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2026年度第12回(6月24日)国会
2026-06-25 18:44

2026年度第12回(6月24日)国会

今回の授業では、前回のSlidoでのアンケートに対する回答について振り返ったのち、日本国憲法における統治機構についての権力分立の仕組みや国会の役割について学びました。

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00:00
あの、ちょっと想像してみて欲しいんですけど。
はい、なんでしょう?
あなたがですね、イギリスの港町、グリムズビーっていう町の漁師だとしてみてください。
え、漁師ですね。
で、ある時、海外の漁船を追い出して、自分たちの海を取り戻せるって、固く信じて、ある政党に一票を投じたとしますよね。
なるほど。まあ、切実な願いですよね。
ええ。で、結果的に、あなたの応援した政党は見事に勝利を収めるんです。
それは良かったじゃないですか。
と思うじゃないですか。でも4年後、町の市場で競りに賭けられているのは、なんと全て輸入された魚ばかりなんですよ。
ああ、なるほど。
勝つ側に投票したのに、現実は何一つ変わらなかったどころか、むしろ悪化しているっていう。これって一体どういうことだと思いますか?
いや、まさにですね、私たちが無条件に信奉している民主主義の、非常に残酷で示唆に富むパラドックスをついていますね。
そうなんですよ。なんか、自分のたった一票なんて、結局何も変われないんじゃないかって。
ええ。
もしあなたが、選挙の度にそんな無力感とかモヤモヤを感じたことがあるなら、今回の徹底深盛りは間違いなく、あなたのためのものです。
はい。今回積み上げたソースは、本当に滝に渡りますからね。
そうですね。大学の日本国憲法の講義の区から始まって、イギリスとか日本の選挙制度の歪みをつくBBCのレポート。
あとは日本の法律ができるまでの複雑な裏側のプロセスまでですね。
はい。これらを徹底的に解剖して、私たちが当たり前だと思っている民主主義システムの正体を暴き出していくのが今回のミッションです。
ええ。一見するとバラバラに見えるこのソースなんですけど、浮かび上がってくるのは、ルールそのものが抱える構造的な欠陥と、それでも私たちがこのシステムを手放せない理由なんですよね。
いや、本当にワクワクします。早速なんですけど、まずは根本的な問いからぶつけさせてください。
はい。どうぞ。
正直なところ、私は選挙の度に行く意味あるのかなって思っちゃうタイプなんですよ。
まあ、そういう方は多いですよね。
例えば、日本の現状を考えると少子高齢化が進んでいて、若者は圧倒的に数が少ないじゃないですか。
ええ。人口動態的にそうなっていますね。
いくら若者が全員頑張って投票所に足を運んでも、絶対的な人口比率という数学には勝てないですよね。
確かに。
なんか、大きな海から小さなスプーンで海水を汲み出して空っぽにしようとするようなものすごい無力感があるんです。
ああ、そのスプーンで海水を汲み出すという感覚、すごく適応していると思います。
本当ですか。
実は、提供された抗議ソースの中でも経済学者の成田雄介氏の言葉を借りて、同じことが明確に指摘されているんですよ。
え、そうなんですね。
ええ。彼は冷徹な現実として、少子化が進む国では若者は構造的に超マイノリティであると。
03:02
はい。
だから、投票行動だけで結果、つまり数値を上くることは、数学的にほぼ不可能に近いと述べているんです。
ですよね。やっぱり、数字で勝てないことが最初から確定しているゲームに、わざわざ時間を使って参加する意味ってあるんでしょうか。
そこで重要になってくるのが、同じ抗議資料で対比として紹介されていたある言葉なんです。
誰の言葉ですか。
ジョージ・フロイド氏の弟さんの言葉です。
彼は、「俺たちの声が届かないなんて考えば捨てて投票するんだ。」と、変革への熱い期待を語りました。
ああ、なるほど。理想主義というか、熱い思いですね。
ええ。でも、ここで興味深いのは、その抗議を受けた学生たちの反応なんですよ。
学生たちはどう感じたんですか。
彼らは即時的な変革を信じるほどナイーブではないけれど、かといって無意味だと切り捨てるほど冷めてもいませんでした。
ほう。
彼らが見出したのは、いわば第三の視点なんです。
第三の視点。えっと、理想でも現実への絶望でもないということですか。
ええ。それはプラグマティズム、つまり実用主義とプロセスとしての投票の意義です。
どういうことでしょう。
結論から言うと、彼らは投票を選挙で勝つためのツールではなくて、政治家に舐められないための戦略的かつ防衛的なツールだと再定義したんです。
ちょっと待ってください。舐められないためのツール。勝てないのにどうやってプレッシャーをかけるんですか。
では、政治家の行動原理を想像してみてください。彼らにとっての一条命題って何だと思いますか。
えっと、まあ、次の選挙で落選しないことですよね。
その通りです。もし若者がどうせ勝てないからといって投票を完全に放棄したとしますよね。
はい。
すると政治家はデータを分析して、この年代はいくら無視しても自分の投落には一切影響しないなと合理的に判断するわけです。
なるほど。票にならないならサービスする意味がないと。
そういうことです。結果として若者に不利な政策ばかりが平気で打ち出されるようになります。
うわ、それは困ります。
そしてそれに絶望した若者がさらに政治から遠ざかる、この負のスパイラルに陥るわけです。
ああ、なるほど。
だからこそ勝敗の数値以前に、我々はここにいてお前たちの政策を見張っているぞという存在証明のシグナルを送ることに意味があるんです。
つまり、勝つためじゃなくて無視させないための防衛策なんですね。
まさにその通りです。
でもそれなら私はもっと手っ取り早い解決策があると思うんですよ。
ほう、どんな解決策ですか?
投票率を強引に100%に近づけてしまえばいいんじゃないかって。
強引にですか?
ええ。例えばオーストラリアみたいに義務化するのも手ですけど、私が提案したいのは飴です。
飴、つまりインセンティブですね。
そうです。投票に至るその年の所得税から1回2千円を控除する。
06:03
なるほど。
これなら2千円もらえるなら絶対行くってなりますよね。政治への関心も一気に高まって最高じゃないですか。
非常に興味深いアイディアですね。実はそれまさに抗議ソースの中で憲法的なストレステストとして全く同じ架空の政策案が議論されていたんですよ。
えっと本当ですか。
ええ。一見すると投票率低下を解決する合理的な魔法のインセンティブに思えるかもしれません。
はい、みんなハッピーになると思うんですけど。
しかし憲法の観点からこのシステムを分析すると3の深刻なバグが住んでいることが分かるんです。
バグですか?
まず一つ目は自由の侵害です。
自由の侵害?
ええ。日本国憲法15条が保障する賛成権はあくまで行使できる権利であって強制されるものではありません。
まあ権利は権利ですよね。
さらに19条の思想及び良心の自由の観点から見れば今の候補者には誰も賛同できないという理由で危険する自由もまた守られるべき重要な意思表示なんです。
ああなるほど。危険することも一つのスタンスだと。
そうです。そこにペナルティやインセンティブを課すことは国家による内面への不当な介入になり得るわけです。
確かに投票しないっていう自由を奪っちゃいけないんですね。
そして二つ目は平等原則の崩壊です。
平等じゃない?
はい。所得税から2000円を控除するってことはそもそも所得税を払っていない学生や非課税の低所得者はどうなりますか?
あ!
投票所に行っても一切の恩恵を受けられませんよね?
うわ、ほんとだ。
これは憲法14条の法のもとの平等や44条の収入等による差別の禁止に真っ向から抵触します。
若者の声を聞かせるために考えたアイディアだったのに肝心の学生は2000円もらえないなんてめちゃくちゃ不公平ですね。
そうなんです。そして極めつけが三つ目の逆効果のパラドックスです。
逆効果?
この制度が導入されると政治側はどう動くと思えますか?
投票率が上がるからみんなの方を向くわけじゃないんですか?
いや、彼らは確実に投票に来て税控除の恩恵を受ける層、つまり現役世代や高所得の納税者に向けてのみ、より強いアピールをするようになるんです。
最悪の悪循環じゃないですか。
投票率は上げるためのアイディアだったのに結果的に政治家が役者や若者からもっと目をそけるようになるんですね。
その通りです。
しかもとりあえず2000円欲しいから一番上の人の名前に丸をつけるかみたいな人が増えたら、政治の質そのものが壊れちゃいますね。
まさにそこがポイントです。システムを無理やり効率化しようとしたり、経済的な飴と鞭を使ったりすることは、かえって憲法が守ろうとしている民主主義の根幹を破壊してしまう。
なるほど。
これは非常に良い教訓ですよね。
よくわかりました。お金で釣るような安易な解決策はダメだということですね。
はい。
でもだったら飴なんて使わずに今のルールのまま純粋に投票したとしましょう。
果たして今のシステムは私たちの声を正しく反映できているんでしょうか?
09:03
と言いますと?
正直冒頭でお話ししたイギリスの漁師の話がずっと引っかかっているんです。
グリムズビーの漁師の話ですね。ここからが世界中の民主主義が抱える歪みの革新に入っていきます。
歪みですか?
はい。BBCのレポートがイギリスの小選挙区制の恐ろしい現実を報じているんです。
小選挙区制。
小選挙区制は英語でファーストパーストザポースト、つまり一着のみが勝つと呼ばれますが、このシステムがどう機能するか数学的に考えてみましょう。
はい。お願いします。
ある選挙区でA候補が35%、B候補が33%、C候補が32%の票を得たとします。この場合、当選するのは誰ですか?
それはもう一番多く票を取ったA候補ですよね?
そうです。しかし裏を返せば、残りの65%の有権者はA候補には任せたくないと意思表示をしたのに、彼らの声は国会において完全にゼロとして扱われるということです。
ゼロですか?
ええ。実際BBCのデータによると、2019年のイギリス総選挙では、なんと投じられた票のほぼ半数に当たる1400万票が落選した候補者への死票になってしまったんです。
ちょっと待ってください。1400万票がゴミ箱行きになったってことですか?
そういうことになります。その結果、全国でわずか37%の得票しか得ていない保守党が過半数の議席を獲得する一方で、UKIPという政党は全国で13%も得票したのに、たった1議席しか取れませんでした。
え?それってバランスおかしくないですか?
おかしいですよね。冒頭のグリムズビーの両氏たちも、こうしたルールのマジックの中で、自分たちの利益を代弁してくれない巨大政党に飲み込まれてしまったわけです。
それって、制度として完全に破綻してませんか?これイギリスだけの話なんですか?
いえ、BBCは日本の長期政権の背景についても、全く同じような構造的な歪みを指摘しています。
日本でもですか?
はい。例えば日本では、農村部へのインフラ投資によって強固な地盤が作られていますよね。
ああ、よく聞く話ですね。
さらに、選挙運動での個別訪問が禁止されているため、毎晩テレビニュースに出るような現職の候補者が圧倒的に有利になるというルールの問題があります。
なるほど。
加えて、都市部の若者の1票の価値が農村部に比べて低くなってしまう1票の格差も存在します。
なんだか最初から、ディフェンディングチャンピオンにめちゃくちゃ有利な判定が設定されているスポーツの試合を見せられている気分です。
まさにそういう構造なんです。
いくら私たちが真面目に考えて投票しても、ルールそのものが特定の層の声を大きく覚醒するようにできているんですね。
そこで直面するのが、日本国憲法43条が定める全国民の代表という理想と現実とのジレンマです。
全国民の代表ですか?
ええ。憲法上、国会議員は自分に票を入れてくれた地元有権者だけの代弁者ではありません。
12:02
全国民のために職務を行うべきだ、という自由委任の原則があります。
はい、理屈としては分かります。
しかし現実は、今あなたが指摘したように構造的な票の偏りがあります。
政治家も人間ですから、選挙で勝つためには、どうしても自分を当選させてくれる特定の地域の利益に引っ張られざるを得ないのです。
なるほど。国民の代表であるはずの国会が、そんな構造的な歪みを抱えている。
ええ。
だからこそ、みんなうすうすそれに気づいていて、それが国会への信頼度にもろに現れているんじゃないですか?
そうですね。
今回のソースにあった18世意識調査のデータ、あれが衝撃的でした。
はい。裁判所に対する信頼度が約58%に達しているのに対して、内閣は約28%。
はい。
そして国会に至っては、たったの20%しかなく、7割以上の人が国会を信頼していないと回答しているんです。
7割もですか?
ええ。憲法41条では、国会は国権の最高機関とされているにもかかわらずです。
最高機関が一番信用されていないって強烈な皮肉ですよね。
本当にそうですね。
しかも今回のソースで、衆議院の法律ができるまでのプロセスを解説した動画がありましたよね。
はい、ありましたね。
あれを見て、正直されに不信感が湧いたというか。
と言いますと?
とにかくプロセスが非効率すぎるんですよ。
委員会で審査して、本会議にかけて、もし修正があったら、回復という手続きをする。
これ、回復って何なんですか?
回復というのはですね、例えば、衆議院で可決された法案が参議院に送られ、そこでたった一文字でもあるいはカンマ一つでも修正された場合。
はい。
もう一度衆議院に突き返して、最初から議論をやり直さなければならないルールのことです。
えっと、一文字でも?
ええ。最悪の場合には、両院協議会という調整の場まで設けられます。
やっぱり、今の時代、ビジネスならチャット一つでサクッと決まるようなことを、わざわざ突き返してやり直すなんて。
なんでこんなに非効率なんですか?もっとサクサク決められないんですか?
実はですね、その非効率さにこそ、三権分立の真の狙いが隠されているんです。
え?非効率なのが良いってことですか?
はい。憲法は国家権力を立法、つまり国会、行政、内閣ですね、そして司法、裁判所の三つに分割していますよね。
はい、三権分立ですね。
この目的はスピードや効率性を高めることではないんです。抑制と均衡、つまりチェック&バランスを働かせることなんです。
チェック&バランス。でも効率化悪いのは事実ですよね?
ちょっと考えてみてください。もしあなたが思いついた画期的なアイディアを、今すぐ法律にできる完璧に効率的なシステムがあったとしますよね?
はい。
それは便利かもしれませんが、もし悪意を持った人がそのシステムを握ったらどうなりますか?
あ、それってもしかして銀行の巨大な金庫の扉みたいなものですか?
15:03
というと?
あるいは核ミサイルを発射するときに、二人の人間が同時に別々の鍵を回さないと作動しないシステムとか。
おお、なるほど。
普段はすごく重たくてめんどくさいけど、誰かが勝手に暴走してスイッチを押すのを絶対に防ぐための意図的なめんどくしさというか。
まさにその通りです。完璧な比喩ですね。
本当ですか?
ええ。意図的にプロセスを複雑にして、機関同士の間に摩擦が生じるように設計されているんです。
なるほど。
なぜなら、権力がサクサクと動くということは、誰かの権利や自由をあっさりと奪い去るスピードも速いということだからです。
効率的すぎる権力は怖いということですね。
その通りです。国会への不信感は高いかもしれませんが、選挙を通じて私たち主権者がコントロールを試み、自己浄化していくための非常に重たくて頑丈な安全装置なんですよ。
そう言われると見方が変わりますね。ソースにあった2026年の政治タイムラインも、その摩擦の大きさを物語っていましたよね。
確認してみましょう。
1月に解散があって、2月8日に総選挙。そこから2月18日に特別会が招集されて、総理が指名され、20日に天皇陛下の御臨席の下で開会式が行われる。
新安位を反映してシステムを再起動するだけで、これだけの重厚なプロセスが必要なんですね。
それだけ国家権力を動かすということは慎重でなければならないということが現れなんです。
なるほど。さてここまで多岐に渡るソースを深掘りして見えてきたのは、民主主義というのは決してお金を入れてボタンを押せば欲しいジュースが出てくる自動販売機ではないということですね。
全くその通りです。
投票は多数決の単なるゲームではなくて、社会に自分たちの存在を意識させるプロセスそのものであること。
そして2000円の税額控除のような安易な飴やシステムの効率性ばかりを追求することは、かえって私たちの自由や民主主義の質を壊してしまう危険があるということでした。
そうですね。スプーンで海水を汲み出すような無力感を感じることは当然あると思います。
しかしそのスプーンを置いた瞬間に、あなたが存在しているという事実すらシステムから消え去ってしまうんですよ。
最初にお話ししたあの一票の無力感、もしかするとそれはシステムが正常に機能し、多様な声が複雑に絡み合って摩擦を起こしているからこそ生じる健全な重みの一部なのかもしれないですね。
非常に重要な視点だと思います。
さて最後に今回の深掘りを経て、あなた自身に一つの問いを投げかけたいと思います。
はい。
私たちが今日まがんだ選挙システムや国会のルールは、すべて住んでいる地域や物理的な選挙区をベースに設計されています。
そうですね。
グリムズビーの領主町も日本の農村部もそうです。
しかし現代の私たちは物理的な居住地よりもオンラインのコミュニティやSNSで国境を越えて価値観を共有する時間の方が圧倒的に長くなっていますよね。
18:07
確かに生活の実態は変わってきています。
果たして住んでいる土地ごとに代表を選ぶという今のシステム自体が時代の変化に追いつけなくなっているのではないでしょうか。
なるほど。
あなたならこのデジタル時代の未来の民主主義をどうデザインし直しますか。
物理的な制約を越えた時、誰が誰を代表するのか。これは次の時代の最も深いテーマになるでしょうね。
ええ。今回のソースがあなたの知的好奇心を刺激し、社会を見る解像度を少しでも上げる手助けになっていれば嬉しいです。
それでは今回の深振りはここまで。また次回お会いしましょう。
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