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さて、今日はですね、えーと、ちょっと驚くようなデータから始めたいと思います。
日本の皆さん、政府機関の中で一番信頼しているのは、実は裁判所だそうです。
次が内閣、そしてなんと一番信頼度が低いのが国会なんだそうです。
うーん、皆さんがこう選んだはずの代表が集まる場所なのに、これなぜなんでしょうかね。
今日は、このなぜの確信に迫るべく、イギリスと日本の制度を見比べながら、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
えー、今回お預かりした資料ですが、BBCやTBSのニュースから、憲法の教科書、それから大学の抗議記録まで、本当に幅広いですよね。
これらをつなぎ合わせていくと、単に制度がどう違うかというだけじゃなくて、
例えば、イギリスのEU離脱後の政治の揺れ動きですとか、
あるいは日本の政権が長く続きやすい背景にある構造的な理由とか、そういうもっと深い部分が見えてきそうですね。
面白そうですね。イギリスと日本のこの仕組みの違い、それが皆さんの政治への信頼感にどうつながっているのか。
早速ですが、掘り下げていきましょう。
まずは選挙制度から見ていきますか。
イギリスはファースト・パスト・ザ・ポスト、つまり小選挙区で一番票を集めた人が議席を全部持っていく、いわゆる勝者層取り方式ですね。
はい、そうです。
これすごくシンプルですけど、例えば2015年の選挙、保守党は得票率37%なのに過半数の議席を取ったとか、
得票率と議席数がかなりずれちゃうことがあるわけですね。
あと勝者以外に入った票は死票になってしまうと。
そうなんです。その点が指摘されますね。
これが劇的な政権交代を引き起こす可能性もあるけど、同時に国民の不満にもつながると。
まさにそのダイナミズムとそれに伴う反動というか、揺り戻しを示すのがTBSが報じていた両市長のグリムズビーの例ですね。
EU離脱を強く訴えたジョンソン元首相を当時は熱烈に支持したわけですが。
ありましたね。
不満が今度はファラジ氏が率いる新しい政党リフォームUKへの支持につながっている、そういう状況があるようです。
なるほど。勝者総取がそういう激しい変化とその裏にある民意の揺れを生むわけですね。
そういう側面がありますね。
一方で、じゃあ日本はどうかというと、衆議院では小選挙区比例代表並立制を採用しています。
これは候補者個人を選ぶ小選挙区と、それから政党に投票する比例代表、これを組み合わせることで、より多様な民意を議会に反映させようという考え方ですね。
なるほど。多様な意見を反映という意図はよくわかります。
ただ、いただいた資料を読むとですね、結果としてイギリスほどは政権交代が起こりにくいという指摘がありますね。
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そうですね。
特に地方と都市部の一票の格差の問題ですとか、あるいは特定の組織票がですね、今の自民党のような長期政権をある意味構造的に支えている面があるという見方も。
そういう分析はありますね。
安定しているとも言えるけど、変化が起きにくいとも言えるかもしれないですね。
そうですね。そうした選挙で選ばれた議員が集まる国会なんですが、その役割についての考え方にも少し違いが見られるかなと。
日本の憲法では国会議員は全国民の代表と定められています。憲法43条ですね。
これは自由委任の原則といって、特定の選挙区とか団体の意向に縛られるんじゃなくて、あくまで国全会の利益を考えて行動すべきだという大切な理念なんです。
理屈としては分かります。でも実際の選挙になると、地方の声を国会へ、これも必ず聞くフレーズじゃないですか。
そうですね。
この理想と現実のギャップみたいなものはちょっと気になりますよね。それに国会で議論される法案の多くが内閣、つまり政府が出してくる各法が中心で、議員さんが自分たちで作る議員立法っていうのはなかなか通りにくいっていう現状もあるんですよね。
はい、その通りです。
これも国会って本当に民意を反映してるのかなっていう疑問、ひいては冒頭の信頼度の低さにつながっているような気もちょっとしてしまいますね。
イギリスの場合も、もちろん議員は選挙区の代表という側面は強いんですが、議会での討論が非常に活発で、時には首相に対して厳しい矢字が飛んだりする、そういう様子が国民にもわりとオープンに見えやすいんですね。
テレビとかでも見ますね。
良くも悪くも権力と対峙している姿が見えると。日本の場合は重要な議論が委員会中心に進められることが多いので、そのプロセスが少し国民からは見えにくいかもしれないという側面もあるかもしれません。
なるほど。こういう制度とか、あるいは政治文化の違いみたいなものが最初の国会への信頼度の低さにどう結びついてくるんでしょうか。
イギリスだと政権への不満とか期待が選挙結果という形で比較的ダイレクトに現れやすいのかもしれない。
でも日本では資料にもありましたけど、同性変わらないんじゃないかっていう、そういう感覚がどこかにあるんでしょうかね。
うーん、それはあるかもしれませんね。若者の投票率の低さですとか、野党がなかなか一つにまとまりきれない状況。
それに加えて、都別訪問が禁止されているといった日本の選挙運動の独特な制約がですね、結果的に現職とか与党に有利に働いているんじゃないかという分析もあります。
つまり全国民の代表であるはずの国会が、どこか国民の感覚から遠い存在に感じられてしまう、そういった構造的な問題が信頼度という数字に現れているのかもしれないと、そういう考察ですね。
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今日はこうしてイギリスと日本の議会選挙制度、これを比較してみて、その仕組みの違いが政治の動き方とか国民の信頼化にどう影響を与えているのかという点を見てきました。
勝者総取で変化の可能性を秘めているけど不安定さも抱えるイギリス。
それに対して安定しているようにも見えるけど、見方によっては停滞とも隣り合わせかもしれない日本。
どちらの制度が絶対的に優れているという単純な話ではないんですが、やはり制度が政治を形作り、そして私たちの感覚にも影響を与えているのは、これは確かなことだと思いますね。
そうですね。イギリスでは選挙服の代表者を、そして日本では建前上は全国民の代表者を選んでいると。
でもその全国民の代表が集まるはずの日本の国会への信頼が一倍低い。
うーん、このねじれ、皆さんはどう考えますか。
制度が定める代表という言葉と、皆さんが日々の中で感じる代表されているという実感。
その間にあるものって一体何なんでしょうかね。
少し立ち止まって考えてみるのも面白いかもしれません。