続くんですけどその担当になってた禁止の取り締まる禁止課っていうのがあって
これがアメリカ財務省内にあったんだけどこれが後々連邦麻薬局っていうのになっていくのよ。
でここの初代長官がアンスリンガーなわけ。
やっぱりさ禁止法なくなったらじゃあ次何持ってきて予算取らなきゃ。
まさにその通りやね。自分たちの生きる道として禁止法なくなってじゃあこの組織をどう生かしさらに予算を取ってくるかってなると
代わりになる敵を探さないといけなかったわけね。
まあ当然そうなりますよね。
でさっきも言った通りできたのが1930年とかなんだけどさっきも言った通りねあの世界恐慌の影響あるじゃん。
時代がね。
そうすると税収そのもの下がっていくから大幅に予算カットされていくよいろんなところが。
そうですね。
ででもアンスリングは組織拡大したいわけじゃないですか。
当然。
そうすると対魔と戦うぞっていうキャンペーンしていくことになるのね。
なんかよく聞く話ですよねそれ。
よく聞く。
なんとなく。
でこれでそのマリファナ使う人がレイプするぞとか殺人するぞとかそういうのを誘発していくものなんだってことを危険をあうるような広告というか告知していくわけね。
それが知れ渡っていって結局どうなっていくかって国内の整備だけじゃなくて国際的にもキャンペーンを張っていくんだけど
それを先導していくのがアンスリンガーだったりするわけですよ。
その人が30年間長官やるんですよね。
そうです。
それはえらいことですよ。
もともとそういう土台があるってことね。
そういうわけでウォーンドラックに繋がる土台が出来上がったってことですね。
今の最後のところが、戦争って言って頑張ってきたけど、
あんまり良くない方向に突っ走ってる、それでこそ戦争って感じもするけれども、
なんか相当な問題起きてそうなんですけど。
そうなんですよ。これね、例えば原罰化政策って、そういうなんか組織を縮小したり、
満タンの薬物使用者の数を縮小させたいって思ってるわけですよね。
だけどむしろこの市場をどんどん拡大していくし、
ちょうど時としてはですよ、刑事政策暗黒時代と相まってですね、
過剰収容がすんごい加速するんですよ。
いっぱい捕まえれば当然そうなりますよね。
そうそう。薬物だけが過剰収容をもたらしたんじゃなくて、
一般的な暴力犯罪とかステータスオフェンダーみたいなものも相次いで増えていくんだけど、
その一横になってのがやっぱり薬物で刑務所収容される人が大量に出てきて、
とんでもない勢いで、例えば80年代ぐらいだと80万人ぐらいの刑務所人口だったんだけど、
2000年超えると230万人超えるっていう、とんでもなく過剰収容時代に突入するんですよね。
とんでもない数字ですよね。
そうなんですよ。
そもそもの薬物使用の方が減るわけでもなく、
刑務所の人口は膨大に増えてってなってくれば、どうにかしないといけませんよね。
そうなんです。これね、だからこうやって原発化していくときに、
やっぱり大量に薬物が来るっていうのもあって、背景的にはね。
70年代、80年代って、南米の方から大量に、さっきも言ったとクラッカーに入ってくるんですよ。
これがフロリダの方に入ってきたり、カリフォルニアの方に入ってきたり、南米から入りやすかったわけね。
国内的にも悩んでた。
ただそれをどんどんどんどん刑務所に入れても、さっき言ったみたいに刑務所人口だけが増えてって、
じゃあこれどうすんねんっていうのはやっぱり現場の人はずっと思ってたわけですよ。
そうですよね。
で、これに対して、じゃあ世界は大きく舵を切っていくんだけど、
で、ハームリダクションがどうこうとかって言ってるようなやつはヨーロッパ主体なので、
これちょっとまた後で話しますけど、アメリカ国内でまずどういう動きしたかっていうと、
刑事司法の枠の中でよりトリートメントとかをやって、問題使用する人を減らしてった方がいいんじゃないかっていうのが、
例えばそれがドラッグコートとして89年にフロリダで始まったりするわけですよね。
これは罪の話の第3回とか、第30回とかを聞いていただきましょう。
そうなんですよ。で、これはもうやっぱり犯罪前提なんだけど、
じゃあ今までみたいに刑務所に送ってもその根本にある問題が解決してないので、
そこにアプローチしてって問題使用を減らすっていうのを刑事司法でやる。
で、これに舵を切っていった。これがまずアメリカ。
ただ、それぞれの州で非犯罪化のムーブメントがなかったかというと、あるにはあったわけです。
そんな表だって勝ち取ってこないんだけど、まずムーブメントとしてはその刑事司法の枠でどうするかがスタート。
で、大きく舵を切っていったのは、むしろ世界の方が、世界というかヨーロッパの方が早かったりして、
例えば有名なところでいくとオランダなんか70年代とかから、
早いですね。
でしょ。スイスではもう90年代とか、ポルトガルだと僕の好きなポルトガルの話をさせてもらうと、
これ2001年とかにもう大きな変革をもたらしていくんだけど、厳しく取り締まろうとしたところでよ。
ないのがいいっていうのはわからんではないけど、現実にあるしドラッグって。
薬物使用する人いるし。
じゃあより害を少なくしていって問題指標を減らすにはどうしたらいいのかっていうのを模索するわけですね。
そうすると徹底して刑事辞法で罰を与えても、さっきみたいにアメリカみたいにちょっと失敗の方向っていうのは世界中悩んでたわけですね、ウォンドラックスに。
じゃあそうじゃなくて問題指標って減らす方法があるんじゃねーのっていうのを考えてたのが、さっきそういうヨーロッパ主体のところが動いていって、
ハームリダクションみたいなのが進んでいくわけ。
こちらは13回ですね。
なんか3分クッキングみたいですね。
はい。ご準備してございます。
という感じなんですけど、大きな話はそこを聞いていただくとして、その他この世界の変わり方とか、最近のアメリカの話とかでここで言っておきたいことありますか?
例えばそれこそタイマーに関しては、もう2012年ぐらいからコロラド州とかワシントン州とかからタイマーに関しては非犯罪化していこうという動きが出てきたりとか、
それに追随してもたくさんの州がタイマーはそれはもうちょっと刑事罰から外した方がいいんじゃないのとか、
それは別にもうどうしようもないからほったらかせとか、薬物政策諦めてどうにもならへんからお手上げって言ってんじゃなくて、
そこに徹底して原罰化する方がもしかしたらこれ人権侵害なんじゃないのとか、
より問題指標を深刻化させていくんじゃないのっていうのが、
これアメリカ主導でっていうよりは、そもそも国連もそう発表しているし、
WHOとかいろんな国際団体、ドラッグ政策を考える国際団体が、
いやもう原罰化でどうこうする問題じゃないんじゃないのってかじきってわけ。
この話ね、角度を変えて何度かやってる話と思うんですけど、
日本でずっと基本的には罰、まあダメ絶対とか刑罰だぞって言ってる中で、
もう国連は人権とか、いやむしろマイナスなんじゃないかそれってとかなってるって全然知らない話なんですよね一般的に。
なんでやろうね。はっきり言ってるよ。
それでほら、ちょっと前にバイデンさんが御社しはったじゃないですか。
ちょっとそれも言っといてください。
連邦の刑務所に対魔関連で入ってる人を御社しますってやったね。
でも日本って対魔使った人捕まえましょうって今言ってるわけじゃないですか。
言ってますね。
なんでなんでしょうね。
でオープニングでやったみたいに、それってエビデンスで語れてるかとか、
そもそもそれを作った規制を守るためにそれをしてしまってるんじゃないかとか、
そういう運用になってるんじゃないかってやっぱちょっとどっかで考えさせられるよね。
なんかこう、世界がみんなでチャレンジして、そりゃ失敗もするし、
でも失敗したらやり直すとか、違うやり方試してみるとか、なんかそういう風になってほしいですよね。
だってウォーンドラックスももう失敗ですねってはっきり言ってからもう10年以上経ってると思うよね。
やっぱりさ、これ薬物戦争って言ってるけど、一般の戦争も始めたらやめ方って難しいじゃん。
いやそうですね。本当にそうですね。
それと一緒なんじゃない。やっぱりどうやって落としどころを見つけるかっていうのがなかなか難しい。
それあれですね。マリアマさんがどんどんやめ方をこの国に対してご提案するといいですね。
やめ方ですか。
難しいこと言うなもう。
頑張ってほしい。
はい。
さてここで犯罪学をもっと身近に感じてもらうために、犯罪学の観点からエンタメを見ていきたいと思います。
はい。今日のおすすめはThe United States vs Billie Holidayです。
The United States vs Billie Holidayは、プレシャスや大統領の執事の涙のリー・ダニエルズ監督が、1959年に44歳の若さでお亡くなりになったアメリカジャズ界の伝説的歌手、ビリー・ホリデーを描いた電気ドラマです。
人種差別を告発する楽曲、奇妙な果実を歌い続けたことで、FBIのターゲットとして追われていたエピソードに焦点を当てています。
日本では2022年に劇場公開されました。
ちなみに原作が、麻薬と人間、100年の物語、薬物への認識を変える衝撃の真実っていう2021年に作品社から出版された本の第一章なんですね。
分厚いんですけれども、今日は丸山さんが話してくださったようなこともいっぱい書かれてて、すごい読みやすい本なんで、ちょっと分厚さ若干ひるむんですけど。
手に取るときね。
でもとても読みやすい本なので、併せてお勧めしたいと思います。
それこそさっきのウォンドラックスを始めた、一人でも言えるんじゃないかなと言えるような、さっきのハリー・アンスリンガーですね。
彼が徹底してタイマーと戦っていくってときに、やっぱり目をつけたのがジャズミュージシャンであったりとか、特にこのジャズシンガーだったビリー・ホリデーですよね。