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こんにちは、ツイてるブッククラブです。
ツイてるブッククラブは、デジタルハリウッド大学の橋本大也、
新見大門の石谷雅樹、八戸経済新聞の成功、
辰夫のチェンジログの辰夫の4名でお送りする、
月に1冊本読んでいこうというポッドキャストです。
今回は、8月1日の番組で決まりました、
ブルーバックスから出ている、鈴木ひろあきさんの
認知バイアス、心に潜む不思議な働きという本を
みんなで読んできましたので、それをレビューしていこうと思います。
まずその前に、本書の概要をちょっと簡単に説明します。
公式サイトのところからのあれなんですけれども、
ちょっと引用で読ませてもらうと、
誰しもが日常的に経験しているであろう、なぜか誤って認識したり、
いつもならするはずのない判断や行動、それはなぜ起こるのか、
このような普通の行動に現れる心の働きの偏り、
歪みのようなものである認知バイアスについて、
わかりやすい事例を挙げて解説します、という本です。
ちゃんとした科学啓蒙書ですね、もちろんブルーバックスなので
当たり前なんですけれども、認知バイアスについて、
利用可能性ヒューリスティックだったりとか、拡張バイアスだったりとか、
メジャーどころをきっちりと解説されています。
全体的に丁寧な真摯な作りになっていて、
高校生あたりでも楽しく読めるかなという、多分読めそうな内容になっています。
心理学実験とか有名なのがいろいろと紹介されていて、
ミヌグラムのやつとか、ゴリラがいるいないとか、
そういうメジャーなものも結構あったりして、流れに沿ってわかりやすく説明されています。
各章末に参考文献とかがあって、そういうのがアカネミックな感じでしっかりしていて、
日本語で入手可能な本とかがいろいろ紹介されているので、
もっと知りたいなという時にもありがたいかなというような、
そんな感じの構成の本になっています。
ではそれぞれの皆さんに感想とかを言っていってもらおうかなと思います。
順番としては橋本さん、伊沢さん、伊沢生光さん、最後に私という感じで進めたいと思います。
まずは橋本さんから、ダイヤさんからお願いします。
ブルーバックスということで、このタイトルを読む前に想像していたのは、
時計で嘘をつく方法というベストセラーが日本だとブルーバックスから出てますけれども、
ダレルハフの本みたいな、例えばグラフの間違いみたいな、
そういうことを書いてあるのかなと思ったら、意外にそうではなくて、
利用可能性ヒューリスティックとか、代表性ヒューリスティックとか、
言語のバイアスとか、より本質的なことが書いてあって、
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意外に難しい本だったということが印象的でした。
非常にわかりやすい例は多くて、例えば死ぬ危険を挙げさせたときに、
人は飛行機が落ちて死ぬとか、あるいはアメリカ人だと、
イスラムの過激派に襲われて死ぬというような確率を非常に高く評価してしまうという話があって、
例えばイスラム過激派によって死ぬ350倍ぐらいベッドから落ちて死ぬ方が可能性が高いとか、
アメリカ人に襲撃されて死ぬ確率の方がさらに5500倍も高いとか、
9.11で飛行機を止める人が増えたら、
本来飛行機で死ぬはずだった6倍の死者が自動車で死んでしまうようになったとか、
そういうバイアスが書いてあって、
これはどこの国の人間も同じだよねというふうに思いました。
あと、言語バイアスというのがとても私にはショックで、
どっちかというと文章が好きなもので、
言葉で考えると間違う問題があるということで、いくつか数学的な問題が示されていて、
これを言語化して考えたら間違ってしまうんだという衝撃ですね。
理屈で考えるということが言語化するということとイコールだと思いがちだけれども、
ある領域だとある種の問題だとそうではなくなっているという、
言語では追えない問題があるのだということがわかって、
そういう言語のバイアスが面白かったですね。
あと、この言語のバイアスが書いてあったところで、
漢字あるかどうかわかんないんですけど、私がしばしば言語バイアスと思っているのが、
英語の問題で、
Don't you like it? っていう、
否定基本文に対するイエスとノーで答えるって、
日本人しばしば間違えるやつ。
何々は好きじゃないの?って言った時に、
日本語だとイエス好きですよって答えるけれども、
英語だと必ずハイ好きですか、
イエス好きではありませんの2種類しかないんですよね。
だから、普通の疑問文だろうが否定疑問文だろうが答えを変えてはいけないんだけれども、
日本語だとどうしてもそれを真面目に考えて間違ってしまうっていう問題があって、
あれも言語バイアスだよね、なんてことを。
関係あるんだかないんだかわからないことを思いながら読んでました。
全体的には、比較的最近の本だとダニエル・カーネマンの
ファスト&スローとか、ハンス・ローズリングのファクトフルネスとかの
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エッセンスに近いものがまとめられていたかなという印象を持ちました。
ということで最後、星を言うわけなんですが、3かな?
先ほどのファスト&スローとか、ファクトフルネスという大名著がある、
この問題に触れたものがあるために、なかなか新たに書き起こしても
難しいものがあったかなというふうに思いました。
ただ、逆にファスト&スロー、ファクトフルネスが長いので、
こっちを読めばいいんじゃないかという考え方もあるっていう、
そういうふうな本だというふうに私は思いました。
以上です。
ありがとうございます。
まあ確かに、ブルーバックさが結構はしょっているというか、
軽い感じのところはあるので、そういうところもあるのかなと思います。
あとそうそう、さっき言語がもたらすバイアスのところで、
僕ショックだったのが、言葉にして反省を行うと全然ダメだみたいな、
反省しちゃいけないみたいな。
そうそうそうそう。
違って、ちょっと衝撃を受けたりもしました。
はい、すいません。ありがとうございます。
じゃあ続いて石谷さんお願いします。
はい、結構ダイヤさんにいろいろ言われてしまった感はあるんですが、
とりあえずその、ダイヤさんが言ってたようないろんな本も含めて、
いわゆるこの認知バイアスの問題というのも、
いわゆる基礎教養として持ってないともうダメなんだなっていうことは、
よくわかった本かなという気はしましたね。
で、それを割とさっと読めるという意味ではいいかなって、
我々に近いところで言うと、いわゆるソーシャル関係のトラブルというのは、
だいたいここに出てきたやつでほぼほぼ説明がつくっていう感じが非常にしましたね。
フィルターバブルの話も出たし、そこに関して一通り、
要はこういう、ある意味人類のバグみたいなものですよね。
そういうものはちゃんとあるんだよっていうことを、
一通り教えてくれるところはいいかなと。
で、ある意味最後にもう一回ひっくり返すところがあるんですけど、
個人的にはそこをもうちょっと長く読みたかったかなというのはありますね。
なので、僕も実はダイヤさんと同じなんですけど、
欲しい3つっていう結果になりました。
やっぱり若干端折り、もうちょっとちっこく説明してほしいかなというところが、
何箇所か正直あったなというのはありますね。
ただ、基礎教養として認知バイアスというものを、
総論的にまず抑えたいという人にとってはすごくいい本だと思いますね。
参考文献もちゃんとしてるし、という感じです。
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はい、ありがとうございました。
入門の入門書みたいな位置づけかもしれないですよね。
じゃあ次、セイコーさんお願いします。
僕ですね。最初の方の導入部分というか、
最初の方のページに割と有名な動画ってですね、
ゴリラの実験、バスケ、ゴリラってネタバレだから言っちゃうか。
バスケをやる動画とかですね、
いろんな割と有名な動画が出てきてですね、
そこで分かりやすいというか、興味を持ちやすい構成になっているのがいいなと思いました。
それで時々ネットで見るクイズとか、話題になるような、
SNSとかでリツイートされやすいようなものがいろいろ載ってて、
これってこういうことなんだ、
言語バイアスのところで確か10枚のコインを三角に並べて、
それを逆向きにさせるっていうのが出てきたと思うんですけど、
あれも何回か見たことあるんですけど、
本、この間読んだときに解こうと思ったら解けなくて、
なんでかなと思って、答えを見ると毎回、
こんな簡単なことが自分分からなかったのかと思ってショックを受けて、
数年後に復活してリツイートされてきたのを見て、
あれっと思ってまたできないということを繰り返しているので、
認知バイアスなのか能力的な問題なのか老化なのか、
よく分からないなと思いつつも読んでいました。
皆さん言及されていましたけど、
本当は言語化するとできなくなるというのは非常に不思議で、
あそこの章はもう何回かまた読み直してみたいなと思います。
自分の体験で言うと、
僕ちょっと趣味で株取引やってるんですけど、
株を買った理由とかよくメモしてるんですけど、
それをメモすればするほど株の会社に愛着が湧いちゃって、
ちょっと客観的に見れなくなるなっていうのがあるのかなって。
ちょっと思わしくない出来事が起こっても、
今度それネットで検索すると、
肯定的な意見を書いてる人が多いから、
ますます意固地になるっていうかな。
認知バイアスがさらに認知バイアスを生むような状況になって、
よくないなと思ったんで、客観的に。
そこを数値だけ見るとか、会社名隠して見るとか、
そういう工夫が必要だなと思いました。
本全体の感想で言うと、
入門編っていう、先ほど皆さん名著があるからちょっとって感じだったけど、
ブルーバックスなんで、価格的にも読む時間的にも程よいというか、
お手軽に読めるし、あと各章の後ろに参考文献が付いてるんで、
より深く掘り下げたい方はそちらを見てみればいいという風に、
ちょっと親切設計になってるのでいいなと思いました。
私は3.5でいきたいと思います。
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3.5でいきます。
以上です。
はい、ありがとうございます。
最後、私の感想なんですけど、
僕がこの本をみんなで読みましょうってプッシュした理由っていうのは、
前回話したんですが、認知バイアス語彙、認知バイアスボキャブラリーを使って、
それらしい発言を色々、賢そうに振る舞ったりとかね、
インテリっぽく振る舞ったりとか、
ちょっとそういうアレな目的で押して読んでみたんですけど、
そういうおちゃらけ態度にもカツを入れられたっていう感じでしたね。
というのも、やっぱり一番衝撃だったのが、
第9章の認知バイアスというバイアスっていう話があって、
この章が本当に、今まで言ってた、それまでの話、
それまでの章で語ってきた内容に対する、
著者の言葉で言うと茶舞台返しになっていて、
推理小説というところの解決編になっていると。
何の前触れもなく入門書だって読んでたら、
いきなりそこで結構、今までの実験は怪しい的な、
そんな大した話じゃないみたいな、
そういうような話がちょっと出てくるというところで、
冷水を浴びせられる感じになりました。
ここの9章でちょっと僕個人的に面白かった、
興味深かったのは、
リンダ問題っていうのが、
それ何章だったかな、前の方で出てきてて、
3章か、概念に潜むバイアス、代表性ヒューリスティックの話のところで、
リンダ問題っていうのが出てくるんですね。
リンダ問題っていうのは何かというと、
リンダさん31歳、独身女性で率直聡明な人で、
大学では哲学を学び、社会正義に関心を持って、
学生時代は反核デモにも参加しました。
さて、リンダさんは銀行の窓口係でしょうか、
それともフェミニストの銀行の窓口係でしょうか、
どちらの可能性が高いでしょうかという問題がある。
そうすると、フェミニストの銀行の窓口係の方が
確率が高いと答える人が多いらしいと。
これ連言錯誤だったっけ、連言錯誤。
要するに、銀行の窓口係とフェミニストの銀行の窓口係だったら、
どう考えても銀行の窓口係の方が人数が多いし、
片方が片方を包含しているわけだから、
答えとしては銀行の窓口係というふうに答えるのが当然だろうと。
フェミニストのとかつくと狭まっちゃうから、
そっちは正解じゃないのに、そういうバイアスがかかっちゃうね、
みたいな話だったんですけど、急所に来ると、
ちゃぶ台返して、いやいやそうではないという話が出てくるんですね。
それは何かというと、心理学者の問題設定、実験設定が
ちょっとやっぱりおかしいんじゃないかという指摘。
それも業界の中ではあるんでしょうね、というのがあるらしくて、
それの説明をしてくれているんですね。
それは何かというと、実験者の言葉の裏を読んで、
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損託して回答してしまう。
つられて回答してしまうというケースが多いらしいというのがあって、
言葉の裏を読んでしまうという話が出てきました。
子供の前に飴を5つ並べて、
何個ですか、ちょっと数覚えておいてくださいねと言って、
次は飴をちょっと離したりとか近づけたりとかして感覚を変えて、
さっきと同じだけですか、みたいなふうに聞くという実験があるんですね。
子供がちゃんと数というものの概念をちゃんと理解しているのかというような実験らしいんですけれども、
最初5つあって、ちょっと動かして、さっきとどうですか、みたいな感じで聞くと、
そうすると同じでないというふうに答える子供が多いと。
同じ5つなのに同じじゃないと答える子供が多いから、
やっぱりちょっと子供の数の概念というのは曖昧じゃないかみたいな話があるんだけど、
それはそうじゃなくて、質問者が飴が5つあるのにちょっと動かしてどうでしょうって聞いたならば、
さっきと同じですよ、みたいなことは多分期待されていないんじゃないか。
なんかちょっとこう、なんか変わったからには、
なんかちょっとさっきと違うね、みたいな感じなふうなことを言わなきゃいけないんじゃないかみたいな、
そういうような言葉の子供が忖度してしまうというようなことで、
実験がちょっとうまく本当はいってないんじゃないかという指摘があるらしいんですね。
そういう話がその9章に書いてあると。
そもそもそんな質問されたら怪しむって話で、
リンダ問題もそもそも怪しいんじゃないかみたいな話が出てきて、もうちょっとそれで衝撃を受けて、
確かに社会、反核デモに出てるとか、社会正義に関心がとか、
あまりにも伏線を張りすぎなのに最後にケミニストが出てきて、ケミニストを選んだら違うみたいな伏線の回収ができてないわけですね。
確かにそれはおかしい。そこまでヒントをばら撒いといて、そこまでやっといて、
いや違う、そんなの選ぶの間違ってる。バイアスに引っかかったみたいな。
それはちょっとどうだろうみたいな話があって、そこはちょっと僕衝撃を受けましたね。
その心理学の実験って結構そのあちらこちらからレビューされてて、
しっかりその曖昧性が入らないようにとかしっかりやってるように思えてて、
僕もそういうふうに思ってたんですけど、なんかこういう観点からの批判があるんだというのをちょっと今回初めて、
まあ当たり前っちゃ当たり前ですけど、知って、なんかちょっとこう、
急所でガラリとちゃぶ台返しっていうのを感じることができました。
だからちょっとね、おちゃらけた態度がそこで落ち着いた感じになります。
ほら、アンケートってアンケートの問題を作るのが一番大変ってよく言うじゃないですか。
だからアンケートのアンケート項目に人が引っ張られちゃうっていうのと似てますよね。
そうそうそう。結局何かしらな質問者の意図っていうのがあって、それに引きずられるものがあるから、
まあそういう前提でやっぱこういう心理学的なやつを見ていかないといけないのかなっていう、
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なんか怪しみを持って当たらなきゃいけないなっていうところをちょっと感じました。
それでそのね、最初に言ったようにその認知バイアスボキャブラリーで賢そうに振る舞いたいっていうのの目的のためにはですね、
これもこの前一緒に紹介したんですけど、認知バイアス辞典っていう本が最近7月か6月間出てるのがあるんですけど、
それもちょっと今回合わせて読んでみたんですけど、そっちのほうは用語とその解説っていう構成なので、
まさにそういう僕の当初の目的には多分そっちの本のほうが合ってたのかなっていう感じがします。
使うための語彙を学ぶっていう用途に、バーナム効果とかいろんな使えそうなかっこよさそうな語彙がいっぱい載ってるので、
よかったらそっちの方も読んでみてはいかがと思いました。
で、認知バイアスブームだとか言ってたんですけど、話を聞くとそれほどそんなでもないかなって。
ブーム終了で、実生活で大して困るわけでもないんで、そのバイアスがどうこうって言われたとか。
そもそもそのバイアス自体が人間の進化によって必要に応じて出てきたものであって、だからなんだみたいな話になってきて、
僕の中では認知バイアスブームはちょっと終了。
で、星としては星4です。ちょっと面白かった。
推理小説的な感じのどんでん返し的なのをちょっと楽しむことは僕は個人的にできたので、星4っていう風にさせていただきました。
はい、ということで、今回認知バイアスというブルーバックスの本を皆さんで読んでみて、わいわいガヤガヤとちょっといろいろとレビューをしてみました。
じゃあ本日はここまでとしたいと思います。
それでは次回もお楽しみに。さよなら。
はい、さよなら。