00:00
はい、tantotの時々読書日記第15回ですね。今日はですね、ジョン・アーヴィングのサーカスの息子について話したいと思います。
こちらはですね、身長文庫版の手元にあるのは上下間、めちゃくちゃ分厚いです。
で、ジョン・アーヴィング、この前、ポールオースターの話をちょっとしたんですけど、
実は正直、ポールオースターも好きなんですけど、アメリカ文学といえば、このジョン・アーヴィングが最高に大好きで、
結構、海外の作家で好きな作家を一人あげてくれって言われたら、好きな作品をあげてくれと言われたら、結構最初に出てくる名前をあげる感じかなと思っています。
ジョン・アーヴィングは一番有名な作品で言うと、ガープの世界っていう映画にもなった作品が、映画も結構日本でもヒットした作品があって、
それで結構日本では知られてるかなと思うんですけど、それ以外にも非常に傑作はいっぱいあって、
僕はちょっとガープの世界よりも、このサーカスの息子とか、あとはですね、未亡人の1年とか、結構その辺が一番好きな作品1,2って感じかなというところです。
で、今これ気づいたんですけど、サーカスの息子、翻訳してるの岸本幸子さんなんですね。
岸本さんってエッセイとか、翻訳家としてもすごい有名ですけど、エッセイがすごい面白いエッセイを書く人で、
岸本さんの、いつか行きたい海っていう、モンキーって柴田本幸さんが責任編集やってる雑誌の連載している、
今も知ってるのか知ってないのかわかんないですけど、知ってた、面白いエッセイがあって、聞いたことない、行ったことない場所とか駅について語るみたいな、そういう話なんですけど、
それが面白くてすごい関係ない話しちゃいましたね。その岸本幸子さんが翻訳なんですね。
サーカスの息子の話に戻ると、こちらジョン・アービング、僕の大好きなジョン・アービングの作品の中でも、さらに1話、2話を争うぐらい好きな作品です。
これ特徴的なのは、アービングの特徴なんですけど、とにかく話が長い。
これもサーカスの息子も、上下巻なんですけど、それぞれ600ページぐらいあるような感じの上下巻で、とにかく話が長い。
03:13
ストーリーテラー、機体のストーリーテラーという感じですね。アメリカ文学って、大須さんの時にも話したんですけど、結構こういう話の長いやつが多くて、
とにかく細かく細かくというか、ひたすら話がストーリーをどんどん積み上げていくような、そういうタイプの話が結構多いなという印象があります。
フランスの小説とかって、そんなに語れるほど読んでないんですけど、やっぱりその19世紀フランス文学とかの伝統の上に乗っかっているので、結構この心理描写みたいなものが細かく描かれていて、
すごく登場人物の微細な心理に入っていくような、そんな話がフランス文学の特徴みたいなものだとしたら、アメリカ文学の特徴は、あまりそういう細かい心理のひだみたいなところよりも、とにかくストーリーを紡いでいく面白さ。
そこで勝負している。それがすごい特徴なんじゃないかなと思っていて、アーヴィングは本当にそれの、僕の中ではストーリーテリングの面白さの最高潮の一人みたいな、そんな感じで考えています。
全然サーカスの息子の話に入らないんですけど、サーカスの息子の話はどんな話かというと、舞台はインドなんですけど、カナダにいるインド系のカナダ人、パルークっていうのが、おじさんが主人公なんですけど、カナダに住んでいるんですけど、
インドにすごく思い入れ、故郷なので思い入れがあって、そこにたびたび戻ると。その戻る理由が、サーカスが大好きなんですよね。インドでやっているサーカス市座があって、そんなに売れていないサーカス市座があって、そこのサーカスの人たちとすごく親密に付き合っているんですけど、
一応目的としてはサーカスの小人、これは昔で言う差別用語みたいな話になっていますけど、サーカスはいわゆる小人、小人症の人たちの遺伝子を研究するためみたいな、そんな目的ではあるんですけど、
たぶんそういう目的もありつつも、とにかくボンベイ、インドの人たちとか空気とかそういうのが大好きで、たびたび戻っていると。話としてはパルークがボンベイに戻ったときに、殺人事件、そこで起きていた殺人事件に巻き込まれていくみたいな、それで物語がどんどん展開していって、
06:22
その中にパルークも出てくるし、サーカスにいる小人のパルークの運転手をやっている人だとか、空中ブランコをやるお姉さんだとか、いろんなサーカスの人だとか、あるいはパルークが息子同然に可愛がっているインドのイケメン俳優だとか、いろんな人が。
あとパルークが通っている高級クラブ、富裕層が通うようなクラブの中に来ている女装合趣味の人みたいな人とか、とにかくいろんな人が出てくるんですよ。
話もすごい面白いですし、何よりもアーヴィングの作品は、いわゆるマイノリティみたいな人たちも含めた、いろんな人たちへの愛のこもった描き方が本当に素晴らしいと思っています。
とにかくいろんな、いわゆる社会的マイノリティみたいにあたる人がいろいろ出てくるんですけど、それはサーカスの息子もそうだし、他の作品、ガープの世界なんかもそうですよね。
その人たちの描き方が本当に温かいまなざしというか、いわゆる世の中から差別されていたりとか、大事にされていなかったりみたいな人たちなんですけど、やっぱり一生懸命生きている。
それを別に特別視するというよりは、当たり前のように、いわゆる普通っぽい人たちも、いわゆる普通じゃないとされているような人たちも、当たり前のように共存していて、当たり前のように生きていて、それぞれも個性のある一人の人間なんだよみたいなのが、
やっぱりその描き方が端々から感じられているっていうところが非常に素晴らしい。それが本当にアービングの作品の本質なのかな。
マイノリティだとか、悲しみだとか、そういうものを広く受け入れる器の広いお話です。
そういうふうに言ってしまうと、つまんない、ちょっと堅苦しい、真面目な感じなのかと、もしかしたら取られちゃうかもしれないんですけど、そんなことは全くなくて、さっき最初にも話したように、話はもう抜群に面白いんですよ。
09:15
いろんな事件が起きたりとか、ちょっとした人と人とのコミュニケーション、話とかやり取りとか、その中にもちょっとしたユーモアとかギャグっぽい要素も含まれていて、結構ギラギラ、途中でギラギラ笑っちゃうみたいなところもあったりしつつ、でも全体としてはすごくさまざまな人たちへの優しい眼差しにした作品になっているというところで、
ほとんど中身について全然しゃべれませんでしたが、とにかくアーミングの作品大好きですということだけ伝わるといいかなというふうに思っています。
最初の方だけちょっと読んでみるか。最初読んでもあんまわかんないかもしれない。
扇風機の羽の上のカラス。小人の地。いつも小人に引き戻されてきたのだった。サーカスへ、そしてインドへ。石はこれが最後だと思いながら、モンベイを後にするあの気分をこれまで何度も味わっていた。
インドの後にするたびに彼はもう二度と戻ってくる前と心に誓った。しかし何年か経つと、4年か5年、それ以上ということはなかった。再びトロントからクールをはるはる舞い戻ってきた。
そんな感じでちょっと進む。もともと家族の中にインドで生まれの者は一人もいなかった。それなのにまるでそれが運命であるかのように彼はインドに舞い戻った。これからも繰り返し戻っていくに違いなかった。
永遠にではないにせよ。少なくともサーカスに小人がいる限りは。こんな感じで始まって、このファルークのインドに対する愛と愛憎を入り混じった感情、その辺がいいんですよね。
さっきの優しい眼差しみたいなものは、ある程度ファルークの視点で描かれているので、インドに対するすごい愛情もあるんだけど、一方でこのクソみたいな土地柄とかクソみたいなやつらみたいなしょうもねえやつらがみたいなそういう眼差しもあって、
でもやっぱりこう愛して憎めない、この場所が好き、なぜか分からないけど惹かれてしまうみたいな、そのファルークの視点を通してこのインドの様々な人たちのことを見ることができるっていう素晴らしい、そういうところも素晴らしい作品なんじゃないかなと思います。
ちょっと長くなっちゃいました。ちょっとダラダラと喋ってしまいましたが、今日はサーカスの息子、ジョン・アーヴィング、岸本幸子さん役ですね。上下官、こちらについてお話ししました。アーヴィングの作品は、もしかしたら何度も取り上げていくことになるかもしれません。
12:12
では今日はこちらで終わります。もし気に入っていただけた方はフォローを残していただけると嬉しいです。ありがとうございました。