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4月18日、木曜日の声日記です。
朝、実家から自宅に向かう途中の、実家の家を出たすぐのところから、収録を始めました。
竹藪の中で、またウグイスが鳴いているのが聞こえます。
映画「オッペンハイマー」のわかりにくさ
さて、映画「オッペンハイマー」、これを見てきたんですけれども、
その後、いろいろなことを考えています。
この映画、おそらく多くの人は、
非常にわかりにくい映画だというふうに思ったんじゃないでしょうか。
私も予想はしていたんですけれども、
すぐにはなかなか理解できませんでした。
この映画はですね、いくつかの物語が並行して進んでいる、
それを時間軸がですね、過去から現在へというふうに、時間順に進んでいくのではなくて、
行ったり来たりするような、そういう構造になっているんですね。
しかもそのいくつかの物語というのが、
ちょっと最初わかりにくいということで、
これもしかしたら最後までよくわかれなかった人もいると思うんですけれども、そうなるとですね、この映画、
これは何だったのかというふうに思ってしまうんじゃないかと思うんです。
で、この映画の主人公はですね、もちろんオッペンハイマーなんですけれども、
実はもう一人の主人公がいて、それがルイス・ストローズという、
オッペンハイマーと対決するような、そういう役回りの人なんですね。
戦後、オッペンハイマーをですね、
聴聞会に招いて、セキュリティクリアランス、
機密情報へのアクセス権をですね、
奪うという、そういうことを勧めた人なんですけれども、
だから言ってみればオッペンハイマーの敵なんですけれども、
そのオッペンハイマー対ストローズという、この対立がですね、
この映画を面白くしている一つの要因になるわけです。
で、この映画ですね、聴聞会、英語で言うとヒアリングですけれども、
こういう場面が出てくるんですけれども、実はこの聴聞会がですね、
二つあるんですね。一つはもちろんオッペンハイマーに関わる聴聞会なんですけど、
もう一つはですね、ストローズについてもですね、これが聴聞会が開かれている。
オッペンハイマーの方は密室で非公開なんですけど、ストローズの方は公開でという形で行われていまして、
その2つがですね、出てきまして、ストローズ自身もですね、
いわば議会からですね、いろいろと疑われるというか、
ストローズがですね、商務長官だったでしょうか、内閣の一員になりたかったんですけども、
結局それが議会、議員によって認められなかったというですね、そういう結末になるわけです。
で、この映画はですね、
その3つなんですね。3つの場面が行ったり来たりする。
カラーとモノクロの世界
で、オッペンハイマーが経験している世界はカラーなんです。
ですので、オッペンハイマーがですね、
(騒音)ちょっとうるさいところに来てしまいました。
オッペンハイマーが、
学生時代ですかね、ヨーロッパに留学するあたりから始まるんですけど、そこカラーなんですけども。
しかし、
ストローズのですね、その聴聞会のところ、ストローズ関係はですね、モノクロになっていると。
で、最初にちょっと文字が出てくるんです。これが何なんだろうという感じなんですけど、
一種の説明なんですが、 オッペンハイマーのところは
Fission、英語で言うとFission、 核分裂、つまり原爆に関わることなんですね。
それに対して、 ストローズのところはFusion、
核融合、つまり水爆に関わることなんですね。 ストローズは水爆推進派、オッペンハイマーは反対派だったんですけども、
そういうことで、 このオッペンハイマーとストローズ
の経験している世界をカラーとモノクロということで分けている。
これなんでそういうふうに 色がついたり消えたりするのかということが、分からない人いたかもしれませんけど、
そういうことだったわけですよね。 しかもですね、
オッペンハイマーが色々と嫌疑をかけられるわけですけども、 ストローズもですね、そういう一種の被告の立場に立つというところがですね、この映画の面白みなんです。
それをですね、時代背景など 含めてですね、予備知識があるととても楽しめるんですけど、
それがない人にはかなり理解が難しい映画だったんじゃないかなというふうに思いました。
ということで、今日はですね、ちょっと話す時間が長くなったので、車がたくさん通るところまで来てしまいましたが、これで今日の声日記終わりにします。