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さあ、始まりました。タダの箱庭ラジヲ。本屋では買えず、増札もされない、読み手から読み手へとギフトされる、1万冊の箱庭本について、今回もお話ししていきたいと思います。
ご紹介するのは、元シルクドソレイユのウミヒコさんのお話。タイトルは、「チキンスープにいくら払えばいい?」ということなんですが、
皆さん、シルクドソレイユ、ご存知でしょうか。すごい世界的な有名なサーカス劇団なので、多くの人が知っているかと思うんですが、
シルクドソレイユは、簡単に説明すると、人間の肉体の限界に挑戦し、不可能を可能にすることをもとに、最新のテクノロジーや音楽映像とともに、総合エンターテイメントとして昇華させている世界最高峰のサーカス劇団というふうに聞いています。
こちら、なかなかシルクドソレイユに入りたいと言っても、順番待ちというか、世界のトップクラスのアーティストたちがパフォーマーとして所属しているので、なかなか入ることすら難しい、そんなシルクドソレイユで活躍されていたウミヒコさんのお話を今回は紹介したいと思います。
こちらも、お金が絡んでもやもやしたことは何かありましたかということでお話を伺っております。
ウミヒコさんですね、記憶がまだ新しい方も覚えている方もいらっしゃる方もいますが、トーテムという項目で、日本人として初めてポスターなどで公演のロゴに起用されたというすごい方なんですよ。
覚えてる方いるかな、そのトーテムって亀の甲羅をイメージした舞台装置を使って軽やかに飛び跳ねるカエルを演じていたのがこのウミヒコさんなんですが、演目はカラーペースという演目で、もしかしたらYouTubeとかで残っているのかな、なかなかないか。
そんなシルクドソレイユで活躍されていたウミヒコさんについてお話を聞きました。
単純にシルクドソレイユってどうやって入るんですかみたいなことを聞いたんですが、まずオーディションを受け合格するとトレーニングに呼ばれて、その中で人格も含めて技を覚えるスピードだったり応用力を確認されて、アーティストバンクというウェイティングリストに乗ることができると。
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そしてポジションに空きが出た時に連絡が来るという仕組みらしくて、即戦力を求めているのでウェイティングリストの上位の人が空きが出たら採用されるという感じでウミヒコさんもお呼びがかかったそうです。
世界最高峰のシルクドソレイユなので、すごいお金でモヤモヤしたというか、ものすごいきらびやかな世界にいたんですかっていうふうにお伺いしたら、その通りだとめちゃくちゃゴージャスらしいですね。
各都市に移って披露するときも、プレミアと呼ばれる荘園では必ずパーティーを開いてもらえるそうなんですが、ものすごい豪華なパーティーで食事も豪華ですし、シンガポールとかだと有名なマリーナベイサンズとかニューヨークならエンパイアステートビルディングのすぐ隣のビルでパーティーみたいな。
すごいきらびやかな世界にいたそうなんですが、そんなウミヒコさん、実はシルクドソレイユに入る前ですね、青年海外協力隊で壁地と呼ばれる電気も水道もない、自給自足でお金を必要としていないような村に体育を教えに行ったことがあるそうです。
そんな日本からわざわざ体育を教えてくれるということなので、そこの電気も水道もない壁地の部族の方がすごいおもてなしをしてくれたそうです。
その村では貴重な鶏をさばいて、その日チキンスープにして出してくれたと。彼らにとってすごく大きな、なかなか普段からこのチキンスープを食べているわけではないそうで。
いわゆるウミヒコさんが来てくれたということで、おもてなしということで提供させてくれたわけなんですが、彼はおもてなしにすごい戸惑ってしまったというふうに教えてくれました。
彼自身は自分でバナナを取ったりとか鶏をさばいたりということはできないので、常におもてなしを提供される側にそこにいたんですが、どうやってお返しをすればいいんだろうという思いに駆られてすごい困ったというふうに教えてくれました。
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どういうことかというと、ありがとうという言葉では到底片付けられないというか、そういうふうにおもてなしに対して感じて、お金を払おうかって仮定したときにおもてなしに金額という価値をつけることがとても気持ち悪く感じたというふうに教えてくれました。
確かに、いわゆる税委に対して日本から来たお金を持っているというか、そういったところからお金をおもてなしに対して渡してしまったら何か違うものになってしまうという漠然とした感覚があったそうです。
お腹わかりますよね。田舎の例えばおばあちゃんとかに呼ばれてご飯食っていけなんて言われて、ありがとうって言って帰りに3000円ぐらい置いていったらいいですかねみたいになったら、すごい場が凍りつくような感じがしますけど。
実際ですね、海彦さんも青年海外協力隊でそんな壁地に大工を教えに行ったときに、どうしたらいいかわからないというところでお金が絡んでもやもやしたっていう話を聞いたときにそんな話をしてくれました。
その戸惑いっていうものに対して何に戸惑いの正体って言うんでしょうかね。
それが何だったんですかっていうふうにお聞きしたらですね、海彦さんはお金イコールおこがましいみたいなふうに感じたっていうふうに言っておりました。
つまりお金を払った途端にこちらの価値で相手の行為をジャッジするみたいになってしまうんではないかと彼は考えたそうです、感じたというか。
確かにですね、いわゆるその人たちがおもてなしをしてくれた気持ちっていうものをお金に換算というかしないほうが逆にいいんじゃないかっていうふうに彼も感じてですね。
結局はお金を払ってはいないようなんですが、これって自分がその体験をしていたら確かに同じように感じるだろうなっていうふうに思っていて、
でもこのいわゆるおもてなしされて何かしなきゃっていう感覚って日本人って結構あるんじゃないかなって思っていて、その海彦さんもいろんな海外を回る中ですごい日本人っていうのはお返しを気にしすぎるっていうふうに感じたっていうふうに言っていました。
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ご自身もそうなんでしょうけど、いわゆる何かおもてなしをされたときに言ったら子供のとき、その例えが合ってるかわかんないですけど、例えば小さい頃って誰か大人からおもてなしされたときにどうしようお返しはなんて考えないじゃないですか。
単純にありがとうってそれをただただ受け取る。それが何かこう想像するにそこでのいわゆるコミュニケーションではそれが正しかったんじゃないのかななんて思うというかですね。
やっぱ日本人として何かこう善意に対してすぐお返しをしなきゃいけないっていうふうにやっぱこう叩き込まれてるというかそう考えるように何かもうなっているようなこの話を聞いて思いました。
で、美彦さんもですね、日本人はこうお返しをしなきゃいけないと、例えばお聖母とかお中元みたいなのもそうですけどもらったらねすぐお返ししなきゃっていう。
もちつもたれつ的なそこの理由にもしかしたら日本の独特な思想とかそういうのが宗教観みたいなものが関係しているのかなというふうに思ってはいるんですけど、海外ではですねボランティア精神とか寄付とかにしてもそうなんですけど、
すごい当たり前というかそんなに何かこう大変なものとして扱っていないっていうふうに教えてくれました。
例えばですね着なくなった服は教会に寄付するとか、もちろんお金とかもそうなんですけど、チップとかもいい文化ですよね。
いわゆるプラスアルファね、思いを届けるみたいな。
そういうものに対して日本のボランティアっていうものに対してどこか重たく感じる気がしていると。
もっとその海外はボランティアっていうことに対してその社会的な義務感みたいなしなければいけないみたいな、いわゆるやるべきとかやらねばみたいなものがそんなにないって言ってました。
困っているときはお互い様みたいな軽いノリというかもう全然当たり前だよみたいな。
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それに対してもちろんなんかこうありがとうとかお返ししなきゃっていうこともやられた側もないですし、なんか当たり前だよねっていう。
そんな感じがすごい海外で長くいたときにですねいい感覚だなというふうに感じたっていうふうにおっしゃっていました。
確かに何というか私たちはどこかこのムラ社会的な感覚なんですかね。
誰かになんかしてもらったらお返しをしなきゃいけないとかっていうところがあって、それがすごいいい面でもあるんですが、
どこかその特別なものとして、どちらかというと当たり前というかなんかこうちょっと特別なものになっていて、
それが故にちょっとねなんかこうふっとボランティアだったり誰かを手助けするっていうことがしづらくなっている感じももしかしたらあるんじゃないのかなって思ったり。
そこらへんがなんかこう日本のいわゆる昭和とかもう少し前のおじいちゃんおばあちゃんぐらいの日本は逆にどうだったのかななんていうのもちょっと気になってみたり。
そこらへんも何か深掘っていくのもなんかここらへんの正体に近づける気がしてなんか面白いんじゃないのかなっていうふうに思いました。
はい、そんなですねチキンスープにいくら払えばいいということで、元シルクドソレイユのうみこさんにお話を伺いました。
本日もありがとうございました。