5月の季節の移り変わりと記念日
こんにちは、石井ケンイチです。 今週も、たまゆらタイムの時間がやってまいりました。
5月に入りましたね。ゴールデンウィークの真ん中。 連休中という方も多いのではないでしょうか。
4月の終わりから5月の始めにかけては、1年の中でも空気が大きく変わる時期です。 春の柔らかさを残しながら、少しずつ初夏の明るさが混ざってくる。
木々の緑もほんの少し前までの淡い青葉から、 だんだん力強い色へと変わっていきます。
桜の季節が過ぎた後、なんとなく寂しいような気持ちになることもありますが、 その後にやってくる新緑の季節もまた良いものですよね。
山の緑、田んぼの水、風に揺れる草。 この時期の風景には、これから育っていくものの気配がたくさんあります。
今日5月4日は緑の日です。 自然に親しみ、その恵みに感謝する日とされています。
ゴールデンウィークというと、ついお出かけや、そういった予定の方に気持ちが向きがちですが、 少し立ち止まって今の季節の緑を見るだけでも、この日の意味を感じられるかもしれません。
そして明日5月5日は子どもの日。 昔から単語の節句とも重なる日です。
今では子どもたちの健やかな成長を願う祝日として広く親しまれていますが、 その背景には古い節句の行事や男の子の成長を願う風習が重なっています。
この子どもの日に欠かせないものといえば、やはり恋のぼりですね。 この恋のぼりのお話は後半でじっくりしていきたいと思います。
さて、今日5月4日から始まるこの1週間、記念日を中心に見ていきましょう。 まず今日5月4日は先ほどお話しした緑の日。
新緑の季節にふさわしい祝日です。 5月5日は子どもの日。そして単語の節句です。
今年の5月6日は休日になりますね。 連休の流れの中で少しゆっくり過ごせる方も多いかもしれません。
5月7日は粉もんの日。57で粉という語呂合わせです。 たこ焼きやお好み焼き、うどん、そば、パンなど粉を使った食文化にちなんだ日です。
こうしてみると日本の記念日には言葉遊びや語呂合わせから生まれたものも本当に多いですよね。
ということで5月8日も語呂合わせ、ゴーヤの日です。 58ですね。
沖縄の食文化や初夏に向かう季節感を感じさせます。 そして5月9日はアイスクリームの日。
だんだん気温が上がってくるこの時期には冷たいものが恋しくなってきますね。 この1週間は自然、子ども、食べ物、季節の変化、
暮らしに近い話題がたくさん並んでいます。 勉強中の方もお仕事の方もそれぞれ5月の時間を大切に過ごしていきたいですね。
鯉のぼりの由来と込められた願い
さて後半は明日5月5日の子どもの日にちなんで恋のぼりのお話をしてみたいと思います。
5月の空に泳ぐ恋のぼり、あの姿を見ると今年もこの季節が来たなと感じますよね。
大きな真恋、赤いひごい、そして小さな子どもの恋。 今では家族を表す飾りとして見ることが多いですが、
もともとの恋のぼりは家族の飾りとして生まれたものではありませんでした。 出発点にあったのは男の子の成長を願う気持ちです。
強く育ってほしい。たくましく生きてほしい。 困難に負けず上へ上へと進んでほしい。
そうした願いを空に掲げたものだったんですね。 そもそも5月5日は古くから単語の節句と呼ばれてきました。
単語の節句は語節句の一つです。 もともとは季節の変わり目に邪気を払う意味を持った行事でした。
勝負を飾ったり勝負湯に入ったりする習慣もそこからつながっています。 この勝負という言葉が武道を門じる勝負と同じ読みであることから、
やがて武家社会の中で男の子の成長を祝う行事として意味を強めていきました。 江戸時代になると武家では男の子の誕生や成長を祝って
上りや吹き流しを立てるようになります。 これは武士の家にとって後継ぎの誕生や成長がとても大切だったからです。
家を継ぎ名を残し立派に成長してほしい。 そんな願いが上りという形で外へ示されたわけです。
やがてその風習は町人の間にも広がっていきます。 ただ町人たちは武士と同じような上りを立てるのではなく、自分たちなりの形でその願いを表そうとしました。
そこで選ばれたのが恋。 ではなぜ恋だったのでしょうか。
そこには中国の古い伝説が関係しています。 東流門という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。
中国の古画には龍門と呼ばれる九龍があり、 そこを登り切った恋は竜になるという伝説があります。
九龍を登るというのはとても困難なこと。 けれどその困難を乗り越えた恋はただの魚ではなく竜になる。
この物語から恋は困難に負けず上へ向かって進む存在として考えられるようになりました。
つまり恋は立身出世の象徴だったんですね。 今の言葉で言えばどんな壁があっても乗り越えて大きくなってほしいという願いです。
だからこそ男の子の成長を願う単語の節句に恋はふさわしい存在だったんでしょう。
江戸時代の中頃になると恋上りは町人の間でもかなり広まっていきます。
武士の上り文化を庶民が自分たちなりに作り変えた。 ここが面白いところです。
ただ真似をするのではなくそこに恋という物語を重ねた。 空を泳ぐ魚。
本来なら水の中にいるはずの恋が風を受けて空を泳いでいる。 この姿そのものが現実を超えて願いを形にしたもののようにも見えます。
恋上りはただの飾りではありません。 強く育て大きくなれ困難を越えて進め、そんな切実でまっすぐな願いが込められていました。
時代とともに行事の意味は少しずつ変わっていきます。 けれど子供が健やかに育ってほしいという願いは昔も今も変わりません。
空に泳ぐ恋上りを見上げるとき、 ただ綺麗だなと思うだけでなく、その向こうにある昔の人たちの願いにも少し思いを乗せてみる。
そうするといつもの風景が少しだけ違って見えるかもしれません。 もしどこかで恋上りを見かけたらこの恋はただ泳いでいるのではなく、
願いを背負って空を進んでいるんだな。 そんな風に感じてみてはいかがでしょうか。
まとめと別れの挨拶
さて今週のタマユラタイム、そろそろお別れの時間です。 今日は5月の季節の話題とこの1週間の記念日、そして子供の日にちなんで恋上りの由来やそこに込められた願いについてお話ししました。
連休の中で家族と過ごす時間、自分を休ませる時間、そして未来を思う時間、それぞれの5月が穏やかなものでありますように。
それではまた来週のこの時間にお会いしましょう。 石井ケンイチでした。タマユラのような優しい時間をどうぞお過ごしください。