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2025-07-26 07:47

事後解析:SBCast. #147 NPO法人アスイク

ブリーフィングドキュメント:NPO法人アスイクの活動における主要テーマと重要事項

このブリーフィングドキュメントは、NPO法人アスイクの大橋雄介氏へのインタビューに基づき、同団体の活動の主要テーマ、重要なアイデア、および事実をまとめています。

1. アスイクの概要と活動のきっかけ

  • 設立と拠点: NPO法人アスイクは、2011年の東日本大震災直後に宮城県仙台市を本部として活動を開始しました。
  • 活動理念: 大橋氏は、アスイクの活動を「挑戦」と「共同」と表現しており、「14年間ですね、活動しながら必要なものを作り続けてきていますし、それをいろんな方々と連携しながら作ってきている」と述べています (-)。
  • 支援対象: 主に「生きづらさを抱えた子どもや若者、あるいはその家族」を支援対象としており、自治体、市民、企業など様々なステークホルダーと共同で事業を運営しています。
  • 多岐にわたる事業: アスイクの活動は非常に多岐にわたっており、具体的には以下の事業が含まれます。
    • 生活困窮世帯の子どもの学習支援
    • 不登校や引きこもりの方々の居場所作り
    • 要保護児童(家庭の養育環境に課題のある家庭)への訪問支援
    • 保育園や児童館のような、困りごとを抱える子どもや家庭に限定しないユニバーサルアプローチの事業 (-)。
  • 活動拡大の経緯: 活動がこれほど多岐にわたるようになったのは、「現場で活動している中で、こんなものが足りないな、こんなものが必要だなということが見えてき」た結果であり、「そういった足りないものを、都度、話したように自治体であったりとか、市民の方と共同しながら作り続けてきた」ためであると説明しています (-)。特に、震災後に残された課題として、震災以前から存在した子どもの貧困問題が顕在化し、そこから不登校、虐待、ヤングケアラーといった様々な問題へと繋がっていったことが活動拡大の背景にあります (-)。

2. アスイクの目指す社会と支援のあり方

  • 活動の最終目標: アスイクは「最終的にここまでやったら終わりというのはあまり考えていない」と述べ、「子どもの貧困もそうですし、他の問題もそうだと思うんですけど、そういった問題があることがいいとは思いませんけれども、なくなる、ゼロになるということはあまりないのかなというふうに感じる」という現実的な認識を持っています (-)。
  • 社会のインフラとしての役割: 目指すのは、「社会が作られていれば、その中で少し困りごとを抱えてしまうとか、いわゆるマジョリティになれない、そこからこぼれ落ちる子どもとか人が出てくるというのはずっと繰り返されること」であり、「そういったものが起きたときに、誰かがちゃんと気づいて拾って支えていくような仕組みなり事業なり制度なりを作っていく」社会の実現です (-)。アスイクのミッションは、「社会と子どもたちをつないで、教授や工場を増やし続ける」ことであり、時代が変わっても対応できる「ある種インフラのようなもの」を地域の中で作り続けることを目指しています (-)。
  • 支援対象の拡大: 活動の対象は、子どもだけでなく、「その後の若者世代のサポートまで」、「切れ目なく繋いでいく」ことを意識しています (-)。また、「子どもだけじゃなくて、その背景にある家庭、保護者も含めた家庭の環境」も支援の重要な視点としており、さらに「その周りの社会ですね、地域の方々、意識も含めて」関わっていくことの重要性を強調しています (-)。これは、不登校への偏見をなくすことなど、社会全体の意識変革も含まれます。

3. 活動における課題とアプローチ

  • 地域による支援の格差: 最大の課題の一つとして、「地域による支援の格差」を挙げています。自治体ごとに予算や優先順位が異なるため、国の制度ができても、実際に活用されるかどうかに地域差が生じ、住む地域によって受けられる支援が限られる状況があると指摘しています (-)。
  • 支援者の人材不足: もう一つの大きな課題は、「支援事業っていうのは当たり前ですが、人が関わって成り立つもの」であるにも関わらず、「人手不足がどんどん進んでいる」ことです (-)。
  • 課題へのアプローチ:
    • 地域格差の解消: アスイクは宮城県内の小規模な自治体とも積極的に共同し、限られた予算の中で必要な事業を提案・立ち上げることに注力しています。日本財団や自治体と共同で「第三の居場所」事業を立ち上げるなど、成功事例を他地域に広めるモデル作りを目指しています (-)。また、全国の中間支援組織とネットワークを組み、政策提言や相互研修を通じて、この課題に取り組んでいます (-)。
    • 人材確保: 直接的な人材確保の戦略については明確な言及がありませんが、後述する「人とのつながり」の重要性がこの課題解決にも繋がると考えられます。

4. 現代の子どもと支援の難しさ

  • 「生きづらさ」の増加と境界の曖昧化: 少子化が進む一方で、「生きづらさを抱えている子どもたちは増えるというギャップがある」と指摘し、貧困や不登校、虐待相談の増加を挙げます (-)。また、従来の「障害は障害」といった明確な境界がなく、「一般の子どもと生きづらさを抱えている子どもたちの境目というのがグラデーション上で、境目はよくわかりにくい」と述べています (-)。これにより、「どの子であっても、ある日生きづらさを抱える側に行く可能性もある」状況にあると感じています (-)。
  • 当事者の自己認識の困難さ: 子どもや家庭が「自分自身が困りごとを抱えているというふうに認識できない」場合が多く、「分かりやすい問題を抱えていないと相談できないとか、助けを求めちゃいけないみたいな」意識があることを指摘しています (-)。ヤングケアラーの例を挙げ、「自分はこれは普通だと思ってるし、自分なんか別に相談するような状況じゃない」と感じている子どもがいると述べています (-)。
  • 保護者の困難: 共働き世帯やひとり親家庭が増える中で、保護者が「子どもと関わる時間や余裕というか余力も含めて、なかなかなくなってきている」現状を認識しています (-)。
  • 「正解のない時代」の支援: 現代は「正解がない時代」であり、不登校の子どもへの対応一つをとっても、かつてのように「学校に行かせる」ことが当たり前だった時代とは異なり、「一人一人に寄り添っていかなくてはいけない」ため、支援者や親にとって「一件一件のかかり方がすごく難しくなってきている」と説明しています (-)。
  • 「人とのつながり」の重要性: 情報過多の時代において、ネット上の情報だけでは解決できない問題があるとし、「最後 誰かが一緒に考えてくれたとか ネット上の情報だけでは得られないような後押しみたいな それは人でしかできないような部分っていうのが あるかないかが大きい」と強調し、「結局 人とのつながりの中で決めていく 納得していくっていうことが大事」であると結んでいます (-)。
  • 親子・大人へのメッセージ: 悩みを抱える保護者や大人に対し、「一人で抱え込まずに 悩んでいることは外に表に出していく」ことの重要性を説いています (-)。共通の悩みを抱える人々が繋がり、話し合える仲間やネットワークを作ることが解決に繋がると提案しています。

5. ITの活用と今後の展望

  • IT活用の現状: アスイクでは、支援記録の効率的な入力・管理、個人情報管理のための顧客管理システム、過去にはe-learningシステムを活用した学習支援など、業務効率化やバックエンド業務にITを導入しています (-, -)。また、LINEやSNSを通じた相談窓口も設けています (-)。
  • ITと人とのバランス: しかし、ITは「万能なものではない」とし、子どもと関わる現場においては「ITとかよりも人でしかできない部分に力を入れていく こだわっていくっていうのも大事なこと」と考えています (-, -)。ITは支援活動を「補完」するものであり、人とITの役割分担を適切に設計することの重要性を強調しています (-)。
  • ITリテラシーの課題: NPO業界全体として「ITが得意じゃない人たちがすごく多い」ため、「もう少しそういったものをちゃんと扱えるようなサポートなり 仕組みがあってもいいのかもしれない」と述べています (-)。
  • 一般市民への協力要請: NPO分野の活動への「関心」を持つことの重要性を訴え、ボランティア、仕事、寄付など様々な関わり方があることを説明しています (-)。特に「支えて側がどんどん足りなくなってきてる」現状を鑑み、「なんとなく気になるみたいな方々が関わりやすくなっていくような入り口を増やしていく ハードルを下げていく」ことの必要性を強調しています (-)。具体的には、大学との連携によるボランティア学生の確保や、地元メディアとの連携による情報発信、寄付や単発イベントの手伝いなど、参加のハードルを下げる工夫をしています (-, -)。
  • 「自立」の多様な解釈: 今後の取り組みとして、宮城県牡鹿半島に設立した自然体験施設での活動を挙げています。ここでは、厳しい環境に置かれた子どもたちが自然体験を通じて、多様な価値観に触れ、自分の好きなことを発見する機会を提供しています (-)。これは、「自立」を「勉強して進学して就職して」といった画一的なキャリアとして捉えるのではなく、「多様な依存先を持つこと」であるという考え方(-)に繋がり、生き方の多様性や幸せの感じ方を重視するアスイクの姿勢を反映しています (-)。

6. 情報発信

  • ウェブサイトとSNS: アスイクの活動を知るには、ウェブサイト(6月中にリニューアル予定)が最も適しており、X(旧Twitter)やFacebookでも活動状況を発信しています (-)。

7. まとめ

NPO法人アスイクは、東日本大震災を契機に、現場のニーズに応える形で活動を多角化し、「挑戦」と「共同」をキーワードに、生きづらさを抱える子どもとその家族、そして地域社会全体を支える「社会のインフラ」となることを目指しています。地域間の支援格差と支援者の人材不足という二つの大きな課題に直面しながらも、地域連携や政策提言、そしてITの効果的な活用と、人間による密な関わりのバランスを重視したアプローチで問題解決に取り組んでいます。特に、画一的な「自立」ではなく、多様な生き方や価値観を尊重し、社会全体で子どもたちを支える仕組みを構築することを目指している点が特徴的です。

サマリー

今回のエピソードでは、NPO法人アスイクの活動を通して、東日本大震災後の地域支援や子どもたちの現状について考察しています。挑戦と共存の精神のもと、さまざまな依存先を持つことの重要性や支援の必要性について掘り下げています。

アスイクの誕生と活動
スピーカー 2
今回はですね、東日本大震災の直後に、仙台で生まれたNPO法人アスイク、この活動記録を深く見ていきたいと思います。
代表の大橋裕介さんの言葉、挑戦と共存、これがキーワードになります。
14年間、原画で足りないものを見つけては、地域とかいろんな人たちと一緒に作り上げてきた、その歩みをインタビュー記録から探っていきましょう。
これがもしかしたら、あなた自身の地域との関わり方とか、これからの支援について、何か新しい視点につながるかもしれません。
スピーカー 1
アスイクの始まりって、やっぱり震災後の現場だったんですよね。でも、最初からきっちりした計画があったっていうわけじゃなくて、子どもの貧困問題とか、
不登校、虐待、あとはヤングケアラーの問題とか。
スピーカー 2
次々に出てくる課題ですね。
スピーカー 1
そうなんです。そういう切実な課題に応える形で、まず学習支援から始まって、それから安心できる居場所づくり、家庭への訪問支援、さらに保育園の運営まで、自然と活動が広がっていった感じなんですよね。
スピーカー 2
なるほど。計画が先じゃなくて、現場のこれ足りないよね、必要だよねっていう声に、ずっと固定続けてきた結果なんですね。
その原動力が挑戦であり、共同だと。
スピーカー 1
まさにそこだと思います。その中でやっぱり痛感させられたのが、今の子どもたちを取り巻く状況の複雑さですね。
スピーカー 2
複雑さですか?
スピーカー 1
少子化だって言われているのに、貧困とか不登校とか、そういう生きづらさを感じている子どもは、むしろ増えている実感があると大橋さんがおっしゃってましたね。
スピーカー 2
しかもその生きづらさの境界線自体が曖昧になっている、グラデーション化しているっていう指摘もありました。
スピーカー 1
そうなんです。
スピーカー 2
つまり、どの子が困難に陥ってもおかしくないし、社会全体に漠然とした不安感が広がっているみたいな。
スピーカー 1
うーん、そういうことだと思います。だからこそ、本当は支援が必要なのに、なかなか助けてって言えない。そういう問題もかなり深刻で。
スピーカー 2
声を上げにくい。
スピーカー 1
ええ。子ども自身もそうですし、家庭もその困ってるって自覚しづらかったり、いやうちはまだ大丈夫だからって相談をためらったり。
スピーカー 2
ああ、わかります。大人だって相談するのって結構ハードル高いですもんね。
スピーカー 1
そうなんですよ。だから周りの人が気づいてちょっと声をかけるっていうのが、思った以上に大事になってくるんですよね。
スピーカー 2
保護者の方々も大変ですよね。友働きとか一人親家庭も増えて、時間的にも精神的にも余裕がない。
スピーカー 1
ええ。
スピーカー 2
それに加えて、子どもの環境ってものすごく変化が激しいじゃないですか。それについていくのもなかなか。
スピーカー 1
まさにもう正解がない時代なんですよね。一人一人に寄り添う支援が必要だっていうのはみんなわかってるんですけど、じゃあ絶対的な正解があるかっていうとそうでもない。
スピーカー 2
うーん。
スピーカー 1
だから支援する側も結構手探りなんです。情報がいっぱいあることが逆に迷いを深くしちゃったりもする。
スピーカー 2
ああ、情報肩で。
スピーカー 1
そうなんです。だから最終的にはデータとか情報も大事だけど、やっぱり人との具体的なつながり、その中で本人が納得できるかっていうのがすごく鍵になると。大橋さんはそこを強調されてましたね。
スピーカー 2
なるほど。それで活動を広げていく中で見えてきた、その社会全体の課題っていうのはどういうものがありましたか。
スピーカー 1
大きく二つ挙げられてましたね。一つは地域による支援格差。
スピーカー 2
格差ですか。
スピーカー 1
はい。例えば国の制度、子ども家庭帳とかそういうものができても、自治体の財政状況とか、どこに力を入れるかって優先順位の違いで使える支援に差が出ちゃう。
スピーカー 2
ああ、なるほど。自治体次第になってしまう部分があると。
スピーカー 1
へえ。それからもう一つは、これはもうどの分野でも言われていることですが、支援者の不足ですね。
スピーカー 2
人手不足。
スピーカー 1
やっぱり支援って人がいないと成り立たないですから。
スピーカー 2
その格差とか人手不足に対して、アスリックとしてはどういう挑戦を?
例えばその格差是正に向けては、宮城県内の比較的小さな町とも連携してるんですね。
スピーカー 1
へえ。
で、限られた予算の中でも、家庭や学校以外の子どもが安心できる第三の居場所みたいな、そういう場を作る試みをしています。
スピーカー 2
なるほど。モデルケースを作って。
スピーカー 1
そうですね。これをモデルにして、他の地域にも広げていきたいと。
あと、全国の同じような団体とネットワークを組んで、政策提言したり、お互い学び合ったり、そういうことも重視してますね。
スピーカー 2
担い手を増やすための工夫も面白いなと思いました。
スピーカー 1
へえ。大学とかメディアと組んで、ボランティアに参加するきっかけを作ったり、参加のハードルを下げるみたいな、聞こえる時だけでいいよとか、自分の成長のためでもいいんだよとか。
スピーカー 2
そうそう。あとは、寄付とかいろんな関わり方があるんだよっていうのを提案してますよね。
スピーカー 1
ITの活用についてはどうなんでしょうか。
スピーカー 2
ああ、ITももちろん活用は進めてるみたいです。記録の管理とか、情報共有とか、あとLINE相談とか。業務を効率化するにはすごく役立つと。
スピーカー 1
はい。ただ、やっぱり万能ではなくて、そもそもITにアクセスできない人もいる。
スピーカー 2
確かに。
スピーカー 1
それに何より、子供と直接関わる場面では、あえてアナログというか、人でしかできない部分をすごく大事にしてるっておっしゃってました。温みとか関係性とか。
スピーカー 2
ああ、なるほど。ITはあくまで補完的なツールという考え方なんですね。
スピーカー 1
そういう位置づけですね。
自立と多様な依存先
スピーカー 2
そして、最後にすごく考えさせられたのが、自立っていう言葉の捉え方です。
スピーカー 1
はい。これは深いですよね。
スピーカー 2
宮城県の雄鹿半島に自然体験施設を作られたと、その背景には単に学校に行くとか就職するとか、そういう社会的な物価値だけじゃなくて、もっといろんな生き方とか価値観に触れてほしいっていう思いがある。
スピーカー 1
そうなんです。そこですごく白心的な問いかけがあって、本当の自立って、もしかしたら困った時に頼れる人とか場所、つまり多様な依存先を持つことなんじゃないかって。
スピーカー 2
多様な依存先ですか?
スピーカー 1
ええ。どうしても今の社会って、個人の頑張り、事情努力みたいなものが強調されがちじゃないですか。
スピーカー 2
そうですね。
スピーカー 1
それに対する現場からの静かだけどすごく強いメッセージのように感じましたね。
スピーカー 2
なるほど。アスイクのこの14年間の歩みというのは、まさに社会の変化とか、現場のニーズにその都度応えていく挑戦と、たくさんの人たちとの共同によって、セーフティーネットというものをなんとか存在し続ける形で築こうとしてきた。そういう道のりそのものなんですね。
スピーカー 1
本当にそう思います。大橋さんは、まずは関心を持つことから始めてほしいと、そう呼びかけていました。
スピーカー 2
はい。
スピーカー 1
関わり方って、ボランティアとか寄付だけじゃなくて、仕事としてでもいいし、地域の一員としてでもいい。いろんな形があるし、ハードルは決して高くないんだともおっしゃってましたね。
スピーカー 2
さて、今日のこの話をあなたはどう受け止めましたか。
多様な依存先を持つことが自列につながる。もし、この視点に立つとしたら、私たち自身とか周りの人のために、どんなつながりとか支え合いを日々の暮らしの中で意識して作っていけるでしょうか。
情報はたくさんあるけれど、最後の一歩を後押しするのは、やっぱり人との関わりなのかもしれません。それをどう育んでいけるのか、少しだけ立ち止まって考えてみる。そんなきっかけになったら嬉しいです。
07:47

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