1. たべものラジオ 〜食を面白く学ぶ〜
  2. #156 (s19-9)【砂糖を喰らう】..
2023-03-29 40:21

#156 (s19-9)【砂糖を喰らう】(後編)薬剤師の仕事は製糖!イタリア、ヴェネツィアのおはなし

  • ローマ帝国での薬
  • 9世紀ヴェネツィアと薬剤師
  • 料理本「ル・ヴァンディエ」
  • マルティーノ・デ・ロッシ  1465年「料理の技術」
  • プラティナ 1987年「正しい食卓がもたらす喜びと健康」


●たべラジサポーター
https://tabemonoradio.com/supporter/

●太郎の今日のエッセイ
https://tabemonoradio.com/category/essei-taro/

●たべものラジオYoutube 


質問や感想お待ちしています! 

【質問・コメント送り先】 
① Twitter #たべものラジオ @tabemonoRADIO 
② コメントフォーム 
https://tabemonoradio.com/comform/
③Twiiter質問箱  
https://t.co/hWxsSJQomn/

薬剤師の仕事は製糖!イタリア、ヴェネツィアのおはなし
おっと、前回からの続き
じゃあそのイタリアっていうのは、砂糖をどのように見てきたかっていうのをちょっとだけ見ていきましょう。
最初期は、紀元前300年前後くらいですね。
それこそアレキサンドロス大王が行ったのをきっかけに、ローマとインドが貿易を始めます。
って話したじゃないですか。
その時はね、ほとんど記録にないくらいで、薬としての記録はあるんですよ。
本蔵書みたいなね。
ああいう薬剤になりそうなものとか、博物学の元みたいなところには砂糖っていうのが書いてある。
日記にも書いてある。旅日記みたいですね。
公開日誌とかで、インドに行ったら、インディカの話しましたけど、
インドにこんなのあったぜーとかいうのは残ってるんですけど、
何かに調理して使ったとか飲んだとかって記録はほぼ見られない。
へー、そうなんだね。
ほぼ薬ですね。
高級品って、そういう薬の扱いでしか最初入らないよね。
入らない。
比較してもらうと分かるんですけど、
同じ時代のインドではもうすでにパンチャーやってるわけじゃないですか。
同じ時代のローマではまだ薬のみっていう感じ。
なぜなら作られてないから。
遠くから運ばれてきた超貴重品なんですよ。
そうね。
なのでもう薬以外に幅が広がっていかないっていう状態。
そうか。
でも日本であったじゃん。
薬食いっていう裏技があったじゃん。
肉、食器だけ。
肉食べるやつね。
どうしても肉食べたい人があって。
あれは肉があるけど規制されてたんですよ。
貴族の中でもけびを使って飲んだ人絶対いるだろうと思って。
いるかもしれない。
その辺の人たちが徐々に買いまくったせいで薬から昇格したのかなってちょっと思った。
じゃあその話ちょっとしましょうか。
日本の中世薬屋
割といい線いってるね。
そうなんだ。
9世紀800年代ですね。
日本の平安時代です。
その頃のベネツヤ。
薬屋さんありますよね。
薬屋さん。
当たり前ですけどあるんですよ。
今のドラッグストアじゃないですよ。
ちゃんと薬剤師さんがいる薬屋さん。
この薬剤師さんのメインの仕事。
ベネツヤの薬剤師さんのメインの仕事は製糖です。
だから諸糖が入ってくるじゃん。
貿易とかね。
入ってくるね。
それを生成するのが仕事。
それは薬屋の仕事なんだ。
ほぼそれ。
ほぼそれ?
もうその100年間くらいの間はむしろ製糖以外の仕事をしてない薬屋もたくさんある。
今100年間って言った?
100年間製糖するだけが薬屋の仕事だった?
そう。
そんなことあんのね。
特効薬だもん。万能薬だもん。
むしろ薬屋に砂糖を置いてないとお前薬屋名乗ってんじゃねーよバカ野郎って言われるから。
ないの?みたいな。
もうすごい感覚違うんだね。
ペリシリないの?どうやって医療やるの?みたいなぐらいの勢いで。
それのもっと上位版で。
砂糖ないの?
メインの薬っしょみたいな感じ。
まじか。そんな感じか。
薬局行って薬剤屋さんに砂糖調合してよ薬調合してくれよって言って出てくるのがシロップとかジャムとか。
ジャム?
あとナッツペーストの砂糖入ってるやつとか。
あとスミレの砂糖漬けとか。
あとそういうのが調合された薬として提供されるわけですよ。
ただ美味しい?
砂糖の栄養源として
そうだね苦味も何もなくてただ香りのついた砂糖菓子とかのパターンでしょ今。
ただ美味しい飲み物とかジャムとか。
ただのお菓子屋さんやね。
なんかね書いてあってなんだろうなって思ったのが神聖な若さの水ってのが書いてあった。
神聖な若さの水。
なんだそれ。
どういうことや。
わからん。
売り出し仕方としていろいろありそうだよね。
もう薬っていうかもうね。
もうお菓子だもんねもう。
ここまでねインドもアラビア社会もベネチャーの話もしましたけど。
この時代ぐらいってめっちゃ人なくなってるんですよ。
生まれた子供が成人する確率がかなり低い時代なんですよ。
10人中まともに成人して次の世代つながっていくって言ったら2人とか1人とか。
20%ぐらいとか。
そういう世界観なんですね。
そうなんだ。
体調が崩れて糖分を入れて一気にエネルギーを得られるっていうのはある種栄養源としてはかなり優秀だったはず。
そうだねそうなるね。
最もエネルギー接触効率が高いのが砂糖そのものを食うことですからね。
日本でも江戸時代とかありますよ風邪ひいたら砂糖を買ってくる。
着物、短物全部バンと売って砂糖に帰って家族に砂糖を食べさせるっていう時代は日本でもあるんで。
現代平和だね。
むしろ砂糖が食べ過ぎて外国になってますから。
なんて贅沢。
超贅沢ですよ。
そういうことになるよね。そこを知っちゃうとね。
そうなんですね。
イタリアというかヨーロッパアラビア社会って医学の考え方が現代と全く違うんですよ。
漢方ともちょっと違いますね。
漢方とかインドから東側っていうのは比較的実験医学的なものがあって
これ食べさせたらどうなる?これを処方したらどうなる?とにかくやってやってやって試してその結果をずっと数千年積み上げてきた。
神の法像教みたいなのにずっと記録が残っていて積み上げていった結果なので
もちろん名刺になっているものもあるけど
一応この薬をこのように煎じて混ぜ合わせると
おおよそこうなるっていうので漢方医学っていうのがあったとして
それの大元になってのはもちろんインドとか中国とかあのあたりからスタートするんだけど
割と古い時代の知識でヨーロッパ社会の医学っていうのはビタッと止まったまま動かないですよ。
4体液説っていうのが出てくるんですね。
すっごい平たくいくと体の中には4つの体液があります。血液とかいろいろ液がありますよね。
これを4つに分類してこの4つのバランスが崩れると崩れ方によっていろんな症状が出ますよっていう考えがある。
血が多くなりすぎて血液が多くなりすぎて体が調子悪くなるから体にヒルをはつけて血を吸わせようとかね。
まあ確かに聞いたことあるよね。
佐藤の薬から贈り物へ
そういうことになっていく。その中で砂糖っていうのは万能薬って書いてあるんだよ。
プラスの効果を表すっていうのが書いてあってそれがガレルノスっていう人がね
西暦でいうと129年から199年に来た方2世紀かの方の書物がこれが1500年以上使われます。
いいですか?200年頃に書かれた書物が1500年間使われ続けます。
長いな。
多少のバージョンアップはするけどもう一回言いますよ。
1500年間ほぼ進化をせずにこれのバージョンアップだけをし続ける。
え?って感じじゃない?
逆に長すぎて本当に?っていうレベルなんだけど。
本当です。
言葉を失うというか嘘かなと思うくらい。
日本で言ったら江戸幕府が始まる頃になってやっと解剖学が始まっていく。
あれ?ガレルノスさんちょっと言うことおかしいんじゃない?みたいな感じなんで。
それまでの間ずっと佐藤は薬のまま行くんですね。
これが言いたいことですとりあえず。
薬であると同時になんか妙なことが始まっていきます。
これねベネツヤだからできるんですよ。
金持ち集団。当時ベネツヤっていうのはヨーロッパ最強国ですから。
その時のベネツヤだからできるのが9世紀よりもちょっと後ぐらいの結婚式といえば
結婚式の定番の贈り物はこれだよねっていうのがあって
それは友達とか親族が花嫁にプレゼントするんですけど
それがお菓子一箱プラス赤ちゃんのちっちゃいフィギュアですね。
佐藤で作ったの。
こういったものを贈るのが定番になっていくそうです。
そうなんだね。そんな贈り物があるんだね。
あるんですよ。
これが13世紀14世紀15世紀とか時代がどんどん後になっていくにつれて
庶民ではなくて王公貴族の披露宴の定番になっていくんですよ。
披露宴の定番?
結婚披露宴ですね。
結婚披露宴にはでっかい佐藤の彫刻を飾るのが定番になるんですよ。
なんかさっきも聞いたな。
今度はそんなに5万体とかはやらないんだけど、せいぜいやっても100とか200くらい。
やってるね。
料理としての砂糖
だいぶやってるけど。
やってるね結局ね。
中東系の文化の規模がアニメ化っていうレベルがマジであるからさ。
これね今度イタリアに移った後だとそれがちょっと形が変わってきて
馬とか人とか兵士とか花とかの形になるんだけど、サイズが大きいものは等身大サイズになる。
最大でね。
大体ね。大きいのと等身大がちょっと2m超えるやつとかもあるらしいんだけど。
でけえな。
でかい。これがねどうやら今でも続くウェディングケーキのルーツだっていう風に言われてるんだよね。
だからウェディングケーキってあんなに背高いの?
はいでっかいんですよでっかいの。
ああで人が乗っかってるんだ。人形が上に。
上に乗っかってる。で当時の15世紀頃の佐藤の彫刻なんかを見るとね、
当時の超有名デザイナーみたいな彫刻家がいて、その人にデザインを考えさせるとかやるんだよね。
へえそこまでやるんだね。
ほらウェディングケーキだってパテシエでもさちょっとデザイナーチックな有名パテシエがいてさやるわけじゃない。
でその人がやるのが高いっていうのがあって。
これ多分ねルーツはこのベニツヤ王公貴族あたりの結婚披露宴から聞けるんじゃないかっていう風にありますね。
ああそこからなんだね。結構前からやってんねウェディングケーキっぽいこと。
ことやってるんですよ。これ今日も冒頭にも言いましたけど、権力の象徴であると同時に晴れの日の特別な食べ物なんですよね。
ああまあ結婚式自体もあれか。この当時はあの戦略結婚が多いからとかなのかな。
まあかもね。僕の感覚だとちょっと日本に無理矢理引き付けるとですね、結婚披露宴といえば餅を巻くとかやるじゃないですか。
日本酒は漬物だし、そういうなんか神聖性みたいなものを佐藤に見出してたんじゃないか。
これちょっとね僕全然勉強してないのか分からないですけど、民族学とか象徴学的なことだと白という色がね、やっぱり世界どこに行っても神聖性を表すものらしいんだよね。
ああそうなんだ。白は世界基準なんだ。
世界どこ行ってもどの時代を聞いとってもやっぱ白は白なんだよね。らしいのね。甘いじゃん。元気になるじゃん。薬だし。
高価じゃん。それが白いんだよ。そりゃ晴れの日になるよねみたいな。
確かにね。なおかつ中毒性があるんだよね。
かもしれないね。さあこんな佐藤がついに料理に転化される。ヨーロッパ社会で言うとね。料理になっていく瞬間がやってきます。
大体このぐらいの時期だろうと言われている証拠があるんですけど、ルヴァンディエっていう、これはねベネツアーの料理本かな?
ルヴァンディエっていうイタリアの料理本があるんですけど、この料理本が1300年に発行されたものに書いてあるものだと、
佐藤の使ったレシピはあるんだけど、それはすべて病人食として登場します。
ベネツヤの最強時代
まあここはまだ薬なんだね。
はい、まだ薬なんですね。1300年版は病人食なんですけど、このルヴァンディエは何度かバージョンアップされて、何年度版何年度版ってずいぶん暮らしてるんですよ。
これがちょっと間が空いちゃうんですけど、1420年版になると。
ちょっと空いてるって言うけど。
ちょっと空いてますよね。
100年超えとるやんけ。
うん。ちょっと120年くらい空くんですけど。
ダメだよ最近。ほんとにお金さらってやるけど。ちゃんと100年空いたって言わないと。
ちょっと120年ほど空くんですけど。
120年も空いてるんですけどその間更新してるんだね。
120年後になるとほぼ全てのレシピが砂糖が使われてると。
そもそも全て砂糖使ってんの?
そう。調味料としてね。全部が甘いっていうよりはちょっと使われるとかたくさん使われるとかいろいろあるんでしょうけど。そんな感じになっていきます。
この間にね。
120年間の間で何があったかっていうとこここそまさにベネツヤが最強の時代なんですよ。
そうなんだ。
ちょうどね第4回十字軍とかあの辺なの。第4回十字軍とかやってベネツヤが裏で十字軍を操って防護に設けていって
クレタ島マルタ島はベネツヤの支配下だぜみたいな。もう東地中海のあたりもエルサレム国なんとか国みたいなの作って
ベネツヤの支配下だぜ俺ら里よこせってやってる時代なんで。
結構やってるね。
めちゃくちゃ強い時代。だから裕福な家庭にとっては日曜日になっていく。
そうかそうだよね。そんだけ金回ってればそうなるよね。
ちなみにここから30年後にオスマン帝国がボコボコって出てくるんでベネツヤはそこからもう味方下がりでドーンと落ちてるんですけどね。
ここからまず30年なんだ。
はいここから30年後の話なんで。
急になんか時代感ちゃんとしたね今ね。
30年ちょっとかな。そこを起点にガガガガガって。1550年後になってるとかつてのベネツヤはどこ行ったみたいになっちゃうんだけどね。
そうなんだね。
そんな感じですね。
イタリアのシェフ、マルティーノ・デ・ロッシー
1420年頃にレバンディエがほぼ全ての料理は砂糖使ってますよっていう状態になってました。
この後にですね結構重要パーソンがイタリアの北部で登場するんですね。
マエストロマルティーノもしくはマルティーノ・デ・ロッシーっていう人物が登場します。
マルティーノ・デ・ロッシー。
イタリア人ですね。出身は当時のミラノ公国。
ミラノですね。
これ左上って言ったらいいのかな。ジェノバの北側ぐらい。
ジェノバよりはもうちょい上なんだ。
ベネツヤは右側でジェノバが左でそれもちょっと北ぐらい。
そこもイタリアなのか。
正確にはマルティーノが生まれたところはスイス南部になってるのかな今だと。
そうだよね。
ちょっと国境境界ぐらい。ミラノ公国があったところ。
彼が1465年に料理の技術という本を出版します。
何がすごいってこのマルティーノ・デ・ロッシーさんっていうのは
おそらくヨーロッパの中で初めての有名シェフなんですよ。
そうなの?
今いますよね。なんとかシェフなんとかシェフって有名な人。
これの第一号がマルティーノさんなんですね。
なおかつそれまでの料理本っていうのは
学者さんとか情報収集をするように命じられて書いたとか
王様に命じられて書きましたみたいなのが基本なんですよ。
あとは薬学書とかね。
あと食文化史をまとめましたとかね。
あんな感じなんですけどマルティーノ・ロッシーはそもそも料理人なんで。
料理人が俺のレシピ書くっていうのをやったことでこれも画期的なんですね。
今ではない。
そうなんだね。なんか本が高かったとかではない?
高いは高いですよ。
マルティーノが書いた時もまだ手写しぐらいの時代かな。
この後すぐ活版印刷でいきますね。
活版印刷の登場が1440何年だからもう
あるはあるけど普及してないくらいかな。
普及してないかなみたいな時代のはずですね。
これが確かにこの後翻訳されて広がっていくんですけど
何がすごいってもう一つはマルティーノが書いた料理の技術はそもそもイタリア語で書いてある。
イタリア人だからイタリア語で書くんじゃないんですよ。
アラブ風アンダルシア料理の影響
当時の書物っていうのはラテン語がベースですからね。
ラテン語で書いてあるもの以外は書物としてまともに認められないような時代感なんで。
だからカトリックの人たち、ローマ教会の人たちはラテン語の聖書を読んでるんです。
それを聖なる文字であるラテン語以外の文字に書き換えること自体がもうありえない。
だから当時の牧師さんとか神父さんとか教会の中に入っていくたちは
全員ラテン語ができなきゃいけないっていう時代なんですね。
そこまでやってたんだ。
これをぶっ壊したのはルーターとか
カッパン一冊の技術を使って書いちゃったんで大炎上して大変なことになるんですけど。
その時代に別にこれは聖書じゃないのでマルティーノさんはイタリア語で料理を書きました。
なおかつこの人はアラブ料理の影響をめっちゃ受けるのよ。
アラブ料理?
割とミラノでキャリアをスタートして南に下っていくんですね。
ローマのバチカンとかなんちゃらスーキ教とかカトリックの偉い人いるじゃないですか。
そこの宮廷の中で料理人やったりとかして。
その前後にナポリちょっと南の方だけどナポリでまた何年か働いたりとかしていて。
それももう結構海外では有名な料理人としてお返しよくやってたからさ。
その当時のナポリっていうのはスペインの支配下かなんかなんだよね。
そのスペインはどの影響を受けてるかとアラビアの影響を受けてるじゃないですか。
そのアラブ風の料理でスペイン料理。
アンダルシア地方っていうのがあるんだけど。
イベリア派とスペインのちょっと南の海岸沿いのことアンダルシア違うって言いますよね。
って言うんですよ。
アンダルシアってあの辺のことアンダルシア地方って言うんですけどね。
アンダルシア地方?
でアンダルシア料理っていうのがあるんです。
アンダルシア料理?
アラブ風のイスラームの影響を受けたアラブ風のアンダルシア料理っていうのがあって。
実はこの1400年代の全ヨーロッパで最も洗練されたこのジャンルの料理が最高よねって言われてたのがこのアラブ風アンダルシア料理なんですよ。
アラブ風アンダルシア料理ね。
でこれの影響をまともに受け取ってるのがイタリア半島ではナポリなんです。
砂糖の普及と使い方の変化
なぜなら染料化だから。
スペイン側の方からいろいろ人が派遣されて政府を動かしてくる。
ナポリって都市国家なんでね。
そこでめちゃくちゃ影響を受けた結果ですよ。
マルティーノは砂糖を使い始めた。
アラビア世界自体が砂糖をめっちゃいっぱい使ってる。
かつイタリア半島でもナポリではないけどジェノバとかベネツエアあたりで砂糖がバンバン出回ってる。
つまりローマのあたりでも砂糖が出回ってる。
でもそれは薬だった。
若干飯に使われてるけどそこまででもなかった。
権力の象徴で飾りに使われる程度のものだった。
ところがさっきアラビア世界の料理の話。
いろいろクッキーとかパイとかバンバン使ってましたよね。
あれをナポリに行ったことで知っちゃうんですよ。
これはいけるってこんな使い方あんのか。
マルティーノとプラティナの本の影響
それを全ての自分のキャリアの中で使った技術をぶち込んで融合させて書いたのが料理の技術。
このマルティーヌのことを大親友だって言っちゃう偉い人が出てくるんです。
バチカンでね。ローマ教皇膝元のバチカンですよ。
プラティナ。もしくはプラーティナっていう人。
この人は何者かっていうと
叙述家でもあるし料理家でもあるんだけど本職は図書館の館長やってます。
バチカン図書館の初代館長なんです。
だいぶ偉いですよね。
この人がマルティーヌのこと大好きで親友でもあるし大尊敬してるんですよ。
このプラティナが1487年に記した本というのが
日本語版は売ってないんですけど
正しい食卓がもたらす喜びと健康っていう本を出版するんです。
これが実は当時のヨーロッパからこの後のヨーロッパにもかなり影響を与えていて
カイバラ雄三的というかロサンジン的というかリキュー的というか
だいぶ広いな。
思想書に近いんですよ。
もちろん食材はこういうのがあるよ。
こういう風に保管してこういう風に調理するといいよって料理方法とレシピずっと書いてあるんだけど
テーブルマナーとかそこの何を美しいと感じるかとか
ダイエットの方法とか和飲論とか
その全10章によってわーって書いてある。
だいぶ幅広いね。
かなり幅広く書いてある。
だから彼が正しいと考える食に関する思想のこと言ってますよね。
正しい食だと。
これがもたらす喜びと健康とは何ぞやっていうのを
彼の思想のまんまに書いた本なんですよ。
これは料理書としては初めて活版印刷で大量に出版されることになるんです。
砂糖の広がり
これが最初なんですね。
これがイタリア語だけではなく
いろんな国スペイン語とかフランス語とか
いろんなところで翻訳されて版を重ねていくことになります。
ここから先1世紀以上にわたって版を重ねていきます。
そうするとこれを読んだ人たちが
わーって影響を受けて自分の本を出版していくっていう文化が各国で出てくるんですね。
プラティナだけ話はいいじゃねえか。
プラティナのことだけ言えばいいじゃねえかって言うんだけど
実はこのプラティナの書いた本の中のレシピ
このレシピのほとんど全てはマルティーノに由来してるんですよ。
そうなんですね。
マルティーノが書いた料理の技術がすげえってなって
それを全部バコって持ってきて
うち半分ぐらいは缶コピです。書き写しただけ。
書き写しただけ。
残りも自分なりにバージョンアップで改編してる。
これは後の学者が言ってるんじゃなくて
プラティナ本人が言ってる。
あの素晴らしいレシピを僕がいじることなんかないみたいな。
尊敬がゆえの丸写しなのか。
尊敬がゆえのって感じで。
僕が変えちゃいけないんだっていうことね。
そんなもうすごいですから彼はみたいな。
ワーッていってこれが16世紀くらいになるとヨーロッパスタンダードになっていくわけですよ。
これもすごいなと思うのが
当然文字読めたり本変えるっていうのは当時も高いので
ある程度裕福な人たちだと思うんですよ。
それを読んだ人たちは砂糖を使ったレシピを知っちゃうじゃないですか。
おかかりの料理に言ってやらせるんですよね。
でも砂糖高いじゃん。
欲しいじゃん。買いたいじゃん。
アントウェルペンから来るんだわ。
アントウェルペン?
今1500年代近い話をしましたね。
1487年以降の話をしてるんで
1500年代に入ります。
この時代っていうのは
西インド諸島とカリブ諸島で
バシバシ砂糖プランテーション作ってる時代なんですよ。
西インド諸島と
今のハイチとかね。
キューバとか
あとブラジルとかでやり始めてる時代が
こことドンピシャではまるんですね。
それはどこに行ってるかっていうと
一部がジェノファー。
ポルトガルのリスボン。
それからアントウェルペン。
上の方ですね。
今のベルギーですね。
イタリアの人たちは
ジェノファーで入ってくるんで
リスボンの商人はもともとジェノファー商人なんで
そのままジェノファーまでやってくる。
だからイタリアの人たちも砂糖は使えるし
もともとあったからある程度使い方知ってるけど
このプラティナの本によって
他のヨーロッパ地域にも知られて
市場が広がっていく。
それはどこから回ってくるかっていうと
ポルトガルとアントウェルペンから
ファーッと広がるんで
今のドイツあたりとかオーストリアあたりとか
フランスの方に砂糖が欲しいよっていう人たちが増える。
それはもたらされる。
それでポルトガルとか
上流階級向け書籍と庶民文化の違い
アントウェルペン当時スペイン料理だったりするんで
彼らが大儲けする。
そういうことね。
あれだっけ。
漁港のねこの間できた
一番港の入り口でしょ。
北のベルギーの北海の方に出る
ところの流通物。
カナメでしょ。
どこに行ったかっていうと
北の方に砂糖の認知が
こういった書籍によって広がっていくっていうね。
ああ、そっかそっか。
だからその漁港に生登場ができたっていう
感じなんでしょうね。
なんか元禄時代の出版文化を見てるようで面白いですよね。
面白いね。
ベースが書籍っていうのはちょっと不思議だよね。
文字の読める人口とかさ
でもまあそもそも砂糖は高級品だから
上の州はみんな読めるよねとか
っていうのもあるんだけどタイミングもあるよね。
なるほどね。
重なったんじゃない?
こんなんだって完全に
ザ・ブームだよね。
まさに。
波に乗ったっていうところで。
これね、日本の元禄時代以降の
庶民文化行くところと決定的に違うのが
式辞率で行くと
階層的に言うと結構上の方でとどまるんですね。
うんうん。
ここからなんですよ。
砂糖と料理の変化
一般層にこう文字の文化が広がる。
もうちょっと後。
もうちょっとね。
うん。
ほんのわずか100年かそこからの
違いでしかないんだけど
気持ちヨーロッパの方が庶民の式辞率は遅かったんで。
うーん。
だから佐藤のレシピの認知っていうのは
広がりづらかった。けどもう上の方の人たちは
みんな読めるんで。
ああ。やっぱね、そう考えると
やっぱカッパ印刷すげえなって思っちゃうんだよね。
そうなんですよ。
グーテンベルクさんやばいっすやっぱり。
うんうんうん。
っていうことですよね。
グーテンベルクって聞くとすごいんだよみたいなことを言う。
みんな語るもんね。
グーテンベルクやべえっす。
っていうね。よく言うね。
まあその通りなんだけどね。
多分カッパ印刷なかったら多分社会的に
こんなに進化できなかったかもね。
かもしれない。
本ってすげえな。
上の層だけだと多分ベースが上がんないから
社会の。
こんな色んなものがあふれるような
世界にはなってなかったよね。
だともうやっぱり
読めるから本ができるのもあるけど
読めるようになりたいっていう
モチベーションもあるしね。
それが大きいよねきっとね。
得体も知れない高い何か
本というものがあるらしいようじゃ
わざわざ読もうと思わんと思うのよ。
読んでみたいってならないじゃん。
本というものを今まで読んでないから
読んでみたいってならんくない?
ないと思う。
それでも知りたいと思うのは
もしかしたら人類って
生まれながらに知識欲があるのかもしれないね。
まあね。それはあるかもね。
知識欲のある人だから
食べ物ラジオみたいなのを
みなさんダラダラ聞いてられるわけですから。
書いてあるものみたいなね。
そうですね。
ちょっとおかしなことになってますけど。
ただですねちょっと話戻るんですけど
砂糖を使ったレシピすげえなって
プラティナやべえぜ
バーッと広がるんだけど
ある瞬間それがピタリと止まります。
そうそう。
この人が影響したわけかどうか
わかんないですけど
ターニングポイントのタイミングでは1602年ですね。
イタリアのフィレンツェの料理人が書いた
エプラリオという料理本があります。
イタリアのフィレンツェ
エプラリオ
という本が料理本が出たと思ったら
1602年のことです。
江戸幕府が成立する1年くらい前の時代からですね。
まだイエス生きてる時代です。
この本の中に書かれている文章を
超要約して読みますね。
これまでの料理本は
あまりに砂糖とスパイスに足りすぎていて
多くの人の好みに合わない。
急に今風だね。
砂糖甘すぎるしスパイスめっちゃ使ってるし
ダメでしょこれ。
プロの料理人で
しかも出版するようなレベルの料理人が
本にしちゃう。
すごいね。
これをきっかけというよりは
同じくらいの時期に
同じようなことを考える人たちがたくさんいて
結果ですね
ちょっと上品な家庭の料理から
今までみたいに大量の砂糖を使うということが
なくなっていくんですよ。
もっとすっきりした美味しい味わいに変わってくる。
つまりですね
プラティナの時代とかバルティーノの時代の
ブラジル砂糖の台頭
当時の料理っていうのは
現代人が食べたらうえっってなると思います。
そのレベル。
甘すぎるんだと思います。
うえっってなると思います。
一口も食べれないやつだね。
かもしれない。分かんないけど。
まあまあ彫刻作るぐらいだからね。
見せかけだけど
あれが置いてあったら誰かかじるんじゃない?
とかかじっても平気とか
そういうくらいの甘さに対する
欲求があったのかもね。
まああとあれですね
1400年以前とか1300年代とかって
変わっていることが
美味しさの基準だったりする。
刺激的であることが美味しさの基準であるっていう。
それスパイスで言ったぞ。
まさにその時代のお話なんで。
それが1600年くらいになってくると
いやいやおかしいだろって言って
正常化されていく時代に
ここから入ってくる。
胡椒のあたりがそうだったよね。
なんでこれが起こるのかですが
1600年代っていうのは
まさにアントウェルペンの貿易が
もう最盛期に向かっていくところなんですね。
その後のアムステルダムとか
ロンドンにちょうど移行していくこのあたりの話。
つまりこの1600年代っていうのは
ブラジルの砂糖の生産量が
爆上げしている時代。
ヨーロッパ社会に出回っている砂糖のうちの
50%以上はブラジルだぜみたいな。
50%以上?
これ割合がすごいんじゃないんですよ。
今まであったプランテーションの合計値を
わずか数十年でブラジルがキャッチアップしちゃったって話なんですよ。
そういうイメージで
総生産量は250%か350%か300%が上がってる。
これがヨーロッパの砂糖の
ありふれた状態になっていくんですよね。
ここで初めて庶民の日曜日になるんです。
砂糖の普及と社会の変化
すると裕福の人たちは
特権制とか特別化がゼロになりますよね。
まあね。
なのでこの1600年頭を下回りに
別にそんなに砂糖とかはないっていうことになっていくんですね。
ただ、ただこの流れに
ワンテンポ遅れてる地域があるんですよ。
ワンテンポ遅れる?
そう、ワンテンポ遅れて
もう一回そこで裕福な商人たちが
砂糖あった方がいいよね。
お金持ちはやっぱり砂糖でしょ。
っていう社会が
今度は貴族社会からジェントリーとか
お金持ちの人たちに移っていく時代が
砂糖の歴史
やってくるのが次回の話。
ここから移ってくるんだね。
それが今ちょっと言っちゃいましたけど
イギリスですね。
メインステージが。
イギリスなんだ。
そこで先出しちゃうと
コーヒーハウス、紅茶。
奴隷。
これの真ん中にドーンと座って
ぐるぐる巡回するように回してるのが
砂糖貿易。
それが産業革命とつながって
ドドドドドッと
大英帝国に行き
アメリカ独立に行きっていう
だいぶ行くね。そっからね。
次回でイギリスをメインにします。
その次でアメリカをメインにして
終わろうかなと思ったら
しまった日本やってないと思って
追加しますけど。
世界シリーズあるあるだね。
割と日本なんか後付けからのに
思い出したからのに
急に出てくるよね。
日本は後付けします。
ちょっと遠いからね。
メインステージはイギリス行っちゃったからね。
アメリカ行っちゃったからね。
参考文献の砂糖の世界史とかは
メインステージはなくからイギリスだから。
そうなんだ。
あの参考文献だとインドの話とか
ペルシャの話は出てこないからね。
ボリュームが少ない。
次回予告
まずいきなり参考文献スタートなんで。
だいぶ後だね。
前回と次回の話ぐらいになる。
前とか後とか言ってると
感覚がバグってんだよな。
なかなか把握するのが
ヘビーだと思いますし
たぶん第一話で言ってると思うんですよ。
食べ物ラジオ史上過去一で
ヘビーな情報量なんです。
だね。
なんで俺こんな
収録時間はあんまり変わってないはずなのに
編集は一個に一個時短にならないっていう。
1年半もやったのよ。
編集。
早くなるじゃん。
どう考えても。
めっちゃカット早いのよ。
だけど編集時間があまり変わってないって
どういうことなのかと思ったら
たぶん情報がどんどんギューってなってるんだよね。
圧縮されてますね。
東風の時も長かったですけど
1話がそんな長くなかったのと
別にやってもやらなくてもいいけど
面白そうだから突っ込んでいく
っていうスタイルでやってたじゃないですか。
今回は突っ込んでいくと
火傷するレベルなんでカットしまくって
今この状態。
しかも1話1時間超えをやってるので
1話20分とかにしたら
今頃17話とか言ってます。
そうか。
東風のあたりは長い感じがしたけど
日本料理ほどじゃないんだよね。
そうだね。
日本料理のほうが長かったよね。
俺今のほうのアゲームは
日本料理よりさらに。
サトウはそもそもがあれですよ。
サトウ絡みのことで世界史を学んでおくと
大学受験で世界史専攻を取るみたいな
そういう世界観の人たちがやる話をしてる。
なんならアントウエルペンがなぜボッコしたか
アナスイサツとかポルトガルナがなぜボッコしたか
世界史詳細Bとかではあんまり出てこないと思います。
出てこないだろうね。
出てくるレベルだったら多分終わんないよね。
これがもう何話か続きますね。
エンディング
楽しいじゃないですか。
サトウって甘くて楽しいよねっていう。
サトウだけど甘くない。
今日は長くなったね。
今日も1時間越えでお送りしました。
気持ちで編集で2話になるかもしれませんが。
2話にするとそろそろクレームが来そうなんで。
サトウ終わんねえじゃんっていう。
時間数がありますから。
これ終わった後も雑談とか挟まないとね。
こちら側の準備が間に合わない。
単純に僕の勉強量が追いついてないです。
ここまでやらんでも別にいいのよ。
次回はめっちゃライトにいくよ。
次回まだ考えてないけどサトウの次のシリーズ何するか決めてませんけど。
次のシリーズね。
何挟もうかね。
なるべくライトなやつ考えて。
めっちゃライトなやつ。
めっちゃライトなやつですね。
そうやっていってて結局ライトになったことが一とたりともないけどね。
そうね。梅干しですら5はいったからな。
まあテーマに沿って雑談を繰り返すってのもあるよね。
そうだね。
討論じゃないけど。
また農職ラジオあたりにも出ていただかなきゃいけないので。
月1やろうっていうコラボ話し合ったりも。
やってないですけどね。
やってないんでね。そろそろもう2ヶ月経つんで。
1月1日からそろそろ3ヶ月か。
そんなに経つんだ。
経つんだよ。
なるほどね。
なるほどね。その辺もちょっとコラボをしていきましょうか。
ですかね。
どこにコラボしても結局ハードモードであることには変わりないけどね。
喋るほうが楽かも。俺は編集がコストが上がるだけで。
もうちょっと情報量薄めていこうかな。
もうお任せします。そこ。
ちょっと考えます。バグってるんで最近。
そうね。台本がね。もうなんかこれがデフォーになってきてるから。
ねえ。台本の前の勉強ノートの方が怖いわ。
まあその辺はいずれ機会があったら限定の方でお話ししましょうかね。そういうのはね。またね。
そうね。ちょっと限定のネタ溜まりすぎたんでね。そろそろ収録しよう。
ああそうね。
毎回どっかで言ってる。それ多分。はい。ということで。じゃあ今回もこの辺で終わりたいと思います。ありがとうございました。
ありがとうございました。
こんにちは。食べ物ラジオサポーターのハリーです。
食べ物ラジオでは活動を応援してくださるサポーターを募集しています。
もっと食べラジオの話を聞きたいというそこのあなた。僕たちと一緒にサポーターになりませんか?
詳細は概要欄またはホームページをご覧ください。サポーターコミュニティでお待ちしてます。
お疲れ様でした。
早いですかね。早いしね。
倍速癖が。僕が聞いてるスピードはこんなもんかもしれません。
40:21

コメント

スクロール