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ツイてるブッククラブ、2024年1月の課題図書

祥伝社フィールコミックスウィングから発刊されている

「違国日記」をレビューしていきます。

Summary

山下智子の漫画『違国日記』は、商電社のフィールコミックスイングで展開されており、異国からやってきた女の子の日記を通じて、感情の自己所有性や異なる人々との関係を静かに探求しています。物語は朝ちゃんと牧代さんのペアで描かれ、大人になる喜びと子供の純真さを描き出しています。時間が止まった人たちと今生きている人たちの描き分けが上手く表現されており、物語の構造も秀逸です。1巻の冒頭と11巻の最終話がつながっている構造は、最終話まで読むと再び1巻から読み返したくなる魅力があります。

物語の概要
ツイてるブッククラブです。 ツイてるブッククラブは、橋本大也、いしたにまさき、聖幸、たつおがお送りする、
月に1冊本を読んでいこうというポッドキャストです。 さて、1月の課題図書はですね、商電社のフィールコミックスイングの
違国日記という作品をレビューしていきたいと思います。 これはですね、
フィール・ヤングという女性誌ですね。2017年の6月から6年くらい、2023年の6月まで連載されていて、全部で単行本全11巻出ていて、もう完結している作品になります。
2024年、今年ですね、実写映画化されるというような話題作で、いろんな賞も受けている有名な作品です。
あらすじというか、大まかな概略というと、人見知りな小説家がいて、その牧代さんというんですけれども、その方の姉夫婦が交通事故で事故死をして残された名人、
朝ちゃんという、朝昼晩の朝なんですけれどもがいて、その2人がいろいろ会って同居して生活していくと。年齢も性格も考え方も異なる2人というのが、いろいろとありながらも仲良くなったね、みたいなセリフもあったりするんですけど。
基本的には主役は朝ちゃんの方ですよね。
そうなんですかね。どっちが主役なのかというのが。
異国日記だから、要するに他のところから異国にやってきた女の子の日記っていう形になってる。
語り辺的な感じのところもそうですからね。朝ちゃんが主人公かな。という感じの2人のストーリーです。
朝ちゃん自体は両親が死んだというドラマチックなことはあるんですけれども、本作品はそれ以上すごくドラマチックな激しいことが起こるわけではなくて、心の動きとか淡々と追っていく感じの穏やかな進行になってはいます。
物語途中途中で、ジェンダー規範だったりLGBTだったり、生きづらさであったりとか、世の中の不公平とか、そういう時々の自陣ネタなんかも取り込んでたりはするんですけれど。
物語の流れの中で自然消化されてるし、それ自体が朝ちゃんの成長に絡めてみたいなところもあったりするというような感じのストーリーになっています。
朝ちゃんと牧代さんの関係
全体のテーマとしては、感情っていうのは自分のものであって誰にも侵されないんだとか、そういうような基盤を貫くような主張があって、それがテーマになっていると。
自分一人一人が違う国の主であるっていうのがタイトルにあるような話になっています。
さっきも言ったんですけど、主人公、朝さんにしろ、巻男さんにしろに感情移入して読んでいくってタイプの話じゃなくて、見守るタイプの作品かなと思います。
11巻までで一塊で一冊の小説みたいな感じなものかなっていうふうに考えていて、結構複線みたいなのもあるし、過去のシーンとか未来のシーンとかをどんどん挿入されていて立体的な構成になっているかなと思います。
さっき映画家の話があったんですけど、どういうふうにやっていくのかなとか、どこまでやるのかなっていうところはちょっと興味深いところではあったりします。
ということで、いろいろ語りたいところがあるんですけど、結構ネタバレになってしまうところもあるので、この辺にして皆さんの感想を聞いていきたいと思います。
では、順番としては聖幸さん、大也さん、いしたにさんって感じで聞いていこうかなと思っています。じゃあまず聖幸さんお願いします。
はい、僕は11巻まで読んだんですけども、最初ドラマチックにちょっと不幸なことから始まって、どういうふうに話が進んでいくのかなと思って読んでたんですけど、途中まであまり乗れなくてですね、何が面白いんだろうっていう感じで読んでたんですけども、
思えば私振り返って、自分が今まで読んだ漫画を振り返ると、主人公がなんかステップアップして強くなっていくとか、なんか出世していくとか、なんか技術を身につけるとか、なんかそういうので感情移入して頑張れって応援するようなのが多かったり、
あとその過程でいろいろうんちくっていうか、たとえばカーレースの漫画だったら車に詳しくなるし、テニスの漫画だったらテニスに詳しくなるしとか、何は金融道みたいなのだったら借金の取り立てに詳しくなるしとかそういうのあるんですけど、
これって別にそんな主人公が目に見えてなんかすごい成長、数値付けて成長していく、この間まで3級だったけど今日2級になったら明日1級になるとか、そういう目に見えたのもないし、別に何かに詳しくなるってこともないから、
別に女子高生の生態とかにそんな興味あるわけでもないから、何が面白いのかなと思って読んでたんですけども、読み進めてその世界観に浸って、なんとなく一緒に時を過ごしているような感じに読めるようになったらだんだん面白くなってきて、
あと脇役というかサブキャラというかその周りにいる人たちが結構いろいろ個性的な方が多くて、そういう方によってその主人公の朝ちゃんが磨かれてたりいろんな経験したりいろんな考え方に触れて、
やっぱりこう社会と接したり他人と接することって大事なんだなっていうのをいろいろ思ってですね、いろんな多様な価値観というのはこういうご時世でもあるんで、
自分も尊重してほしければ他人も尊重しなければならないっていうか、そういう漫画ですからね、ちょうどいい感じで人がいるんですよね。
うまくこう、それがなんかいい感じで、ただ11巻まで読んだけどわからないこともいっぱいあって、最初にある謎が最後まで決定談がよくわかんないっていうことがあったりとか、
朝ちゃんのお母さんとマキオさん、世帯主っていうか今矢主っていうかの人の仲悪くなった決定だっていうか、なんかそれがあんまりいろいろ仲悪い場面は出てくるけど、決定度はどうだったのかなって、なんかちょっと。
そこは細かいところまでは描かれてはいないですよね。
なんか全体的に仲悪いなとか、性格違うなっていうのはわかって、なんかその決定談はあるんだけど、こう決裂した場面とかあるけど、そこまでなんかあれが。あとお父さんも謎で。
お父さんはあれは意図的でしょうね。
わざと存在感がない。
わざとだと思います。
僕はそんなにこうあれな人とは思えないけど、女子高生から見ればお父さんの存在って遠いのかなと思って、うち高校生の娘もいるんですけど、俺も存在感なくて、もしかしたらその全然何考えてるかわかんない人でとか思われてるのかなと思って、ちょっと人によってね物の見方って全然違って良かれと思ってやってきてることがおせっかいと思われたりとかするとかいろいろあるんで。
あのお父さんもね、なんか次元が違うすごい頭がいい人とか、すごいこう、なんか違うんじゃないかなって、僕も理系のあれだったんで、いろんなそういう男いて、なんか男から見れば普通だけど女の人から見ると変わってるって思われることって結構あると思うんで、なんかお父さんもうちょい最後名誉を回復してほしかったなっていうのは、自分もお父さんなんで思いました。
映画化も楽しみにしたいと思います。星なんですけど、星は4ですね。面白かったんですけど、何が何でも無理くり読ませるかっていうと、別にこういうあるけどどうって言って、興味あったら読むといいよって感じかな。
映画化もされるしっていう感じで、もう筆読です。2022年、2023年、2014年、トータル3年間の中で一番ですって感じの押し方の本でもないかなっていう感じがしたんで、4です。はい、以上です。
ありがとうございます。じゃあ次、大也さんお願いします。
はい、そうですね。私は5巻まで行ってまで読んだんですけどね。後半なんかすごい展開がある的な、もうちょっとダイナミックな展開があるというような話もちらっと聞いたんですけれども。
ダイナミックではないですよ。
ダイナミックではないんだ。
要は関係性が変わってくるっていうところなんで。
なるほど。あんまりこう、入り込めなかったというのが。
あと若干のネタバレで言うと、第1話と最終話はちゃんと繋がってるので。
そうですね。
それが要はタイトル回収になってるので、という意味では最後まで行った方が面白い本ではありますね。
雰囲気がいいのかなという理解をしました。どうも主人公たちに感情移入がしにくいなというふうに感じました。
ペアの主軸とタイトル回収
なぜ入り込むのか。私はいろんな文学とかも読んでいるので、別にこういう人間関係の話は面白いこともあるんですけれども。
この話ね、なんかややぬるいっていう気がしてですね。いろんなテーマも持ち込むんだけれども、どれもちょっと弱いなっていう気がしました。
ジェンダーとかマイノリティとかの話もあるんだけれども。
そこがやや海外文学をばかり読んでいる私からすると弱いねっていうので、それであんまり読まなくなっちゃうっていうのがある。
そこは主軸ではないですからね。
あさちゃんは普通な人っぽいっていうのが全体ですもんね。たまたま不幸なことには巻き込まれたけどそれ以外は普通でありたいっていうか、そんな大事件にちょっちゅう巻き込まれるタイプの人でもないっていうか。
なるほど、そうですね。なので、そこがちょっと入り込めなかったところですかね。
5巻は前半なので、要は進撃の巨人でいうとまだネタバレが何もされてないみたいな状態ではあるので、そこはやむを得ないかなと思いますけど。
期待値がすごい高く読むっていうのもあると思うんですけど、選定されて。
そうそうそうそう、選定されたから。
選定されたから、なんかすごい面白いんじゃないかなって。
すごいワクワクドキドキ。
漫画的解説は僕の方で後でしますので。
そうですね、そういう感じで、全体としてはその後半、途中までであっていうことで、消化としては3.5ぐらいにしておこうというふうに思いました。
はい、ありがとうございます。
じゃあ次はいしたにさんで、いろいろ解説付きでお願いします。
はい、わかりました。一応僕はもともと多分通しで2回ぐらい読んでて、今回お題になったのでもう1回通しで2回読んでるんですけど、
なんで2回読もうかと思ったかと思うと、前読んだ時に気づいてなかったところがあったので、それを確認するためにもう1回読んだんですけど、
少なくともこの作家ではないのは多分この話だと思うんですけど、大事な話は必ずペアで描かれてるんですよ。
それは別に男女とかじゃなくてもよくて、男2人とかいう感じで、大事な話はこの話って必ずペアの語りという形で必ず描かれてるんですね。
なんでなんだろうってずっと考えてたんですけど、それが要は最後のタイトル回収に繋がっていくんですけど、
もちろんこの物語の一番大事なペアは主役である2人のペアなんですけど、
大也さんが読んだ5巻のところで、多分関係性としては保護者と保護される側っていう立場がイコールに1回なるんですよね、5巻のところで。
そこから関係性が変わっていくんですけど、最後まで読むと結局大人の主役である牧代さんっていうのは、
職業柄っていうのもあるかもしれないけど、完全に大人にはなりきれてない大人なんですよね。
高校生の子は子供だから子供なんだけども、子供から大人になっていくんですよね。
最後まで読むと、実は人間における子供っぽさ、大人っぽさでいうと、おそらく最後牧代さんを追い越してるんですよね。
その変化のところまで含めてエピローグで描かれていて、だから大枠でいうとやっぱりこの2人の物語なんだねっていうところを強調するためなのかわかんないんですけど、
とにかく大事な話は常にペアで描かれていて、最後のエピローグのところも、エピローグで日記的なものを使ってるよくある手法なんですけども、
それも実は顔は描かれてないんですけど、主役の朝ちゃんのお友達に対してやっぱりここもペアで話されてるんですよね。
最後にタイトル回収で、おそらくその時点では、昔こういうことがあってねっていう話で異国日記というタイトルが回収されていくんですけど、
たぶんその2人、大事な話は1対1で話さなければいけないみたいなところをたぶんこの人は一番描きたかったのかなっていうところを主軸にしておいてみると、
1人でいるのは亡くなったお父さんとお母さんだけなんですよね。
漫画『違国日記』の描き方と物語の構造
それ以外の人たちは必ずペアでセットで描かれていて、そこも時間が止まってしまった人たちと今生きている人たちっていうのの描き方の描き分けみたいなのもちゃんとされていて、
もちろんネタバレにちょっとなりますけど、1巻の冒頭っていうのが11巻の最終話とちゃんとつながって、最終話までいくとまた1巻から読み始めちゃうみたいな構造にもちゃんとなっていて、
僕はもともとこの山下智子さんの作品は好きだったんですけど、明らかにキャリアとしてはテクニックとか物語の構造の作り方とかっていう意味では、ここでまたバンとキャリアが変わるっていうステージが変わるっていうタイプの作品で、
そういうタイプの作品は漫画読みとしては大好物なので、この漫画を描きながら作家自身もどんどん成長していくっていう物語ではあったと思うので、私は星5ですね、というところですね。
あとは最大の疑問は、なぜこれを辰夫さんが推すのかっていうのが最大の疑問ですね。僕はこの手のやつは結構好きで、中学生高校生くらいから少女漫画読んでる人間なんで、この手のやつは読み慣れてるし好きでもあるんだけど、辰夫さんそういう人じゃなかったはずなんだけどなっていうのが最大の謎なので、その謎を最後に辰夫さんに伺ってほしいなと。
元々はですね、Kindleのセールサイトをやってる関係から、結構セールになる漫画なり本なりっていうのにはチェックするんですけれども、この異国日記は結構セールになったりとかもする上に、結構売り上げもそこそこ多いし、
評判にもなってるし、感を増すごとにどんどん話題になってる感があるっていうところもあって、ちょっと読んでみようかなっていうので読み始めたと。結構ハマってしまって、最初読み始めたときは何巻まで出たかな。7巻か8巻くらいまで出てたのかな。
ちょっと一気に読んで、その後も時間がある限り途中のここを見てとかいう感じでパラパラと見る感じになってます。
僕、前に話したかもしれないんですけど、あんまり激しいストーリーみたいなのがちょっと苦手なところがあるので、ドラマとか映画とかそういうドキドキハラハラストーリー系なのがちょっと苦手なところが、小説とかドラマとか映画とかそういう物語系が苦手なんですね。
ただ、この異国日記自体はそういうドキドキ的な揺らされ方はしなくて、まったりとしみじみと楽しめるっていうところがあるので。
一応恋愛っぽいものもあるけど、いわゆる若い、燃え上がる恋愛ではないっていうね。
そういうのが主軸ではないじゃないですか。生活プラスどう生きるか的なところが淡々と、おまけでいろいろあるんだけれども、貫いてるってところが安心して何度でも読めてしまう的なところがあるっていうところがありました。
ということで押してみたんですけど、エッセイ的な感じのイメージで読んでたりしたところもあったりするんですけれども。
そうですね。せっかくなので、僕の推しポイントというか、良かったなというポイントだけ話しておくとですね。
やっぱり一番良かったのはコンコースで歌った千代ちゃんっていう医学部の受験をどうしようかっていうところで。
あの辺の一連の流れと、それ7巻なんですけど、その後終わって8巻になるといきなりカミングアウトの話になってきて、
その辺のそのやりとりとか、なりたい自分になるっていう、それもなんか伏線回収みたいなところもあったりするんですけれども、
7巻8巻くらいが個人的には結構山場で、それを結構何回も読み返してたりはします。
9巻10巻くらいだと、あとはさっき一山さんもおっしゃったようにエピローグ的なものだし、伏線的なものはどんどん回収されて、
このシーンはよく前に出てきたやつ、これここだったんだっていうのも出てくるし、
そうですね、第1話のところですね。第1話でも、初めなんとなくしばらく慣れてきた頃の話かなって思ったんですけど、
改めてこう何回か一回読んでみると、ちゃんと中山、後山の春日ちゃんと書いてあるんですね。
だからその2話と1話の間っていうのは結構その2年くらい間があってっていうのが、
確かにそのくらい間隔でこの1話なんだっていうふうに改めてみると、気づきっていうのがあるかなと思いました。
だから穏やかな流れでありながら、全体的に読み終わった後にパズルの回答みたいな感じで、
これはこれでこうなってるんだみたいなところが、ちょっとわかるっていうところが面白いなって。
ちゃんと設計されて最後まで書かれてるっていうところも結構お気に入りなところ。
劣勢風でありながら、そういう設計は実はちゃんとしてるっていうのが、実に今時の漫画っぽいですよね。
たぶん最初からもう最後の話まで全部ある程度決まっててやってるんですよね。
方案化できてたと思いますね。
途中なんとなくこの辺は膨らましてる話かなみたいなところがちょっとあったりはしたんですけど。
そんな感じで、こういうストーリー的なもので私でも楽しめて、
しかも何度も何度も、月1回くらいは通して読んじゃうくらい、ついついハマってしまうというような作品でした。
皆さんいろんな意見あるんですけれども、映画もあるので気になったら読んでください。
どうしても読める。絶対読める。
筆読くなって。
言葉では強くは。
でも今ちょっと話聞いてて思ったのは、構造的なところをもう1回見ると、
要は11巻の最後の方に、朝ちゃんが説教するみたいなところがあるじゃないですか。
説教っていうんじゃないけど、こう言えばいいじゃないのっていう。
あれって、もし元々のお姉さんと仲が良かったら、お姉さんが本当は言ってたかもしれないセリフかなっていうのはありますよね。
だからお母さんの部分っていうのは、実は朝ちゃんにもちゃんと残っていて、それが最後にああいう形でポーンと提示されて終わるっていうのは、
あれでちょっとちょっと、なんだろう、お母さんも浮かばれたみたいなところはあったのかなというのは今聞いてて思いましたね。
ということで、気が向いたらぜひ読んでください。読むんだったら最後まで読むと、一塊として。
今から読んで何がいいって、ちゃんと最後まで終わってるってことなんですよ。
そうなんですよね。
そうそう。
途中だとどうなっちゃうのかなって、悲劇的な終わりだったら嫌だなとか思いながら。
僕ね、読み始めた時は多分4巻か5巻ぐらいだったと思うんで、そこそこ待たされもしたし、どこまで続くんだろうっていうのが一番気になるところではあったので、
それが割と綺麗なところでちゃんとスパッと終わってくれて。
終わらせ方がすごく綺麗だし、その時点で全てパズルのピースが、揃ってないのもあるんですけど、だいたい揃ってたところも気持ちよかったところがありますね。
僕は星は言ってなかったけどもちろん星は5です。
今まで読んだ漫画の中ではベストなうちの1作品として入れたいなと思っています。
ということで、そろそろ終わりましょう。
今回特に紹介させていただきました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
24:23

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