季節の移り変わりと2月の出来事
こんにちは、石井健一です。 今週もたまゆらタイムの時間がやってまいりました。
2月も中旬に差し掛かろうとしています。 暦の上では春が始まるとはいえ、
朝の空気に触れると、まだまだ冬の深さを感じますよね。 ただ、
この時期の冬は、1月の閉じた寒さとはどこか違います。 日の出の時間が少しずつ早まり、夕方の空がほんのわずかに長く光を残す。
そんな小さな変化が、季節が確実に動いていることを教えてくれます。 真冬の静けさの中に、
ほんの少しだけ混ざり始めた、次の季節の気配。 この時期ならではの時間の流れですね。
さて、今日2月9日から始まるこの1週間。 この時期には、暮らしに近い話題から、歴史の節目となるようなことまで、
さまざまな出来事が重なっています。 まず、
今日2月9日は語呂合わせで、フグの日とされています。 冬の味覚の代表ともいえるフグ。
昔から、鳥扱いを誤ると命に関わる魚として知られ、 長い間、食べること自体が禁止されていた時代もありました。
それでも人は、この魚の味を忘れられなかった。 視覚精度や調理技術が整えられ、ようやく安全に楽しめる文化として定着していきました。
食文化というのは、危険と向かい合いながら、 少しずつ形を作ってきた歴史でもあるんですね。
そして、2月11日は建国記念の日。 日本という国の成り立ちを考える日とされています。
祝日として過ごすことが多い日ですが、こうした節目があることで、 私たちは過去と現在を行き来しながら生きている、そんな感覚を持つことができます。
また、この時期を振り返ると、スポーツや朝鮮の歴史にも 印象的な出来事が数多くあります。
実は後半でお話しするオリンピックの物語も、 まさにこの季節に深く結びついています。
今はオリンピック開催期間中なんですが、 この番組は生放送ではないので、リアルタイムな話題はできませんので、
こういう歴史につながっていくような話をしていくんですけどね。 その辺を楽しみにしていてください。
70年前のコルチナ・ダンペッツォオリンピック
さて後半は、先週も予告しました。
70年前の東京オリンピックの物語です。
ちょうど70年ですよ。1956年、しかも今回開催されているのと同じ、 イタリア、コルティナ・ランペッツォ。
この雪山で、日本の冬のスポーツ史にとって、 忘れることのできない出来事が起こりました。
なんとですね、日本人として初めて、 東京オリンピックでメダルを獲得した選手が誕生したんです。
くしくも70年前、今回と同じ場所です。
その選手が、アルペンスキー男子回転競技に出場した 伊賀谷千春選手でした。
当時、日本は冬の競技で世界と戦う存在ではありませんでした。
遠征環境も装備も情報も、今とは比べ物にならないほど厳しい時代です。
そんな中で迎えた回転競技。
1本目を終えた伊賀谷選手の順位は6位。
まあ、日本人にしてはかなり健闘しているなという順位でしたね。
当時無名の選手ですから、1本目の6位でもかなりの成績だと思います。
しかし、伊賀谷選手は2本目も大きなミスなく滑り、
この時点で2本を合わせた合計タイムでトップに立ちます。
暫定トップです。
ただ、ここから先が長いんですよ。
伊賀谷選手の後に滑る選手が80人ぐらい残ってましたからね。
有力選手もここでたくさん出てくるわけです。
ただ、この後出てくる選手がことごとく荒れていくコースに苦しみ、
次々とタイムを更新できません。
伊賀谷選手はずっと暫定1位のままどんどん時間が進んでいくんですね。
もしかしたら金メダルが生まれるのではないか。
そんな期待が会場に静かに広がっていきました。
ただ、長いですよ。この待たされている時間というのも。
あと残り2人というところでまだトップです。
メダルはとりあえず確定しました。
問題はメダルの色ですね。
そして最後に残っていたのは、この大会で既に2つの金メダルを獲得していた絶対的王者、
オーストリアのトニー・ザイラーでした。
1本目主位、最後に登場するまさに真打ちです。
彼がスタート地点に立った瞬間、会場の空気ははっきりと変わります。
そしてザイラーは圧倒的な滑りを見せ逆転、金メダル。
井谷千春選手は堂々の銀メダルに輝きました。
それは日本にとって東京オリンピック史上初めてのメダルでした。
世界の絶対王者を最後の瞬間まで追い詰めた滑り。
この銀メダルは日本の冬のスポーツに大きな希望を灯した瞬間でもありました。
日本の冬はあの雪山から始まった。
そう言っても決して大げさではないと思います。
番組の締めと来週の予告
さて今週のタマユラタイム、そろそろお別れの時間です。
今日は2月の季節感とこの時期の出来事、
そして70年前の東京オリンピックで生まれた
日本人初のメダルの物語をお届けしました。
来週の放送では少し視点を変えて、私たちが普段あまり意識していない
月の満ち欠けと日本人の暮らしとの関わりについて
ゆっくりお話ししてみたいと思います。
昔の人たちは月を時計のように使い、季節や生活のリズムを感じ取っていました。
満月や新月が農業や漁、そして年中行事にも深く関わっていた歴史があります。
夜空を見上げる時間が少しだけ楽しくなるような
そんなお話をお届けできたらと思っています。
それではまた来週この時間にお会いしましょう。
石井ケンイチでした。
珠浦のような優しい時間をどうぞお過ごしください。