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とりあえずベンチで。
とりあえずベンチで。
どうもこんにちは、キョウスケです。
今回はですね、急遽一人で録音をしております。
普段はですね、もう一人、相方としてですね、ささおという人間とですね、二人でチンタラ喋るラジオを撮っているんですけど、
今日はちょっと一人で録音をしております。
なぜかと言いますと、今日仕事の終わりに【ルックバック】を見てきたんですけど、
この【ルックバック】がめちゃくちゃ良くて、
これはちょっと語らねばならんと、熱があるうちに、
一人で語っちまおうというわけで、一人で喋る回として今設けております。
皆さん【ルックバック】っていう映画がですね、最近上映しまして、
非常に話題になっているんですけども、ご存知ですかね、【ルックバック】。
おそらくこの回聞いてくださっている方はご存知かと思うんですが、
ちょっとあらすじを読み上げますね。
公式サイトに書いてあるあらすじです。
学年新聞で4コマ漫画を連載している小学4年生の藤野。
クラスメイトから絶賛され、自分の画力に絶対の自信を持つ藤野だったが、
ある日の学年新聞に初めて掲載された不登校の同級生、京本の4コマ漫画を目にし、その画力の高さに驚愕する。
以来、脇目も振らず、ひたすら漫画を書き続けた藤野だったが、
一向に縮まらない京本との画力差に打ちひしがれ、漫画を書くことを諦めてしまう。
しかし、小学校卒業の日、教師に頼まれて京本に卒業証書を届けに行った藤野は、
そこで初めて対面した京本からずっとファンだったと告げられる。
漫画を書くことを諦めるきっかけとなった京本と、今度は一緒に漫画を書き始めた藤野。
二人の少女を繋いだのは漫画へのひたむきな思いだった。
しかしある日、全てを打ち砕く事件が起こる。
二人の女の子、京本と藤野がですね、出会って一緒に漫画を書くっていうのが、
このルックバックという映画の大筋のストーリーになっておりまして、
最後に打ち砕く事件が起こるっていう形でちょっと濁されてはいるんですけど、
そこで二人の間に何かが起こってしまうっていうところが示唆されているようなあらすじですね。
というところで、ここからはですね、ネタバレを大いにしながら話していこうというふうに思っておりますので、
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これから見るよっていうふうに考えている方は、
ルックバックを見てから是非とも見ていただきたいな、聞いていただきたいなというふうにこちら思っております。
それではちょっと大筋話してしまいますね。
ルックバックはそうですね、もともとジャンププラスで読んでまして、単行本も持ってるんですけど、
藤本達希先生がすっごく好きで、ルックバックが掲載された時もすぐにバーって読んだんですけど、
もう一発目から引き込まれてしまって、すごく感動したんですよね。
で単行本も買って、もう素晴らしい漫画の作品だなって思ってたんですけど、
先日ですね、映画も公開されてっていうところですぐ見に行ったんですけど、話の大筋としてはですね、大きな変化はなく、
ルックバックの原作に忠実に沿った流れになっていました。
で、まずその主人公の京本と藤野っていう2人の関係性からちょっと見ていきたいと思うんですけど、
2人の関係性ってすごく尊いというか、何だろうな、見てる僕ら側がすごく応援したくなるような2人じゃないですか。
藤野は最初絵が得意だったんですよね。親だったり大人から褒められて、あるいは同級生たちから褒められて、
漫画を描くことが自分の自己肯定感を高める一つの手段でもあったと。
そういう中で漫画を描き続けてたんですけど、ある日突然学級新聞に掲載された漫画がですね、
自分の画力を遥か上に上回ってると。で、なんだこいつはって驚く表情がありましたよね。
口を歪めて歯を丸っきり出して、うわーこれなんだっていう衝撃を受けたような表情だったと思うんですけど、
最初、藤野にとって京本っていうのは目の上のダンコブみたいな存在だったと思うんですよ。
僕あのシーン好きなんですよね。初めて京本音を見て敗北を経験してトボトボと歩いている天気のいいあのシーンですね。
あの時に、4年生の中で私より絵が上手い奴がいるなんて許せないって走り出したんですよ。
あのシーンめっちゃ好きで、このシーンから藤野が非常に負けず嫌いであるっていうことと、
それまで片手間にやっていた絵っていうものを本気にさせた、火をつけたっていうところを色濃く表現している。
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いいシーンだったよなーっていうふうに思うんですよね。田植えがされているのもいいですよね。これから、
そのなんて言うんでしょうかね、収穫される米の苗が植えられている、あるいは苗がいっぱい植えられているところから京本が地道に、
実は丹林を積み重ねてきたんだよ。田植えをするように1個ずつ埋めてるんだよみたいなところもちょっと想像されたりもして、
あのシーンもいいなーって思ったんですけど、やっぱり藤野にとっては最初競争相手なんですよ、京本っていうのは顔の見えない競争相手なんですよ。
学年新聞っていう発行される紙面の中でしか出会わない対戦相手なんですよ。
これは言うなればジャンプの本心に乗っている漫画と同じだと思うんですよ。
顔の見えない作者たちが週間で発行される紙面上で並べられて、話の面白さや絵の上手さとかで対決されるっていうことを、
彼女たち2人っていうのは学年新聞の中で精査たくましていたんです。
で、読者の反応っていうものがアンケートを通してではなくて直接跳ね返ってくるっていう、すぐそのレスポンスが返ってくるような環境の中で、
藤野自身は自分の画力に対して肯定的でない意見っていうところをよりダイレクトに聞き取ってしまう。
だからこそ戦うべき一番の相手は京本で、こいつを任すためには学年新聞の中で、まさにこの紙面の中で戦わなきゃいけないっていう、
そういう厚い思いというか対抗心というかそういうものがあったと思うんですよ。
ここからいいシーンでしたよね。藤野のひたむきな背中っていうところが描写されるシーンが続くと思うんですけど、
藤野がですね、いろんなデッサンの参考書であったり、絵の描き方をまとめた図鑑であったりっていうところを買って、
それを見ながらデッサンをすると。スケッチブックがだんだんだん積み重なっていって、
デッサンをするために参考にした書籍っていうのがだんだんだんだん増えていって、
春が来て、夏が来て、冬が来て、秋が来て、それでもずっとずっと時間も忘れてね、
机の前に座って絵を描くっていう、打ち込むっていうのは、あれはやっぱ美しいシーンですよね。
子供のひたむきさっていうところがすごく見えて、僕はあのシーンで泣きそうになっちゃいましたね。
ただでもその残酷なところは、あれだけひたむきに努力している藤野であっても、結局のところ京本の画力には勝てなかった。
時間にすると2年間ですかね、4年生ぐらいのキャラクターから始まって、6年生の途中まで絵を描いてたんですけど、
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ある時、プツンと糸が切れちゃうんですよね。やーめたって言って。
その日から藤野は学級新聞に漫画を載せることはやめてしまうんです。
すごく軽いノリでやめてるんですよね。
それまでずっと頑張ってきたことを簡単にやめられちゃうんですよ。
言うなればなんですけど、当時の彼女にとってはまだ後戻りができる段階だったんですよね。
それぐらいの入れ込み具合だったんです。
そうであると同時に、あまりにも京本っていう存在が大きすぎたんです。
あまりにも強い相手だからこそ、ああもう無理だって思ったら、もうポキッと簡単に降りてしまう。
なんかその子供の未熟さと同時に顔の見えない紙面上で戦ってくる京本っていう人間のすごさ偉大さっていうものを
他でもない藤野自身がひしひしと感じ取ったっていうのはすごい思いましたね。
だからこそあんなに簡単にポキンと降りてしまったっていう。
で、やっぱ藤野自身がA以外にも色々長けてるんですよね。
スポーツも長けてるし、コミュニケーション能力もあるし、なんだかんだ先生からも好かれてそうだし、
勉強もそこそこできると思うんですよ。やろうと思います。
だからそのA以外にも依存先があるって言い方が正しいのかな。
だから漫画がなくなったとしても、まあ別に生きていけるだろうっていうような心持ちではあったと思うんですよね。
で、卒業式の運命の日ですよね。卒業式の日になって先生からの頼みを受けて卒業証書を京本のところに届けるっていう風に流れとしてはなっていくんですけども、
京本の部屋の前に積んであるスケッチブック、さらにその上に載っていた4コマ漫画の枠ですね。枠の絵。
あれを見て藤野は久しぶりに漫画を描くわけですね。
部屋から全然出てこない京本を、まあ揶揄というかするような漫画を一筆描いて、で、それを扉の向こう側にスイッと落としてしまう。
その後ですよね。その漫画を持って京本が藤野先生って言って出てくるんですよ。
あのシーンやっぱいいですよね。その話の後ろの方で京本を外に出したのは、結果的に藤野っていう形になっていくんですけど、実際は漫画が外に出してるんですよ。
その漫画を落として出会うっていうのがすごく運命的な出会いだと思うんですよ。
だから扉を開けて、2人が出会って、そこから漫画の話で息統合するっていうパターンもあると思うんですよ。
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そうじゃなくて、顔を見てないんだけど、扉の向こうから流れてきた、これまで読んだことない最新話を見ることで、
あ、この扉の向こう側にいるのは藤野先生だっていうふうに気づいた京本の熱意っていうのはやっぱ、破壊しれないんですよね。
どれほど京本が藤野の漫画のことを愛してたか好きだったか尊敬してたかっていうところが、やっぱあのシーンからすごく伝わるんですよ。
お互いこれまで顔も合わせてなかった相手だからこそ、紙面の中で戦ってきたお互いだからこそ、
紙の上で語られていることで、この人はこういう人間なんだっていうことをすごく感じてたと思うんですよ。
2人が出会って、あれ良かったですね、2人が出会って、京本めっちゃ可愛かったですよね。
なんか僕の記憶だと漫画の中だと方言が出ているようなキャラクターじゃなかったと思うんですけど、
映画化したタイミングで方言のキャラクターになったんですかね、おそらく。
そうですね。
そこも引きこもりがちな京本の素朴さというか純粋さみたいなところが方言からも見られましたし、
あと喋り慣れてない感じもすごく演技が上手くて表情もすごく繊細な表情でしたし、
あの出会いっていうのはすごい良かったですね。
そこでの藤野もちょっとそっけないんですよね。恥ずかしさがあるんでしょうけど。
ファンですとか言っても、そうなんだ、なんで漫画描かなくなっちゃったんですかなんて言われたら、
いや漫画実はまあまあ考えてて、準備期間として漫画描いてなかっただけなんだけどねみたいな、
自分が実は諦めてたっていうところをちょっと取り繕って隠そうとする感じもちょっと子供っぽくて可愛いらしいですし、
いいなーって思ったんですけど、僕がやっぱ漫画の中でも特に好きなシーンだったのが、
今まで目の上のタンコブだと思ってた、あるいは紙面の中で戦う自分の競争相手だと思ってた京本が、
実は自分のことをすごく応援してくれる人間だっていうことが分かった返り討ちのあのステップ、あのスキップですよね。
あれ、漫画でもいいでしいんだなぁと思ったんですけど、映画でどういうふうに表現されるのかなぁと思って期待してみていったら、
もうすごくルンルンでしたね。
もう、頭の上に拳を持っていくぐらい手をぶんぶん振り上げながらスキップしててすっごい良かったですね。
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で、僕あのシーンが好きなのは天候もあるんですよ。雨なんですよね。
なんか普通晴れ晴れとしたシーンなんだから、カラッとした晴れた空を映してくれてもいいと思うんですけど、あの日は雨なんですよね。
で、これなんでなんだろうなっていうふうに自分でも思うんですけど、
たぶんきっと洗い流してると思うんですよ。それまで負けて悔しいけど、一旦目を背けて隠してきたところっていう、塗り固めて絵っていうものを忘れていたところを
雨が洗い流して、本心の気持ちでやっぱ私って絵描きたいんで描こうって書いたっていいんだ、応援してくれる人間がいるんだってことが分かって正直な気持ちで絵と向き合えるようになったっていう
ことを表現したくて雨が降ってるのかなーって表現してみたり、単純に雨の中でスキップするってすごくギャップがあって、でも雨の中でもうスキップするぐらいいいっていう風に
天候と感情と行動、そこの温度差でそのより良いシーンに見えるっていう風にもあって、情景描写としてどういう意図があって雨を降らせるのかっていうところは
はっきりと先に僕が述べたように洗い流すような意図があるのかもしれないと思いつつ、雨の中でスキップするっていう行動自体がそもそも嬉しさを表現する方法としてすごくすごく豊かだなと思って
あそこのシーンは一番好きなんですよねー でも可愛かったなーあれ
めちゃめちゃルンルンでしたもんねー でもやっぱ嬉しいだろうなーああいう場面で
まさか敵だと思ってたやつが仲間だったし、なんだったら自分のこと一番好きで良き理解者だっていうのはやっぱ嬉しいことだと思うんですよね
ここまでが幼少期の話で、ここから2人は富士の京っていう名義ですね、コンビを組んで漫画を書いていくわけなんですよね
でその漫画も編集者の目から見ても素晴らしいと言えるような出来の作品を学校に通いながら書いてて
編集者も驚かせますし、実際高く評価されて初めて応募した賞でも準入選だったかなっていう形で非常に良い評価をもらうと
2人はここからまあ漫画家としての道をさらにさらに一歩進めていくんじゃないかなっていうことが
まあ想像されるようになってくるんですけれども、富士野がですね17歳になっていよいよ卒業が間近になると
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卒業したら漫画家としてプロの漫画家になってくっていこうっていう風な話が担当さんから出ているような状況で
京本は私は美大に行きたいっていうことを打ち明けるんですよね
漫画の中でははっきりとあんまり描写されてなかったと思うんですけど映画の中ではすごい綺麗なところで2人で話し合いをしてましたよね
ああいうのも映画の良さかなと思ったんですけどちょっと話が逸れましたね
京本が担当さんと話した帰りに私は美大に行きたいんだっていうことを富士野に伝えますよね
あのシーンで京本が絵が上手くなりたいんだっていうことを正直に富士野に伝えるんですよ
そこがすごくいいなーって思ってて
それはなぜかというとずっと京本の手を引いていたのは京本から見た時富士野だったんですよね
2人で初めて賞を獲得した時に賞金を握りし10万円賞金の10万円分握りしめて町へ繰り出して色々娯楽楽しんでたシーンもそうなんですけど
京本を外へ連れ出してその手を引くのはやっぱり富士野でしたし
京本がまだ部屋の中に引きこもっている時に絵を描くモチベーションを与えてくれていたのはやっぱり富士野だったんですよね
でそういうのもあっておそらくずっと京本の中では富士野っていうのは自分の中では憧れの存在であると同時に
ずっとこのままじゃいけないっていうことを感じさせる存在でもあった
いつかは富士野の手から離れて自分一人で絵に打ち込んでいかなきゃならないんだっていうところを感じてたと思うんです
それはコンプレックスとかからではなくてすごく真摯なリスペクトから来ている気持ちなんですよね
富士野がすごく立派で独り立ちしてて私を支えてくれるからこそ私も同じように一人で立たなきゃいけないっていう風に思ったわけなんです
すごく美しい心ですよね
これ面白いのが手を引いていたのは確かに富士野なんですよ
京本を外に連れ出して漫画を一緒に描いて支えているのは富士野なんですけど
富士野の背中を支えているのも京本だったんですよね
最初に富士野が絵を描く気持ちっていうのを本気にさせられたのは京本だったし
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一回絵をやめた富士野の心を支えてくれたのも京本だったんですよ
だから実はこの二人っていうのはどちらかが一方的に支え合う関係ではなくて
すごい心の根っこの部分ではお互いがお互いを支え合っているような関係性なんですよね
京本の方はその支えられているっていうところを自分の欠点というふうに捉えて
いや一緒に行くんじゃなくて私も一人立ちしなければっていう風な方向で成長を見せていく
一方で京本っていうのは逆ですね
富士野っていうのは京本に支えられている背中で二人で一緒に成長していこうっていう風に方向性を取っているんです
京本は一人立ちをする方向に
富士野はお互いで協力していくっていう方向でここですれ違いが起こるんですよね
お互いのことを一部に思っているはずなのにやり方が違うせいですれ違いが起こる
ここが大学進学とプロの漫画家っていうところの方向性の違いに出るんですよ
結局ここからですねお互いがお互いの道に進んでそれぞれの道を歩み始めると
京本は京本で美大で作品を作って頑張ってデッサンをしたりだとか
でかいキャンバスに絵を描いたりだとかっていうところをしていくと
富士野の方は富士野の方でシャークキックか
ちょっとファイアパンチとチェーンソー混じったようなあれですけど
シャークキックの連載が始まってどんどん描いていくと
結構売れっ子ですよねかなり売れっ子でしたけど
お互いがお互いそれぞれ頑張っていくんですよね
そんな言ったら離れ離れになって
お互いがお互いそれぞれで頑張っていたある時に
もう一度二人を寄せ合わせることになる
悲劇的な事件があるわけなんですよね
それは大学に教えた不審者がピッケルなのか斧なのか
金属製の危険な作業用具っていうところを持ち歩いて
大学生を殺してしまうっていう悲惨な事件が起きて
その被害者に非常に悔しいことではありますが
今日もとか被害に遭ってしまい
亡くなってしまうっていうすごく悲惨な事件があったんですよね
これはその富士野にとってはとんでもない喪失感
だったと思うんですよ
24:00
想像してみるとその何て言ったんですかね
目の前の机の液晶のタブレットに打ち込んではいるんだけども
ずっと背中には何か感触があったんです
だけれどもある時ふとそれもニュースの音声ですよね
ニュースの音声を聞いた時にふと背中が軽くなって振り返ってみたら
ずっとずっと自分の背中に手を添えていてくれていた
あの人がいなくなっていると
それも突然にですよ
しかもそれも非常に悲しい事件によって失われると
その事件の原因ではないでしろ
彼女が事件現場に行く原因を作ってしまった
つまり美大への進学を志すように
絵に没頭させてしまったきっかけを作ったのは
自分だったっていうところまで想像ができるのであれば
それはもうすごい後悔ですよね
自分が関わらなかったら
こんな素晴らしい人間が死なずに住んだかもしれないっていう後悔はやっぱり
破壊しれないと思ってて
だからこそ今日もと失った後の藤野っていうのは
すごく見てられないというか悲しい気持ちになりましたね
ただやっぱルックバックはこっからなんですよね
こっから藤野が破り捨てた
自分の過去を書いた漫画画ですよね
漫画ですよね
の切れ端が扉の向こうにすいっといて
もしもの世界
もしも部屋から出てこなかったらっていう世界線の
今日もとに髪の切れ端が渡るっていうあの橋渡しのシーン
あれはやばいですよね
ここでこれ使ってくるのかっていう
漫画表現として美しい素晴らしい1ページだったんですけど
あれは映画表現としても素晴らしいものになっていましたね
最初の方にも言ったんですけど
藤野と今日もとが扉を開けて
はじめましてをしたわけじゃないんですよ
お互いのはじめましてっていうところのきっかけを作ったのは
扉の向こう側に入り込んでしまった
吸い込まれていった漫画だったんですよね
漫画をきっかけにして2人は引き合わされることになった
こっちのifの世界でも同様に漫画によって
お互いが出会わない世界っていうのを
出会えない場合っていうのを表現してるわけなんです
そこもちょっと因果的というか
2人を引き合わせたのが漫画であったように
2人がもし会わなかったらっていうところのきっかけを
作ったのも漫画だったっていうのは
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すごく運命的というか
ちょっと何か考えさせられるものがあるなって思ったんですけど
やっぱあのifの世界で救われることって何かって言ったら
藤野と京本が結局出会わなかったとしても
京本は美大に行ってたっていうのは
すごくいいことだと救われるなと思ったんですよ
それは藤野きっかけで彼女が絵に打ち込んだ
打ち込むことになったわけではなくて
元より彼女は絵が本当に好きだったっていうことだと思うんですよ
京本が亡くなって打ちひじがれてる藤野自身が
そんなifの世界について知ることはできないので
僕らが感じ取ってる救われるなーか
彼女が結局漫画家を目指すようなことを経験しなかったとしても
美大に行くんだなっていう
藤野のせいじゃなかったんだっていうところを
知った状態で物語を楽しめるっていうか
進んでいられるっていうところは
やっぱあれがフィクションだからこそできることというか
救いっていうものが読者の中で
あのifの世界を見ることで読者の心が
視聴者の心が救われるっていうのは
あれはやっぱもちろんやるせないことではあるんですけど
表現としてもいいなーっていうふうにすごい思ったんですよね
あのシーンですよね
if世界の京本が大学を襲った犯人に
殺されそうになったときに向こうの世界の藤野が
彼女を助けて足を折った藤野と京本が出会って
結局お互いのことを認知すると
で家に帰った藤野が京本がかつて
集めてた学級日誌の漫画っていうところをめくりながら
絵を描いて漫画を描いてその漫画が風でビュッと吹かれて帰ってくる
また扉の下を通って元の世界藤野に手渡される
ここもやっぱいいんですよね2人をつなぐのはやっぱ漫画なんですよ
扉を隔てて向こう側にいる顔の見えない相手と
最初のうちからずっとやりとりしてたと思うんですよ学級日誌
学年新聞の時からその時からずっと彼女たちは
4コマ漫画っていうものを返して分かり合ってきてるわけだから
漫画っていう媒体によってifの世界と
現実の世界っていうところを橋渡しするっていう表現は
やっぱりあれは素晴らしいなと
あの作品の中で感動できるシーンが
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戻ってきた4コマ漫画を読んで
部屋の扉に手をかけて開けるっていうあのシーンがやっぱ一番
グッとくるというか感動するようなシーンだと思うんですけど
ここでやっぱタイトルに戻ってきますよね
ルックバックっていう
この話の中でも言ってたと思うんですけど
橋本と藤野っていうのは
お互いがお互いの背中っていうのをやっぱり支え合ってきてきてたんですよ
で
それは結局のところ成長したい方向性の違いから
お互い道を分かつことになった後も同様で
部屋の中に入って実は自分が書き続けたシャークキックを
橋本は漫画も何冊も買ってジャンプも買って
ジャンプのアンケートにも答えて活躍している藤野のことを支えてた
実際藤野の中では精神的な支えに橋本がいたし
漫画の売り上げっていう面でも橋本は欠かさず彼女のことを支えてた
そして同時に今はいないんだけれども部屋の中の痕跡を見て
彼女は橋本は私によって支えられてたんだなっていうことを知るんですよ
その部屋を見た藤野が振り返ると
部屋の扉には藤野あゆむと書かれたちゃんちゃんこが書けられているわけなんですよね
やっぱこのシーンはすごく感動的だなって思ってて
自分の背中を押してくれてた橋本がいなくなって
橋本の部屋の部屋の中に入って初めて橋本の背中を押していたのは
自分だっていうことに気がつくんですよね
そして橋本がいなくなって
まさに彼女と一緒に漫画を書く
彼女のために漫画を書くっていうところをモチベーションとしていた藤野が
次何のために漫画を書けばいいのかっていうところを
見失っていたところに答えが飛び込んでくるんですよ
これは自分のために書くことなんです
これまで橋本のために書いてきた漫画
橋本の背中を押してきた漫画っていうのを
次は自分の背中を自分で支える
橋本が添えてくれていた手を次は自分の手に添え替える
自分の背中を自分で押すっていうところを
33:00
彼女の部屋に入って彼女の部屋の扉に振り返って
彼女の背中を押していた自分の名前を見て
次は自分の背中を押すのは自分なんだっていうところに
あそこで気が付くんですよ
何のために絵を書くかっていうところで
何のために漫画を書くかっていうところで
彼女は大きな絶望と喪失感を抱えてたんですけれども
ここで答えが見つかるんですよね
彼女のために書かないと
いやいや彼女はいないじゃないか
違う違う違うこれは自分のために書くんだと
自分のために真摯に向き合って漫画を書くことが
まさに彼女のためになるんだっていうことに気が付いて
彼女は歩き始めるんですよね
自分の部屋に戻って
あの日と同じ背中になるんですよ
学年だよりの上の4コマ漫画の中で切磋琢磨し合った彼女
彼女に負けないように下向きに努力を重ねて
絵の練習を重ねてきたあの日の背中
まさしく彼女に押してもらった背中っていうのを
彼女は今日もとなしで実現するんですよ
そこからエンドロールにバーって入っていくんですけど
もうあれは悲しくて仕方なかった
僕は藤野の今日もとなしで支えている
自分自身の背中っていうところの大きさと
それと同時にもうこの世界には
彼女がすごく大切にしてきた
今日もとの存在がいないっていう不在感
まさに今彼女一人で漫画を描いてるっていうことがわかるからこそ
そこにもう亡き友の不在感っていうのが色濃く出てくるというか
彼女の背中を俯瞰しながらエンドロールに入り
だんだん日が暮れて彼女がいなくなって終わるっていうすごく
なんて言うんですかね
明日もきっと同じ場所で絵を描くんだなっていうことが想像されつつも
この先はずっと彼女一人になるんだっていう悲しさもある
しかし漫画を手に取る側はそんなことはわからない
もっともっと面白い漫画が出てきて喜ぶかもしれない
その読書を喜ばせる顔のために彼女は今日も描くし
明日も描くしずっとずっと描き続けるんだろう
これからも彼女の人生は続くっていう
エンドロールの外側にまで自分私たちのね
視聴者の心を引っ張り出してくれるっていう終わり方は
まあ素晴らしかった
あれは良かったなって思いましたね
でエンドロールの最中
あちこちから鼻をすする声が聞こえてきて
他でもなく私も鼻をすすってたんですけど
いやーこれは泣いちゃうよなこれ悲しいよな
でもこれからの気分はあるよなって
そう思ってましたね
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やっぱり物語の中に閉じた話でいけば
京本と藤野っていう2人の背中を押し合う
っていう関係性を見るんですけど
顔面を隔てて僕ら側も彼女たちの背中を見て
また同様に自分の背中を押されるっていう
そういう構造の中に自分を組み込んだ時に
やっぱり明日からどういう風に生きようかな
みたいなところの勇気ももらえて
でなんだろうな
悲しいんだけどやっぱ素晴らしいな漫画って
やっぱ素晴らしいな友情って
やっぱ素晴らしいな
もっと自分が打ち込むことってやっぱ素晴らしいな
何か努力したいなっていう風に
そういう思いを持ち帰れるっていう
すごい良い終わり方でしたね
めっちゃ感動しました
はいというわけで
長々と一人でぐつぐつ喋っちまったんですが
いかがでしたでしょうか
本当に面白かった
もう1回見たいぐらいですね
時間があったらもう1回見て
もう1回見たら多分冒頭から泣いちゃうな
このひたむきな背中を見せられて
耐えきれずに泣きそうだな
2回見たら冒頭から泣きそうですけど
もしこのラジオを聞いていて
まだ映画見てないよっていう人がいたら
ぜひとも見ていただきたいです
非常に素晴らしい作品となっておりますので
お時間あったらぜひ見てみてください
本日は1人でしたけれども
来週からまた戻って
2人で何かとやかく喋っていこうと思いますので
よろしくお願いいたします
ご視聴ありがとうございました
とりあえずベンチでは
リスナーの方からのご感想、ご質問などを
お待ちしております
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よろしくお願いいたします