オーシャンズが今でもやってる街角パパラッチってスナップ企画があるんですけど、
スナップとかリアルな等身大な人たちへの憧れっていうのがこの辺から多分芽生えていくんですよ。
初めて特集やったのは2009年だったと思うんですけど、でそれがすごく大反響をいただいて、
そうなんですね。
それまではね、海外のスナップか女性のスナップかすごい若い子たちのスナップはあったんですけど、
当時の編集長の言葉を借りると、おじさんのスナップがない。
はい。
本当にみんな着てるものが知りたいのに、おじさんのスナップがないからそれをやろうって。
なるほど。
それまであんまなかったんですね。
ないんですよ。
今普通だから全然思い出せないです。
そう、海外の方のそれこそそういうファッション紹介場のスナップとかがあって、
で日本の雑誌でもそれを載せていたりとか、僕も海外の取材とか行くと、
なんでお前の雑誌は日本の雑誌なのに表紙が海外の人なのかって、
誰に向けて作ってんだっていう、よくJクルーとか大好きだったんで。
Jクルーのディレクターとかに、
いや日本人の身の回りのかっこいい人を起用した方がいいんじゃないかっていうので、
オーシャンズもそこから一気にモデルさんたちを全部日本人のモデルの方に変えて。
そうなるんですね。
たぶん価値観がそういう憧れってすごい高いところからどんどん。
リアルなる方向。
で、たぶんそういうのが1回目の時みたいなSNSのより身近な人の憧れとか、
っていうところにこう徐々に繋がっていく。
点だけ見るとすごい楽さに感じるんですけど、
実際こう追っかけてると全部実は点でこう繋がってるんで。
それでなんとなくファッションの変遷もされてきているんじゃないかなという気はします。
憧れの対象はそんな感じに変わっていったのか。
相当反響あったんですか?
相当反響ありました。
もうあのいろんな意味でだと思うんですけどね。
そうやってなかったで、実際に参考にしたいから買ってくれたとかっていうこともあると思うんですけど、
あとは撮らせてもらった人が買ってくれるっていう。
基本的には当時皆さん協力していただいた方なんで、
全員載せるっていう方針でやってたんで。
そうすると皆さん何かしら手に取ってくれる。
当時はSNSもそんなに活性化してないんで、
まさに口コミであったりとか、
最初に伝えたように父親っていう属性もあったんで、
子供のスナップも載せてたんで。
そうすると、親の心理としては子供の分も買おうとかっていうことで、
いろんなことが絡まってよく売れたっていう結果になったんですけど、
当時はそこまでマーケティング的に考えたようにね、
撮らせてもらった人たちにどうやって恩返しするかとか、
どうやったら楽しんでもらえるかっていう。
だったら子供ちゃんと載せるべきだろうとか、
そういうような発想でやってたんで。
純粋な編集だったとは思いますね。
なるほど。
SNSとかが変えられるよりはちょっと前ってことですね、今の話だと。
でも同じくらいか。
重なってんのか。
ここまではなかったけど。
あの時だってありました?
多分ね、ものとしてはあったと思いますよ。
特にFacebookとかもあったと思うし、
Twitterもあったんだと思うんすけど、
そこまでね、こういう今みたいな状態じゃないというか、
みんながやってるわけでもないっていう感じだったんじゃないのかなと思いますね。
なるほど。
なんかだから直接違うかもしれないですけど、
前回でおっしゃってたフラット化するとか、
分散化するとかにちょっと似ているかもしれないですね。
要は憧れの対象だった、
誰でもわかるような有名な方からもっと民主化していくみたいなことってことですよね。
もう1個価値観の変化っていうのがあるんで、
多分その時ってこれも怒られちゃう人もいるかもしれないけど、
モテるっていうすごい1個重要な価値観だったと思ってて、
だからレオンがあんだけヒットして、
逆に女性の方だとキャンキャンとかが100万部とか売ってたのがこの時代なんですよ。
100万部ですよ、雑誌で。
そんなだったんだ。
エビちゃん萌えちゃんとか山田ゆうさんとかっていうような。
そうだ。
頃。
あの時も。
100万部売れてたんですか。
そうです。
モテ川とかっていう。
すごい時代だったんです。
そう、もうめちゃくちゃ勢いもあったし、
世の中もまだそこまで不景気ではないっていうのもあったと思いますけど、
その威勢にモテるっていうことがきっと前提にあっただろうなっていう、
そういうためのものを欲する世の中の価値観っていうのがあっただろうなっていうふうには推察できて、
これは僕の意見ですけどね、
推察できて、でもそれが価値観も変わってくると、
ただ威勢にモテるんじゃなくて、
人としてモテたいとか、
まあお子さんがいる方もそうだし、
実際公演に行くのにそんな繊細な服着ていけないなとかっていうのも。
そうですね。
あるんで。
なるとやっぱりそのターゲットになる人が、
どんなライフスタイル送ってるかなから逆算してっていくと、
ライフスタイルの提案もセットでしてあげたくなるし、
そこにはまった人はね、
多分別のメディアが今度あるんで、
そこまでうちにいてくださいとも思っていないっていうか。
サーフィンってかっこいいよねっていうところを入り口にしてくれたら、
あと本当に知りたいんだったら今だからYouTubeでね、
ライダーの人の何か見た方がいいでしょうし、
ただこういう居場所みたいなのを持ってた方が、
ライフスタイル豊かになりませんかっていうところまでは、
常にこうコミュニケーションは取ってないっていう感じですね。
なるほど。
面白いですね。
これまでの話で、
特にトライブみたいなのがどんどんできていって、
すごく個別化していって、
さっきの100万部売れる雑誌とかっていうのは、
多分今後なさそうだなと思って、
どっちかというとどれだけ狭い領域で深く、
それこそペルソナニーズであったものを作っていくかみたいな感じに
どんどんなってるんだろうなと思って聞いてたんですけど、
未来予測みたいなところで言うと、
今後メンズファッションの領域が、
どんな風になっていきそうなのかとか、
そういう未来があるから、
オーシャンズというプラットフォームを
どんな感じにされていくのかとか、
いきたいのかとか、
その辺を聞かせいただくことができたりします。
そうですね。
ファッションがどうなっていくかとか、
長が僕が答えられるところではないですけど、
シンプルに今すごいハイブランドのものと、
逆にフレンドリーなプライスのものって、
同時にあるように、
富裕層にとっては、
そういうものが一個のステータスでもあるし、
必要なものなんだけれど、
買えないからとかっていうよりも、
それ不要だって思ってる人たちにとっては、
ファッションってある意味でも消費財にもなりつつあるっていうような、
もう世の中だとは思うんですよね。
それがさっき谷さんがおっしゃってたような、
ファッションだけでなかなかやりっくりしていくものではないっていう。
そういうのも思い当たる、
そうなってきたなって思うのが一個、
谷さんも当時絡んでた、
サタデイズとかニューヨークの洋服屋さんなんだけど、
そこにコーヒーショップが併設されていて、
そこのオーナーたちはサーフィンを日課にしていて、
それに付随する洋服とかデザインとかを作って、
サーフボードも売ってます。
もうそれってサーフライフを売ってるわけじゃないですか。
っていうところで多分ファッション一個だけじゃないんだなっていうのが生まれ始めて、
それ以降、セレクトショップの中にカフェがあるのも結構当たり前になったりとか、
雑貨売るのも当たり前になって。
さらにはもう一番最近だと、
ルイ・ビトンのメンズのディレクターがファレルに変わって。
要はもうファッションの村だけで全部賄うっていうのは多分もう無理なんですよね。
ビジネスとしてもクリエイティブとしても。
そこでどうやってレバレッジ効かせるかっていうときに、
他のものを掛け算どんどんしていくと、
結局はそれライフスタイル化だと思うんで、
そっちにどんどん流れていく中の一個のパーツがファッションっていう風になっていくんじゃないかなとは思ってます。
なるほど。面白い。
だからもうそういう意味でオーシャンズができた時から
ライフスタイルを語っていくみたいな感じのコンセプトで出されていた?
そうですよね。そこは多分偶然ですけど。
でもそっちの方向になってきてるわけですよね。
そういう意味で言うと。
じゃないのかなっていう。
感じ取るっていう。
昔ながらの編集者の方が鍵分けるとかねっていう能力がすごく大事だっていうのを聞いてますけど、
多分そういうのがあってそこに設定をして、
そこまで今みたいに分析ではなくて、
そこに価値を感じ取ってそういうテーマを作って、
そこでやってきた。
当時はだから父親とかっていうのもまだまだ認知がないんだよ。
かっこいい父親像ってなんだっていう。
まだまだねこう夜遊んで、夜な夜遊んで、
家帰り見てない方がもしかしたらイケてないかっていうような価値観の時代だったから、
それだけでやっていくのはきついよねっていうので、
手を替え品を替えオーシャンズの企画を組んでいくわけですけど、
父親っていうのも一回外してみようかとか言ってやった時もありましたけど、
だんだんそれがそんなの別にイケてないっていう。
より健康志向みたいな。
夜遊んでるんだったら昼遊んだ方が良くねみたいな。
都会でずっと酒飲んでるんだったらビーチサイドで酒飲んだ方が気持ちよくないみたいな、
そっちに価値観はずれているところはあるんで。
そうすると最初にたまたまオーシャンズとして設定していたところに何となく歯車が何となく合い始めていった。
同時にさっきのね多様化も進んでるんで、
別に夜な夜な遊ぶのがイケないわけでもないし、
そういう人たちはそういう人たちでっていうので一気に全部動いてるわけではないんですけど、
そういうところがまたこっちもイケてるよねっていう風にこの昼の部みたいなことになってるんじゃないかなって思いますよ。
いや面白いな。なんかITの領域もオリゾンタルとバーティカルとかよく言うんですよ。
いわゆるファッションっていう風に言うと、
メンズももちろんあってストリートもラグジュラリーももっとライトなやつもっていう風に多分あるじゃないですか。
それが多分横軸なんでホリゾンタルだと思うんですよ。
縦は多分今のライフスタイルとかで、服以外の例えば趣味とかまさに健康とか。
なんか今の原さんのお話をお聞きしてると、
ファッションの横でくくるんじゃなくて、いわゆるホリゾンタルでくくるんじゃなくて、
すぐバーティカルになってくる。
これってITの領域もいろんなサービスがあってホリゾンタルに事業展開してる人もいれば、
そうじゃなくてバーティカルにもっと狭いとこで深くってなってるのもあるんですけど、
やっぱその価値観がすごい多様化してるから、より横じゃなくて縦みたいな。
さっきのまさにサーフィンとか。
そこからサーファーのサーフボード、飲むコーヒー、着る洋服みたいなところに落としていく方が、
今の時代に合ってるよね、みたいな話なのかなって思って聞いてましたね。
なんか、分かる分かるの連続だと思うんですよね。
サーフィンした後、コーヒー飲みたいわとか、どうせやんだったらボードケースもこういう感じの欲しいよねとか、
車こっちでしょみたいな。
っていうので広がっていくと、それって洋服だけじゃもう無理なんじゃないですかね。
まさにその縦軸で、これが縦でも横でもどっちでもいいんですけど、
今までのカテゴリーとは違う切り方をしていってあげないと、
なかなか連続性は生まれないっていうスポットのヒットがあるかもしれないですけどね。
っていう風になってくるんじゃないですか。
確かに。
でもタネイチさんってまさにライフスタイルの人じゃないですか。
でもなんかライフスタイルの人ですよ。
服だけじゃなり、そこからいろいろとはみ出て、だってカレーやったり、そんな風にすごい見えるんですけどね。
まあでもそのバランスっていうのはね、やっぱり多分洋服を好きだったけど、
でもあまりにも洋服ばっかりあれすることもないし、
もっと学生時代とか、もっと好きなことやってたし、
なんかそういうところをリンクというか、その時になんかクッと客観した時、
なんかちょっとそれあんまりイケてるんじゃねえかと思っちゃったところもあったり、
まあそういう意味でのライフスタイルとかもリンクというかバランスというか、
まあ例えばセレクトだって昔Bさん入っちゃいけないとかって言ってたところを、
入ってっちゃう入ってちゃう。
入ってもよくないみたいな。
ところのところでまあなんか崩せるところは崩していくというか、
まあそういう部分はまああったり、スウェットパンツだったりとか、
でも多分それを可視化してくれて、市民権与えてくれたのがわりとオーシャンズなんじゃないのかなというか、
僕がそういう風にしてたのを拾ってくれたというか、
いいっしょリラックスして面白いじゃんって言ってくれたらしいかなとは思います。
それはすでに反響があったという、谷内さんが出てもらって、スナップで出てもらって、
そうするとこの服何ですかっていうのがメールとか届いたりするんですよ。
あ、スナップに出て谷内さんの服ってありそうな質問。
すごいっすね。
オーシャンズくらいいい感じだし。
でもそういうことが起こり始めてて、要は今までだと業界の人ではあるんですけど、
ビームスのほにゃららの谷内さんとかってウダウダ書いて出てもらってるわけじゃないんで、
要はモデルではない人に等身大のカッコよさをみんな反映したんだと思うんですよね。
あ、こういう感じの方がいいなっていう。
で、私服なんで、こっちはスタイリストと一緒に着せ込んだものではないんで、
ってなると思いがけないヒットが生まれるっていうのがさっきのより等身大なところかなっていうのと、
あとファッションの役割で1個思い出したのが、
ファッションってよくも悪くもめちゃくちゃ便利なツールだと思ってて、
消費されるものではあるんですけど、
人に何か伝えるっていう場合にこんな便利なものないんですよ。
こういうサービス始めますとか、こういう施設できますって言ったときに、
ファッション的な観点で何か素敵だなとか、
ファッション的なアイテムに落とし込んでそれを伝えるとかってやると、
みんな第一関門を突破しやすいんですよね。
確かに。とっつきやすいというか分かりやすいというか。
その場合はファッションアイテムっていうよりもファッション的感覚っていう方が近いと思うんですけど、
それをこういかに取り入れていろんなことをこう人に伝えていくかっていうときには、
ファッションっていうフィルターってめちゃくちゃ便利だなと思って、
さっきタネイチさんってそういうライフスタイル送ってますよねって言ってたときに思ったんですけど、
多分タネイチさんはそういうのを結構ナチュラルにやってるから、
だから多分今のお仕事もあるんでしょうし、
何か常に一歩半歩ぐらい先、一歩以上は行ってないぐらいのことをやってるように見えていくっていうか。
そんな感じはしますね。
ファッションの良いところっていうか。
なるほど。
吉倉原さんが原告がして助けてくれてるのに。
俺のことを肯定してる。
いやもうここでタネさん否定すると。
時間が。
そうですね、タネさんすごい褒められてる感じで終わったんですけど、
いやすごい面白かったです。ありがとうございます。
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感想はタネ明かしラジオをつけてポストしてもらえると嬉しいです。
それでは次回もお楽しみに。