強みを尖らせ、弱みは得意な人を採用して補えばいい。経験より伸びしろを見て、若い人材を抜擢すればいい。スタートアップの世界ではよく語られるこの考え方に、150年以上続く金融機関のトップは静かに異を唱えます。
今回は、セコイア・キャピタルのポッドキャスト「Long Strange Trip」に出演した、ゴールドマン・サックス会長兼CEOのデビッド・ソロモンのトークを取り上げます。「最も賢い人である必要はない、十分に賢ければいい」という人材観、簡単に答えが出る問題はCEOまで上がってこないという51対49の意思決定論、そして自分がCEOになれた理由に運とタイミングを数える姿勢。創業者に求められる能力と、巨大な伝統企業のCEOに求められる能力は、どこで分かれるのかという話をしています。
▼ 今回のトピック
取り上げる素材:セコイア・キャピタル「Long Strange Trip」エピソード4(2025年12月公開)
「十分に賢ければいい」──知的能力だけでは大きな組織は率いられない
51対49の判断:簡単に答えが出る問題は、そもそもCEOまで上がってこない
経験の価値が最も現れるのは、物事がうまくいかなくなったとき
強みを伸ばすか、弱みに向き合うか──シリコンバレーの通説への異論
ベア・スターンズ時代のメンターから叩き込まれた自己省察
突出した能力で会社を作る創業者と、戦略・人材・顧客・株主・リスクを見る巨大組織のCEO
「コンパスを北に向け続ける」──場の空気に反して「やらない」と決めた元CEOポールソンの場面
2015年に交代が起きていれば、自分はCEOではなかった──成功を能力だけで説明しない姿勢
議論:外野から20点、30点に見える意思決定の裏にある制約条件
「できない理由が100個ある」で開き直らず、少しでも差を詰める努力がジャッジメント
尖るか、全体を整えるか──スタートアップと大企業の人材観は神学論争か
▼ 参考文献
スピーダスタートアップ情報リサーチ
https://jp.ub-speeda.com/solutions/startup/
Sequoia Capital「Long Strange Trip」EP.04 「Goldman Sachs CEO David Solomon: What Startup Founders Get Wrong About the CEO Job」
https://sequoiacap.com/podcast/goldman-sachs-ceo-david-solomon-what-startup-founders-get-wrong-about-the-ceo-job
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※本番組の切り抜き・文字起こし・引用は、出典を明記のうえご自由にどうぞ。
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サマリー
セコイア・キャピタルのポッドキャストに出演したゴールドマン・サックス会長兼CEO、デイビッド・ソロモンの経営論を取り上げる。CEOに上がる問題は正解が一つでない「51対49」の判断であり、逆境や失敗を含む経験が判断力を支えると語られる。強みを伸ばし弱みは他人で補うというスタートアップ的な人材観に対し、巨大組織のCEOには自己精査と弱点の改善、戦略・人材・顧客・株主・リスクを見渡す総合力が必要だと説明される。さらに、周囲の圧力に流されず方針を守ること、CEO就任には能力だけでなく運やタイミングも関わることが紹介される。後半では、外部からは低く見える意思決定にも制約条件がある一方、制約を理由に諦めず少しでも改善する努力が重要だと議論し、スタートアップと大企業の人材観の違いを「神学論争」と捉えて締めくくる。
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