6月の始まりと記念日を振り返る
こんにちは、石井健一です。 今週もたまゆらタイムの時間がやってまいりました。
今日から6月。 暦の上ではもう初夏ですが、日本ではこれから梅雨の季節へ向かっていきます。
朝、窓を開けると少し湿った風。 紫陽花の色が少しずつ深くなり、田んぼには水が入り始める頃ですね。
春の終わりと夏の入り口、6月というのは季節が静かに入れ替わる月なのかもしれません。
さて、今日6月1日から始まるこの1週間、過去の出来事や記念日を少し振り返ってみましょう。
まず6月1日は気象記念日です。
1875年、日本で東京気象台が気象観測を始めた日に由来しています。
今ではスマートフォンを開けば数時間後の天気の動きまでわかる時代ですが、かつて天気は空を見るものでした。
季節を読む、風を読む、空気の匂いを感じる、そんな感覚は日本人の暮らしと深く結びついていたんだと思います。
そして6月2日は1859年、日本で初めて横浜港、長崎港、函館港が開港した日でもあります。
要するに港を開いたということですね。
港が開くということは、外国の文化や芸術、価値観が入ってくるということ、その後の日本は大きく時代を変えていきました。
6月3日は測量の日、1949年に測量法が公布されたことに由来しています。
地図というのは当たり前のように存在していますが、誰かが実際に歩き、測り、記録したものです。
山の高さ、川の位置、道の曲がり方、そういう積み重ねの上に私たちは今暮らしているんですね。
6月4日は虫の日。語呂合わせなんですけど、面白いのは漫画家の手塚治虫さんが特に音頭を取って、この6月4日は虫の日を提唱したということで知られています。
この季節になると夜の明かりに虫が集まり始めますね。
少しずつ夏の気配が訪れるということですね。
6月5日は環境の日。自然や地球環境について考える日です。
最近は気候変動という言葉もよく耳にします。昔とは少し違う季節の流れを感じることも増えました。
だからこそ自然とどう付き合っていくのか、それを考える時間はこれからはますます大切になるのかもしれません。
6月6日は楽器の日。昔から6歳の6月6日に始めた習い事は上達すると言われたことに由来しています。
音楽でも絵でもスポーツでも、何かを始めるのに遅すぎることはない。そんな気持ちを思い出させてくれる日でもありますね。
そして6月7日は1993年、北海道南西沖地震の伝調となる地震活動が圧迫化していた時期でもありました。
自然は時に穏やかで、時に大きな力を見せます。私たちはその中で生きている。そんなことも忘れてはいけません。
さてこうして6月の最初の1週間を見てみると、天気、港、地図、自然、音楽、人の暮らしと季節が深く結びついていることを感じます。
そして今日の後半では、そんな季節と人の願いが結びついた言葉、ジューンブライドについてお話ししていきます。
ジューンブライドの由来と日本での広がり
さて後半は6月ということで、ジューンブライドについてお話ししてみたいと思います。
今聴いていただいた歌もそんな感じの曲でしたよね。
6月の花嫁は幸せになれる。今では日本でもよく知られる言葉ですね。
けれど実はこれは元々日本に古くからあった習慣ではありません。ヨーロッパから伝わった言い伝えです。
しかも面白いのは日本で広まった背景にはかなり現実的な事情もあったということなんですね。
まずジューンブライドという言葉の由来についてお話ししましょう。これにはいくつかの説があります。
最も有力なのがローマ神話に登場する女神ユノ。英語ではジュノ。そして6月はジューン。
このジューンの語源になったとされるのが、結婚や家庭を司る女神ユノです。
ユノは女性や家庭、出産の守護神とも言われ、6月に結婚する花嫁は幸せになれるという考え方につながったと言われています。
確かに6月という響きにはどこか柔らかく優しい印象がありますよね。
そしてもう一つ、ヨーロッパの農村文化とも関係があると言われています。
昔のヨーロッパでは、春は農作業が非常に忙しい季節でした。
3月、4月、5月は結婚どころではない。そのため、結婚式を控える習慣があったとも言われています。
そして6月になると少し落ち着いて多くの人が祝福できる季節になる、つまりみんなに祝われる結婚式ができた月だったんですね。
さらにヨーロッパの6月は日本とは違って比較的雨が少なく気候も穏やかです。
花が咲き、空も明るく、街にも開放的な空気が流れる。
そんな季節だからこそ結婚式にふさわしいと考えられたわけです。
ところが日本の6月はどうでしょう。梅雨です。
雨が多く湿気も多い、洗濯物も乾きにくい、結婚式の日に雨になる可能性も高い。
実は昔の日本では6月は結婚式が少ない時期だったそうです。
なんせエアコンも今ほど発達したり広まってませんでしたから、もうジメジメ感満載だったわけですよね。
ではなぜ日本でこんなにジューンブライドが定着したんでしょうか。
さっきの結婚式が少ないっていうのがちょっと鍵になるんですよね。
きっかけは1960年代後半から1970年代にかけてのブライダル業界の戦略でした。
6月になると結婚式が減ってしまう。
そこでヨーロッパの結婚文化を調べる中で注目されたのがヨーロッパのジューンブライドだったんです。
6月の花嫁は幸せになれる、この言葉を日本でも広めていった。
特にホテルオークラなどが積極的にPRしたことで全国へ浸透していったと言われています。
つまり日本のジューンブライドはある意味で報告文化が生み出した習慣でもあるんですね。
でも面白いのはそれが単なる宣伝で終わらなかったことです。
人々はそこに幸せになりたいという願いを重ねました。
たとえ始まりが企業戦略だったとしてもそこに本当の思いが重なれば文化として定着していく。
これはとても日本らしい現象なのかもしれません。
考えてみれば季節と結婚というのは昔から深い関係がありました。
春は出会い、夏は開放感、秋は実り、冬は静かな時間。
その中で6月は少し特別です。
晴れの日ばかりではない、むしろ雨が多い。
でもその雨の向こうには必ず夏が待っている。
だからこそこれから先を一緒に歩くという結婚のイメージとどこか重なる部分がある気もします。
雨の日に始まる人生もある。
晴れの日ばかりではないけれどそれでも隣に誰かがいる。
そう考えると日本の梅雨の中の結婚式というのも案外悪くないのかもしれません。
最近では結婚式そのものの形も変わってきました。
大人数だけではなく家族だけの小さな式、写真だけを残すフォトウェディング、あるいは式をあげない選択。
時代によって結婚形は変わります。
けれど大切な人と生きていきたいという気持ちは昔も今も変わらないんでしょう。
だからこそジューンブライドという言葉も長く残っているのかもしれません。
6月の雨、紫陽花、白いドレス、曇り空の向こうの光、そんな景色を思い浮かべるとこの季節ならではの美しさを感じます。
季節と共に変わる結婚の形
さて今週のたまゆらタイム、そろそろお別れの時間です。
それではまた来週この時間にお会いしましょう。
石井ケンイチでした。
たまゆらのような優しい時間をどうぞお過ごしください。