<トークテーマ>

・ラベリング論とは?

・ハワード・ベッカーについて

・時代や国によって行動の見方が変わる

・セレクティブ・サンクションについて

・レッテル貼りが人に役割を与えてしまう

・4D(フォー・ディー)政策について

・クリティカル・クリミノロジー(批判的犯罪学)について


<犯罪学の視点から語るエンタメ作品>

『シザーハンズ』


<イベント情報>

“丸ちゃん教授のツミナハナシ課外授業”

第1回「刑務所の歩き方」

日時:10月30日(月)19:0020:15

場所:本の長屋(東京都杉並区高円寺北3-8-13)

参加費:500円(「無罪手ぬぐい」がついてきます!)

申込方法:saitoh@genjin.jpまでご連絡ください。


<刑事司法未来>

https://cjf.jp/


<Twitterハッシュタグ>

#ツミナハナシ


<メッセージフォーム>

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サマリー

彼は無意識に人々にレッテルを貼ったり、社会がこうでなければならないと決めつけることがあります。そのようなレッテル貼りやラベリングの話について、彼は今日話したいと思っています。警察や裁判所によるレッテル貼りは、次の犯罪や逸脱を引き起こす可能性があるとされています。しかしながら、ラベリング論の発展により、犯罪学はさらに進歩し、批判的なクリミノロジーやレッテル貼りに反対するムーブメントが生まれました。彼は、周囲の決めつけやラベリングが人々の関係性にどのように影響を与えるかを考えさせられました。

目次

ラベリング論の起源
ところで山口さん、山口さんってやっぱり人にレッテル貼って決めつけたりしますか?
やっぱりっていうのもちょっと聞き捨てならないんですけど、そんな人にレッテル貼るとかあります?
そりゃそうなんですけど、割と人って無意識のうちにやっぱりこう人にレッテル貼ったりとか、町ってこういうもんだよねとかって思ったりしがちで、
例えば僕結構シカゴで命の危ない目にあったりした時があるんですけど、ただそのシカゴの真ん中の都市というよりはスラム街の人がむちゃくちゃ優しかったっていうことがあって、
なんかこう決めつけるのってやっぱダメだなと思ったことがあったんですよね。
確かにスラム街の人って聞くと勝手に怖い人とかってイメージしがちですけど、そういうことってありますね。
無意識に人にレッテル貼ったり、やっぱり社会がこういうものだって決めつけているようなことって結構あって、
それが犯罪学でも有名な議論になっていきますので、今日はそういうレッテル貼りとかラベリングの話をしたいと思います。
丸ちゃん教授の罪な話、市民のための犯罪学。
刑事政策・犯罪学を専門とする立証大学教授で、一般社団法人刑事司法未来の丸山康博です。
同じく刑事司法未来の山口由紀です。
このトーク番組は、一般社団法人刑事司法未来が送る、これまでとは異なった視点から罪と罰を考えるものです。
ニュースでは聞けない犯罪学刑事政策の話について、分かりやすく解説をしていきます。
お堅いテーマですが、なるべく親しみやすい形でお伝えできればと思います。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
レッテルってすごいよく聞く言葉で、ネガティブな方向に強い言葉っていうイメージがあるんですけど、
さっきの丸山先生のスラム街のお話のように、確かに知らないうちに人にレッテル貼ったり決めつけたりすることってよくあることですよね。
そうなんです。これって犯罪学の分野でも結構議論がなされていて、従来からずっとアメリカで犯罪学が発展していく中で、
実はそういう人の決めつけによっていろんな現象が起きてるんじゃないかっていう見方も出てきて、それが次の犯罪を生むんじゃないかとかいろんな議論が出てくるんですけど、
これって今回なんでこんな話をしたいかっていうと、実は18回目の最後の方で映画のボーイAを取り上げた話の時に、
人はこういうふうに犯罪者になるんだよっていうのはラベリング論が作っていったような議論の流れなんですけど、
実は人はこういうふうに社会復帰をするもんだっていうのを決めつけているのも人なんじゃないかっていうようないろんなラベリング論がどんどん発展していく話を18回目ではやったので、
今日はその元になっているラベリング論の話をしたいと思っています。
ラベリング論の理論と展開
先ほどからラベリング論という言葉がよく出てきてるんですけど、そもそもラベリング論っていうのはどういう理論なんでしょうか。
これは一時期ですね、むちゃくちゃアメリカでも流行って、日本でも流行っていくんですけど、先にアメリカでは60年代70年代を中心に盛んに議論されていくんですね。
で、例えば人はこういうものだっていうラベルを張られることで、実は周りがそれを期待してしまうし、その人自身もなんならその役割を担っていくように進んでいくっていうような話なんですが、
これが出てきた当時っていうのはラベリング論とか理論って言われてたんですけど、今はもうちょっとこう話が進んでて、セオリーっていうよりはそういうものの見方を巻き起こす議論だったんじゃないかっていうことが多く言われてます。
例えばラベリング論を語っている学者ってものすごくたくさんいたんですよ。ものすごく流行ったんだよ。これアメリカだけじゃなくて日本でもなんですけど。
ただその有名な学者さんってたくさんこの時期いるんですけど、やっぱり取り上げて言わないといけないっていうのはハワード・ベッカっていう人がアウトサイダーズっていう本で言ってるんですけど、この中でとんでもないかっこいい一文が出てくるんですね。
これで何を言ってるかっていうと、社会集団はこれを犯せば逸脱となるような規則を設け、それを特定の人々に適用し、彼らにアウトサイダーのレッテルを貼ることによって逸脱を生み出すのであるってこう言ってるんですけど、これ何言ってるかちょっと文字見ないで聞いてもなんじゃそれって思うかもしれないんですけど、
この一文の中にこの人どんだけすごいこと言ってるかって言ったら、3つヤバいこと言ってるんですよ。今言った一言の中に。で、例えばこれを犯せば逸脱となるような規則を設けって言ってるんですけど、これって自然にあるんじゃなくて、これやったらあかんよって実は人が作ってるんだっていうことをまず言ってるわけです。作られるものだっていうことですね。
で、もう一つはそれを特定の人々に適用しって言ってるんですけど、これが全員に適用されてるんじゃなくて、ある一定の決められた人たちにセレクティブに適用されてるんだっていうことです。で、もう一つは最後ですね。アウトサイダーのレッテルを貼ることによって次の逸脱を生み出す言うとるんですよ。この一行の中に3つのヤバいこと、やっぱり天才って短い言葉の中にすごいいっぱい込めてくるんですけど、こうありたいですよね。
まさかの開始。
なんか人が規則を作るところまではそうだよなっていうところもあるんですけど、特定の人々に適用するっていうところがちょっとここで選ばれてる、自分がそれに入るのか入らないのかってすごい重要だし、そこに入ってしまうとまた次のラベルを貼られる循環のベルトコンベアみたいなのに載せられるみたいなことで、一度レッテルを貼られるとどんどん。
言葉書きされていく感じが怖いなって思いました。
これせっかくなんで、その言った3つの指摘ちょっと説明していこうかなと思うんですけど。
例えば自然にあるんじゃなくて人が作り出すって言ってるんですけど、これって時代とか国とかが変われば客観的に見れば全く同じことをしてるにも関わらず、米称えられる時もあれば逸脱とか犯罪者として違った方向に見られることとかあって、例えばですよ。
昔でいくと一人の人を一途に愛し続けるとかずっと好きなんですとかずっと愛しているんですっていうのはピュアな純恋愛のようなストーリーで語られる時もあるんですけど、ただね山口さんなんか今の年齢な手ですよ。何のせいかは言わないですけど、小一の頃からずっとあなたのことが好きだったんですとかって言われたらえーって思いますね。
でしょ。なんか一途にずっと愛し続けてたなんか純恋愛なんじゃなくて嫌嫌嫌ってなるでしょ。
セレクティブサンクションと社会の変容
そうですね。いくら小学校1年生の時に私がその人のことを好きだったとしてもちょっとえーって。
これってだから時代ってものの見方で今で言うとこういうのってほらなんかもうストーカーっていうようなものが考えられるようになってきたり、気持ちの表し方とかがちょっとずつ時代とともにですよ。見方が変わってきて。
で、これはちょっとなってこれって実はずっと一人を好きでい続けるっていうその客観的行動は何も変わってないんですけど、それが周りの価値観とかでこう変わっていくものなので実は同じことやってても周りがこれを犯罪化とかこれはもっと純恋愛だって周りが決めてるんじゃないかっていうのがこのラベリング論の考え方のスタートなんですよ。
確かにこの結婚した相手が小学校の時から好きだったんですっていうのってすごい素敵ってなるんですけど、全然そういう結婚相手とかではない同級生に小学校の時からずっと好きですって言われるとそういう感情になっちゃいますね。
で、これも次のセレクティブサンクションにかかっていく話なんですけど、実は山口さんも小一の頃からずっと好きだったんですって言ったとするじゃん。今もですよ。で、これはワッていう方に行くでしょ。
そうですね、運命が。
運命じゃないかってなるでしょ。それがやっぱりこう人によっていろいろ変わっていくんじゃないかって実はもうちょっと深い話をしていくとセレクティブサンクションってなんか例えばですね超優秀なA君でものすごく毎回先生から褒めたたえられてクラスのみんなからワーって盛り上げられているA君と常に不良で悪いことばっかりするB君が全く同じ日に全く同じ宿題をやってこなかったとするじゃないですか。
その時に先生が全く同じ怒り方するか注意をするか客観的にはそう見えてもちょっと微妙にA君とB君で対応違うんじゃないのっていうことが起こり得るんじゃないっていうのがこのセレクティブサンクションなんですけど、そんなことあります?経験で。
ありますね。小学校の時とか私は割と優等生だったので、忘れ物をしても隣の人に見せてもらってねって言われるくらいだったんですけどちょっと遅刻してきたりとか友達と喧嘩をばっかりするような男子は忘れ物しただけですごい怒られて隣の人に見せてもらうとかいう次元ではなく10分15分ぐらいその子が怒られる時間みたいなのがあったりとか。
キツイね。そうね。でそのセレクティブサンクションはやっぱり何言ってたかというと実は何をしたかじゃなくて誰がしたかってところがポイントになってくるってことの指摘なんです。さっきのハワードベッカーのやつって。で誰がしたかによって周りの人の反応が異なる可能性があるこれがセレクティブサンクションって言うんですけどこういうのって例えばまあサンクションに限らずですけどさっきのねずっと好きあった話でも変わるみたいに例えばですよ
耳を澄ませばっていうねたくさんの方が好きな映画があるわけなんですけどあれってなんかこうピュアな恋愛ストーリーがずっと繰り広げられるんです。であれの出会いって何やったって言ったらさ主人公の女の子がですよ借りていく借りていく本の先に絶対借りている奴の名前が載っていてこれ誰やねんって気になってて実はなんかね同じクラスの男の子が話が進んでからわかるんですけど実はずっと好きでこいつが読みそうな本を片っ端から借りていって近づくことしてたっていうこれ見方によっては
なかなかえへって言うとこなんですけどあれはほらなんかピュアな恋愛話として彼だから許されるというかむしろ彼だから植えるかもされたというかっていうこう素敵な話になっていくんですがこれももしかしたらセレクティブサンクションによってはえへっていう風にとらわれることもあり得るんですよ
あのキャラだからすごい美なんですけど違う見た目のキャラだったらホラーになっちゃいますよね
という時もあり得るでしょ
でこれはちょっと冗談のような話なんですけどもう少し真面目な犯罪に関する話でいくと同じ行為であっても通報されやすい人と通報されにくい人とか職務質問されやすい人とされにくい人みたいな違いが出てきてて
これ結構セレクティブサンクションで言われる大問題なとこなんですけど例えばアメリカの刑務所の人種的にどういう人たちがたくさん入っているかというとやっぱりアフリカンアメリカンいわゆるブラックって言われるアフリカンアメリカンの人たちが比率を多く占めててその次にヒスパニック系とかだから本当は街の中で白人の人とかも同じような比率でやってたとしても
職質かけられやすいとか逮捕されやすい何なら刑務所に来やすいっていうのは実はセレクティブサンクションの結果なんじゃないかっていうふうに言われてるんですよこれってでも例えばですよ
指摘されているのは結構アメリカの研究で出てくるのはザコップスっていうね番組あってアメリカ版警察24時みたいなやつなんですけど
うちの学生もむっちゃ好きって言って警察憧れますって言ってる学生たちが見てるっていうのもある一方で実はサブリミナルのようにそういうのを逮捕するっていうのを繰り返し見せることで実は無意識にそういう人たちに対するラベリングが起きてるんじゃないか
で例えばそのアメリカの番組だと白人の警察官が黒人の被疑者を逮捕するっていうシーンがひたすら出てくるんですねっていうのが繰り返されるとこういう人たちってこういうことするんじゃないかって植え込まれてったりとか
で日本でも何かそういう一定限られた犯罪類型をずっとこう放送することでそういう偏見が生まれてしまうんじゃないかって言われるような指摘もされてるんですこれが何かこうセレクティブサンクションに繋がっていくみたいな話ですね
確かに怪しい人ってそういう警察24時みたいなのを見て植え付けられてるし
触出される人って決まって同じ人が何回もされたりされない人がされなかったりとか何でだろうと思ってたんですけどそういう理論が後ろにあって
ちなみに山口さんって人生どれくらい触出されてます?
ゼロ回 ゼロ回なんすか
パトカーとかにガン飛ばしたら触出されるって聞いたことあるので
やってみた 一回 嘘やんおもろいやんほんで
めっちゃ見てみたんですよそしたらウィーンって窓が開いて気をつけて帰ってくださいってウィーンっていう
レッテル貼りによる逸脱
それでも気を使ってくれて困ってる人やと思って一応声かけてみて助けてくれっていうか試されたんじゃない?むっちゃいい警察の話やんそれ
そうですねちょっと触出されようとしたことを
されてみたいなって
任意ですか?とか言ってみたかったんですけど
答える義務はありませんとかって
お呼びでなかったみたいな
なるほどでさっきのハワードベッカーが言った論の3つ目
レッテル張られることがさらに次の犯罪を逸脱を生み出すんだっていうところこれもまた面白いところで
なんか人って求められる役割を演じるというかその役割に進んでいくということが言われていて
例えばですよ最近の学生これなかなか通じないんですけど拘束破るとか
定学処分を受けるようなことがあった時に何日かを定学して学校来ないと
例えば僕と山口さんが同級生としてで最近3日間ぐらい丸山君見ないけどどうしたんやろうってなって
えっちょっと山口さん知らんの?丸山君学校の中でタバコ吸ってるの見つかって3日間定学してんねんでってなった時に
3日後4日後かに来た丸山君がどんな風に来てほしい?
それはもう学欄のボタンを全開にして中に一番とか書いた赤いTシャツを着て頭ツンツン刺してきてほしいですね
一番ってTシャツ着てくんの?なんか外国の人が持ちそうな日本のイメージやけど
だから普通にさビシッと制服着てくるっていうより今やあんのかどうか分からんけどボンタンと呼ばれる
ボカボカのやつとかなんかペラペラの靴履いてくるとか
ペラペラの靴
けっつって薄いカバンに鉄板だけ入ってるみたいな
いわゆるヤンキースタイルみたいなんで来てほしいやん
授業に出てても一番後ろの窓側とか座って
けっ買ったらいいなとか言いながら授業に出たとしても普通は出えへんし
なんなら体育館裏でタバコ吸ってそうな感じやけど
っていうのを求める
この問題分かる人とかってはーいとかって手挙げる定学後の丸山君は求めないでしょ
そうですねタバコ吸わないですもんねそんな
はいとか有効感ね
でしょでそれってそういう役割をみんな求めるし
なんならその不良行為がかっこいいなとか思う同級生とかなんなら異性とかも出てくるし
みんなが求める役割っていうの出てくるんですよ
でさらにその方向に進むって言われているのがこの3つ目の論点っていうことになります
確かに演じるってあるなーって思いました
私も小中のキャラと高校入ってからのキャラって
キャラ変したわけ
求められるキャラが違ったのでキャラ変しました
何をどう変えたのちなみに
小中はさっきもあったように高校行くために至って真面目に
面白いこともたまにしか言わない
さっきの触出されたいなって時も高校ぐらいの時の話
それはですね大学院の時ですね
大学院で初めてやったわけ?幼くないそれ?
ちょっとあまりにもみんなが見てたら触出されるよって言うんで
じゃあやってみようかということでやってみたら失敗しました
冒頭の方でラベリング論がアメリカで流行ってたっていうお話だったんですけど
ラベリング論の発展
それが何か影響を与えたことってあったんですか?
これ実際に政策上活かされていくっていうのがあって
これ4D政策のDですね
DACのDですね
の4D政策っていうのが実施されていくんですけど
これが刑事司法機関はなるべく不介入であるべきだと
手をかけたり気にしていく
レッテルが払われるほどこういうふうに進んでしまうんだっていう議論が起きたので
なるべく不介入でいるべきだっていうので
4D政策4つのD政策だって言ったんですけど
さっきその何のDかっていうのだけ一個ずつ説明しますけど
まずは最初はDクリミナライゼーションと言われる非犯罪化すべきだと
なるべくもうノータッチでいろうと
どんどんどんどんこの行為もあの行為もダメダメダメっていうんじゃなくて
なるべく答えを話そうぜっていうようなDクリミナライゼーションのDですね
もう一つはDインスティテューショナライゼーションって非施設化
なるべくもう囲い込まずに施設とかに入れずに
自由に社会にいたほうがいいよっていうことですね
3つ目がディバージョン
日本語ではダイバージョンって言われるやつなんですけど
これもなるべくなら早い時期に
刑事司法のルートから外してしまえっていうのがダイバージョンって言われるやつで
最後はデュープロセス
法学部の学生ならよく聞く適正手続きなんですけど
一個ずつ話していくと
このラベリング論が流行る時期って
ちょうどアメリカでもこの後日本でも来るんですけど
社会復帰思想というか
人に丁寧に犯罪をやる人にも丁寧にすると
より再犯防止に役立つんじゃないかとか
人道的にどんどん進んでいく時期なんですよ
これは今までの原罰かとか非人道主義
劣悪な環境に入れておけみたいな時代からは進んだんですね
進んだんだけど
あれもこれも手をかけて
丁寧に接するべきだ
それはその通りなんだけど
ただこの時の社会復帰思想と同時に
メディカルモデルっていうのも流行っていて
メディカルモデルって基本的に何を言ってたかっていうと
犯罪者は病人だし
犯罪自体は病気だと
だからこれが治るまで丁寧に対応すべきだっていうような
これがさっきの非人道的なものから
より科学的に人道的に進んでいくっていう
良い一歩を踏み込んだんですけど
ただこの人がいつ解放されるかっていう話になってくると
病気って医者が治ったって言ったら
病気が治ったことになるでしょ
この時の病気が治るって
再犯しないとか犯罪行為をしないってことが
イコールになってくると
じゃあこの人いつ犯罪しいのっていうのって
結構判断難しいじゃないですか
これは裏表で丁寧に接しようとすればするほど
この人たちを長期に抱え込むことになってしまって
だって先に起きる犯罪の判断って
なかなかできないわけじゃないですか
第12回で語った
カッコの巣の上での時にもちょっと語ってるんですけども
この病気がいつ治ったんだっていうのが
判断するまで丁寧にしようとするがゆえに
長期間抱え込むっていうようなものが出てきたので
じゃあなるべくそういう抱え込まないでっていう話が
同時に進んでたんですね
っていうの中で
非犯罪化とか非施設化
施設になるべく入れないでおこうっていうのは
実は丁寧にやってるようで
そっちの道に進めてしまうんじゃないかってことを
ラベリング論が指摘したわけだから
なるべくそれは手を出さないと
で同じ流れなんですけど
さっきのダイバージョン
リバージョンのDっていうのは
ダイバートってそもそもイメージとしては
木の枝が分かれていくイメージなんですよね
で犯罪が始まって
警察があって
で検察庁があって
で裁判所があって
刑務所があって保護観察所って
一本の流れの木があったとしたら
枝分かれしていく
木のイメージをしてもらって
なるべくなら
最後の最後まで進んでいくよりは
警察の段階で横に流しちゃうとか
検察の段階でも不寄層にしちゃうとか
裁判所でもしっこ言うで横に流しちゃうとか
なるべく枝分かれで外に早く出したほうが
例えばあの人警察に報道されたらしいよとか
家庭裁判所に行ったらしいよとか
少年勧別所に行ったんだってとか
少年院に行ったんだってとか
刑務所に行ったんだって
こうなんか進んでいけばいくほど
ここで張られるレッテルって
刑務所から帰ってきたんですよのレッテルと
家庭裁判所に行ったんですよのレッテルとか
全然違うでしょ
ってなってくると
なるべく早期の段階で横に流した方がいいんじゃないか
っていうのがダイバージョン
批判的クリミノロジーとレッテル貼りに反対するムーブメント
支援もしないっていう
そうそれが実はまた裏表で
良い面と悪い面この4D制作っていうのを
引き起こすんだけど
それまで例えば良かれと思って介入していたことが
さらにレッテル貼ってしまうんじゃないか
っていう議論が起きたわけですよ
ってことはですよ
夜のゲームセンターを見回る生活指導の先生とか
祭りで無茶してへんかっていうのを
回ってくる地元の先生とか
何時だと思ってんねえ
とかって学生のため思って
なるべくならそういう絡まれたりとか
もっと年上のやばい人にカッツ上げされへんようにとか
こう見守ってくれてる先生なんだけど
それ一方で手をかければかけるほど
なんかあの子悪さしたみたいよとか
定額受けるようなことしたみたいよ
っていうレッテルを貼ることも同時に起きてしまうんで
これ結構議論が起きたっていうことですね
そうですね確かに良かれと思ってしてくれてるんでしょうけど
そこで報道とかされると
一気に不良のレッテルが貼られちゃいますよね
4D政策以外にこの後
ラベリング理論はどのように発展していったんですか
この政策上はそういうふうな運用
さっきの4D政策みたいになったんですけど
学術的にはここからどんどん発展していって
例えば18回目で話してた
社会復帰って何なのかっていうのも
人が決めているんじゃないかとか
もっともっとラベリングから発展していくって言われてるのが
批判的クリミノロジー
クリティカルクリミノロジーって言われるような
ニューウェーブですね
が来て
実はやってることは常に同じ行動なのにも関わらず
人がどういうふうに反応してるか
それによっていろんなものが変わってるんじゃないか
っていうような学問がどんどん進んでいくっていうのがあったりとか
もう一方はそうやってレッテルを貼られてる側が
勝手に貼んなよっていうムーブメントも出てくるんですよ
例えばブラック・イズ・ビューティフルとか
アフリカ・アメリカに対する差別を
レッテル貼ってんのマジョリティだったんですけど
いやこれこそが美しいんだって
お前らが勝手にそういうレッテルを貼んないよみたいな
ムーブメントができてきたりとか
それを決めてるのはあなたですよねと
なんかよく言われる
ネット上で言われるようなが
もう少しちょっと科学的根拠を持って
でただ言い付けるんじゃなくて
それは反作用の問題であって
その現象を決めてるのは他のマジョリティ
マイノリティはこういうふうな活動してるみたいな
研究がどんどん進んでいくっていうのが
ラベリング論からガーンと発展していくっていうのが
面白いとこなんですよ
さてここで犯罪学をもっと身近に感じてもらうために
犯罪学の観点からエンタメを見ていきたいと思います
はい今回僕がお勧めしたいのは
ジョニーデップが主演のシザーハンズです
シザーハンズは1991年に公開された
ティム・バートン監督の映画です
純粋な心を持つ両手がハサミの人造人間
発明家の博士が救世したことで
彼は人里離れた屋敷で一人寂しく暮らしていました
そんなある日化粧品セールスの女性が彼の元を訪ねてきます
やがて彼女の自宅に迎えられた彼は
その家の娘に恋をするというお話です
でこの映画の前編にわたって
素敵なお話が繰り広げられるんですけど
ただ彼自身は行動パターンと実は変わってなくて
同じことを繰り返してただ心の綺麗な
人造人間というか手がハサミだっていうだけなんですけど
でこうみんなに受け入れられてってみんなに愛されてって
ただ急遽またみんなに怖がられたりとか
噂が流されてしまって
で彼自身はそんなに変わってないにもかかわらず
周りが受け入れたり排除したり
っていうような繰り返すっていうような
まさに本人は変わってないんだけど
ハサミのきっかけと学生へのメッセージ
周りが決めつけていくっていうようなものの代表作かなと思いますね
きっかけはちょっとハサミが当たって
傷つけちゃったことだったと思うんですけど
あれも手がハサミじゃなかったら
何事もなく変わることなかったんだろうなっていうのを思いました
よくね僕授業とかでも
みんなのためを思ってこれやっといた方がいいよとか
これをちゃんと押さえた方がもっと分かりいいよとかって
ちょっとショートテストしようかとかっていうと
えーっていう反応があるんですよ
優しさゆえにそれをやっていて
シザーファンズはただハグをしたいだけなのに
相手を傷つけてしまうっていうような
この気持ちを学生に言っても
まるでシザーファンズのようだねって言っても
みんな知らんしっていうのは結構繰り広げられますね
突然なんですけど南口です
こんにちは
こんにちは
今の丸山さんのその学生さんが
あまりこの映画をご存知ないっていうのがショックすぎて
登場したんですけど
この映画で描かれている人を思う気持ちというのは
もう私が今まで見た映画の中で一番美しいと思ってて
だから丸山さんぜひ学生さんにも絶対見るように
言って欲しいと思ってきました
これすっごく美しい映画だと思います
以上です
伝えたかったんですね
これはジョニーデイプが聞いて
ぜひ南口に会いたいって言ってくれたらいいですね
じゃあ私もぜひ
あのもう本当に雪の中で舞うシーンが
人を愛おしく思うという気持ちの表現として
こんな美しいものないとずっと思ってるんです
以上です
お邪魔しました
映画『オートファジー』とラベリングの危険性
ありがとうございます
今日はラベリングのお話だったんですけど
冒頭に私そんな人にレッテルなんか
貼らないでしょうって言ったんですが
よく考えてみれば日々何か定義付けるというか
ラベルを貼っていることがあるなっていうのも感じましたし
そのラベルを貼るっていうのは
私たちがしていることで
その貼られてしまった人は
何ら変わっていないっていうことがあるということ
レッテルを貼るっていうことの危険性
何か決めつけて
目測でものを考えてはいけないんだな
っていうことを感じました
はいこれ今日紹介したのは
ハワードベッカーのアウトサイダーズだけだったんですけど
さっき見たとおり
むちゃくちゃ流行った理論なので
いろんな人がラベリングの問題とか危険性とか
どこからどう発展していくのかって
いろんな学者が言っているので
今日のこれを聞いて
もっとラベリングを勉強したいなと思った人は
いろんな文献を読んでもらえたら嬉しいなと思ってます
私もぜひ読んでみようと思います
ぜひ
さてこの番組では
感想や質問リクエストなどを待ちしております
番組詳細欄にあるリンクより
お気軽にご投稿ください
Xではカタカナでハッシュタグ
罪な話をつけてポストしてください
ここでお知らせがあります
なんと対面でイベントを開催することになりました
イェーイ
イベントは2023年10月30日月曜日19時から
公演時の本野永谷さんで行います
これ今まだ予定なので
今後Xで我々をフォローしていただいて
詳細を追っていただくか
もしくは刑事司法未来のホームページで
発信していくと思いますので
それをご確認ください
よろしくお願いします
番組にお便りをいただいているので
紹介したいと思います
ハンドルネームスーパーみなみさんから
初めてメッセージを送ります
刑務所の歩き方の話がとても面白かったです
昔ネットフリックスで見た
潜入ドキュメンタリーの印象で
海外の刑務所は怖くて
無法地帯だというイメージが変わりました
特にノルウェーの刑務所の話は
とても興味深かったです
丸山先生をはじめ
皆様がこれまで経験してきたことを
もっと話してほしいです
ありがとうございます
ありがとうございます
もういただいているお便り全部読んでます
こういうの本当に嬉しいです
私たちの話で
これまで持っていた印象が変わったとかいう
お話いただくととても嬉しいです
ぜひ友達にも広めていってください
丸山先生に解説してほしいエンタメ作品がありましたら
番組詳細欄にあるリンクよりご投稿ください
配信のない火曜日
毎月第1第3火曜日の夜9時30分から
Xスペースで罪な話で裏話を開催しています
ポッドキャストで話しきれなかった内容や
スペースに参加してくださった
皆さんの質問にお答えしています
こちらのご参加もお待ちしております
また私が所属する一般社団法人
刑事司法未来でも
犯罪学や刑事政策について発信しています
刑事司法未来で検索してみてください
それではまたお会いしましょう
お相手は丸山靖寛と山口由紀でした
27:51

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