1. たべものラジオ 〜食を面白く学ぶ〜
  2. #1(s1-1) 地味に凄いやつ!味..
2021-07-16 20:16

#1(s1-1) 地味に凄いやつ!味噌汁!【前編】(たべものラジオ)

味噌汁とお米の組み合わせは最強の栄養食だった!

たべものラジオが送る、食の歴史エンターテイメント。


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00:01
たべものの世界を探求する、たべものラジオ
たべものの世界を探求する、たべものラジオの掛茶料理むとう、
むとう拓郎と、そして、
むとう太郎です。
このラジオは、少し変わった経歴の料理人兄弟が、
食べ物の知られざる世界を、ちょっと変わった視点から学んでいくラジオ番組です。
はい。
ということで始まりました。
始まりました。
この番組の主人なんですけども。
料理を商売にしていて、料理屋さんをやってるわけじゃないですか。
だけど改めて、そもそも料理って何ぞやとか、何のために存在するのとか、
あんまり考えたことがなくてさ。
接客をするとき、お客様と話してるときに、たまにそういう話になるんだよね。
じゃあこれ一回ちゃんと紐解いて、
僕たち人類は、ほら他の動物はそのまま食べるだけじゃない?
なのに人間はなんでこんな料理というめんどくさいことをやってるんだろうっていうのを、
紐解いてみたら面白かろうと。
そうだね。
もうただただそれだけ、好奇心でしかないんだけど。
これがね、紐解いたら結構面白いわけ。
結構話あったよね。
いろんな話出てくるよね。
もともとの元をたどっていくと、そもそも生きるための知恵、
種の保存とかね、人類が生きながられるためにはどう工夫していったらいいんだろうが、
1000年、2000年と3000年くらいの時を経て、
いつの間にかにエンターテイメント化していくというね。
結構ストーリー長いもんね。
やばいよ。
何年遡るのくらい遡ってたでしょ。
一番古いとこね、100万年行った。
猿から行った一回。
それ火とかあれでしょ、そのぐらいの時代でしょ、火を使う。
ゴリラとチンパンジーと人間が別れる前のルイチン園の記述読んじゃった。
よく調べてあんな逆に。
むしろそれを調べた人がいるってことでしょ。
そう。
詳しいね。
書いてあった、ちゃんと。
面白いよ。
ただおいしく食べれる、食べようと思ってこんなに料理が発達したかと思ったら、
そういうわけだけじゃなかったね。
おいしく食べるという行為が動物としてどんな意味があるのかっていうね、
ちょっと哲学的な問いにもなるんだけど、
これ紐解いてみたら面白いと思って。
03:02
これはたくさんの人に分かち合いたいなと思ってた。
分かるかな逆に、ついてこれるかなと思ってる。
本当に深すぎるじゃん結構。
最近あれだよ。
何?
料理本の調理レシピ見てるよりもこっち読んでる方が長いからね時間。
いや料理しろよ。
料理の参考にはなるよね。
そうだね。
背景を知ってるとさ、コンパウンド的にこれこうやって作ってきたんだ、
だからこうなったっていうロジックはね、分かりやすいよね。
だからちゃんと料理に活かせるような知恵知識、
そもそも料理って受け継がれてきてるから、
言ってみれば知の集積、集大成であって、
それはちゃんと伝えていきたいなと思うし、
一つの食材を取り上げたら、
それに伴う栄養素がどうなってるのかとか、
そういった部分も一緒に伝えていけたらなというふうには思ってます。
ぜひ参考になるかな、なってくれれば嬉しいけど。
参考になるように頑張る。
頑張る。
とりあえず第1回ということで、
じゃあ今日のタイトルコールいきます。
地味だけどすげえやつ?
味噌汁!
地味だけどすげえやつ、味噌汁ということで、
味噌汁のそもそも何?
もうまず初回ということで、
どこからいこうかなって悩んだんだけれども、
言ってもうち解析料理の店、つまり和食の店だよね。
だから和食を表現するのに何がいいだろうっていうところからまず考えていって、
いろんな料理を本でザーッと並べてリストアップしてみて、
行き着いた結論が、味噌汁やべえ。
だいぶベーシックなとこ来たね。
ベーシックだけどこんなにね、
こんなに初期から形が変わらないのに、現代でも現役ってすごいことだよ。
大体の料理って100年、200年、1000年とか経ってくると、
どんどんどんどん形が変わっていって進化してくるわけだよ。
それは進化はするよね。
ほぼほぼシーラカンスだからね、味噌汁。
シーラカンス。
実際鎌倉時代くらいから味噌汁の原型が出るんだけど、
もうその時点でほぼ完成してんのよ。
もう完成形でここまで来たんだね。
ほぼ変わらず。
変わらずか。
この懐の深さやべえなと思って。
あとね、日本人の食卓といえば米と味噌汁じゃない?
この組み合わせね、栄養学的に見ても、
尋常じゃないレベルで優れてる。
優れてんの?
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すごい。
米と味噌汁じゃ勝手悪いそうだけど。
もうそもそも米がスーパーフード。
スーパーフード?
今回は味噌汁メインだから米はサラッとしかやらないけど、
いずれね、お米の特集やるつもりではいるんだけど、
もう穀物の世界では米やばい。
じゃあ最近流行りのスーパーフードはもともと食って言っちゃう?
そういうこと。
わざわざ新しいもの食べてるけど。
米食べてればいいんじゃねってぐらいのレベル。
この米がどうしてもカバーできない栄養素があって、
これを全部穴埋めしてくれるのが味噌汁。
味噌汁なんだ。
味噌でもいいんだけど。
これがね、この組み合わせが最強タッグだね。
これが面白かった。
そもそもね、味噌汁って知るものって言うじゃん。
俺面白いなと思うのが、
味噌汁を飲む、最近じゃ飲むって言う人も多いけど、
ばあちゃんとかじいちゃんとかの世代ぐらいだと、
味噌汁を食べるって言うんだよね。
俺のイメージは飲むっていうイメージの方が強いかな。
味噌汁食べなさいとかいう表現をする人も結構いて、
これってなんだろう。
そもそも知るものとそうじゃないものの定義ってどうなってるんだろう。
いうのをちょっと調べてみた。
そしたらね、知るものと吸い物っていうのは別扱いなんだね。
なんかあんまり違いわかんないけどね。
これ養殖に例えて言うとすごくわかりやすいなと思ったのが、
知るものっていうのは支柱みたいな感じ。
吸い物っていうのはスープみたいな感じ。
知るものっていうのは汁のあるおかず、食べ物っていう扱い。
煮物とか。
あれの煮物の汁を飲める状態に持っていったのが知るもの。
肉じゃがにめっちゃ知るみたいな。味噌汁みたいな。
極端な話でそういうことなんだよ。
おかずとして存在するのが知るものなんだよね。
つまり主役が具になるってことだ。
汁じゃねえんだあれ。
汁なんだけど具が主役。
煮物の汁より。
そうそう、そんな感じ。
吸い物って何かっていうと出汁。
出汁がメインで出汁を楽しむのに具が付いてる。
確かに味噌汁って二番出汁だけどさ、基本的に使うのが。
知るものって一番出汁とか香りをすごく吸い物ね。
その辺の主役がどっちにあるかっていう感覚が違ってて。
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面白かったのがお味噌汁のことをおみおつけって言うじゃない。
それ知らない。
字で書くとすごいんだけどさ。
おみおつけ。
おみおつけ。おつけって書くんだよ。
ご食事じゃねえ。
お食事がそうそう。
お食事とかのおの丁寧語の。
丁寧語のごとかおとかいう字が三つついてつけってついてる。
絶対読めないけどね。
初めて読むときなんじゃこりゃと思ったけどね。
文字遊びもいいとこだよ。
これは文字通り本当文字遊びで、もともとはおみっていう言葉があっておつけっていう言葉があったみたい。
おつけ。
おつけっていうのが知るもののおかずのことを表現してるんだって。
全然違うじゃん。
でこのおみってなんだって。
これ小説あって一説にはおみっていうのはお味噌のことを指してるというのと、
おみ、みだよね。
果物のみっていう字を書いて。
じつね。
じつの字でおみの入った知るものおつけでおみおつけ。
おつけが知るだよね。
いや知るの字がない。
知るの字どっかいった。
これ俺もいまいちよくわかんないんだけど江戸時代の女房言葉って言われてて、
女性の使う言葉っていう位置づけだったらしいんだけど。
ここで注目したいのはみの字なんだよね。
みの字。
みっていうのは今で言うと具のことを指す。
で実際のね何かの具って使いだしたのは、
もう幕末終わって明治維新以降で企画的新しい言葉なんだって。
だからもともと具のことはみとか種って表現してた。
だからみをおつけで食べるものおみおつけっていう感覚も当時あったみたいな。
そういうことなんだ。
だから食べ物ってことだよね。
だからおみおつけにくっつけたんだね。
そうそうそう。
今の人に見たら絶対読めないけどね。
これ何これって。
どうするうちのメニュー開いておみおつけって書いてあったら。
何がついてくるんだっけ。
ちょっとびっくりするよね。
あーそれ味噌汁ですって。
いや味噌汁って書きあえんみたいな。
これねこの汁物と水物の概念を理解するのにちょっと横にそれるんだけど、
和食の基本である出汁の概念をちゃんと把握しないと話が進まないと思ってて。
出汁の概念。
そう。
一般的に出汁って言うとほら昆布と鰹節。
まあそうだよねオーソドックスなところでね。
これ以外だとタイで出汁取りましたとか。
あるね。
今日は出汁を出汁のために取るがメインであってこれ以外のものは出汁と呼ばないみたいな風潮が最近あるんだけど。
正確に言うと2種類あって今言った昆布と鰹みたいに出汁のために具材を煮出して別で用意する出汁。
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これを例えばAとしましょう。
じゃあBは何かっていうと煮物とか味噌汁もそうだけど具材から自然に染み出るもの。
もう豚汁みたいな。
そうそう。
豚汁出汁入れないもんね。
入れない。
入れる人もいるみたいなんだけど。
入れるんだ。
あれやるとねかえってまずくなるからね。
なんか喧嘩するよね結構。
せっかく豚汁なのにみたいな。
そういうことそう。
あんなのに出汁入れたらおかしなことになるからさ。
豚汁なのに鰹入れたらもはや何かわからない。
そういうこと。
AのパターンとBのパターン整理するとAは出汁を別でとって用意するもの。
Bは具材から自然に染み出るから水から炊き出すような感じね。
現代はどっちのパターンの味噌汁も存在している。
どっちのパターンもあるのか。
実際Aのパターンの味噌汁ができたのは江戸時代以降の話。
それまではほぼほぼBのパターンしか見当たらない。
じゃあ出汁とることなかった。
ないね。
ないんだ。
っていうのは味噌自体がおいしいからいらないんだよね。
具材を入れる順番はもちろんあるんだけど水に身を入れて加熱していくと徐々に味が染み出してくるんじゃない。
それを味噌で整えるというのが本来古くからある味噌汁の文化。
ただこれを料亭で出そうとすると安定しない。
ずっと煮込んでて5時間とか6時間煮込んどったらもうグズグズになっちゃうから。
あのスープバーとかのスープみたいな。
あれにずっと具入ってると結構具ないからね。
ああなっちゃうとお昼に来たお客様と夕方5時に来たお客様味が違うことになってしまう。
もう早く身がないけどね。
身すらない。
和食の料亭の文化って常に均一の品質のものを提供するみたいなのが古くから考え方としてあって。
料理にはそうだね。一定の味を出すのがある意味プロという。
だから出しは別で取りましょうというのが江戸時代に入った頃から徐々に浸透していく。
結果料亭の味とはこういうものみたいなのが確立されていく。
なんでこんなことするかというと安定とか味が濁るのを避けるとか。
もともと水物の文化自体は古くからあるので水物の文化に味噌汁を寄せていったのが料亭の味噌汁。
今はそれがひっくり返ってしまってCMでもやってるけど料亭の味ってあるじゃない。
料亭の味っていうのはアッシュだから本質の味噌汁から離れていっちゃってるんだよね。
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どこ行ったって。
そうやってみると味噌汁めんどくさいもんなんで。
出しを別で取ろうと思う。Aのパターンでやろうと思うから味噌汁がめんどくさくなる。
これはBのパターンでやったら美味しくて手間のかからない味噌汁ができるし本来の姿はそっちだったってことだね。
そうか確かに水に具材ぶっこんでとりあえず煮立てて味噌入れれば味噌汁だったのが。
そういうこと。
出しは出し。うちらでもめんどくさい。
めんどくさいでしょ。
だって出来立てで出せば長時間保管なんて考えなければ別にそっちの方が味出るわけだから。
この味噌汁をさっきも味噌汁を食べるって表現することがあるよって話しましたよね。
これどこから来てるんだろうっていうのをずっと探していったらそもそも味噌は調味料じゃなかった。
調味料じゃないんだよね。
味噌汁の段階では調味料化していくんだけどむしろこの味噌汁が出現することによって味噌が調味料として扱われ始めた。
逆に味噌汁がなかったら味噌は調味料にならなかったとも言える。
もともとは味噌自体がおかずとして成立してたんだよね。
味噌単体で?
味噌単体で。
味噌単体で食べてめっちゃしょっぱいじゃん。
これがしょっぱいのが良かったのかね。
米があったならば味噌をつけて食べるって聞いたことあるよね。
味噌が食べ物だったっていうのはもともと味噌って粒味噌って言ってもっと粗い粒子だったんだよね。
どの具合の粒度かっていうと引き割り納豆ってあるじゃん。
引き割り納豆。
あのぐらい。
あのぐらい結構だね。だって納豆じゃん。
あと金山寺味噌とかあるでしょ。
あんな感じのがもともとの味噌。
今じゃペーストになってるからあれは違うんだ。
今でも売ってるよその粒味噌って。
売ってんだね。あんま気にしてみたことないね。
今は機械化が進んで明治以降にコシキっていう機械が大手メーカーで導入されたから
売ってるのが全部ペースト状になってるだけで作る段階では全部粗い。
粗いんだね。
確かに混ざんないけど一見ペーストから始まるってことは考えられるよね。
確かに。この粒味噌状態だから食べてたんだよね。
ご飯にのっけて塩からのっけるぐらいの勢いでのっけて食べてたと。
これがね最強コンビだったってことなんだよ。
最強コンビ。
これ鎌倉以前の話なんだけどどうやら一番人気のおかずが味噌。
定義広いな。
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他あんだろ。
焼き魚とかなかったのかね。
あったかもしれないけど上流階級から庶民まで含めて一番人気は味噌。
味噌か。うま味あるしな。
人間がうまいと感じるものが結果として栄養のバランスが取れたものをうまいと感じるようにできてるのかもしれないと思った。
そうか。確かにね。
最近のカップラーメンはちょっといろいろ入ってる。
うま味を感じさせるものが入ってるからね。
本来動物って体に必要なものをうまそうだなと感じて食べてみてそれをおいしいと感じる能力を持っている。
じゃあ季節に夏場だったら酸味がうまいのと一緒か。
そういうことそういうこと。冬場に酸味食ってもそんなに夏場ほどおいしくないもんね。
ちょっと余談だけど人間とゴリラとチンパンジーが別れる前、100万年くらい前、類人猿の時代ね。
いきなり始まったね100万年前は。
一気にいったでしょ。
この時代まで遡ると類人猿だけが赤という色を認識できたらしいんだよ。
赤という色。
他の動物は逆に赤を認識できなかった。
赤って認識できなかったらしい。
じゃあ夕日見えないじゃん。
何のためにこの赤の色素が認識できたかっていうと、類人猿って木の上で暮らしてるから主な食料が木の実なんだよね。
木の実の中で完熟した果物を見分けるために必要だったのが、匂いも必要だけど赤という色だったから。
匂いよりも色で識別?
匂いと色と両方かもしれない。
そういう風に書いてあったけど。
そういう能力がそこから100万年経ってもちゃんとホモサピエンスという人間には残ってない。
結果としてお米と味噌すげー。
そこに結びつくんだね。
多分ね。これどんだけすごいかっていうと、お米自体がまずそもそもスーパーフード。
20:16

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